読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

「武」

2010-10-08 13:54:41 | 漢字

NHKの番組「歴史ヒストリア」を見ていた。木戸孝允が主題になっていた。
幕末、桂小五郎(木戸孝允)が20才の頃、江戸へ剣術修行に出た。神道無念流の道場で修業したが、そこで彼の人生を決定づける道場訓に出会ったと言う。その道場訓とは
「武は戈(ほこ)を止むるの義なれば、少しも争心あるべからず。」と言うのである。
これ以後、彼は攘夷派から追われても逃げまくるのである。
ところで、武という漢字は図のように甲骨文字では戈と止の会意文字であり、止は足の象形であり、それは行く、進むの意味である。従って武の本来の意味は武器を止めることではなく、武器を持って進む事を意味するのである。この剣術道場も木戸も誤解したようである。