クタビレ爺イの山日記

諸先達の記録などを後追いして高崎近辺の低山中心に歩いています。

群馬県太田七福神訪問 H-28-12-19

2016-12-21 09:03:52 | 伝説・史跡探訪
冬篭りの暇つぶしに始めた七福神巡りの第三弾は「太田七福神」。
桐生と同じく爺イにとっては極めて不案内の太田地区のため、市街地図を
眺めながらのルート調べも時間がかかった。幸いにしてこの太田七福神は
北関東高速の「太田桐生IC」近くに並んでいるのが判り太田市街地を
四方八方に走る回る訳でもなさそうな事が判ってやや安堵。
但し、市内には次の予定の「上州七福神」に属する寺が一つあるので
回るのは八寺。

七福神の信仰は古来より日本各地で庶民の間に浸透してきたが、
現在の七福神(弁財天、福禄寿、毘沙門天、布袋尊、寿老人、恵比寿
大黒天)が固定したのは江戸時代後期であるそうだ。
徳川の天下統一は神仏の加護によるとし、その神仏とは長寿=寿老人
、富財=大黒天、人望=福禄寿、正直=恵比寿、愛敬=弁財天、
威光=毘沙門天、大量=布袋、を指しているとされるとか。


(1) 善宗寺(上州七福神の一つで本題の太田七福神ではない) 大黒天



高崎ICから関越に入り高崎JCTで北関東高速に乗り換え、前橋南・駒形・伊勢崎・
太田薮塚を経て「太田桐生」で高速を降りR-122(日光ー東京豊島)に乗って北上。
僅かの距離の「只上」でR-50に左折乗り換え「原宿南」を右折、「原宿」で左折すると
左手に雷電神社の鳥居が目立つ。その反対側に地味な「善宗寺」、もう少し先の
葉鹿橋を渡ればそこは「足利市」という位置。



善宗寺前に来る。山門は無くて門柱だけ。この寺は1699年に次に訪れる「祥寿山 曹源寺」
の住職の隠居寺として創建されたされるが詳細は不明との事だが「原宿の寺」と
通称されて地元民に親しまれているそうだ。



参道の左に江戸時代造立と云われる庚申塔、観世音菩薩、二十二夜塔、地蔵菩薩等を
るが右には定番の六地蔵。



本堂左には大黒天。



本堂前。本尊である「阿弥陀如来」、「大黒天」が祀られている。



本堂左には弁天堂があり中には弁財天像がある。



弁天堂の右には薬師如来。



(2) 祥壽院曹源寺(さざえ堂)



一旦、R-50に戻り南下して「只上信号」を右折して再びR-122に乗る。東今泉町南端で
右折してr-316(太田桐生線)に向かう。r-316との交点を右折して僅かな距離で
小さな四つ角。右に行けば「さざえ堂」、左に行けば「永福寺」。
先ず細道を辿って「さざえ堂」へ向かうと入り口、だが何となく様子がおかしい。



駐車場について漸く大工事中だと気付かされた。正面入り口は閉鎖されていて
工事は昨年の8月から、来年(2017)の7月までの二年間。その間、観光客は
寺内には入れないとの事。ネットで簡単に判る事だったのに誠に迂闊で
これもボケの兆候かな?



ここの寺内の見学が今日のメインの一つだったのでガックリ。
この寺は爺イご贔屓の新田氏の祖義重が1187に開基。観たかったのは
「外観は重層の二階建に見えるが、内部は三層という構造や名前の由来になっている
回廊式に回って歩くところだった。まして曹源寺のさざえ堂が本庄市の成身院と
会津若松市の旧正宗寺と合わせて、日本三さざえ堂の中で最大と聞いていたから
なお更。
工事中の様子。



これを観ながら未練タラタラで次の永福寺に向かう。



(3) 金井山護城院永福寺 寿老人



判りにくい細道を辿って漸く地味な寺院前。



この寺の売りは何と云っても山門を入って右側にあるこの名号角塔婆らしい。
解説に拠ると高さ99㎝、幅26㎝で、台石・反花座上にある。2面には
「南無阿弥陀佛」の六字名号が刻まれ、他の2面には追刻があるとの事だが
見た目は全く判読不能。
この名号角塔婆は浄土信仰者によって造られた角柱形の供養塔で群馬県太田市北東部から
桐生市南部・大間々町東部にかけて35基確認されているのみ。
造立年代は、鎌倉時代後期から室町時代初期で、造立者は、当時にこの地域を支配
していた薗田(園田)氏一門。



寺内に「寿老人祀堂」があり本日唯一直接拝観が出来た。



お堂の中の寿老人像。



(4)宗光院玉厳寺 福禄壽



r-316を南下して途中からr-321に繋がる道に右折、やや山手へ登るとこの道標。



右折して暫くで参道に着く。表示には玉龍禅寺。
今から680年前に世良田長楽寺の名僧栄朝禅師の法弟が、太田の金山の東麓の
景勝の地を選んで仏寺を建立。この辺りは鎌倉建長寺の玉巌窟に似ていることから
玉巌寺と称したが、その後に堂塔も破壊されたのを見て、天意長朔禅師は
伽藍の再興を思い立って、金山城主、横瀬信濃守貞国の助力を仰ぎ、
これを再建、新田義貞義宗公の菩提を弔ったとの解説。



こんな石像物を見ながら進むと



石段の上に金城窟なる扁額の山門
新田大炊介義重公二十三世になる源徳純の書.



福禄寿の石像は直ぐに見つかったが本尊は本堂の中。



虚空像堂。



その内部。



(5) 太田山義貞院金龍寺 毘沙門天



元の車道に戻って更に南下。金山城址から発するr-321の道を合わせると
金山町で大きな金龍寺。駐車場脇から長い石段。
表示には義貞院金龍寺、新田義貞公菩提所。寺名は新田義貞の法名
「金龍寺殿眞山良悟大禅定門」にちなんだもの。



駐車場の脇には、「豊川稲荷」。



六地蔵前を過ぎると



七福神が勢ぞろい。



義貞院の院号の扁額のある本堂



その内部
釈迦如来。毘沙門天も祀られている筈だが見分けは付かない。



本堂前に新田の家紋「大中黒・新田一つ引」の幟



左手の奥に進むと墓所の道標



多くの五輪塔に囲まれて



墓所
1637年に新田義貞300回忌法要を行った時に建立されたもの。
新田義貞供養塔(石英班岩の台に、安山岩の五重塔。高さ246cm)。



標柱



(6) 義重山大光院新田寺 弁財天



金龍寺から1k位で巨大な大光院に着く。通称「子育て呑龍」「呑龍様」
戦中派の爺イの年代では中島飛行機で開発された百式重爆撃機という航空機の
愛称「呑龍」がこの寺院の通称から名づけられたものと聞くと感慨深い。
新田義重は1195年に現在の高崎寺尾城内に大光院を建立したが時を経て、家康は
1613年に先祖とする新田義重を祀るために呑龍を招聘して創建。
呑龍は当時、多くの子どもが間引かれて殺されていたことを悲しみ、
これらの子どもを弟子として引き取って育てたため、後世の人々から
子育て呑龍と慕われたのである。

手前味噌で恐縮ながら爺イは「元祖・へそ曲がり爺イ」がご贔屓。その寺尾の主たる義重の事。
http://blog.goo.ne.jp/gooyamachuu/e/f2c43b0513c48f87cfe8852c95d6f096

吉祥門と云われる山門を潜る。
徳川家康の大坂城落城の日当日に落成したため、吉祥門と名づけられたと伝わる。



境内は実に広大。



右に鐘楼



左の手水舎も豪華版。 



ずっと左を見渡すと華麗な開山堂。



こんな彫刻を見ながら右手の本堂方面へ。



本堂と開山堂を繋ぐ回廊の下を潜って奥に進むと



小さな弁天堂



弁財天がある筈の厨子は扉が閉められていて駄目。



その奥には池が



漸く本堂前。



本堂扁額



境内に臥龍松 開山・呑龍上人お手植えと伝わる樹齢推定700年。



(7)離脳山悉除院受楽寺 大黒天



大光院から僅かに南の「金山町」で左折して受楽院の山門前。



山門にある離脳山の扁額。



左手前にこの表示。



本堂 



本堂の扁額



その内部 



境内に大黒天石像 



(8)三宝山浄土院長念寺 恵比寿尊



一旦、金山町信号に戻ってから太田駅に向かって南下し本町信号から時計回りに
細道に入って長念寺。この辺は一方交通路が多いので無難に回り道。
1394年に日蓮社岌ぼん上人が、この地にあった朽ち果てた地蔵堂を修繕し、
脇に草庵をかまえ、浄土宗の念仏の教えを広めていったと伝わる。
寺には、幼稚園が併設されていることから、残念ながら表門には鍵がかかり入れないので
回り道が正解だった。

山門前に「念仏六地蔵」



その説明版



山門の扁額
1821年の建立で、総けやき造り



ここでも七福神の揃い踏み



長念寺の扁額



本堂の縁に置いてある釣鐘、鐘楼待ちとのこと。



本堂内部
この本堂で1897年に『群馬県尋常中学校新田分校』が開校され
翌年『群馬県立太田中学校』となり、現在の『群馬県立太田高等学校』に至っている。
同じ時期に爺イの母校も高崎町大字赤坂町長松寺を仮校舎として
群馬県尋常中学校群馬分校と称し、現在の高崎高校が誕生している。
毎年1月のみ本堂に入れるようで、恵比寿神の彫刻などを見ることは
突然行っても不可能。



本堂前の延命地蔵



以上で本日終了、帰路に一寸だけ金山城址を覗いてから高速使ってあっという間に
帰宅。次の機会には「上州七福神」だが年末でもあるしどうなるかは不確定。

ご来訪の序に下のバナーをポチッと。



























コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 群馬県「榛名神社七福神」探... | トップ | 上州七福神訪問 H-28-12-25 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

伝説・史跡探訪」カテゴリの最新記事