読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

毛利家の倒幕エネルギー

2009-07-15 09:53:16 | 歴史

関が原の敗戦で毛利家は縮小された。中国半島全体に有った版図が今の山口県一国に圧縮されたのである。これでは暮らして行けない、大名を辞め、領土を幕府に返したいと輝元は言ったらしい。しかし、この財政的な窮状が却ってこの藩を大なるものにした。瀬戸内海側を盛んに干拓し、幕末には長州藩の実績は百万石と言われた。しかもそれは米穀に限ったもので、他に殖産事業も行われ、わけても塩田による収入がずば抜けて大きかった。この塩が三田尻港から日本海沿岸から蝦夷地にまで売られた。長州藩の財政は他藩と比べ物にならぬほど豊かになり、この冨が圧縮された空気に起爆剤を加え爆発するように軍備と倒幕に向かうのである。