弘道館は第9代水戸藩主の徳川斉昭によって水戸城・三の丸内に作られた。
初代教授頭取には、会沢正志斎と青山拙斎が就いた。
八卦堂の『弘道館記』の碑には藤田東湖草案の建学の精神が漢文で書かれている。
武道のほかにも、広く諸科学、諸学問が教育・研究された。
弘道館建学の精神は、天保9年(1838)に斉昭の名で公表された
「弘道館記」に「神儒一致」「忠孝一致」「文武一致」「学問事業一致」
「治教一致」の5項目として示されている。
弘道館は1841年8月1日に仮開館式が挙行され
1857年5月9日に本開館式の日を迎えた。
正庁弘道館は書院造の大規模な藩校遺構で
正門・至善堂とともに国の重要文化財に指定されている。
幾度の戦火を免れた正門、正庁及び至善堂は、
昭和39年に国の重要文化財に
指定され往時の姿を今に伝えている。
現在、故郷の日田市では2010年度に世界遺産推進室を設け、
江戸時代後期に日本最大の規模だった私塾「咸宜園」を
世界文化遺産に登録の動きが始まっている。
茨城県水戸市(「弘道館」)や栃木県足利市(「足利学校」)と連携し、
2012年11月に地元経済界の協力も得て
「教育遺産世界遺産登録推進協議会」を設立した。
2014年11月に水戸・足利・日田市が
「教育遺産世界遺産登録推進協議会」を立ち上げ、
2015年2月、これまで呼びかけを続けてきた、
岡山県備前市が協議会に加入して
4市が協力して世界遺産への登録を目指すことになった。
(斉昭公と七郎慶喜公)
水戸・日田・足利・岡山市の世界文化遺産登録が
実現できることを期待したい。