リマインダー送信で、1年前の記事を見て、といっても、それは11月2日のこと、同じことを考えている、驚くこと、そのブログの再録である。英字、ローマ字、ラテン文字とその呼称にいくつかを認めると、漢字語に対する英字語がある。漢語と英語とを日本語語彙に交える時代が到来している。ローマ字による名づけがある。その表記には英字綴りを意識する。漢字をカタカナで書くのと同様に、外国語を英字で書くという作業である。ローマ字は日本語表記をローマ字に変えようとその運動があったので、日本語発音をローマ字化したものとしてとらえることができるが、英字はスペルのままであるから、見かけでは違いはないかもしれないが、その発音においてはあきらかな相違が出てくる。漢字を漢語のままに発音することはほとんどないので、英字をスペリングのままに、外国の言語として発音するかどうか、カタカナ英語との差別化をするかどうかである。日本語発音の可能性からすれば、カタカナ語の場合と異なって英語発音を残すことになるかどうか、これは問題である。語彙論では、それこそ、形態のこととなるので、扱いが難しい。
20151102
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漢字を用いた語、英字を用いた語、それぞれの表記は日本語に概念の変容を示す。
漢字語は漢語であった。
漢語は字音語として日本語発音で漢字文字を組み合わせたり、新造語としたりしている。
漢字の字音から構成される語彙として、漢字の音読みと対応する字音語と称することがあるという。
借用語の日本語発音による語種となる。
英字語は、ローマ字表記であることから、ローマ字語という名称もありうるが、アルファベットの略号、ローマ字略語を用いるときの、ローマ字語をはじめ、仮名書きをそのままにローマ字変換するローマ字表記があることから、ローマ字語のさすことがらはすでに示されてきている。
したがって、英字語は原綴りをもちいた語の種となる。
漢語のもと、漢字かな交じりを実現してきた日本語に、英語のもと、英語カナ交じり文があるか、というようなことである。
漢字に仮名書き、そこに英数字を交えることはすでに行われている。日本語表記の特徴であるが、そこに英文字が語としてまじりあうことは、まず、ない。
しかし、よく見まわすと、デザインのこともあり、機能のこともありで、英字が語として用いられている。
カレンダー然り、メニュー然り、レシート然り、街頭のいたるところに、英字語の表記は漢字語の中に表れてきている。
>漢字の読み方の一。日本に伝来して国語化した漢字の発音。その音の伝来した時代の新古により、また、その音のもとになる中国語の方言の違いなどにより、同一漢字にも各種の音のあるものがある。呉音・漢音・唐音などが主なもの。漢字音。⇔字訓。
>漢字の日本語としての読み。その字の意味にあたる日本語が読み方として固定したもの。
漢字をカタカナ表記する、どういうことか。
外来語を日本語発音のままに書く、振り仮名にあったように人名を発音で書く、動植物の学名を書く、擬声語を書く、主に発音を示す表記として、カタカナがこの半世紀に定着した。
カタカナが発音をもっぱらにしたわけではないが、それをさかのぼれば、カタカナは文字遣いの補助として漢字に添えた、記号のようにとらえられた。
漢字で書くことが正式文書であれば、そこにカナ文字であるカタカナにもその位置づけがある。
文書に表れる。
そうみれば歴史資料の仮名書きの表記はどのようになるか。
手習いとして、落書きとして、また端書などにあるのはカタカナであったろうか。
この経緯の前に日本語を表記するための万葉仮名が、広くは上代仮名として工夫されていた。
歌謡の表記は漢字を草にしたカナとしての崩し字にが用いられ、経文には仮名書き法華経が著わされる。
草の連綿に対して、カタカナは発音のままに、訓読文体である説話集などにみられるようになる。
その文献は漢字交じり文としての特徴がある。
今昔物語集に顕著なのは、その伝本、写本にはさまざまな形態があるが、そのうちに、変体漢文から派生した和漢混交文体が用いられて、漢字のあとに送り仮名を、小字のカタカナ二行で書いてあるものがあることである。
このような資料は通行自体や活字本になることで、それを具体にみることは難しい。
今昔物語に語られる説話がほかの説話集との出入りもあり、その表記の様子が一概にならない面もある。
そこで、資料に説話集からカタカナ表記の由来を探ることにする。
しばし、古典文学である。
世界大百科事典内の仮名書きの言及
【読み書きそろばん(読み書き算盤)】より
>
… 漢字を使う層が拡大すると,文字の画数は少ないほうが好まれ,書体も簡略化する。これが片仮名・平仮名の発生と普及の原因であり,仮名書きによって日本語は初めて微妙な表現まで表記できるようになり,10~11世紀には《源氏物語》を頂点とする物語群が展開する。貴族の子弟のためにではあるが,《三宝絵詞(さんぼうえことば)》や《口遊(くちずさみ)》のような幼学書,《和名類聚抄(わみようるいじゆうしよう)》のような一種の百科辞書が登場するのもこのころである。…
http://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&products_id=100461
セイライジゾウカナガキホケキョウタイシャクサクインナラビニケンキュウ
西來寺蔵仮名書き法華経対照索引並びに研究
萩原義雄 編
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西來寺本『仮名書き法華経』は、現存する『仮名書き法華経』のなかで最も古い鎌倉時代の写本として知られる妙一記念館本『仮名書き法華経』全八巻と類系の本文系統にあり、仏教語をはじめとする重要な語を数多く有することから国語研究において欠かせない資料である。漢字ひらがな交じり文で漢字表記後の右傍には字音ふりがな、左傍には語釈という文章形式をもち漢訳原文の音読・訓読の状況をつぶさに観察することができる。また、左訓に独自の注解、さらに異本校合による真阿宗淵上人自筆の書込みが多くみられることも特徴である。
http://hyszem.exblog.jp/tags/妙一本仮名書き法華経/
>ブドウは古く「エビ」あるいは「エビカヅラ」と呼ばれました。左の画像は、鎌倉中期ごろの書写と見られる『妙一本仮名書き法華経』のコピーです。この1行目に見える、「葡萄」に相当する「【艸冠+補】萄」の漢字で書かれた熟語には、右側に字音読みの「ふたう(=ブダウ)」とともに、左側にはその和訓にあたる「ゑひ(=ヱビ)*」の振り仮名が施されています。当時はブドウを指すのにこの和語が用いられていたことを示すものです。
『今昔物語集』のテキスト整形 - 国立国語研究所
https://www.ninjal.ac.jp/event/.../project.../JCLWorkshop_No4_16.pdf
討を行った。その結果、テキスト整形が必要な主な要素として、①返読文字、②助詞・助. 動詞等の省略表記、③捨て仮名、④欠字欠文・破損、⑤字種(片仮名・万葉仮名)、⑥踊り. 字・くの字点・同の字点があった。本発表では、新編全集『今昔物語集』を例に、各 ...
>これまでは平安時代を中心とする和文についてそ
の成果を発表してきたが(小木曽ほか 2010 など)、漢文の要素が交じる和漢混淆文の古典テキストに対して形態素解析を施すためには、和文の場合とは異なる研究が必要になる。発表者らは、新編日本古典文学全集『今昔物語集』一~四1(小学館、以下新編全集『今昔物語集』とする)に基づくコーパス化を行っている。新編全集『今昔物語集』には読解の便宜のために様々な校訂がなされているが、漢文の要素が交じっているため、そのまま形態素解析をすると様々な問題が生じる。この問題をテキスト整形によって解消すべく検討を行った。その結果、テキスト整形が必要な主な要素として、①返読文字、②助詞・助動詞等の省略表記、③捨て仮名、④欠字欠文・破損、⑤字種(片仮名・万葉仮名)、⑥踊り字・くの字点・同の字点があった。
文字さんぽ | 国立国語研究所
www.ninjal.ac.jp › ... › 第38号(2009年1月1日発行)
2009/01/01 - 小書きの仮名. 「ケンキュウ(研究)」「チョウサ(調査)」などの拗音,「はっきり」のような促音,「ファイル」「インフォーマント」などの外来語音を書き表すために,小書きの平仮名・片仮名が使われます。このように,日本語表記では,大きさの違う文字 ...
>韓国釜山市内の商店の表示です。日本からの観光客向けに書かれた日本語です。ここでは,「システム」と,小書き片仮名「ム」が使われています。英語のsystemは子音/m/で終わる単語です。外来語として日本語になると,子音/m/の後ろに母音/u/を付けて,全体で「システム」と書かれます。これは,日本語が撥音「ん」と促音のほかに閉音節を持っていないためです。韓国語は,英語やアイヌ語と同じように,閉音節を持っている言語なので,日本語とは違い母音/u/を付けずに発音することができます。「システム」は,小書き片仮名「ム」を使って閉音節を書き表した,韓国の人による片仮名表記だと考えられます。誤用と片付けてしまうのは簡単ですが,背景には,日本語と他言語との違いがあります。
20151102
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漢字を用いた語、英字を用いた語、それぞれの表記は日本語に概念の変容を示す。
漢字語は漢語であった。
漢語は字音語として日本語発音で漢字文字を組み合わせたり、新造語としたりしている。
漢字の字音から構成される語彙として、漢字の音読みと対応する字音語と称することがあるという。
借用語の日本語発音による語種となる。
英字語は、ローマ字表記であることから、ローマ字語という名称もありうるが、アルファベットの略号、ローマ字略語を用いるときの、ローマ字語をはじめ、仮名書きをそのままにローマ字変換するローマ字表記があることから、ローマ字語のさすことがらはすでに示されてきている。
したがって、英字語は原綴りをもちいた語の種となる。
漢語のもと、漢字かな交じりを実現してきた日本語に、英語のもと、英語カナ交じり文があるか、というようなことである。
漢字に仮名書き、そこに英数字を交えることはすでに行われている。日本語表記の特徴であるが、そこに英文字が語としてまじりあうことは、まず、ない。
しかし、よく見まわすと、デザインのこともあり、機能のこともありで、英字が語として用いられている。
カレンダー然り、メニュー然り、レシート然り、街頭のいたるところに、英字語の表記は漢字語の中に表れてきている。
>漢字の読み方の一。日本に伝来して国語化した漢字の発音。その音の伝来した時代の新古により、また、その音のもとになる中国語の方言の違いなどにより、同一漢字にも各種の音のあるものがある。呉音・漢音・唐音などが主なもの。漢字音。⇔字訓。
>漢字の日本語としての読み。その字の意味にあたる日本語が読み方として固定したもの。
漢字をカタカナ表記する、どういうことか。
外来語を日本語発音のままに書く、振り仮名にあったように人名を発音で書く、動植物の学名を書く、擬声語を書く、主に発音を示す表記として、カタカナがこの半世紀に定着した。
カタカナが発音をもっぱらにしたわけではないが、それをさかのぼれば、カタカナは文字遣いの補助として漢字に添えた、記号のようにとらえられた。
漢字で書くことが正式文書であれば、そこにカナ文字であるカタカナにもその位置づけがある。
文書に表れる。
そうみれば歴史資料の仮名書きの表記はどのようになるか。
手習いとして、落書きとして、また端書などにあるのはカタカナであったろうか。
この経緯の前に日本語を表記するための万葉仮名が、広くは上代仮名として工夫されていた。
歌謡の表記は漢字を草にしたカナとしての崩し字にが用いられ、経文には仮名書き法華経が著わされる。
草の連綿に対して、カタカナは発音のままに、訓読文体である説話集などにみられるようになる。
その文献は漢字交じり文としての特徴がある。
今昔物語集に顕著なのは、その伝本、写本にはさまざまな形態があるが、そのうちに、変体漢文から派生した和漢混交文体が用いられて、漢字のあとに送り仮名を、小字のカタカナ二行で書いてあるものがあることである。
このような資料は通行自体や活字本になることで、それを具体にみることは難しい。
今昔物語に語られる説話がほかの説話集との出入りもあり、その表記の様子が一概にならない面もある。
そこで、資料に説話集からカタカナ表記の由来を探ることにする。
しばし、古典文学である。
世界大百科事典内の仮名書きの言及
【読み書きそろばん(読み書き算盤)】より
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… 漢字を使う層が拡大すると,文字の画数は少ないほうが好まれ,書体も簡略化する。これが片仮名・平仮名の発生と普及の原因であり,仮名書きによって日本語は初めて微妙な表現まで表記できるようになり,10~11世紀には《源氏物語》を頂点とする物語群が展開する。貴族の子弟のためにではあるが,《三宝絵詞(さんぼうえことば)》や《口遊(くちずさみ)》のような幼学書,《和名類聚抄(わみようるいじゆうしよう)》のような一種の百科辞書が登場するのもこのころである。…
http://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&products_id=100461
セイライジゾウカナガキホケキョウタイシャクサクインナラビニケンキュウ
西來寺蔵仮名書き法華経対照索引並びに研究
萩原義雄 編
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西來寺本『仮名書き法華経』は、現存する『仮名書き法華経』のなかで最も古い鎌倉時代の写本として知られる妙一記念館本『仮名書き法華経』全八巻と類系の本文系統にあり、仏教語をはじめとする重要な語を数多く有することから国語研究において欠かせない資料である。漢字ひらがな交じり文で漢字表記後の右傍には字音ふりがな、左傍には語釈という文章形式をもち漢訳原文の音読・訓読の状況をつぶさに観察することができる。また、左訓に独自の注解、さらに異本校合による真阿宗淵上人自筆の書込みが多くみられることも特徴である。
http://hyszem.exblog.jp/tags/妙一本仮名書き法華経/
>ブドウは古く「エビ」あるいは「エビカヅラ」と呼ばれました。左の画像は、鎌倉中期ごろの書写と見られる『妙一本仮名書き法華経』のコピーです。この1行目に見える、「葡萄」に相当する「【艸冠+補】萄」の漢字で書かれた熟語には、右側に字音読みの「ふたう(=ブダウ)」とともに、左側にはその和訓にあたる「ゑひ(=ヱビ)*」の振り仮名が施されています。当時はブドウを指すのにこの和語が用いられていたことを示すものです。
『今昔物語集』のテキスト整形 - 国立国語研究所
https://www.ninjal.ac.jp/event/.../project.../JCLWorkshop_No4_16.pdf
討を行った。その結果、テキスト整形が必要な主な要素として、①返読文字、②助詞・助. 動詞等の省略表記、③捨て仮名、④欠字欠文・破損、⑤字種(片仮名・万葉仮名)、⑥踊り. 字・くの字点・同の字点があった。本発表では、新編全集『今昔物語集』を例に、各 ...
>これまでは平安時代を中心とする和文についてそ
の成果を発表してきたが(小木曽ほか 2010 など)、漢文の要素が交じる和漢混淆文の古典テキストに対して形態素解析を施すためには、和文の場合とは異なる研究が必要になる。発表者らは、新編日本古典文学全集『今昔物語集』一~四1(小学館、以下新編全集『今昔物語集』とする)に基づくコーパス化を行っている。新編全集『今昔物語集』には読解の便宜のために様々な校訂がなされているが、漢文の要素が交じっているため、そのまま形態素解析をすると様々な問題が生じる。この問題をテキスト整形によって解消すべく検討を行った。その結果、テキスト整形が必要な主な要素として、①返読文字、②助詞・助動詞等の省略表記、③捨て仮名、④欠字欠文・破損、⑤字種(片仮名・万葉仮名)、⑥踊り字・くの字点・同の字点があった。
文字さんぽ | 国立国語研究所
www.ninjal.ac.jp › ... › 第38号(2009年1月1日発行)
2009/01/01 - 小書きの仮名. 「ケンキュウ(研究)」「チョウサ(調査)」などの拗音,「はっきり」のような促音,「ファイル」「インフォーマント」などの外来語音を書き表すために,小書きの平仮名・片仮名が使われます。このように,日本語表記では,大きさの違う文字 ...
>韓国釜山市内の商店の表示です。日本からの観光客向けに書かれた日本語です。ここでは,「システム」と,小書き片仮名「ム」が使われています。英語のsystemは子音/m/で終わる単語です。外来語として日本語になると,子音/m/の後ろに母音/u/を付けて,全体で「システム」と書かれます。これは,日本語が撥音「ん」と促音のほかに閉音節を持っていないためです。韓国語は,英語やアイヌ語と同じように,閉音節を持っている言語なので,日本語とは違い母音/u/を付けずに発音することができます。「システム」は,小書き片仮名「ム」を使って閉音節を書き表した,韓国の人による片仮名表記だと考えられます。誤用と片付けてしまうのは簡単ですが,背景には,日本語と他言語との違いがあります。