読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

歌の役割

2009-07-03 09:24:56 | 歴史

文字は甲骨文字にまで遡ると、人と人とのコミュニケーションを目的としたものではなく
人と神とのコミュニケーションを図ったものであった。とすると言葉もまた同様の目的で
使われる事も有ったに違いない。白川静氏が言うように、言葉には呪能がある事
も解る。万葉集の歌、特に初期の歌は現在の詩歌とは違った、神に祈る役割を
歌に持たせたもので有ったと言う論旨を同氏が「初期万葉論」中公文庫のなかで
言っているのは頷ける。
言わば初期の万葉の歌は祝詞に近いものであったと言えるだろう。