少し前、テレビのクイズ番組で「烏」と言う漢字について、カラスは黒く、目がどこに有るか判らないので「鳥」と言う漢字と比べて横棒が一本足りないのだと説明されていた。白川静 著「漢字百話」中公文庫を読むと烏の文字は金文では、はっきりと目が書かれている。只、その文字は、カラスが殺され、何かにぶら下げられ、羽も体も足も垂れ下がった形に描かれており、古代からカラスは悪鳥として象形の文字にされていたようだとしている。横棒が一本足りないのはカラスが黒く、目の有りかがどこか判らないからではなく、悪鳥としてその文字が象形として書かれたからではないかと私は想像している。