教育落書き帳

教育とは何か…子どもの視点を尊重し、親、伴走者、市民の立場から語ります。子どもを語ることは未来への信頼と希望を語ること。

頑張れ! 貴乃花!

2010年01月29日 | 社会

“貴乃花つぶし”に文科省が待った!理事選に異例の介入(夕刊フジ) - goo ニュース

貴乃花、頑張れ!

▼日本相撲協会のおかしな体質
 このブログでも何回か、「朝青龍のどこが悪い?」というような内容で、日本相撲協会のおかしさ、その古い体質の改善を訴えてきた。それが今回は理事戦の話題である。
 その前に、横綱審議会委員として大いに発言し話題を集めた内館牧子さんの退任に心からお疲れ様と言いたい。やくみつる氏と同じく横綱に対して辛口の批評・批判する姿勢が印象的であった。その辺のことは、朝青龍に対して「アスリートとしては150%好きだが、横綱としては…」という感想が全てを物語っているかもしれない。ただその姿勢は日本相撲協会が今の時代の人々に親しまれ愛されるのに相応しいものであったかというと首を傾げるような発言もあったと私は感じている。

▼内館牧子さんのやり残したもの
 大相撲がこのままでは行き詰まりを見せていること、日本伝統とも言える相撲(国技と言っていいのだろうか?)が国際化しトップ陣は全て外国人が占めるようになった現実があるということ、伝統を受け継ぐこととはどういう事なのか、そもそも旧来のものをそのまま墨守することが伝統を受け継ぐことなのか、それを伝統も文化も違う外国出身の力士に理解させ体現させることが可能なのだろうかということ、それとも中身はともかくそういうポーズだけでもとらせればそれでOKだということなのか、というような問題にどれだけ切り込めたのかという思いがしている。

▼貴乃花親方の理事選出馬の波紋
 そこに貴乃花親方が自己の信念を貫くために「慣例」を無視して財団法人相撲協会の理事戦に出馬すること、しかし一門の反対にあって二所ノ関部屋を飛び出し6人の親方がそれに追随し破門になったこと、ところが貴乃花親方が理事選に当選するには3票足りないこと、しかし二所ノ関部屋だけでなく時津風部屋をはじめどの部屋も貴乃花親方に投票するシンパを出さないために暴力団の親分選びまがいの規制をかけていることなどが、次々と明らかになってきた。どうもこれが伝統を重んじるという日本相撲協会のやり方らしい。しかし、これでは大相撲に八百長の疑惑が生まれたり、若者に愛想を尽かされたりするのもむべなるかなという感じがしないでもなかった。

▼大相撲の将来を憂い改革を唱えること
 相撲協会の武蔵川理事長は、相撲協会の改革を唱える貴乃花に、「改革、改革って、何を改革するというんだ」というようなことを言っていたようだが、現状を良しとし、問題意識を持たない人間にとっては改革を唱える人間の言は難癖を付けているようにしか見えないのかもしれない。しかし、貴乃花親方の大相撲を思う気持ちはとても真摯なものに思える。一本気で融通が利かない面もあるようだが、彼は真剣そのものだ。体面ではなく、日本の大相撲の行く末を本気で憂えている。

▼文科省の監視の下での選挙に賛成
 そこに今回、初めてのことだろうけれども、監督権限を持つ文科省の監視が入るとのこと。厳正な選挙を実施するためである。日本相撲協会の健全な発展を願うためである。逆に言えば、今までの相撲協会のあり方がボス同士の手打ち式で決まるように、余りにも非民主的であり過ぎたのだ。それに、いじめ・リンチの結果、死者まで出すに至ったのに、自力ではなかなか変われない体質を持っている。
 現在の理事の面々を見ても、横綱・大関等の経歴者が必ずしも主要メンバーとなっているわけでもない。どういう経緯でこういうメンバーが協会を運営するに至ったのか外部からは皆目見当がつかない。
 貴乃花親方が理事選に出馬することについては賛否様々な声があるようだ。だが、協会のボスたちの声に従っていたならば、おそらく改革は無理であろうし、貴乃花のような若手は今後長らく出番が回って来ないだろう。つまりは相撲協会は何ら世間の批判に応えることなく旧態依然のままであり、その結果衰退の一途を辿ることになるだけだろう。

▼貴乃花親方の真摯な思いを支持する
 では、貴乃花にそれだけの才覚があるのか?そう問われれば疑問な点が少なくない。学歴を積まずに中卒後相撲の道に入ってしまった結果、その言動がエキセントリックでに偏りがあったり、相撲場経営がうまく行かなかったり、人間関係のまずさもいろいろ指摘されている。実際、彼は優れた強い横綱ではあったが、ただそれだけのことで個人的には好きにはなれない相撲取りであった。しかしそれしかない相撲バカであったからこそ、相撲に対する思いは誰にも劣らない強さを持っていることも同時に感じられた。
 今、相撲協会に求められているのはそういう若い改革者の熱い溢れ出るエネルギーなのではないかと思われる。公正な選挙の結果敗れるのであればそれは致し方ないが、それ以前の工作によってひねり潰そうという発想や行動(投票の小細工や締め付けによって貴乃花潰しを画策していたようだ)はいただけない。それではいくら熱心な相撲ファンでも愛想を尽かすというものだ。

▼人は挑戦を通して成長する動物
 現段階では貴乃花を理事に推すメンバーが不足である。彼が当選するには更に数名の賛同者・支持者が必要である。投票日までにその人数が確保出来るかどうか。もしかして、彼は理事としての資質に欠けていると考えている人がいるかも知れない。それも一理ある。しかし、「あいつはダメだから…」とその人間に挑戦させる機会を与えないでいれば、その人はずっと批判されるレベルの人間に留まることであろう。はじめから出来る人はいないのだ。それに人は挑戦することで成長する動物である。だから、彼を成長させるためには彼に挑戦させることが必要なのだ。もしかして、失敗ということもあるかも知れない。ならば、次はそこから出発すればいいのである。失敗を通して人は成長するのだ。貴乃花、頑張れ!

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