読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

2009-07-26 13:54:56 | 漢字

最近は看護婦が看護師になり助産婦が助産師、保健婦が保健師と呼ばれる。
婦の元の字は帚(ふ)と書かれた。帚は神殿を清めるためのかやの類の植物で箒の形である。寝殿の寝の文字の中にも帚が含まれる事でも判るが寝殿は寝る場所ではなく神の安んずるところである。帚に酒をふり注ぎ、その芳香と共に祭壇を清めた。
寝は粗霊の居るところで、新しく嫁いだ婦人は、異民族の神に属する人であり、嫁いだ家の氏族神に廟見の礼を行わなければならなかった。三ヶ月にわたり行われたと言う。こうして嫁いだ家の氏族神に新しく加入したと言う許可を得るのである。これが済むと里帰りが行われ生家の氏族神との別れが行われた。家廟を清め、仕える事が婦の本来の重要な任務であったのである。
ついでながら嫁ぐ事を帰といい、その元の字は歸で、本来は軍隊の帰還を言う語であった。