読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

8歳の僧

2010-10-09 10:26:52 | 宗教

北海道は渡島管内森町で8歳の小さなお坊さんが法衣を着て檀家(だんか)を1人で回って仏前で読経していると言う。彼の父親が2年前に病死したため、彼は小学生ながら、来年、得度して正式に僧侶になることを目指し、将来、寺の後継者となる予定との事。
 浄土真宗の祐専寺(町内森川町)の三浦祐慧(ゆうえ)君と言い、森小3年である。小学1年の時から、祖父の祐伸さん(76)にお経や仏教のしきたりなどを学んで来た。お経は「嘆佛偈(たんぶつげ)」「正信偈(しょうしんげ)」「三誓偈(さんせいげ)」の三つをほぼ暗記し、難なく読み上げるそうだ。(私もそれは出来るが、出来るようになったのは60歳を過ぎてからだ。)
 祐慧君は、2008年に46歳で死去した祐良さんの長男。祖父の祐伸さんが8月、足の骨を折り、入院したため、盆には祐慧君が代わって何と、約40軒もの檀家を回った。その後も檀家から声がかかると、1人で法衣姿で出向いている。仏間に入ると、「お経を上げさせていただきます」と、頭を下げてあいさつし、仏前で「嘆佛偈」などのお経を流ちょうに唱え、お勤めを果たしていると言う事だ。お説教などもしているのだろうか。
 大谷派では宗祖親鸞(しんらん)が9歳で得度したことにちなみ、9歳から得度できる。祐慧君は来年1月の僧侶試験に合格し、同8月に京都・東本願寺で得度、正式に僧侶になれるよう、「勉強」に打ち込んでいる。
 祐慧君は「お経は漢字ばかりで難しいが、祖父が唱えるのを聞くうちに覚えた。頑張って試験に合格したい」と意気込む。祐伸さんは「これから少しずつ仏教を勉強してほしい」と温かく見守る。
 一方、祐専寺の檀家総代の石井美智磨さん(83)は「祐慧君が檀家を回る姿はほほ笑ましい。今後が楽しみだ」と活躍を期待していると言っている。