ココナツを収穫させる「サルの強制労働」の残酷な実態、タイ

2021年02月28日 | ペット

ココナツを収穫させる「サルの強制労働」の残酷な実態、タイ

2/24(水) 18:37配信

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ナショナル ジオグラフィック日本版
コストコは取引停止、メーカーや政府が対策確約も「何も変わっていない」と新たな報告

ブタオザルはタイ南部の農園で木に登ってココナツを収穫するように訓練される。作業のとき以外は鎖でつながれていることが多い。(PHOTOGRAPH BY HENRY AUSLOOS, ALAMY STOCK PHOTO)

 タイのココナツ農園では今もサルが労働を強いられていると、米動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」のアジア支部が新たな調査結果を発表した。

【動画】ココナツミルクは「残酷」? サルの搾取と虐待の実態

 PETAは約半年前にも2019年に実施した覆面調査の結果を公表していた。それを受け、コストコなどの大手スーパーマーケットチェーンがサルに労働をさせている企業の製品を今後は仕入れないと発表し、ココナツ製品のメーカーとタイ政府は、サルの強制労働をやめさせると確約していた。

 ココナツの収穫に使われるブタオザルはタイの法律で保護されている。飼育下で生まれた個体を除き、所有すること自体違法だ。違反者は罰金または2年の懲役刑を科されることになっている。

 だが、タイ議会の動物福祉アドバイザーを務めるエドウィン・ウィーク氏によれば、そうした判決が下されたことはない。ココナツ生産者が使役するサルの約半数は野生から捕獲され、違法に飼育されているはずだと氏は言う。

 PETAによれば、多くは赤ちゃんザルの頃に野生から違法に捕獲された可能性が高い。調査員らは、独りきりにされ、ストレスをためているサルたちを見た。叫び声をあげたり、同じ場所を行ったり来たりするのは不安の表れだ。中には犬歯がない個体もいた。これはサルを扱う人間がけがをしないように抜いたのだと農家に明かされたという。

 タイはインドネシア、フィリピンに次ぐ世界3位のココナツ輸出国であり、2019年には50万トン強を輸出している。乳製品の代替品として、ココナツミルクの人気は過去5年間で着実に高まっていると、インドの調査会社モルドール・インテリジェンスのリサーチマネージャー、アビナシュ・デサマンガラム氏は言う。乳製品の代替品市場を調査している氏によれば、ココナツ業界の成長率は今後5年間で約2倍になると予想される。

 政府内部の見解はばらばらだ。ココナツの収穫にサルは使われていないと主張する省庁がある一方で、サルの労働をなくすために努力していると言う省庁もあれば、サルを使ってココナツを収穫するのは文化の一部だと言う省庁もあると、2度の調査を主導したPETAアジア支部のジェイソン・ベイカー上席副会長は語る。

 ココナツ産業におけるサルの労働に関するPETAの主張と、それに対する政府の対応について、タイ国立公園・野生動物・植物保全局およびタイ商務省からはコメントが得られなかった。

「この問題には矛盾があります」とデサマンガラム氏は言う。消費者は、ココナツミルクは“クルエルティー・フリー”(“残酷さがない”という意味。動物由来の原材料や動物実験を用いていない製品)のはずだと期待する。しかし実際には、 「サルに労働を使うなかで、多くの残酷さがあります」


メーカーによる調査は「お粗末」

 PETAは、ブタオザルが木に登りココナツを採ってくるよう、場合によっては「サルの学校」に入れられて訓練されている様子を記録した。PETAが撮影した映像を見る限り、作業をしていないときは鎖につながれ、体の向きを変えられないほど小さなケージに入れられて運ばれることが多いようだ。

 2020年夏にPETAの調査が公表された後、タイ政府の観光サイトからはサルの学校を宣伝するページが削除された。だがそれ以外は、サルの労働をなくすための「意味のある措置」は取られなかったとPETAアジア支部のベイカー氏は話す。

 最初の調査時から「何も変わっていないと(PETAが)言っているのは正しいです」と、タイの野生動物保護団体「ワイルドライフ・フレンズ財団」の理事兼創設者でもるウィーク氏は話す。ココナツミルクの主な産地であるタイ南部のココナツ農園では3000匹ものサルが働かされていると氏は推定する。

 昨年夏のPETAからの批判を受け、米スーパーに製品を供給しているココナツミルク製造大手が、供給元である農園に自主的に検査員を派遣した。そのひとつであるチャオコーは、第三者による調査の期間中、サルが労働させられていた証拠は見つからなかったと主張した。

 しかし調査報告によれば、検査員が訪問した農場は64カ所だった。これは同社にココナツを供給している817カ所の農園の8%にも満たない。このような調査は「お粗末です」とベイカー氏は述べる。
動物福祉法が適用されない

 仮にサルの強制労働を発見したとしても、タイの動物福祉法は家畜にしか適用されないとウィーク氏は言う。「(野生動物を)虐待している人々に対して実際に法的措置を取る方法はほとんどありません」

 PETAは14カ所のココナツ農園、2カ所のサルの学校、およびココナツの収穫コンテストに対して覆面で追跡調査を行った。一部の農家は、チャオコーの調査員は農家がサルを隠せるよう事前に訪問を予告していると打ち明けた。また、必要なとき以外はサルを作業現場に連れてこないようにしていると話す農家もいた。

 ココナツ農園の検査についてチャオコーにコメントを求めたが、回答は得られなかった。だが同社は2020年7月10日にソーシャルメディア上で、「弊社および関係者は、ココナツの収穫におけるサルの労働を支持していない」とする声明を発表している。また、今後はすべての供給元に対して検査を義務化するとしている。

 ココナツの生産者と製品メーカーがサルの労働を終わらせなければ、より多くの消費者と大手小売業者が変化を促すことになるかもしれないとデサマンガラム氏は言う。特に欧米の顧客が、ココナツミルクに代わる乳製品の代替品として豆乳やアーモンドミルクなどに切り替えるだろうと氏は予想する。


サルの学校側は反論

「PETAの記事は、ほぼ全体がナンセンスです」とアリエン・スハルーフェルス氏はメールで反論する。氏の妻であるソムジャイ・サエコウ氏は、タイ南部にある「ファースト・モンキー・スクール」を所有している。

 PETAを「過激派のビーガン(完全菜食主義者)組織」と呼ぶスハルーフェルス氏は、サルたちは訓練を喜んでいると主張する。「彼らは注目されるのが好きで、仕事を楽しんでいます。暴力や強制は一切ありません。私たちが知っている多くのサルの飼い主は皆、サルと一緒にとても静かに仕事をしています。怒鳴ることも殴ることもありません」

 氏はサルの歯が抜かれていることを否定し、狭いケージに入れて運ぶのは彼らの安全のためだと述べる。PETAが記録した映像については、見知らぬ人がカメラを持って近づくとサルは不安になるため、「おびえたサルの映像をとても簡単に撮ることができます」と語る。

 ファースト・モンキー・スクールは、サルを訓練してココナツの収穫を覚えさせており、150バーツ(約525円)の料金で施設を一般公開している。PETAが訪れた際には、鎖につながれて観光客のためにパフォーマンスをしたり、観客の前で木に登ってココナツを摘んだり、電動スクーターの後ろに観光客と一緒に乗ったりするサルの姿が記録された。

 これまでの多くの研究で、ブタオザルを含むマカク属のサルも、私たちヒトを含む他の霊長類と同様に社会性が高く、同種の仲間を必要としていることがわかっている。サルにココナツを収穫させることは間違っているが、もっとひどいのは「彼らが四六時中味わっている孤独と隔離」だとベイカー氏は言う。サルたちが野生の家族から引き離され、極度の悪天候でも外に放置され、社会的な関わりが一切ない孤独な状態で飼われることは、「精神的な拷問」に等しいと指摘する。

「私が皆さんに考えて欲しいのは、サルがココナツを収穫しているという事実だけではなく、サルが送っている生活のことなのです」とベイカー氏は訴える。

救出されたサルたち

 サルの強制労働が暴露されたことや、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による経営難のため、一部のココナツ生産者は、政府が運営するセンターやウィーク氏のワイルドライフ・フレンズ財団にサルを引き渡した。

 同財団ではすでにココナツ農園から救出された40匹以上を含む300匹近くのサルを保護していたが、ここ数カ月間でさらに4匹を引き取ったほか、近日中にもう1匹を迎える予定だという。さらに多くのサルが順番待ちをしているが、パンデミックによる資金不足のため、今すぐには受け入れられないとウィーク氏は言う。

 中には不安に駆られ、サルを野生に帰したココナツ生産者もいるのではないかとウィーク氏は懸念する。飼育下で長年暮らしてきたサルが、野生で生き残るのは難しい。

 新たに引き取られた4匹は、個人的に消費するココナツを収穫するために飼われていたという。そのうち2匹は若く、おそらくまだココナツ収穫の訓練を受けていなかった。しかし、「セーン」と「ムエン」と名付けられた残る2匹は年を重ねており、「状態が悪かった」とウィーク氏は言う。

 同氏が迎えに行ってみると、2匹は鎖で柱につながれ、雨や日差しを遮るものもなく、飲み水も置かれていなかった。2匹とも犬歯を失っており、セーンはすぐに治療が必要な大きなヘルニアを患っていた。

 しかし今では、残飯の鶏肉と米の代わりに果物や野菜の健康的な食事を与えられ、他のサルたちと交流する新しい生活に慣れている。独り鎖でつながれていた生活の後では「カルチャーショック」だっただろうとウィーク氏は言うが、セーンは「実にフレンドリーなやつ」なのだそうだ。

 サルを働かせてココナツを採るタイの慣習は徐々に消えていっているとウィーク氏は言う。人々は、ゾウの背に乗ることや闘牛といった、動物を苦しませるような古い文化的慣習を再考し始めている。氏は、15年前には現在の3000匹よりはるかに多い1万5000匹ものサルがココナツ農園で働かされていたと推定している。

 この数をさらに減らすために、PETAの企業責任担当者であるケント・スタイン氏は、サルの代わりに農家や労働者が収穫作業を行えるようにするよう、タイ政府がココナツ収穫設備の購入に補助金を出すことを提案している。

 タイのココナツ生産者と輸出業者が生き残るには、政府は信頼性の高い第三者による検査の仕組みを導入し、ココナツ農園がサルに強制労働をさせていないことを保証しなければならないとデサマンガラム氏は言う。有機栽培農園に品質管理の手順や規制が適用されるのと同じことだ。氏も認めるように、収穫コストは増加するだろうが、消費者はクルエルティー・フリー製品にもっとお金を払ってもいいと考えているはずだ。

「どの立場から見ても、サルの強制労働を完全に廃止することが関係者全員にとって理にかなっているのです」とデサマンガラム氏は話す。

文=RACHEL FOBAR/訳=桜木敬子

GACKT、「分かってねえ!」と激怒し出国 愛犬譲渡炎上のその後

2/24(水) 16:05配信
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NEWSポストセブン

愛犬譲渡騒動で炎上中のGACKT

 GACKT(47才)が2月10日に自身のYouTubeチャンネルに動画「GACKTが愛犬を里子に出しました。」を投稿したことで、炎上している。愛犬を失ってペットロスになっている知人女性に、自身が5か月間飼っていた子犬・フェンディちゃんを譲ったという内容だ。

【写真】今とは別人!?金髪でサラサラヘアだった頃のGACKT

 この動画に「愛犬をモノ扱いするのか」「プレゼントするなら5か月も一緒に暮らした犬ではなく、ほかの犬にすべき」「ペットロスの人の気持ちがわかっていない」などと、批判が殺到している。

 一部の女性ファンは次のように擁護する。

「フェンディちゃんを飼い始めた昨年10月の時点で、里子に出すと公表していましたし、今回の譲渡相手のかたとは、事前に充分に話し合いをしていたそうですよ。ただ、今回の動画では前段の説明が省かれていたし、サプライズ演出もされていたため、大きな批判につながってしまったのだと思います」

 だが、炎上は収まるどころか広がりばかり。炎上後、GACKTはネット配信をしたが、背景説明はほどほどに、強気な反論に出たのだ。

《エゴです。ぼくのエゴです。結論から言うと。良いとか悪いとかどうでもいいんです》 《けんかしたい人がもしいるんであればいくらでも買いますよ! ぼくは売られたけんかはいつでも買いますからね》

 GACKTの行動に、芸能界の愛犬家からも批判の声が出ている。自身も何匹もの愛犬と暮らす坂上忍(53才)は、MCを務める『バイキングMORE』(フジテレビ系)で《動物を家族ととらえている人は、あの行為を受け入れることはできない》《あの行為はぼくにはとうてい考えられないこと》と発言した。

 犬や猫の保護活動に熱心な杉本彩(52才)は『デイリー新潮』の取材に対して《GACKTさんの取った行動は理解し難い》《心の寂しさをすぐに別の動物で埋められるなんてことは、絶対にありません》などと語った。

 その火の粉が降りかかるのを恐れてか、GACKTはいくつも持つ自宅のうち、マルタ島にある家へと旅立った。「何もわかってねえ!」--そう激怒しながら日本を離れたという。

 フェンディちゃんはというと、炎上も元の飼い主の出国もつゆ知らず、のびのびと新しい家で暮らしている。

「ご夫婦は、フェンディちゃんに白い服を着せて散歩に連れ出して、本当にかわいがっていますよ。『フェンちゃん』って呼んでいるので、名前も変えていないはずです。この辺りは犬を飼っているお宅が多いので、フェンちゃんも新しい友達ができて、幸せなんじゃないでしょうか」(近隣住民)


フェンディちゃんは本当に、GACKTと別れて幸せになっているのだろうか。

「一般的には、犬や猫を家族の一員にすれば、終身飼育が望ましいです」と語るのは、獣医師の石井万寿美さんだ。ただし、石井さんはこうも言う。

「あの動画の中で、GACKTさんは、フェンディちゃんの知らない間にいなくなるのでなく、『行っちゃうよ』と言っています。それでもフェンディちゃんは、後追いをしたり鳴いたりもせず、ずっと部屋のにおいを嗅いでいたので、もう『この家の子になる』と決めたように見えました。フェンディちゃんに関しては、ずっと自分だけを大切にしてくれる人が里親になってくれて、よかったのではないでしょうか」

 2月25日発売の『女性セブン』では「大炎上 GACKT『愛犬をポイッ』譲渡騒動 逆ギレの全真相」とのタイトルで、今回の騒動について詳報。愛犬家で知られるデヴィ夫人が「愛がないのかしら」などと激怒して語った内容や、最近、親友や仲間を次々に切り捨てているGACKTの素顔、マレーシアの自宅を訪れたテレビ局関係者が見たGACKTと愛犬の生活の実態などについても報じている。

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