論理とは、すじが通るという比喩で言うと、論証のすじみちであり、筋が通っているということである。
考えや議論などを進めていく筋道となるが、果たしてどういうことだろうか。
漢語を見て、条理のある論という説明に、史記、李斯伝の例を引用する。諫說論理之臣 戒めと推理の大臣。
ロジックまたロゴス、論理としての用法が近代以降取り入れられた。考えること(logos)に関する(-ikos)こと。
論理学、論理実証主義、論理的などの項目を見て、思考の形式や法則、科学の言語の論理的分析、論理の法則などの説明に筋道があるようである。
字通より
論理
> 条理のある論。〔史記、李斯伝〕諫説論理の臣、側(かたはら)に(まじ)れば、則ち漫の志(しりぞ)けらる。烈士死の行、世に顯はるれば、則ち康の(おそ)れ廢す。
「且夫儉節仁義之人立於朝,則荒肆之樂輟矣;諫說論理之臣開於側,則流漫之志詘矣;烈士死節之行顯於世,則淫康之虞廢矣。(史記/卷087 - Wikisource より)」
論
>
形声
声符は侖(りん)。侖に次序を以て全体をまとめる意がある。〔説文〕三上に「議(はか)るなり」、また言字条に「論するを語と曰ふ」とあって、討論することをいう。討は検討。是非を定め、適否を決することをいう。
訓義
[1] はかる、おもう、おもんぱかる、おしはかる、たずねる。
[2] あげつらう、いいあらそう、よしあしをさだめる。
[3] とく、いう、つげる、ときあかす、わきまえる。
[4] 議論、見解、所見。
古辞書の訓
〔名義抄〕論 アラソフ・イフ・ヨム・エラブ・オモフ・アゲツラフ・コシラフ・ススム・トク・ハカリゴト・コトワル・トモ
理
>
形声
声符は里(り)。〔説文〕一上に「玉を治むるなり」とあり、〔韓非子、和氏(くわし)〕に「王乃ち玉人をして玉を理(をさ)めしむ」とみえる。玉に文理があり、磨いてそれをあらわすことをいう。人の皮膚にも肌理があり、地にも山川の文があるので、天文に対して地理という。人情を情理といい、道理の存するところを天理という。理気二元が天地の道とされた。
訓義
[1] おさめる、みがく、ただす、ととのえる。
[2] 玉のあや、すじ、きめ。
[3] みち、ことわり、わかつ、是非、さが。
[4] 獄官。
古辞書の訓
〔名義抄〕理 タダス・タダシ・ミチ・ノリ・トトノフ・ヲサム・マツリゴト・ヤム・ツクロフ・マサ・スヂ・ヨシ・ワカル・シワ・コトワル・コトハリ・アヤ・メノママヨシ/料理 シツラフ
語源英和辞典 英単語のコアの語源が理解できる
>logic 意味と語源
【英語】[名] 論理、推論の方法、論理学
語源解説
古期フランス語 logike(論理)⇒ ラテン語 logica(論理)⇒ 古代ギリシャ語 logike(論理)⇒ 古代ギリシャ語 logikos(考えることの)⇒ 古代ギリシャ語 logos(考えること)+-ikos(~の)⇒ 古代ギリシャ語 lego(言う)⇒ 印欧語根 leg-(寄せ集める)が語源。「考えること(logos)に関する(-ikos)こと」がこの単語のコアの語源。英語 analogy(類似性)と同じ語源をもつ。
関連語
analog(アナログ式の)
analogous(類似して)
analogy(類推)
apologize(謝罪する)
apologue(教訓話)
apology(言い訳)
catalog(カタログ)
Decalogue(十戒)
dialogue(対話)
ideology(イデオロギー)
logarithm(対数)
logical(論理的な)
logo(商標)
monologue(独白)
日本国語大辞典より
ろんり‐がく【論理学】
正しい認識を得るために、思考の形式や法則を研究する学問。特に、記号論理学で、日常言語のあいまいさを避けるために、形式化された言語や計算によって、形式的論理を取り扱う学問。
ろんり‐じっしょうしゅぎ【論理実証主義】
シュリックを中心として一九二四年頃結成されたウィーン学団およびその同調者たちの哲学。哲学は知的活動であり、哲学の仕事は本質的には明晰化であり、特に科学の言語の論理的分析にあるとする立場。記号論理学の研究を発展させた。
ろんり‐てき【論理的】
〔形動〕
1 論理の法則にかなっているさま。理屈に合っているさま。思考、推理のわざに巧みなさま。「物事を論理的に考える」
2 論理学に属するさま。また、前提された事件や事情から正しく推論するさま。
ろんりてき‐こうぶんろん【論理的構文論】
(英logical syntaxの訳語)言語のもつ言語学的形式についての形式理論。言語を支配する形式的規則を体系的に述べ、その規則から演繹(えんえき)される諸結果を展開する理論。特定の言語だけでなく、すべての言語に通用する理論をめざす。