特定の条件下での自動車の自動運転(レベル3)に関するルールを定めた改正道交法が28日の衆院本会議で可決、成立した。緊急時にすぐに手動運転に切り替えられる状態であれば、スマートフォンを使用できることなどが柱。来年5月までに施行される。

 レベル3は、道路の種類や車の速度などについて設定された条件の範囲内であれば自動運転が可能。高速道路での渋滞時などが想定されている。自動運転中に条件から外れた場合は、手動運転に切り替えなければならない。

 現在の道交法では、携帯電話による通話をはじめ、カーナビ、テレビなどの画面を注視する行為は禁じられているが、改正法では手動運転に直ちに切り替えられる状態にある限り認められる。読書や食事も可能となるが、飲酒は手動運転をする可能性が常にあるため禁止される。

 システムの不具合の早期発見や事故の原因究明などのため、作動状況を記録する装置の搭載と記録の保存を義務付ける。車に不具合が認められる場合、警察官は運転者に対し、情報開示を求めることができる。

 一方、自動車や原動機付き自転車を手動で運転中の携帯電話の使用について、罰則を強化すると共に反則金の限度額を引き上げる改正道交法も同日成立した。今年中に施行される。