強歩大会で女子高生死亡 父親ら、県を提訴「AEDの使用遅れ」

2016年12月29日 | 政治社会問題
強歩大会で女子高生死亡 父親ら、県を提訴「AEDの使用遅れ」
埼玉新聞 12/26(月) 22:18配信

強歩大会で女子高生死亡 父親ら、県を提訴「AEDの使用遅れ」
「未だに傷が癒えない。学校側には落ち度を認めてほしい」と心境を吐露する女子生徒の父親(手前中央)=26日午後、さいたま市浦和区
 昨年10月、埼玉県立大宮高校で開かれた「強歩大会」で、2年生の女子生徒=当時(17)=が死亡したのは自動体外式除細動器(AED)の使用が遅れるなど不適切だったためとして、父親(43)ら遺族3人が26日、県を相手取り、計約7293万円の損害賠償を求めてさいたま地裁に提訴した。弁護士は「AEDの発動に時間がかかっている。適切に使用されていれば亡くならずに済んだのではないか」と話している。

 訴状などによると、女子生徒は昨年10月16日、同校の強歩大会に参加。女子は13キロのコースで、市内の西遊馬公園から荒川沿いなどを歩いた。だが、スタートから約1時間15分後の同日11時45分ごろ、ゴール手前約1・6キロの地点で倒れ、救急搬送されたが翌17日に死亡した。

 父親らはAEDを適切に配置したり使用したりしなかったなどと学校側の過失を主張。女子生徒が大会の約1カ月前、持久走の授業で倒れたことなどから、欠場を働き掛けるなど女子生徒の体調に配慮した措置を取らなかったなどとしている。

 事故後、県教委は県内の公立学校に対し、運動部活動などにおける事故防止の通知を発布。事故発生時の緊急対応マニュアルの作成やAEDの適切な使用を求めてきた。

 県教委の関根郁夫教育長は「改めて、お亡くなりになられた生徒さんのご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の皆さまに心からお悔やみ申し上げる。まだ訴状が届いていないが、今後も誠意を持って対応するとともに、事故防止にも努めていく」とコメントした。
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