枇杷の葉なし

枇杷の生育や、葉・花芽・種のことを日々の生活のなかで書いていく。

とうふく爺さんの恩返し

2023年12月04日 | Weblog

 昔あったという噺に、とても仲の良い翁と媼が寺を守って暮らしておりました。翁のやさしさには、誰かが難儀であれば食い扶持を与える有様です。媼は、嫁した時から畑に物を作り賄う遣り繰りです。それでも徳と思う故に、心して睦みあうのでした。ところがある日、囚われて返らぬ人に。

 役人は咎人を匿ったと、翁を連れて行くのでした。媼は、茫然と見送るしかなく翁の身を案じるばかり。媼はひたすらに翁の無事を祈っていましたが、断食の果てに力尽きました。河原に打ち捨てられた翁の亡骸を、菰で包んで裏山に葬りました。媼の目からは泪が滂沱と流れ落ちます。

 翌年の秋も深まる頃、裏山に悼むような紅葉が観えました。媼は、錦の彩に息を呑むようでした。もしや翁がと、媼を哀れむかのように胸に迫る景色です。その山の噂を何処からともなく聞き来た者は、寺への寄進と御布施の数々を置くのです。媼は、翁の心が山神に通じたものと感謝を。

 その後、媼も身罷った後には寺は錦の例えとなりおとなう者が絶えない有様に。後々には風光明媚の寺として、有名になったとか。そこに行くと、山姥の錦の織物が清らかな者には与えらえる噂も聴く。何にせよ、他人の心の移ろいを山神への畏怖に祈れなければ視えて来ないものとも。

 天気が続くが、雨が降らないのを懸念する。昨夜には、小豆の温めたのを腰に当てて就寝。横向きだったので、体制を保持する難儀もあるわ。使い捨て懐炉が高いのと、廃棄する手間が勿体ない為袋を縫い使用中。ストーブも倹約でき、何度も使えて便利なのが好都合に心も温かいわ。

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