千葉県御宿の有名楽器メーカー、注文受けるも音信不通に? 逮捕の杉並区楽器店店長が代理店業務も
2/18(日) 17:50配信 ねとらぼ
千葉県御宿の有名楽器メーカー、注文受けるも音信不通に? 逮捕の杉並区楽器店店長が代理店業務も
楽器メーカー“H”の人気機材。投稿には被害者からの返金要請コメントも(楽器メーカー“H”のFacebookページより・画像は編集部で一部加工しています)
千葉県夷隅郡御宿の有名楽器メーカーが、オリジナルギターの注文をした客やリペアを請け負った客と連絡がつかない状態となっています。同店で19万円のギターを注文するも音信不通の状態に陥っているという利用客を取材しました。
【画像】逮捕された元楽器店店長によるブログ
楽器メーカー“H”は、エフェクター制作の名手として知られるHさんが立ち上げたメーカー。オリジナルギターの制作をはじめ、有名バンドのメンバーが同店のオリジナルペダルを使用していることも良く知られており、演奏機材のクオリティーに定評があります。一方で一部の利用客らに対して、代金の先払いを要求しておきながら納品を滞らせたり、リペアを請け負っている機材を返却しなかったりということが繰り返されており、現在は多くの利用客と連絡が取れていません。
そんな同店に注目が集まったのは、2月14日に東京・杉並区の楽器店「BUDDY SOUND WORKS(バディサウンドワークス)」の元店長が客から預かったベースギターを無断で質入れしたとして逮捕されたことから。BUDDY SOUND WORKSは2015年から“H”の販売代理店として窓口業務を行っており、両店を知るSerpent Tamura(@SerpentTamura)さんは「BUDDYがリペアのために預かった“H”の楽器を売ってしまったのかもしれないし、Hの店主が作業を止めてしまっているだけかもしれないが、いずれにせよ被害者は多いようだ」と語ります。
ネット上では「もういまさら、あなたのエフェクターなんいりません。お金を返してください」といった声の他、BUDDY元店長逮捕の報道を受けて「今回の件をふまえて“H”のことも知ってほしい」「この二つの店はグルだったんじゃないか?と思わずにはいられない」との声も。中には「被害総額1000万以上」と訴える人もいます。
●有名バンドがひいきにしていたので安心した――親に借りた19万円泣き寝入り
ねとらぼ編集部では複数の関係者を取材し、楽器メーカー“H”の現在の状況を聞きました。
「2016年秋ごろから連絡が付かなくなった」と語るのはオリジナルギターの購入と塗装オプションを発注したというAさん。2016年初旬に「レスポールスペシャル」というタイプのギターを探していたところ、有名アーティストが同店の同型ギターを愛用していると知りました。Hさんと直接の面識はありませんでしたが、購入前の電話相談やメールのやりとりなどに真摯に対応していたことや、「アーティストともつながっている店であり、ある程度の信用があったので――」と代理店であるBUDDY SOUND WORKSを通さずに直接注文を決めました。
代金はカラーリングなどのオプション込みで19万円。当時大学1年生だったAさんは2016年2月に親にお金を借りて入金を行いました。ところがその後期限を過ぎても一向に納品が行われなかったことから、注文から半年ほどたった7月ごろに問い合わせを行ったところHさんより「塗装をやり直しているので、まだ届けられない」との回答。現在のところこれがHさんとの最後の会話となっています。
Aさんは自分以外にも被害者がいることを把握しつつ、その多くが「警察に行っても取り扱ってくれない」状況だと歯がゆさを感じている様子。「ギターはともかくお金は返してほしいという気持ち」と悔しさをにじませました。
●被害者は無視で新事業に着手?
続いてお話を伺ったのは、ワウ・ペダル(エレキギターとアンプの間に接続して使うデバイスで、ギターの音色に変化や効果を与えるもの)の修理を依頼したまま、音信不通となっているYさん。
Hさんとの付き合いは10年以上でしたが、最後に連絡が付いたのは2016年1月初旬で「修理依頼品が届いたか」という質問に対して、Hさんからサムズアップ(親指を立てるポーズ)のスタンプが届いたきり。その後、Yさんは電話、メール、Facebookのメッセージ機能、手紙で連絡を行いましたが、現在に至るまでHさんから連絡はありません。
Yさんの場合、修理にかかる見積もりの連絡などもないため、金銭面での被害はないとのことですが、商品が現在も“H”の手元にあるままです。
代理店を務めていたBUDDY SOUND WORKSについては、修理依頼の際に「BUDDYを通さなければならないのか?」と尋ねたところ、「Yくんなら直接でいい」とHさんからいわれたため、全く関係していないとのこと。Hさんの現在の活動については、埼玉県内でライブハウスを新設するという情報があるようだといい、「(この情報を信じるとするならば)われわれのことは放置しておいてライブハウスとは何事だ! という気持ちです」と怒りをあらわにしています。
また自分以外にも10万円から30万円程度のオーダーを前金で依頼したのに、納品が行われない事象が少なくとも2件確認されているとのことで、「中には諦めたとか、まだ信じているという方もいますが、ここで白黒ハッキリさせないと」とYさん。「Hさんの作るエフェクターは1つ3万円から12万円もする高額なものです。汗水流して働いたお金で支払っているのに、それを踏みにじる行為は誰でも頭にくると思います」と、今回のトラブルが世間に公表されることを望むとしました。
なお、ねとらぼ編集部では複数の関係者に取材して連絡先を入手しましたが、記事掲載日までにHさんと連絡が付くことはありませんでした。夢を与えるはずの音楽をきっかけとする一連のトラブル。今回取材に協力して下さった2人はいずれも代理店を通さずに依頼を行っていることから、単純に作業が滞っているだけとの見方もできますが、1年以上も連絡が取れないという状況はやはり不自然と言わざるを得ません。一日も早く真摯な対応がとられることを多くの利用者が望んでいます。
2/18(日) 17:50配信 ねとらぼ
千葉県御宿の有名楽器メーカー、注文受けるも音信不通に? 逮捕の杉並区楽器店店長が代理店業務も
楽器メーカー“H”の人気機材。投稿には被害者からの返金要請コメントも(楽器メーカー“H”のFacebookページより・画像は編集部で一部加工しています)
千葉県夷隅郡御宿の有名楽器メーカーが、オリジナルギターの注文をした客やリペアを請け負った客と連絡がつかない状態となっています。同店で19万円のギターを注文するも音信不通の状態に陥っているという利用客を取材しました。
【画像】逮捕された元楽器店店長によるブログ
楽器メーカー“H”は、エフェクター制作の名手として知られるHさんが立ち上げたメーカー。オリジナルギターの制作をはじめ、有名バンドのメンバーが同店のオリジナルペダルを使用していることも良く知られており、演奏機材のクオリティーに定評があります。一方で一部の利用客らに対して、代金の先払いを要求しておきながら納品を滞らせたり、リペアを請け負っている機材を返却しなかったりということが繰り返されており、現在は多くの利用客と連絡が取れていません。
そんな同店に注目が集まったのは、2月14日に東京・杉並区の楽器店「BUDDY SOUND WORKS(バディサウンドワークス)」の元店長が客から預かったベースギターを無断で質入れしたとして逮捕されたことから。BUDDY SOUND WORKSは2015年から“H”の販売代理店として窓口業務を行っており、両店を知るSerpent Tamura(@SerpentTamura)さんは「BUDDYがリペアのために預かった“H”の楽器を売ってしまったのかもしれないし、Hの店主が作業を止めてしまっているだけかもしれないが、いずれにせよ被害者は多いようだ」と語ります。
ネット上では「もういまさら、あなたのエフェクターなんいりません。お金を返してください」といった声の他、BUDDY元店長逮捕の報道を受けて「今回の件をふまえて“H”のことも知ってほしい」「この二つの店はグルだったんじゃないか?と思わずにはいられない」との声も。中には「被害総額1000万以上」と訴える人もいます。
●有名バンドがひいきにしていたので安心した――親に借りた19万円泣き寝入り
ねとらぼ編集部では複数の関係者を取材し、楽器メーカー“H”の現在の状況を聞きました。
「2016年秋ごろから連絡が付かなくなった」と語るのはオリジナルギターの購入と塗装オプションを発注したというAさん。2016年初旬に「レスポールスペシャル」というタイプのギターを探していたところ、有名アーティストが同店の同型ギターを愛用していると知りました。Hさんと直接の面識はありませんでしたが、購入前の電話相談やメールのやりとりなどに真摯に対応していたことや、「アーティストともつながっている店であり、ある程度の信用があったので――」と代理店であるBUDDY SOUND WORKSを通さずに直接注文を決めました。
代金はカラーリングなどのオプション込みで19万円。当時大学1年生だったAさんは2016年2月に親にお金を借りて入金を行いました。ところがその後期限を過ぎても一向に納品が行われなかったことから、注文から半年ほどたった7月ごろに問い合わせを行ったところHさんより「塗装をやり直しているので、まだ届けられない」との回答。現在のところこれがHさんとの最後の会話となっています。
Aさんは自分以外にも被害者がいることを把握しつつ、その多くが「警察に行っても取り扱ってくれない」状況だと歯がゆさを感じている様子。「ギターはともかくお金は返してほしいという気持ち」と悔しさをにじませました。
●被害者は無視で新事業に着手?
続いてお話を伺ったのは、ワウ・ペダル(エレキギターとアンプの間に接続して使うデバイスで、ギターの音色に変化や効果を与えるもの)の修理を依頼したまま、音信不通となっているYさん。
Hさんとの付き合いは10年以上でしたが、最後に連絡が付いたのは2016年1月初旬で「修理依頼品が届いたか」という質問に対して、Hさんからサムズアップ(親指を立てるポーズ)のスタンプが届いたきり。その後、Yさんは電話、メール、Facebookのメッセージ機能、手紙で連絡を行いましたが、現在に至るまでHさんから連絡はありません。
Yさんの場合、修理にかかる見積もりの連絡などもないため、金銭面での被害はないとのことですが、商品が現在も“H”の手元にあるままです。
代理店を務めていたBUDDY SOUND WORKSについては、修理依頼の際に「BUDDYを通さなければならないのか?」と尋ねたところ、「Yくんなら直接でいい」とHさんからいわれたため、全く関係していないとのこと。Hさんの現在の活動については、埼玉県内でライブハウスを新設するという情報があるようだといい、「(この情報を信じるとするならば)われわれのことは放置しておいてライブハウスとは何事だ! という気持ちです」と怒りをあらわにしています。
また自分以外にも10万円から30万円程度のオーダーを前金で依頼したのに、納品が行われない事象が少なくとも2件確認されているとのことで、「中には諦めたとか、まだ信じているという方もいますが、ここで白黒ハッキリさせないと」とYさん。「Hさんの作るエフェクターは1つ3万円から12万円もする高額なものです。汗水流して働いたお金で支払っているのに、それを踏みにじる行為は誰でも頭にくると思います」と、今回のトラブルが世間に公表されることを望むとしました。
なお、ねとらぼ編集部では複数の関係者に取材して連絡先を入手しましたが、記事掲載日までにHさんと連絡が付くことはありませんでした。夢を与えるはずの音楽をきっかけとする一連のトラブル。今回取材に協力して下さった2人はいずれも代理店を通さずに依頼を行っていることから、単純に作業が滞っているだけとの見方もできますが、1年以上も連絡が取れないという状況はやはり不自然と言わざるを得ません。一日も早く真摯な対応がとられることを多くの利用者が望んでいます。
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