読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

ヘンリー・キャヴェンディッシュ

2010-10-06 09:03:00 | 読書
Bill・Bryson著「A Short History of Nearly Everything」から
ヘンリー・キャヴェンディッシュは、イギリスの化学者・物理学者で、1749年から四年間ケンブリッジ大学で学んだが学位はとらなかった。学位授与式における宗教上の問題が有ったらしい。寡黙であり、また大変な人間嫌いでほとんど誰とも会話が無かったそうだ。

キャヴェンディシュは1766年、水素を分離することに成功し、それが可燃性の気体で、燃焼時に水を生じることを証明した。水が化合物であることを証明した最初の人である。

王立協会のフィロソフィカル・トランザクションズに18ほどの論文を発表したにすぎないが、未発表の原稿の中に、後の学者が発見した法則なども既に論じられていた。死後70年ほどたった1879年に原稿を整理してマクスウェルが『ヘンリー・キャヴェンディシュ電気学論文集』として刊行した。発掘された原稿の中には、同時代あるいは後世の科学者の発見を先取り・同時進行していたものが多数見られた。驚いた事に、クーロンの法則をシャルル・ド・クーロンよりも先に、またオームの法則をゲオルク・オームより先に見出していたのである。未発表の論文のなかには、後に他の人物によって再発見されることになった多くの科学法則が有ったのである。