クタビレ爺イの山日記

諸先達の記録などを後追いして高崎近辺の低山中心に歩いています。

鎖場満喫の鍬柄山 H-17-2-27

2005-02-27 19:17:51 | 妙義・下仁田・富岡・南牧
鎖場満喫の鍬柄山

富岡と下仁田の境に円錐型の岩峰を天に突き立てている山がある。横広のどっしりした大桁山から関東ふれあいの道を東南に辿った所に位置する。これが鍬柄山である。2/27、好天を確認して出掛けた。
目印は上信電鉄・千平駅となっているが、生憎の事に上信電鉄の路線は南蛇井を過ぎると254線から大きく離れるし、千平駅自体が山間の豆粒のような無人駅のため254線からの入り口としては全く標識は無い。「馬山」の信号から右折しても行かれるが判りにくいので、その先の「下仁田道の駅」を左に見て直進すると西濃運輸との間の右側の細い道に「不通渓谷」の看板が二箇所出ている。どちらの道に入っても道なりに行くと不通渓谷の橋を渡る。やがて線路沿いの細い道を行くが左に小さな千平駅を見る。
駅の直ぐ先を左折して踏み切りを渡り林道並の登りを1.5㌔くらいで登山口の看板があり、その先に駐車場がある。この道は既に関東ふれあいの道で、直進すると大桁山を経て51号線「虻田バス停」に繋がるが普通乗用車では乗り入れる気はしない荒れ道である。
しっかりした道標に従って山に入ると、鬱蒼とした杉林であるが切り落としの小枝が登山道にびっしり堆積している。一つ目の分岐を右に行って直ぐに神楽殿のような質素な神社がある。「鍬柄嶽阿夫利大神」とあるが阿夫利大神と言うのは、以前に鐘撞山頂上でも石碑を見たことがある。「あふり」とはその山頂に雲を呼び、雨を降らすと言う古来からの農民の雨乞い、豊作祈願の神らしい。そう言えば神流には雨降山が、小野上には雨乞山と言うのがある。
この鍬柄山は、地元では石尊山と言ったほうが判りやすく、道標にも鍬柄山と並んで古い標識ではあるが「石尊山」の看板も残っている。この石尊山の名称は古来から大きな自然石を御神体とする山岳信仰から来ているらしく、群馬にも数ヶ所にあるが、明治6年の「神仏分離令」によって石尊大権現自体が改称させらたことにより別称が出て、石尊山は通称になってきたらしい。神社の右脇から奥へ進むと沢山の幟が立っていた。祭礼のためのものらしい。出発から30分程で急登を過ぎると尾根に到着。ここにも丁寧な道標があり右手に上っていくことになるが、樹間からとてつもない岩壁が垣間見え一瞬緊張が走る。道は北東側の断崖を避けるように一旦南に迂回した後、再び東面に近付くと岩壁直下に到着する。余りの急登と標高差を見て年寄りの単独登行は一寸無理かなとも思ったが、今までも無理と思われるところも慎重に行けば何とかなると言う自信もあったので、手持ちのカメラ三脚をリュックに仕舞い、杖も脇に突き立てて置いて行くことにした。
鎖は細身ではあるがピカピカのため、手袋ではかえって滑るので素手で掴む。右下は切り落としなのでどうしても体が左に傾いて一寸不安定となるが、足元の岩場はゴツゴツでホールドが丁度歩幅に合うようにきちんと刻んであるので滑る心配は全く無い。直登したりトラバースしたり、右に左に振られながら早く終わってくれと念じながら登っていく。
鎖は2㍍おき位に岩壁に固定してあるので余り上には上がらない。急登であるので丁度の掴まり処であるが、少し振られると鎖と岩の間で握った手が擦られて擦り傷がいくつも出来て思わず手を離しそうになるが、ぐっと堪えなくては転落である。
最後の登りは幅が広いので鎖も固定ではなくフリーになっていた。漸く両足の間に鎖を入れて登る鎖場の基本形で暫く行くと、頂上の東ピークに着く。ここからは狭い頂上の突起群を錆びついて棘いっぱいの鉄索に掴まりながら西ピークに向かう。鉄索は最後には頼りない針金に変わるが何とか西端の頂上に到着する。スタートから55分が経過していた。
頂上は東西に長く、「上尾山歩きの会」の洒落た頂上標識とか三つの石祠がある。景色は抜群で東北に遠望できる雪を被った赤城山が実に見事である。西北には横幅のある大桁山が間近に迫り西にはやや逆光ながら荒船山がくっきりと望める。南は下仁田南部や南牧の山々が重なって見える。
下りは岩のホールドが完璧なので何の不安箇所も無く、約40分で駐車場に到着する。
未だ、3時半で早いので大桁山の虻田登山口を確認する事にして254線を西進して51号に入る。大きな虻田バス停の先に採石場の入り口大看板があり、直ぐに大桁山登山コースの案内板がある。この図では林道を行けば登山口に出られることになっているので、車を乗り入れたが数百㍍で採石場の門に突き当たり閉められている。少し戻って調べると採石場の手前から左に入る小道がありここが登山道らしい。途中が荒れ果てていてとても普通乗用車が入れる見こみはなさそうである。ここから行くなら日・祭日に採石場付近に車を置いて歩くほかは無く、この下の中島近くの林道から行った方が良さそうである。序のことで県道45号で南牧に行き「四つ又山」の登山口も確認してきた。

下の写真は大桁山電波中継所からの鍬柄山の全景。




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