読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

西周のこと

2009-07-16 10:25:45 | 歴史

京都で新撰組が跋扈していた頃、西周はヨーロッパに留学していた。オランダでコントの実証哲学や経済学、法学を勉強し、カントにも興味を持っていたという。慶応元年に帰国し慶喜の外交上の秘書役として京都にいた。明治三年に維新政府に仕え、兵部省にも関わりを持った頃、少年だった森鴎外が父に伴われ、上京して来て西周の家に身を寄せ、そこから東京医学校に通った。
西はまた造語者でもあり、西洋語を翻訳しながら、哲学、心理学だけでなく陸軍の多くの用語を作った。鴎外も衛生関係の語については同様の仕事をしたようである。そして、西は福地桜痴とともに軍人勅諭の起草などもした。