梅雨入り前

　天気になったが、夕方から曇ってきて宙が観えない。数日が通過して、金星の輝きも観逃した。丁度午後の7時前に動こうという気が失せ、他の用事も重なって我に返れば既に8時である。月は上限を過ぎており、芒種も近い。勤務していた頃には時間の遣り繰りを考えていたのが、のんべんだらりとなっている。収入が無くなっているの。

　弁当を届けていて、沿道の崖上の民家に、枇杷葉があり少しづつ色ついてきている。リエさんも数日早かったと言い、酸っぱさが口に広がったそうだ。それでも、市販品とは比べるべくもなく、初めての収穫でうれしそうだった。なんでもね自分でしてみなければ分からない。加えて、丹精込めると言う気持ちも大切。毎日の米の研ぎ汁が効。

　昨日、冷房の置いてある場所に、支えをしてと頼んでいたが、これが全くの素人の考えと、多少は知識があるのとでは異なって、下手に触ると駄目らしい。という結果になり諦めた。金をかけてするのを躊躇しても、結局は自分で出来ないことに気づく。ここはやはり電気屋さんに言うしかないか。壁が剥がれても困るのですが安普請に困窮。

　勤務先に寄り、駐車場券と保険証を返却する。直ぐに帰ろうとするのを事務長に止められ、玄関で近況を話す。薬草を採っての多忙な日々を伝える。辞めてからの方が何かとすることも多いのは確かで、油断すると鉢物が撓れるのだ。他所の枇杷葉はそろそろ色が見えているが、我が家のは真っ青。然し、ヒヨドリを始めとして、狙っている。

　ある日どこかで　クリストファー・リーブ主演のSFだった。水野英子氏の作品に、トゥオネラの白鳥　セシリアの物語があるが、時空を超えての内容に興味を抱いた。彼がこの後スーパーマン役を射止めたのかは知らないが面白い。アラビアンナイトも10枚組で買った。この時代には白人の主演が多い。アラジンはジャスミンが最高（実写版）。

　沢田研二さんのCDも聴かねば。勤務を辞めてから徹夜で読書も可能になったし、好きな事をして過ごせるのは最高に幸せだ。珈琲を淹れて持って行ったり、弁当を作れるのも愉しい。老後は定かではないが、自分が出来ることへの挑戦は、遣ってみるのが好い。失敗しても誰にも迷惑は掛からないし、自分であることがとても素敵に思えて来る。

　一昨年までは、まるで埋め尽くすように咲き競っていた。挿し芽にしたら枯れてしまった。芍薬も消えた。