政府医療保険掛け金支払いフィリピン生活。田舎町の政府事務所へビクスクで行った。
素顔見せるのが恥ずかしい・感情を悟られにくい…すっかり定着した「マスク生活」
5/7(土) 7:00配信
読売新聞オンライン
マスクを着用し、大阪・梅田の繁華街を行き交う人たち(2日、大阪市北区で)=宇那木健一撮影
新型コロナウイルスの流行が始まってから2年余りがたち、日常生活に定着したマスク。海外では着用義務が撤廃される国もあるが、国内では大勢の人がつける光景は変わらない。熱中症やコミュニケーションの障害になることへの懸念から、どんな場面で外せるのかを政府が発信すべきだと指摘する専門家もいる。(川崎陽子)
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■海外義務撤廃も
マスク着用が本格的に推奨されるようになったのは、全国に緊急事態宣言が発令されていた2020年5月からだ。政府の専門家会議は「新しい生活様式」として、症状がなくてもマスクを着用することを提言。これを受けて厚生労働省もホームページなどで着用を呼びかけてきた。
通信会社「プラネット」(東京)が今年2月に4000人を対象に実施したインターネット調査の結果は、マスクがすっかり定着したことを物語る。新型コロナの流行が収まった後もマスクを「つけたい」と回答した人は36%を占め、「感情や表情を悟られにくくなり、少し気が楽になった」「素顔を見せるのが恥ずかしい」などを理由に挙げた。
日本では、マスク着用はあくまで呼びかけにとどまるのに対し、海外では多くの国が法律で義務づけてきたが、現在は「脱マスク」が進む。
英国では1月、変異株「オミクロン株」の感染拡大がピークを過ぎたとして、屋内や公共交通機関でのマスク着用義務を撤廃。米国も4月18日からは、航空機など公共交通機関内での着用義務を解除した。韓国も5月2日から、屋外での着用義務をなくした。
■全校生徒に名札
長期化するマスク生活によって不都合も生じている。
大阪府豊中市の市立第十一中では、口元を覆うマスク姿ではお互いの名前が覚えられないとして、4月から全校生徒約1000人に名札の着用を義務づけた。
浅田勝利校長は「互いに名前で呼び合えるようにしたかった」と話す。
子どもの心や脳の発達に詳しい明和政子・京都大教授(発達科学)は、マスク生活が乳幼児の発達に与える影響を危惧する。
「マスクで顔を隠すことで、赤ちゃんが表情や口元の動きを見てまね、言葉を獲得する機会が奪われている」と考えるからだ。目だけでコミュニケーションできるのは、成熟した脳を持つ大人だけという。
明和教授は「乳幼児と接する時には、直接身体を触れ合わせたり、マスクを外して表情豊かに意思疎通したりといったことを意識する必要がある」と訴える。
■「同調圧力」
専門家や首長からは、マスクの着用について様々な意見が出ている。
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会のメンバー、大竹文雄・大阪大特任教授(行動経済学)は「海外では法律でマスク着用を命じているため、解除すればマスクを外していいと伝わりやすい。一方、日本ではみんながつけるという『同調圧力』で広がり、今では生活習慣として定着した。屋外などリスクが低い場面では外してもいいと政府が明確に呼びかけないと、過剰な対策が続くことになる」と指摘する。
夏に向けて熱中症が懸念されることから、鳥取県の平井伸治知事は4月21日の記者会見で、屋外で一定の距離を保っていれば、マスクを外していいと呼びかけた。
これに対し、日本医師会の中川俊男会長は「日本では高い公衆衛生意識のもとでマスク着用に努めたことが、感染抑制につながった」とし、「マスクを外すのは、新型コロナが終息した時だ」と語る。
新型コロナ対策を担当する山際経済再生相も4月22日の記者会見で、マスクを外していい場面について「将来的に議論していかねばならないが、一律に国民に示せる段階にない」と語り、慎重な考えを示した。