極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ワインとタマネギのズッパ 

2012年10月28日 | 日々草々

 

 

 


      すべての人の人生は謎だ。たとえそれが僕の人生であれ
     あなたの人生であれ。思い浮かべて欲しい、
   窓からジュネーヴ湖が一望のもとに見渡せる
   シャトーのことを。晴れた温かな日には
   その窓の中には一人の男がいて
   なにしろ読書に没頭しているので顔も       
   上げない。せいぜい指で読みかけの部分を
   挾んで、ちょっと目を上げ、湖水の向こうに
   見えるモンブランをちらりと眺め
   その遥か向こう、ワシントン州シーラーに目を向ける。
   シーラーで彼は一人の娘と一緒にいて
   生まれて初めて酔っ払う。

   意識を失う前に、彼が最後に覚えて
   いるのは、その娘が彼に唾を吐きかけるところ。
   彼はそれからずっと飲み続け
   ずっと唾を吐きかけられ続ける。
   でもこんな風に言う人もいるだろう。
   苦労が人間をきたえるんじゃないかと。
   何を思おうと、まあそれは人の自由だ。
   いずれにせよ男は
   読書に戻り、自分の母親のことで罪悪感を
   感じるのをやめようと思う。
   自らの哀しみの舟に乗ってふらふらと彷徨う母親。
   子供たちやら、次から次へと持ち上がる
   彼らのトラブルについて考えるのもやめよう。
   そしてまた彼は、かつて自分が愛した澄んだ瞳の
   ひとりの女のことも、また彼女が東方の宗教

   にも敗れてしまったことも、もう考えまいとする。
   彼女の嘆きには始まりもなく、終わりもないのだ。
   このシャトーに、あるいはシーラーにいる誰でもいいが
   日がな一日窓際に座って、まるで「読書する男」という題の
   絵みたいな格好で本を読んでいるその男と
   自分は同類だと主張するような、
   まるで絵の中に出てきそうなその読書する姿に、
   親近感を覚えるという人がいたら名乗り出てもらおう。
   太陽にも名乗り出てもらおう。
   その男自身にも名乗り出てもらおうじゃないか。
   こいつはいったい何を読んでいるんだ。


                                                レイモンド・カーヴァー
Reading
                                                             村上春樹 訳 『読書』

 

 

 

  Zuppa di cipolle al vino

 

【イタリア版食いしん坊万歳:ワインとタマネギのズッパ】

タマネギに5kg、白ワイン500cc、ブイヨン500cc、バター60g、オリーブ油60cc、クローブ3
個、塩、コショウ、クロスティーニ用薄切りのパン、ニンニク、パルメザンかパダノのおろ
しチーズ 

これはタマネギのズッパのタイプを変形したもので、とりわけ洗練された風味が得られる料
理である。まずタマネギを洗って、外側の皮をむく。あまり細かく切らずに、できるだけ容
量の多い深鍋に入れて、オリーブ油とバターで中火で狐色になるまで炒める。タマネギが色
づきはじめたら、すぐに白ワインを加え、少し量が煮詰まるのを待つ。そしてブイヨン、ク
ローブ、少量の塩とコショウを加え、さらに煮続ける。このときもスープの量が減って、ど
ちらかというと濃いめのスープになるのを待つ。その間にクロスティーニのパンを、バター
で狐色に焼く。その際,潰したニンニクを加えて焼いてもよいが、ニンニクが焦げはじめた
ら取りださなければならない。スープ皿の底にクロスティーニを置き、タマネギのスープを
かけパルメザンかパダノのおろしチーズをふりかける。このままズッパとして食卓に供する
こともできるが、スープ皿を数分間オーブンに入れ、グラタンのようにして食卓に供するこ
ともできる。




量子ドット太陽電池最前線(技術および市場動向)の考察をはじめ今日で4日ほど経過、や
っと全景らいしものがつかめた手ごたえがする。これは面白くなりそうだ。ところで、中高
生約1万8千人を対象にした大規模調査で、夜間、消灯後にメールや通話のため携帯電話を
使う頻度が高いほど、心の健康状態が悪い傾向がみられるとの結果を、東京都医学総合研究
所の西田淳志主任研究員(精神保健学)らのグループがまとめ、27日までに英国の専門誌
に発表。西田主任研究員によると、中学生の場合、携帯電話を消灯後に使う生徒は使わない
生徒より睡眠時間が短くなっており、睡眠不足が心の健康度低下につながっている可能性が
浮かんだ。子どもの「ケータイ依存」が問題となる中、メンタルヘルスの観点から警鐘を鳴
らすデータとして注目されるという。また、携帯電話をバクテリアが好む温度の耳や鼻、口
に近づけると、健康を害することになるかもしれないと指摘されている。米家庭医学会のジ
ェフリー・ケイン会長は、携帯電話に付着したバクテリアはインフルエンザや流行性結膜炎、
下痢などの原因になると話す。清潔なタッチスクリーンを維持したいと思っても、携帯電話
の消毒に関する医師や医療研究者らのアドバイスと、携帯機器メーカーの提案には隔たりが
あり、携帯電話のクリーニング用に作られた製品もあるが、画面のコーティングにダメージ
を与えるものや、病原菌を100%完全に取り除くことができないものもあり、コンピュータや
鍵、ペン、固定電話などにも病原菌が付着するが、携帯電話が身近になり、枕やヘルスクラブのトレ
ッドミル(ランニングマシーン)、レストランのテーブルなどと近接する。サウスカロライナ医科大学
で微生物学と免疫学を教えるマイケル・シュミット教授は(タッチ画面の)あぶらっこい汚
れには微生物がいるとその危険性を指定するとか。このように革新技術の陰の側面をどう御
すのか?これは現代社会の最重要課題だ。

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