読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

赤い糸

2009-01-04 09:49:49 | 読書

中国は北宋の「太平広記」に見える話。
韋固と言う若者がある夜、道傍に大きな袋にもたれ掛かっている老人を見かけた。聞いて見ると冥土の役人だと言う。袋の中身を尋ねると赤い糸が入っていると言う。その糸で男女の足を繋ぐとその男女は必ず結ばれると言う。その若者は、そのときある縁談が有って、そのことについて尋ねると老人は二人は結ばれないと答えた。その若者の将来の妻は既に決まっており、それは村の野菜売り場に居る老婆が抱いている女の子だと言った。若者はその女の子との年の差を思い信じなかったがその後、幾つかあった縁談も実らなかった。後に彼は努力して高級官僚に出世し美しい娘と結婚したがその娘はあの野菜売り場で老女が抱いていた女の子であったと言う事だ。