小6女児が突然の変貌 ピアノ壊し、カーペットに包丁を…自制できない「反復強迫」の根にある絶望感

2019年11月30日 | 事件


父親がいないので抑制装置がないの問題です!!

こういうケースでは、母親が子供より凶暴になり暴れるとおとなしくなるので<<一升酒のんで勢いつけてBBアサルトライフルなど振して乱射するのです!!>>



小6女児が突然の変貌 ピアノ壊し、カーペットに包丁を…自制できない「反復強迫」の根にある絶望感

11/30(土) 7:13配信

読売新聞(ヨミドクター)
せきや・ひでこ 思春期の子どもを持つあなたに

 行為障害では、人や動物への攻撃性(いじめ、脅迫、残酷な行為)、物の破壊や放火、嘘(うそ)や窃盗、夜遊びや家出、怠学などの反社会的な行動が見られる。一般的ないたずらや反抗をはるかに超えた、悪質なものが多い。10歳になる前に発症する小児期発症型、それ以降に発症する青年期発症型がある。
小6女児が突然の変貌 ピアノ壊し、カーペットに包丁を…自制できない「反復強迫」の根にある絶望感

イメージ
娘の頻繁な逆上に弱り、母親は精神科に

 A子さんは東京近郊に住む小学6年生の女の子です。5年前に父親を病気で亡くし、母と弟、そして母方の祖父母と5人で暮らしています。

 小学校最後の夏休み頃から、「お母さんが自分の要求に従わない」と頻繁にキレるようになり、暴れたり、物を壊したりするようになりました。

 自分の娘の突然の変貌(へんぼう)に参りきった母親は、体調を崩して仕事を休みがちとなり、精神科に通院するようになりました。同居する祖父母が、「発達障害についてテレビで見た。A子がそうではないか」と、2人そろってクリニックにやってきました。

 最近は、発達障害の特集などが放映されることも多いため、心配になった家族が受診されることが増えています。突然、A子さんが粗暴な行動を取るようになったことで、祖父母はテレビで見た「行為障害」の心配をしているようでした。

 30代の若さで夫を突然亡くした娘を心配した祖父母は、A子さんの家族と同居することを申し出ました。仕事で忙しい娘のために、掃除や洗濯、食事作りに加え、孫のA子さんや弟の育児も、祖父母が積極的に手伝ってきました。

 父親を亡くした孫のショックを少しでも癒やそうと、祖父母らの親戚は協力して、一緒に旅行に行ったり、クリスマスやお正月、誕生日には集まって過ごしたり。小さな子ども2人の精神的な支えになるように、努力してきたそうです。

 大きな悲しみを背負ったA子さんも、祖父母や親戚の援助もあり、徐々に元気を取り戻していったそうです。6年生になるまでは、とりたてて大きな問題もなく、勉強や運動も問題なくこなし、親しい友達もいたそうです。

 A子さんの祖父母は、孫に対して口うるさく、言葉遣いなどには厳格であり、「~しなさい」「~してはいけない」と、きちんとした躾(しつけ)をしてきました。実の娘であるA子さんの母はもちろん、孫のA子さんも従っていました。

 しかし、A子さんは6年生になると、急に態度や言葉遣いが反抗的になりました。
 母親や祖父母が何かを言っても、「うぜぇ」「うるせえ」「死ね」「くそ」などの言葉を吐き、勉強や家での手伝いもしなくなりました。3歳年下の弟が大切にしているマンガを破いたり、いじめて泣かせたりも増えていきました。


ピアノを壊し、カーペットに刃物を突きつけて

 夏休みのある日のことです。

 A子さんは、同級生と近所のお祭りに行くために、お小遣いが欲しいと母に要求しました。母親は、「小学生の子どもたちだけで行くのはダメ。お小遣いも渡せない」と伝えました。するとA子さんは「私の気持ちを全然わかっていない」と大声で泣き叫びました。困った母が祖父母に相談しようとすると、いきなり逆上したA子さんは、キッチンで小麦粉や砂糖を床にぶちまけて、更に泣き叫びました。

 結局、母が折れて、出かけることを許可し、お小遣いを渡しました。

 この一件がA子さんを増長させたようです。

 欲しいものを買えとねだったり、お小遣いの増額やクルマでの学校への送迎なども要求したりするようになりました。それを母が断ると、大声を出して暴れるだけでなく、ペットボトルの水やお茶をぶちまけたり、ピアノの鍵盤を壊したり、さらにカーペットに包丁を刺したりといった乱暴な振る舞いをするようになりました。

 こうなると、祖父母が介入しても、なかなか収束しません。手が付けられずに、警察に連絡をしたこともあったそうです。
自分は治らないかもしれない・・・

 話をよく聞いてみると、トラブルになると、この母娘はいつも同じパターンを踏んでいることがわかりました。何か無理な要求をするA子さんに対して、まず母親は「絶対だめ」と強く拒否します。A子さんが暴力行為に及び、それがエスカレートして激しいやり取りになると、母が譲歩し、娘の要求を受け入れて落ち着くのです。

 だからと言って、親子関係が常に険悪なわけではありません。A子さんの機嫌が良いと、一緒に買い物や散歩に出かけ、穏やかに過ごすこともあるそうです。
 私は、祖父母を通じて、A子さん母娘にクリニックに来てほしいと伝えました。

 間もなく、母親とA子さんが二人でやってきました。

 青白い顔をして、疲れ切った表情の母親の口からは、「A子は外面(そとづら)が良い。ちょっと話しただけでは、本当の姿はわからないと思う」と前置きされました。そして、「学校や塾への送り迎え、夜遅くの買い物などに付き合わされる。仕事で疲れていても、寝不足でも、私が言うことをきかないと暴れられる。従わざるを得ない」「娘に対する言葉遣いが悪いと、わざわざ言い直しをさせられ、謝罪までさせられる」など、A子さんの命令支配に母親が従っている様子が語られました。

 一方のA子さんは、「イライラすると、やり過ぎてしまう。自分ではどうしたらいいかわからないし、いつも後で後悔する」と切り出しました。母親や祖父母の見方とはずいぶんかけ離れているようです。「コントロールできないから、自分は病気かもしれない。だったら、治したい」とも言います。

 いつも自分がとってしまう行動をA子さん自身が悔やみ、反省をしていることは間違いなさそうです。さらに、「発達障害ではないか」と祖父母が心配していることを知っており、「自分は治らないのかもしれない」と不安も感じているようでした。

 A子さんは私の外来に通院し、母親のガイダンスは別の医師が担当することになりました。

母親を精神科に通院させるということ

 不定期ながら、自分の意志でクリニックに通ってきて、少しずつ自分の心の中をうちあけるようになったA子さんでしたが、心の中の多くを占めていたのは、母親を中心とした家族のことでした。「母親が話をするのは弟相手ばかり。自分よりもかわいがられている弟が憎たらしくなり、彼のマンガを破いたり、お小遣いを奪ったりしてしまう」などと、弟に対する気持ちを吐露するようになりました。

 さらに、自分の母親と祖父母の関係についても語るようになりました。

 母親は祖父母にとても大切にされており、母親も何かと祖父母を頼っているそうです。「自分が暴れると、すぐに母親は祖父母を呼びに行く」「祖父母、それに弟も母親の味方につくので4対1になってしまう」「母親は自分自身の父親からも母親からも大切にされているが、私は誰からも大切にされていない」「いつも一人ぼっちで本当は寂しい」・・・・・・。

 自分の言葉で話していきながら、A子さんは自分の気持ちを整理し、理解し始めました。さらに、自分でコントロールできない行動の背景にある自分の気持ちが何なのかについても、わかり始めたようでした。
 だからと言って、A子さんの暴力行為がすぐにおさまったわけではありませんでした。

 私が話を聞いていく過程で、母親が体調を崩し、精神科に通院していることについて、A子さんが深い罪悪感を抱いていることがわかりました。でも、A子さん自身はそれに気づいていません。
自分ではコントロールできない「反復強迫」

 こういうことです。

 本来、「自分の親を傷つけている」と自覚することは、深い罪悪感、それに絶望感までを子ども本人に与えます。ところが、激しいけんかを繰り返し、自分の衝動を満足させることで、かえってそれを感じなくて済んでしまうのです。これは「反復強迫」と呼ばれ、本人がコントロールできることではなくなっています。

 たとえば、自分の振るまいに対し、いったん親に拒否・拒絶をされ、それに腹を立てて暴力行為などがエスカレートします。けんか・言い合いはさらに激しさを増すものの、最終的には親が妥協して、子どもの要求を受け入れます。いったん始まると、自分ではコントロールできないため、途中で終わることはなく、最後までお決まりのコースをたどらないと着地しません。これを解決するためには、子どもが心の中に抱え込んできた「言葉にしていない気持ちや考え」を言葉にしていく必要があります。

 そこで、私はこう伝えました。

 「自分みたいな悪い人間はもうだめだし、どうなってもいい・・・・・・、そんな絶望的な気持ちになっていない? あなたが暴力をふるって、傷ついているお母さんを見ると、さらに『私なんてどうせダメだから』とさらに罪悪感が強まっていく。その繰り返しなんじゃない?」

 彼女は、黙ってうなずきました。


暴力ではなく、言葉でのやり取りを

 そこで、A子さんと母親が暴力ではなく、言葉でのやり取りを増やしていくための提案をしました。

 「今まで言葉にして話してこなかった心の中の気持ちを、直接、お母さんに伝えてみたらどうかな?」

 少し考えて、A子さんは「家では難しいけれど、先生が一緒にいてくれるのなら大丈夫かもしれない」と答えました。

 次の診察で同席した母親に対し、「自分の親に大切にされているお母さん、それに私の弟が羨ましい」「自分はいつも一人ぼっち。寂しく感じている」などと率直に話しました。

 母親は、それをしっかりと受け止めた様子でした。

 「夫が亡くなってから、子どもたちに苦労をさせないように、ひたすら仕事を頑張ってきた。その分、子育てを含めて自分の両親を頼りすぎてしまったかもしれない。私自身が親から自立する時期なのかもしれない」

 母親は、別の医師のガイダンスで「A子さんの言い分をきちんと聞いたうえで、受け入れるべきか、そうではないかを、きちんと考えること。娘の暴力を恐れて、言いなりにならないこと」などを助言されていました。

 親子関係についても、「子どもは、同性の親とは競争をするもの。そして、同性の親をどこかで越えるか、もしくは同じくらい価値ある自分を作らない限り、子ども本人に安らぎはない。自分が不安やみじめな気持ちを抱くと、親に対して批判的・攻撃的になるが、批判を受けたとしても、妥当な部分は認め、妥当でない部分には同意しないこと。何かを言われても、冷静に対応し、けんかは避けること」などの助言を受け、A子さんに対して落ち着いて対応できるように変化していました。

 その後、母親が来院し、「経済的には何とかなるので、自分の実家を出て、A子と息子と3人で暮らしてみようと思う。きちんとA子に向き合っていきたい」と強い決意を話してくれました。

 祖父母の助けがなくなり、大きく負担が増えることになります。それについて尋ねると、「A子や弟にも協力してもらう。いよいよ、必要となったら祖父母にも手伝ってもらう」とのことでした。

 言葉通り、間もなく家族は3人暮らしを始めました。新たな生活を始めるにあたっての母親の決意は、きちんとA子さんにも伝わっています。粗暴な行動の背景に隠れていた自分の気持ちにA子さんが気づき、母親は自分を顧みてまっすぐに向き合うことを決意したのです。
次ページは:「発達障害?」と疑心暗鬼になる前に


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