クタビレ爺イの山日記

諸先達の記録などを後追いして高崎近辺の低山中心に歩いています。

リハビリ 5 石碑の路を歩く(2) H-19-9-28

2007-09-29 10:22:45 | 伝説・史跡探訪
(12)今度は左への登り木段。万葉東歌碑。北村九皐書。逆光で不作。


「利根川の 河瀬もしらず ただ渡り 波にあふのす
  逢える君かも」

(13)再び左への木段を登ると万葉東歌碑。大伴部節麿作・千代倉桜舟書。


 「わがいはろに 行かも人もが 草枕 旅は苦しと 告げやらまくも」

 森林公園への分岐の表示を見ると前方に二叉分岐が見える。


(14)分岐手前の左高台に上るとこのコース最高峰とされる195mの「望鉾山」、
 表示は消えかかっていて微かに読める程度。但し根小屋城址の三角点は
 確か198mの筈なので最高峰とは言えない。


 其の脇に万葉東歌碑。深井雙葉書。


 「伊香保ろの さやかの堰手に 立つぬじの あらはろまでも さ寝をさねてば」

 ここを降りると分岐着で中間点(14.12)。


 右に行くと短歌・俳句の道、左に行けば万葉の道。

(15)先ず右の根小屋城址方面に向うと力強い歌碑に出会う。
 大塚雅休作・書。


「木枯らしの ひた吹く杜の 喬木の 枯梢に鷹が 風に向いおる」

(16)下り加減の道を進み右に曲る角の草叢に一首。
大手祐次作・書の「おもい」。


「なみだおほければ きみもえられず こころすずろに さびゆけり」

(17)少々坂を登った左に新田義貞歌碑。島田芝香書。何故ここに?


「わが袖の 涙にくもる かげをだに 知らで雲井の 月やすむらん」

ここに東屋があるが根小屋城の搦め手の看板。


(18)下りを進んで右折の角の草叢に小さく鬼城句碑。鬼城自筆。


「ゆさゆさと 大枝ゆるる 桜かな」

(19)尚も進むと根小屋城址の説明看板。其の脇に「梅」と題する
山村暮鳥の詩碑。自筆。


「おい そっと そっとしずかに 梅の匂いだ」
老人二人暮しになった爺イは漸くこの情景が理解出きるようになった。

(20)其の先には新島襄の言葉の碑。住谷悦治書。


(21)展望櫓の奥に天皇の御製。手島右郷書。


 「もえいずる 春のわかくさ よろこびの いろをたたえて 子らのつむみゆ」

ここから二又分岐まで引き返す。あとで気付いたが田島武夫句碑を見落として
しまった。

見落とした句は「古の 佐野の船橋 芦枯るる」で万葉東歌の
「上毛野 佐野の舟橋 取り放し 親はさくれど
   吾はさかるがえ」に纏わる伝説「恋の船橋」が思い起こされる。


(22)西に向かって木段を上り詰めた頂点に万葉東歌碑。小坂奇石書。


 「伊香保嶺に 雷な鳴りそね わが上には 故はなけども 児らによりてぞ」

(23)急階段を下って公園への細い分岐を何本が左に見ると万葉東歌碑。
 千代倉桜舟書。


「上毛野 可保夜が沼の 伊波為蔓(イハイズラ) 引かばぬれつつ 吾をな絶えそね」

(24)右の木段を登るとベンチ状の石の裏側に万葉東歌碑。武士桑風書。


 「可美都気野 左野乃九久多知 乎里波夜志 安禮波麻多牟恵 許登之許愛登母
  かみつけの さののくくたち  おりはやし  あれはまたむえ ことしこずとも」

(25)左への大きな分岐の所に万葉相聞歌碑。大沢雅休書。誤字の疑いがある。
  左から縦読み。


「田不闇八  三知田頭田豆四 月待而   以末世吾背子 其間尓毛三武 
ゆふやみは  みちたずたずし つきまちて いませわがせこ そのまにもみむ」

間違いの疑いのあるのは最初の「田」は「由」でなくてはならないという話。
二番目の「ふ」と読ませる漢字が判らない。取敢えず
字形が似ている「不」を仮置き。どなたかご教示願います。


(26)クサリ場への分岐でもありベンチのある場所が最後の石碑。千代倉桜舟書。


 「伊香保風 吹かぬ日ありといえど 吾が恋のみし 時なかりけり」

これで一応は終了。(15.03)
確認をしながらブラブラと駐車場所に引き帰す。この時は一つ見落としに
気づかなかった。山の上碑に帰着して一服の爺イ。


山の上碑の説明看板。


佐野(さぬ)の三家(みやけ)と定め賜える健守命(たけもりのみこと)の孫
黒売刀自(くろめとじ)、此れ新川(にっかわ)の臣(おみ)の児
斯多々弥(したたみ)の足尼(すくね)の孫大児(おおご)の臣に娶(めあ)いて生める児、
長利の僧、母の為に記し定る文也


駐車場は16.00。

序でに寄った金井沢の碑。
 

些か自信はないが凡そのところはこんな読みかな。

「かみつけぬの国、くるまの郡しもさぬの郷高田の里のみやけの子孫
七世の父母、現在の父母の為に、現在はべる家刀自、池田の君めずら刀自
又児かな刀自、孫もののべの君うたまり、次にひづめ刀自、次に
おとひづめ刀自、合せてむたり、又ほとけに結べる人みやけのえみし
次にちまろ、かねちいそべの君みまろを合わせてみたり、かくほとけを
結びて天地にのみこい仕えまつる石文」

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