読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

時間に名をつける

2009-01-20 09:58:21 | 歴史

中国人は最古の王朝である夏の時代から時間に名をつけていたと言う。既に暦が有り、現在で言う二月の立春頃から歳が始まっていた。太陰暦の元の形である。孔子の手元にこの夏の暦についての文献が有ったらしく、有る時、孔子の弟子の顔淵が「国を治めるにはどうしたら良いでしょう。」と師に尋ねた。孔子は「夏の時を行え。」と答えたと言う。(「論語」から)暦は夏王朝のものが良いと言ったのである。夏の時代、年を数える単位は「載」を使った。この語は今、「千載一遇」と言う熟語に名残を留めている。宮城谷昌光著「歴史の活力」文春文庫から