ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第64巻-3 2万5千年の荒野

2007-04-24 23:47:39 | 第061巻~第065巻

■2万5千年の荒野(第223話) 発表1984年7月

評価   ★★★★★

依頼人  ①不明 ②ヤーマス発電所安全課長コモン・バリー技師

ターゲット ①G&E社会長 兼 NRC(原子力規制委員会)理事長リーバマン ②原子炉内パイプ

報酬    ①不明 ②$500,000

今回弾丸発射数      2/ 通算弾丸発射数 1,313

今回殺害人数        1/ 通算殺害人数   1,390

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    79

<ストーリー>
ロス北方80キロ-南カリフォルニアの原子力発電所でメルトダウン事故の危機。放射能漏れが危惧され一刻の猶予もない状況の中、ゴルゴが取った行動は・・・

<この一言>
なら・・・俺の仕事は終了だ・・・

<解説>
ロサンゼルス北方80キロの南カリフォルニアのG&E社のヤーマス原子力発電所。安全課長コモン・バリー技師は再三に渡り工事期間の延期を提言したが、政治的思惑が優先し期間延長は認められず、運転が開始された。運転開始直後から原子炉内の温度と圧力が異常上昇、原子炉は制御不能の状態に陥り、メルトダウン(燃料棒溶融)事故発生の危機を迎えた。メルトダウン発生の暁には、広島型原爆の200倍から400倍の放射能が放出され地表・川・海・大気を汚染、生物の住めない環境をもたらす。タイトル『2万5千年の荒野』は原子炉から排出されるプルトニウム239の半減期が2万5千年であることに由来している。

ゴルゴの神業的な狙撃を目撃したバリーは、メルトダウンを防ぐにため原子炉内のパイプを狙撃して詰まった蒸気を逃がすことを思いつき、ゴルゴへ原子炉内での狙撃を依頼する。依頼内容・環境条件は下記の通り。
・放射能のもれた原子炉の中で、厚さ40ミリのパイプの1点を撃ち抜く
・蒸気がたち込めていて、的がよく見えない
・被爆の可能性あり
・原子炉内の状況によっては1週間後に死ぬ確率は50%
・軽い被爆でもガンや白血病にかかる可能性大
・子孫にまで影響を及ぼす

ゴルゴは淡々と仕事を引き受け、バリーの仲間達が原子炉内で足場を作る作業を黙々と見守る。図面を頭に刻み込み、バリーとともに原子炉内に飛び込んだゴルゴは蒸気で視界が遮られたまま、記憶を頼りに見えないパイプを撃つ。狙撃の成功とメルトダウンの阻止を確信したバリーは、原子炉と共に命を投げ出すことを伝えると、ゴルゴは黙ってバリーのタバコに火をつける。ガイガーカウンターが鳴っているにも関わらず、命を賭した男に対し弔いを捧げるゴルゴの男気が熱い。

原発と政治利権の絡み、原発メーカーと原発規制組織が表裏一体であることの弊害、エネルギー政策・原発政策の在り方、ヒューマン・エラーへの警鐘など、今日もなお解決されていない問題が本作では提示されている。本作は1984年7月の発表であるが、1986年4月にチェルノブイリ原発事故が発生。あたかもチェルノブイリを予言しているかのような内容に驚かずにはいられない。

ズキューン

ゴルゴ13 (64) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

原子炉時限爆弾
原子炉時限爆弾広瀬 隆

ダイヤモンド社 2010-08-27
売り上げランキング : 1030

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン (朝日新書) 隠される原子力・核の真実―原子力の専門家が原発に反対するわけ 二酸化炭素温暖化説の崩壊 (集英社新書) 放射能で首都圏消滅―誰も知らない震災対策 放射能汚染の現実を超えて

<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>

ゴルゴ13第64巻-2 10月革命の子

2007-04-23 00:25:23 | 第061巻~第065巻

■10月革命の子(第222話) 発表1984年11月

評価   ★★

依頼人  KGB第二総局ウラジミール・ムラトフ大佐

ターゲット KGB第一副議長ビクトル・クレメンコ将軍

報酬    $100,000

今回弾丸発射数      1/ 通算弾丸発射数 1,311

今回殺害人数        1/ 通算殺害人数   1,389

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    79

<ストーリー>
アフガニスタンへ向かう列車の中で依頼を受けるゴルゴ。KGBの権力闘争と揺れ動くアフガニスタン情勢のなかでゴルゴは・・・

<この一言>
理由を聞こう!

<解説>
「KGB第二総局ウラジミール・ムラトフ大佐」は伯父の殺害犯を現行犯逮捕するものの、クレメンコ将軍の圧力により犯人は精神異常者とされて事件はうやむやに収束。激戦の続くアフガニスタンへ飛ばされたムラトフは、背後に政治的陰謀を感じとり、ゴルゴにクレメンコ将軍の殺害を依頼する。
アフガンで戦死するムラトフであるが、ゴルゴは依頼を遂行。しかし、老人性痴呆症により判断力が弱まったクレメンコ将軍がムラトフ大佐の伯父を殺害したのは、政治的陰謀ではなく、幼少の頃ムラトフ大佐の伯父にいじめられたことを不意に思い出したためだったというオチ。ムラトフのアフガンでの戦死シーンが妙にリアルで痛々しい。

ズキューン

ゴルゴ13 (64) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>

ゴルゴ13第64巻-1海難審判

2007-04-22 23:41:35 | 第061巻~第065巻

■海難審判(第221話) 発表1984年3月

評価   ★★

依頼人  イラン軍アリ将軍

ターゲット 武器国際詐欺団の一掃(ギリシア海運業者ニコスマス)

報酬    不明

今回弾丸発射数      2/ 通算弾丸発射数 1,310

今回殺害人数        2/ 通算殺害人数   1,388

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    79

<ストーリー>
イラン領海で武器を満載した無人の貨物船が発見された。イラン軍情報部は真相究明のため調査を始めるが・・・

<この一言>
この船は・・・火薬庫みたいなものだな・・・火事が起きたらひとたまりもない・・・

<解説>
イラク領海で武器を満載した無人の貨物船が発見された。イラン国軍情報部は真相に乗り出すが、思わぬ事実が発覚する。イスラム革命後のイランは、武器調達に長けた官僚が追放され、武器輸入の詐欺に巻き込まれていた。イランのアリ将軍は武器国際詐欺団をあぶり出し、これを一掃するようゴルゴに依頼。ゴルゴは船員として貨物船に乗り込み、武器を船員仲間に見せつけ、偽装火災を引き起こす。動揺した船員達は船を離れ、詐欺団の一員である船長と二人になったゴルゴは船長を殺害、貨物船が無人となって発見されたのであった。

ゴルゴが船員になりきり、がに股でデッキブラシをかけているのが可笑しいが、それ以外さりとて見どころのない作品である。

ズキューン

ゴルゴ13 (64) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>

ゴルゴ13第63巻-4 AZ4 CP72

2007-04-21 14:54:11 | 第061巻~第065巻

■AZ4 CP72(第220話) 発表1984年5月

評価   ★★★

依頼人  イギリス化学戦防衛研究所所長 クリフォード・コベントリー卿

ターゲット オグルビー医師

報酬    不明

今回弾丸発射数      3/ 通算弾丸発射数 1,308

今回殺害人数        8/ 通算殺害人数   1,386

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    79

<ストーリー>
炭疽菌と出血熱を混合した細菌兵器が流出。感染者から依頼を受けたゴルゴにも感染の疑いが・・・

<この一言>
!!

<解説>
カナダを訪問中のイギリス人「オグルビー医師」がホテルで倒れた。症状は出血性熱病。同時に炭疽菌感染者も病院に運び込まれる。カナダ陸軍情報局「バトラー少佐」は細菌学の権威「ギルバート医師」を連れ、ロンドンへ飛ぶ。オグルビー医師はイギリス化学戦防衛研究所所長「クリフォード・コベントリー卿」と接触していたが、コベントリー卿は生物化学兵器の権威であり、コベントリー卿も細菌兵器に感染しているという。バトラー少佐とギルバート医師はコベントリー卿に面会、オグルビーがソ連に細菌兵器を売り渡そうとしていること、コベントリー卿はこれを阻止せんとゴルゴ13に接触、オグルビー殺害を依頼したことを聞きだす。

オグルビーとコベントリーが感染したのはイギリス国防省コード名「AZ4」と「CP72」の混合細菌。AZ4は出血熱を引き起こし、CP72は炭疽病を発症させ、感染者は5日後に死亡するという細菌兵器。カナダ陸軍とCIAは感染の疑いのあるゴルゴを捜索、細菌拡散を防ぐために収容・隔離しようとする。ゴルゴが隔離されるのを拒んだ場合、ゴルゴを焼却処理する腹づもりであった。

ゴルゴとカナダ陸軍のバトルが凄まじい。火炎放射の中を車で突破、地下水道を駆け抜け、アメリカ・カナダの国境まで逃れるゴルゴ。国境線まであと僅かというところで、カナダ陸軍に包囲されるゴルゴのセリフ(?)が「!!」。ゴルゴもここまでかと思った刹那、ギルバート医師が致死時間を過ぎていることに気付き、ゴルゴが感染していないことが判明する。ゴルゴは細菌兵器の権威との面会に備えワクチン・抗生物質を用意していたのだ。ゴルゴの用心深さ、恐るべし・・・。

よく考えてみると、本作のゴルゴは依頼を遂行していない。ターゲットのオグルビー医師を狙撃する前に、オグルビーが感染死している。依頼人であるコベントリー卿が生きていれば報酬を返上するところであるが、コベントリー卿も死亡している。ゴルゴにとっては、くたびれ損のミッションだったに違いない。

ズキューン

ゴルゴ13 (63) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>

ゴルゴ13第63巻-3女カメラマン・キム

2007-04-20 02:10:11 | 第061巻~第065巻

■女カメラマン・キム(第219話) 発表1983年9月

評価   ★★★

依頼人  不明

ターゲット 変態趣味の殺人者

報酬    不明

今回弾丸発射数      1/ 通算弾丸発射数 1,305

今回殺害人数        1/ 通算殺害人数   1,378

今回まぐわい回数    1/  通算まぐわい回数    79

<ストーリー>
暴漢に襲われた女を助けたゴルゴ。女に近づいたのは偶然なのか、なんらかの意図があったのか・・・

<この一言>
もう十分にご馳走になったし・・・楽しませてもらった・・・

<解説>
政治家のスキャンダル写真をものにして、売れっ子カメラマンとなったキム。キムは編集者の恨みを買い暴漢に襲われるが、ゴルゴに助けられる。キムはゴルゴをベッドに誘うことに成功、ゴルゴとの常時に没頭する。一方のゴルゴは外部から撮影されていることを知りながら、まぐわい続ける。ゴルゴが部屋を去った後、ゴルゴの情事を撮影していた男が部屋に入り込みキムを殺そうとする。男は政治家に雇われた殺し屋で、ターゲットとなる女性の性交写真を撮ってから殺害におよぶという変態性癖を持っていたのだ。変態男の狙撃依頼を受けていたゴルゴは、男がキムを襲うことを事前に掴んでおり、キムに近づいたのであろう。ゴルゴは自身のまぐわい写真を撮られていることを知っていながら、フィルムを回収していない。ゴルゴの情事を撮影した話としては 第19巻-3『幽霊定期便』 があるが、この時のゴルゴはフィルムを回収している。

どうでもいいことであるが、ゴルゴはこの間27話連続でまぐわっていなかった(SPコミックス収録順)。この時点でのセックスレス最長記録である・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (63) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>