地球から月までの3倍!?100万km以上を一台のポルシェと共に走った男の物語

2020年02月23日 | モーターサイクル整備関係



地球から月までの3倍!?100万km以上を一台のポルシェと共に走った男の物語

2/19(水) 19:32配信

octane.jp
地球から月までの3倍!?100万km以上を一台のポルシェと共に走った男の物語

Porsche AG

カナダ人のポルシェフリークである、ビル・マッキーチャンとポルシェの関係は並大抵のものではない。彼がポルシェと共に刻んできた距離は100万km以上にも及び、それは地球から月まで行ける距離の3倍にもなるのだ。彼はポルシェ911ターボを44年前に手に入れた。それからというもの、様々な冒険を通して酸いも甘いも共にしてきた。

地球から月までの3倍!?100万km以上を一台のポルシェと共に走った男の物語(写真6点)

「私はアメリカンマッスルカーと共に育ちました。若い頃はオールズモビル442に乗っていました。どこでも注目の的だったけれど、ハンドリングは牛乳屋のトラックみたいでしたね」と笑いながら振り返る。そして、1970年にはじめて買ったポルシェである911Tのことを思い出し、「信じられないほど機敏で、いかによく設計されている車なのだろうかと感じました。性能が素晴らしいだけでなく、コンパクトでありながら快適でもあるのです」とその感動を思い返す。

この体験が、マッキーチャンの人生におけるターニングポイントとなる。シュトゥットガルト生まれのスポーツカーへ心を奪われたのだ。シルバーの911を彼の社用車として購入した。しかし、すぐに彼の目に魅力的なポルシェが飛び込んできた。「1972年、917/10をはじめてCan-Amレースで目にしました。ターボチャージャーを搭載してロケットのような速さだったのです」と話す。そして、数年後にカナダで930ターボが市販化されたのだった。ディーラーで購入しようとしたところ、パワフルすぎるが故に“一度考え直してみたらどうだろうか”とすらいわれたそうだ。しかし、911ターボ以外に幸せを感じられる車はないだろうと彼は思っていたため、決して購入に躊躇することはなかった。ここからは、彼とポルシェの距離を振り返る。


1973年 0km
1973年は、石油不足で、どのガソリンスタンドにも長蛇の列ができていた。小型車に乗りかえようとするオーナーが多い中で、マッキーチェンは911ターボ購入を決める。ミッドナイトブルーに、コルクレザーのインテリアが組み合わされた一台だった。この機会を逃すと、これ以上ラディカルなスポーツカーを手に入れられないと考えたためだ。

1976年 23km 初対面のショック
1976年5月、ドイツから350台目の930ターボが空輸されてきた。はじめての対面は空港だったのだが、“色が間違っている”と思ったという。しかし、オーダーには何のミスもない。それはただ単に、長旅を終えてホコリを被っていただけだった。綺麗にしてから、彼の911ターボとのドライブライフが幕を開けた。

1976年 4312km 結婚
ビル・マッキーチャンは愛する人を見つけ、結婚する。

1976年 6245km レースへの情熱
「はじめての長距離ドライブはオンタリオ州からケベック州のトロア・リヴィエールで開催されていたTrans-Amレースまでの横断でした」この時のレースでは、ジョージ・フォルマ―が操るポルシェ934が優勝、2位にも934が入りポルシェファンを沸かせた。そして、レースへの情熱に火が付き、様々なサーキットを周っているうちに10万kmを超えていた。モントレーのヒストリックカーレースを見るために、アメリカ横断は少なくとも5回はしたという。

1978年 1万3800km 世代交代
この年、マッキーチャンの息子クレイグが、家族で経営しているカーペット・クリーニング会社で働き始めた。同年、次男のブライアンはカナダ人レーシングドライバーのルードビッヒ・ハイムラスと共にポルシェ 935 でメキシコシティのレースに参戦し見事優勝を獲得する。父から子へ、レースへの情熱はしっかりと受け継がれていた。

1981年 8万8713km 家族の絆
「1981年から今日に至るまで、息子のブライアンはレースへの挑戦を続けています」と誇らしげに話す。自分がいつかこの世を去った時は、最愛の911 ターボは家族で所有していて欲しいと願っているという。

2006年 64万1312km 不幸中の幸い
物事はいつもスムーズにいくわけではない。この年、例年通りモントレーへ向かっていたところ、ファンベルトのプレートが破損。「南オレゴンの田舎でポルシェのスペアパーツの入手はできませんでした」という。「でも、ファンベルトを修理できる工場を見つけられたのはラッキーでした」。そして、無事に彼は予定通りカリフォルニアに到着し、レース観戦を楽しんだそうだ。

2009年 85万km アクシデント
30年以上、共に幸せな人生を送ってきたとしても、避けられない危機がある。マッキーチャンは、一度だけSUV に突っ込まれポルシェが大破したことがある。ドライブシャフトが破損し、フェンダーはへこみ、コントロールアームが折れるほどの大きな事故だったという。 SUV のドライバーと “おんぼろ” クラシックカーの横に立っているマッキーチャンのところへ、フォルクスワーゲンのエンブレムをつけた一台のピックアップトラックがやってきた。その人物は、フォルクスワーゲン・サポートのエリック。その後、間もなく走行可能となったマッキーチャンの愛車は再びモントレーまで 30時間のドライブを乗り切った。

2012年 100万km アニバーサリー
「ペンシルバニア州ハーシーで行われたオールドタイマー・スワップミートに向かう道中で 100 万kmに達しました。トロントに戻ってからシャンパンも空けてお祝いしました」

2020年 125万3584万km 今後の展望
現在、オドメーターは125万3584kmを指している。毎日、その数字を刻んでいっているようだ。現代のスーパーカーなど一切欲しいと思わないそう。そして、こう話す。「930はこれ以上にない、最高のマシンですよ」

Octane Japan 編集部
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jbg***** | 3日前

その情熱が素晴らしい!日本人も見習うべきだ
クラッシック税を導入してほしい!

返信4

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mo****** | 3日前

日本は世界に名だたる有名で歴史もある自動車メーカーがあるのに、なぜこんなにも古い車を大事に乗り続けにくい国なのだろうか。
むしろ減税すれば良いと思うくらいだよ。
新しい技術を否定はしないが、古いものを今の技術でリファインしたりする方法もあるわけで。
大事にしてきたものを捨ててゴミ増やして買い換える事だけがエコではないのだ。

海外ではレストア業や古い車のパーツ業などが成り立っている。
法律もキチンとしてるし、上手く回ってる。
少しは見習ってもらいたい。

自分で運転もせず興味もない、自国の文化として守るなんて微塵も思わない連中が決まり事を決めているからだろうと思う。

エコという名のエゴなビジネスしかやらない連中とメーカーにはガッカリだよ。

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mo****** |2日前

高級車か否かではなくて。
少し税金が上がるとかの話だけじゃないのよね。

古いものを大事にしましょうよ、その為には土台となる認識や感覚から必要でしょう。
メーカーや政治家さん方には、エゴなビジネスばかりじゃなくて、長く物を大事にする人を無下に扱いすぎじゃないかな、という思いからの話でした。
最近、一部モデルのパーツ再販がニュースになりましたが、良い話と思います。

名車というのは高級車やブランドだけじゃないと思います。
高級品しか大事にされてないわけでもない。

もちろん、その全てを維持するのも合理的ではありませんが、大衆車も現存する旧車を大事に乗り続けるヨーロッパの文化を少しは見習ってみてはどうかなという話。

海外のレストア番組に登場する、レストア業に関する町工場や部品屋の多さから学ぶことも多いと思います。
当然お金はかかるけど、乗り続ける選択肢が選びやすい土壌がある文化は大事では。
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mo****** |1日前

こちらは自分でエンジンもバラしたり海外から個人輸入したりして色々とレストアしてる身ですが、日本は文化的土壌が良くないと思いますので。

税金数千円云々が問題ではなくて、そういう話ではない。なぜその話ばかりするのやら。
税金が少し高くなるからとか、表面的な話じゃないんですよ。

ペットの例を出すのなら、最後まで飼いきれるようにペットの食品や薬、療養食、情熱ある医者の存在や法律が足りないような感じでしょうか。
簡単に捨てるような人の事は、この話ではそもそも論外なのは共通の意見でしょ。

貧乏とか裕福とか以前に、長く使い続ける事に否定的な日本の現状や、選択肢として長く使う事を選びにくい事に嘆いているのです。
維持するのは大変と言ってますが、維持して乗り続ける事が当たり前の日本にならないのが悲しいと申してるのです。

その本質的かつ根本的な「文化的」の意味が分からないなら、もうお話は結構ですよ。
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nam***** |1日前

>高級車か否かではなくて。
>少し税金が上がるとかの話だけじゃないのよね。


こちらも高級車か否かの話してるつもりじゃないんだけど
現実問題として車を良い状態で維持するにはお金が必要
数千円の税金の差でうだうだ言う連中など古い車を維持する資格などないと思います

ペットも一緒ですよね
飼えなくなって捨てる奴がどれだけ多いか・・・
買うのは誰でも買える
維持するのが大変なんです

我慢できない劣化日本人が本当に増えた
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so_***** |3日前

上の方に同感です。
私はそれほどの財力もありませんし、車も安い国産ですが、きょうび汚い排ガスを垂れ流させてもらっている詫びと思って納税してます。

年たかが何千円の増税で買わない車なら、どのみち維持なんて無理です。
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nam***** |3日前

新型992より高いクラシックカー持ってます
我々クラシックカーをきちんと維持するオーナーは経営者、医者や専門職が多いです
税金の話題なんて話に出た事もありません
維持費の比べると鼻毛みたいな額ですし数千円、数万円の税金は古い車を所有する免罪符としては安いくらいです

安い中古しか選択肢が無く、買ったら乗りっぱなしの貧乏人が歴史や文化を語る資格ありません

我々はビンボー人に危険なおもちゃを与えないよう、税金はもう少し高くても良いと思ってるくらいです
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z400GP |2日前

nam
つまらん妄想はチラシの裏に書いとけ!
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tos***** | 3日前

ポルシェ愛をひしひしと感じるいいお話。
もちろん先進安全技術も必要だけど、古い物を大事にすることも大事。
法律の策定に当たる議員さんには、そこのところのバランスをとって欲しいね。

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shi***** | 3日前

生涯の伴侶を得て、幸せですね。
車もオーナーも。

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ぎょらい | 2日前

物を大切にする人は本当に尊敬します。
この車も、大切にされて幸せ物ですね!
今の車に比べ、整備性も良いのかも知れませんが、とても大切に乗ってたんだなと感心しますね。
今の車は、直したくても直ぐに部品もなくなるし、替えが利かない部品も出る。
直して長く乗ることを前提にしていない。
税金も古い車はどんどん高くなるし。
日本は何から何まで古い車に厳しい。
私も好きで乗ってる車が今年で15年目に突入。
彼と同じく、ずっと乗っていたいとおもうのだが…
果たしてあと何年乗っていられるか…

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kay***** | 2日前

古い車を持ちたいけど維持費は覚悟できても課税の上増しが納得できず所有してません。というよりナンバー外して復活させられません。
どんどん買い替えるより永く大切に使うことはいいことなんじゃないんでしょうかね。

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luc***** | 2日前

メーカーは部品製造をすぐ止めるので長く乗りたいなら2台買って部品の共食いでもしないと維持できない
すべてコンピュータ制御だからその辺りの部品が欠如したらお手上げになるんだろうな
50年以上前の車がいろんな部品を流用しつつ元気なのについ15年前の車の維持が難しいのはおかしな話

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nep***** | 3日前

いい話ですね。
メルセデスは100万キロ走ると本社で表彰してくれるって聞いたことがあるけれど、ポルシェはメーカーは何か記念になることをしてくれるのでしょうか?

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0***** |3日前

ポルシェ本社が記念品をくれるとか聞いたこと無いけど
このポルシェターボは有名で、ポルシェジャパンのHPに掲載されているよ
(この記事は、そのままパクッてるw)

VWグループだと、お婆さんがワンオーナーで乗ってるボロボロの初代ビートルをピッカピカにレストアしてあげたり、ボロボロのポルシェ356(コレも確かワンオーナー)をフルレストアしてあげたりとかあるけど、「選ばれるまで」のハードルが高過ぎて・・・
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z400GP | 2日前

良い話しだね。日本もボチボチ車に対する優遇措置をして欲しいよ。優れた車が沢山あるんだから。ポルシェ911ターボは私の中ではマイフェバリットで最終的に乗りたい車ですけど笑。

フェアレディZ33にそれを見出してこのポルシェオーナーの様に乗りたいと改めて思ったな。

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kyo***** | 3日前

ただでさえ車所有に多額の税金がかかる日本では古い車を維持していくのは一般人には困難です。





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