彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から
救ったと伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤
備え(戦国時代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部
隊編のこと)と兜(かぶと)を合体させて生まれたキラクタ「ひ
こにゃん」。
はじめての春の歌会みな爆笑
救ったと伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤
備え(戦国時代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部
隊編のこと)と兜(かぶと)を合体させて生まれたキラクタ「ひ
こにゃん」。
はじめての春の歌会みな爆笑
(出典)経済産業省資源エネルギー庁
「日本の再エネ拡大の切り札、 ぺ口ブスカイト太陽電池とは?」
(産業技術総合研究所) 以下、via 環境ビジネス2024.SP
(産業技術総合研究所) 以下、via 環境ビジネス2024.SP
薄膜太陽電池は自家消費向き
発電事業は従来型ソーラーパネル
極薄、軽量で柔らかく、曲げたり半透明にしたりできる。製造は
コストを低く抑えて短時間に量産できる。薄膜(有機、ペロブス
カイト)太陽電池は、再エネによる地産地消社会の実現、再エネ
需要の多様性への柔軟な対応等の課題解決に期待が集まる。電力
消費の多い都市部で発電いよいよ薄膜(ペロブスカイト)太陽電
池がその実力を発揮し始める。従来の平置き太陽電池では実現で
きなかった場面での太陽光発電の実装が始まる。有機薄膜太陽電
池、ペロブスカイト太陽電池は、極薄、軽量で柔軟、曲げたり
半透明にしたりできる。製造は基板に塗るだけなので、製造コス
トを低く抑えて短時間に量産できる。これらの特長から、生産者
トを低く抑えて短時間に量産できる。これらの特長から、生産者
だけでなく二次加工者、そして導入顧客のメリット、ベネフイッ
トは計り知れない。
「Gフ広島サミット2023」会場にて展示された
フィルム型ペロブスカイト太陽電池
(出典)積水化学工業株式会社
国土交通省の統計資料から推算すると薄膜太陽電池の設置可能性
は従来の無機系太陽電池に比べ、数倍に広がると見積もられてい
る。また、電力消費の多い都市部で発電できるため、大規模な再
エネ発電所や原子力、水力発電所のある、遠隔地からの送電の必
要性がなく、送電ロスや災害リスクなどが少ない。加えて、主に
経済活動が活発な昼間に発電するので、昼間電力のピークカット
効果もあり、単純な発電量増分の効果だけでなく、それ以上のエ
ネルギー市場への波及効果が望める。
2030年100GW超が太陽光発電の宿命
2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、太陽光の導入拡大
は必要 不可欠である。エネルギーミックス改定では、2030年度の
温室効果ガス46%削減に向けて、再エネ電力の電源構成を36~38
%(合計3,360~3,530億kWh程度)としている。再エネの主力電源
化に向けて、太陽光発電がけん引役として位置づけられており、
エネルギー基本計画における2030年度の電源構成をみると、太陽
光発電の割合は再エネのなかで最大であり、2021年度からの増加
幅も他の再エネより大きい。野心的な目標として2030年度には
14~16%程度、104~118GW、1290~1460億kWh導入を目指さなけれ
ばならない(2020年度の実績は7.9%、61.6GW、791億kWh)。
2022年末の時点で太陽光発電の累積導大量が約85GWに達しており、
国は今後の導入見込みとして、用地確保の地上設置を年平均3~
4GW程度を前提とし、屋根設置は年平均3GW程度の導入を掲げて
いる。しかし現状は、立地制約の克服が鍵となっている。日本は
既に平地面積あたりの導大量は主要国で1位であり、地域と共生
しながら安価に事業が実施できる大規模な太陽光発 電所の適地は、
ほとんど見当たらない。国が掲げた太陽光発電の導入拡大に向け
た取り組みは、公共施設への率先実行に加え、空港、鉄道、軌道
への施設、農地も営農型として太陽光を併設させるといった、苦
渋策で構成されていた。世界市場で戦える技術力図らずも登場し
たのがペロブスカイト太陽電池ということになる。
国は、既存の技術では設置できなかった場所(耐荷重の小さい工
場の屋根、ビル壁面等)にも導入を進めるため、軽量・柔軟等の
特徴を兼ね備え、性能面(変換効率や耐久性等)でも既存電池に
匹敵する次世代型太陽電池の開発に期待を寄せている。
現状、次世代型太陽電池の研究開発は、世界各国の研究機関等で
<しのぎを削っている状況であるが、我が国は次世代型太陽電池
について世界でもトップクラスの技術力を有し、現在もトップ集
団太陽電池だけではない。風力発電においても、国際競争力を低
下させ、市場撤退してしまっている。これらの経験を踏まえた対
応できるのか、国の対策が問われる。
都市で太陽光発電が始まる
東京都は「ゼロエミッション東京」の実現に向けた2030年目標と
して、温室効果ガスの排出量50%削減、化石エネルギー消費量の
50%削減、再エネ電力の利用割合50%、太陽光発電200万kW以上等
を掲げている。
大都市東京がこの目標を達成するためには、再エネ電力の消費だ
けでな<、再エネ電力の供給、自給の強化策を打ち出し、実施す
ること抜きに語れない。
そこで期待されるのが薄膜太陽電池の存在だ。平置き中心であっ
た従来の太陽電池に比べ、開発が進む薄膜太陽電池は、その形状
特性から透明等の意匠性や設置容易性などの特長を活かして、ビ
ル等の建造物への適用に向いている 都市部のビルは、大型、高
層化が進み、建物の省エネや災害時に
おける機能維持に関する要求は一層高まっている。快適性を損な
わずに消費エネルギーを削減し、その上で必要なエネルギーを太
陽光による再エネ電力で賄うことができれば、大規模停電の災害
リスクを軽減できるだけでなく、さらなる省エネを推進、実現で
きる。そのために、平置き太陽電池の設置に限りのあった都市ビ
ルの自立再エネ発電を可能にする、薄膜太陽電池の登場は、願っ
てもない好機である。都市の大型高層ビルが電力自給、自家消費
機能を持つためには、都市の多様なニーズに対応する、特化した
新タイプの薄膜太陽電池の開発と柔軟な導入アイデアが求められ
る;再エネの地産地消社会が実現する大都市圈の電力供給を火力
に頼らない再エネ電力化するメリットはほかもある。これまで再
エ<ネ電力は、遠隔地で発電し送電するしかなかった。島国である
我が国は、100%自給が宿命であるが、国土面積が狭く再エネに適
したエリアは限られており、そのほとんどを開発しつくしている。
しかも発電した再エネ電力の送電は、送電容量に限りがある既存
の系統遠系に集中せざるを得ない。加えて、様々な自然災害に対
し脆弱な送電網は、電力の安定、安心供給に大きなリスクを背負
っている。省エネ、再エネの地産地消社会の実現のために、従来
の系統遠系電源だ けでなく、再エネ電力需要の多様性への軟な
対応力、災害、ピークカット、地区(場所)単位の自家消費等課
題解決に薄膜太陽電池の役割は多い。
開発はニッチ二ーズヘの対応
特殊性を追求する日本メーカー 国は、日本発のペロブスカイト
太陽電池であることから、諸外国 に先駆け量産技術の確立、生
産体制の整備、需要の創出に期待を寄せている。しかし、国内企
業は自社事業優先の戦略に沿って、 固有の技術開発を進める薄
膜(有機、ペロブスカイト)太陽電池の新市場創出 日本は世界最
高水準に位置し大型化や耐久性の分野でリード激化している状況
にあるが、日本は世界最高水準に位置し、特に製品化のカギとな
る大型化や耐久性の分野でリードしている。こうしたことから、
グリーンイノベーション基金において、「次世代型太陽電池の開
発プロジェクト」(498億円)を立ち上げ、2030年の社会実装を目指
している( 目標:2030年度までに一定条件下での発電コスト14円/
kWh以下)。 ペロブスカイト太陽電池の主要原料のヨウ素は、日
本が世界生産の30%を占めるなど、各原材料の国内調達が可能で
あり、特定国からの原料供給状況に左右されない強靭なエネルギ
ー供給構造の実現につながる。加えて、太陽光発電市場は、世界
的にも、導入量が毎年右肩上がりで増加(2021年:176GW、2022年:
234GW)しており、世界的な市場の獲得も期待さを逃した苦い経験
がある。
国は、日本発のペロブスカイト太陽電池であることから、中国や
欧州など諸外国でも研究開発競争が激化している状況にあるが、
投資の「規模」 と「スピード」でも競争し、諸外国に先駆け、
早期の社会実装を進め、 量産技術の確立、制体制の整備、需要の
創出に期待を寄せている。
図 厚さ0.003mmの有機太陽電池> 2022年3月28日
未来を変える次世代の太陽電池 出所:理化学研究所
開発競争にしのぎを削る国内メーカー
例えば、積水化学工業は、現在、30cm幅のペロブスカイト太陽電
池のロールtoロールでの連続生産が可能となっており、耐久性10
年相当、発電効率15%の製造に成功している。今後、1m幅での量
産化技術を確立させ、 2025年の事業化を目指している。すでに建
物壁面への実装工事も行われるなど、実証の取組も進捗が見られ
ており、昨年末には、世界初となる1MW超の建物壁面への導入
計画が公表された。
東芝では、独自のメニスカス塗布法を応用して作製したフィルム
型の同電池(面積703cm)において、大面積のものとしては世界最
高のエネルギー変換効率(16.6%)を記録した。塗布法を用いるこ
とで、エネルギー変換効率の向上と生産プロセスの高速化を両立
することが可能になり、現在、高効率かつ低コストなフィルム型
の同電池の実用化に向けて開発を<進めている。
カネカは、ポリイミドを基板に用い、薄膜シリコン太陽電池の量
産技術&発を通じてフィルム型ペロブスカイト太陽電池における
世界最高水準である20%に迫る変換効率を実現した。
トヨタもペロブスカイト開発に出資
京都大学化学研究所の研究成果を基に2018年に設立されたスター
トアップ企業エネコートテクノロジーズは、2023年4月時点でモジ
ュール変換効率19.4%なフィルム型ペロブスカイト太陽電池の開
発に成功している。次世代技術として期待の高い車載用ペロブス
カイト太陽電池の実用化を目指して、トヨタ自動車と共同で取り
組むことにも合意し、開発を開始した。
トヨタは「トヨタ環境チャレンジ2050」の実現に向けた様々な取り
組みの中で、省エネルギーやエネルギー多様化の観点からカーボ
ンフリー電力の自給自足を目指し、結晶シリコンセルを用いた車
載太陽光発電システムの実用化を進めており、さらなる発電効率
向上や低コスト化を目指している。
パナソニックでは、ガラス建材一体型ペロブスカイト太陽電池の
開発を進めている。まち・くらしに調和する「発電するガラス」
と位置づけ、実用サイズのモジュールとして世界最高レベルの発
電効率17.9%を達成している。
シャープが取り組むペロブスカイト太陽電池は、タンデム型で30
%以上の変換効率を実現できる水準に達し、大面積化した用途に
向けたタイプについては、変換効率を20%程度には高めておきた
いとしている。大面積化を志向した用途に向けては、880mmx660mm
のガラス基板に形成したセル(発電素子)を昨年末に公開している。
理化学研究所は超薄型・超柔軟・耐水を開発
理化学研究所では、水中でも駆動可能な耐水性と超柔軟性を備え
た超薄型有機太陽電池の開発が進んでいる。作製された厚さ3μm(
0.003mm)の超薄型有機太陽電池は、水に4時間浸漬した後もエネ
ルギー変換効率の保持率が89%であり、水中で30%の圧縮歪(ひ
ず)みと復元を繰り返す機械的な変形を300回加えた後も、エネル
ギー変換効率の保持率が96%という商い安定性を示す。さらに、
水中で浸漬した状態で60分以上の連続駆動を達成している。通常
の太陽電池は、光が斜めに入ると発電効率が低下するが、折り曲
げ可能な超薄型有機太陽電池の特長を生かして、700ナノメートル
(1nmは10備分の1メートル)の周期で微細に波打った状態で層を
つくり、光の入射角度の影響を受けにくく十分な発電を可能とし
ている。超薄型有機太陽電池は、その柔軟性と軽量な性質により、
ウェアラブルデバイスの潜在的な電源として期待されている。
用途や目的に応じてさまざまな市場の拡大が想定される
ペロブスカイト太陽電池
たとえば、軽量でフレキシブルなタイプは、ビルの壁面や耐荷重
が小さい工場の屋根などにも設置が可能で、太陽光発電の導入量
の増加が見込まれる。すでに開発に-定の進展が見られ、今後は
量産化に向けた製造技術の開発を進めるとともに、サプライチェ
ーン構築と初期需要創出がカギとなる。 屋内・小型タイプは、
loTデバイスなど比較的小型な機器類に貼ることができることか
新たな市場への展開が期待できる。また、超高効率型は、設置面
積の制限などから高いエネルギー密度が求められる分野、たとえ
ば交通や航空などの面でも利用が期待されている。低コスト化や、
高い耐久性など、量産化へのハードルはまだ高い状態だが、将来
的な市場ニーズは高いと考えられている。
※関連情報:
日本の再エネ拡大の切り札、ペロブスカイト太陽電池とは?資源エネルギー庁
風蕭々と蒼き時代
トは計り知れない。
「Gフ広島サミット2023」会場にて展示された
フィルム型ペロブスカイト太陽電池
(出典)積水化学工業株式会社
国土交通省の統計資料から推算すると薄膜太陽電池の設置可能性
は従来の無機系太陽電池に比べ、数倍に広がると見積もられてい
る。また、電力消費の多い都市部で発電できるため、大規模な再
エネ発電所や原子力、水力発電所のある、遠隔地からの送電の必
要性がなく、送電ロスや災害リスクなどが少ない。加えて、主に
経済活動が活発な昼間に発電するので、昼間電力のピークカット
効果もあり、単純な発電量増分の効果だけでなく、それ以上のエ
ネルギー市場への波及効果が望める。
2030年100GW超が太陽光発電の宿命
2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、太陽光の導入拡大
は必要 不可欠である。エネルギーミックス改定では、2030年度の
温室効果ガス46%削減に向けて、再エネ電力の電源構成を36~38
%(合計3,360~3,530億kWh程度)としている。再エネの主力電源
化に向けて、太陽光発電がけん引役として位置づけられており、
エネルギー基本計画における2030年度の電源構成をみると、太陽
光発電の割合は再エネのなかで最大であり、2021年度からの増加
幅も他の再エネより大きい。野心的な目標として2030年度には
14~16%程度、104~118GW、1290~1460億kWh導入を目指さなけれ
ばならない(2020年度の実績は7.9%、61.6GW、791億kWh)。
2022年末の時点で太陽光発電の累積導大量が約85GWに達しており、
国は今後の導入見込みとして、用地確保の地上設置を年平均3~
4GW程度を前提とし、屋根設置は年平均3GW程度の導入を掲げて
いる。しかし現状は、立地制約の克服が鍵となっている。日本は
既に平地面積あたりの導大量は主要国で1位であり、地域と共生
しながら安価に事業が実施できる大規模な太陽光発 電所の適地は、
ほとんど見当たらない。国が掲げた太陽光発電の導入拡大に向け
た取り組みは、公共施設への率先実行に加え、空港、鉄道、軌道
への施設、農地も営農型として太陽光を併設させるといった、苦
渋策で構成されていた。世界市場で戦える技術力図らずも登場し
たのがペロブスカイト太陽電池ということになる。
国は、既存の技術では設置できなかった場所(耐荷重の小さい工
場の屋根、ビル壁面等)にも導入を進めるため、軽量・柔軟等の
特徴を兼ね備え、性能面(変換効率や耐久性等)でも既存電池に
匹敵する次世代型太陽電池の開発に期待を寄せている。
現状、次世代型太陽電池の研究開発は、世界各国の研究機関等で
<しのぎを削っている状況であるが、我が国は次世代型太陽電池
について世界でもトップクラスの技術力を有し、現在もトップ集
団太陽電池だけではない。風力発電においても、国際競争力を低
下させ、市場撤退してしまっている。これらの経験を踏まえた対
応できるのか、国の対策が問われる。
都市で太陽光発電が始まる
東京都は「ゼロエミッション東京」の実現に向けた2030年目標と
して、温室効果ガスの排出量50%削減、化石エネルギー消費量の
50%削減、再エネ電力の利用割合50%、太陽光発電200万kW以上等
を掲げている。
大都市東京がこの目標を達成するためには、再エネ電力の消費だ
けでな<、再エネ電力の供給、自給の強化策を打ち出し、実施す
ること抜きに語れない。
そこで期待されるのが薄膜太陽電池の存在だ。平置き中心であっ
た従来の太陽電池に比べ、開発が進む薄膜太陽電池は、その形状
特性から透明等の意匠性や設置容易性などの特長を活かして、ビ
ル等の建造物への適用に向いている 都市部のビルは、大型、高
層化が進み、建物の省エネや災害時に
おける機能維持に関する要求は一層高まっている。快適性を損な
わずに消費エネルギーを削減し、その上で必要なエネルギーを太
陽光による再エネ電力で賄うことができれば、大規模停電の災害
リスクを軽減できるだけでなく、さらなる省エネを推進、実現で
きる。そのために、平置き太陽電池の設置に限りのあった都市ビ
ルの自立再エネ発電を可能にする、薄膜太陽電池の登場は、願っ
てもない好機である。都市の大型高層ビルが電力自給、自家消費
機能を持つためには、都市の多様なニーズに対応する、特化した
新タイプの薄膜太陽電池の開発と柔軟な導入アイデアが求められ
る;再エネの地産地消社会が実現する大都市圈の電力供給を火力
に頼らない再エネ電力化するメリットはほかもある。これまで再
エ<ネ電力は、遠隔地で発電し送電するしかなかった。島国である
我が国は、100%自給が宿命であるが、国土面積が狭く再エネに適
したエリアは限られており、そのほとんどを開発しつくしている。
しかも発電した再エネ電力の送電は、送電容量に限りがある既存
の系統遠系に集中せざるを得ない。加えて、様々な自然災害に対
し脆弱な送電網は、電力の安定、安心供給に大きなリスクを背負
っている。省エネ、再エネの地産地消社会の実現のために、従来
の系統遠系電源だ けでなく、再エネ電力需要の多様性への軟な
対応力、災害、ピークカット、地区(場所)単位の自家消費等課
題解決に薄膜太陽電池の役割は多い。
開発はニッチ二ーズヘの対応
特殊性を追求する日本メーカー 国は、日本発のペロブスカイト
太陽電池であることから、諸外国 に先駆け量産技術の確立、生
産体制の整備、需要の創出に期待を寄せている。しかし、国内企
業は自社事業優先の戦略に沿って、 固有の技術開発を進める薄
膜(有機、ペロブスカイト)太陽電池の新市場創出 日本は世界最
高水準に位置し大型化や耐久性の分野でリード激化している状況
にあるが、日本は世界最高水準に位置し、特に製品化のカギとな
る大型化や耐久性の分野でリードしている。こうしたことから、
グリーンイノベーション基金において、「次世代型太陽電池の開
発プロジェクト」(498億円)を立ち上げ、2030年の社会実装を目指
している( 目標:2030年度までに一定条件下での発電コスト14円/
kWh以下)。 ペロブスカイト太陽電池の主要原料のヨウ素は、日
本が世界生産の30%を占めるなど、各原材料の国内調達が可能で
あり、特定国からの原料供給状況に左右されない強靭なエネルギ
ー供給構造の実現につながる。加えて、太陽光発電市場は、世界
的にも、導入量が毎年右肩上がりで増加(2021年:176GW、2022年:
234GW)しており、世界的な市場の獲得も期待さを逃した苦い経験
がある。
国は、日本発のペロブスカイト太陽電池であることから、中国や
欧州など諸外国でも研究開発競争が激化している状況にあるが、
投資の「規模」 と「スピード」でも競争し、諸外国に先駆け、
早期の社会実装を進め、 量産技術の確立、制体制の整備、需要の
創出に期待を寄せている。
図 厚さ0.003mmの有機太陽電池> 2022年3月28日
未来を変える次世代の太陽電池 出所:理化学研究所
開発競争にしのぎを削る国内メーカー
例えば、積水化学工業は、現在、30cm幅のペロブスカイト太陽電
池のロールtoロールでの連続生産が可能となっており、耐久性10
年相当、発電効率15%の製造に成功している。今後、1m幅での量
産化技術を確立させ、 2025年の事業化を目指している。すでに建
物壁面への実装工事も行われるなど、実証の取組も進捗が見られ
ており、昨年末には、世界初となる1MW超の建物壁面への導入
計画が公表された。
東芝では、独自のメニスカス塗布法を応用して作製したフィルム
型の同電池(面積703cm)において、大面積のものとしては世界最
高のエネルギー変換効率(16.6%)を記録した。塗布法を用いるこ
とで、エネルギー変換効率の向上と生産プロセスの高速化を両立
することが可能になり、現在、高効率かつ低コストなフィルム型
の同電池の実用化に向けて開発を<進めている。
カネカは、ポリイミドを基板に用い、薄膜シリコン太陽電池の量
産技術&発を通じてフィルム型ペロブスカイト太陽電池における
世界最高水準である20%に迫る変換効率を実現した。
トヨタもペロブスカイト開発に出資
京都大学化学研究所の研究成果を基に2018年に設立されたスター
トアップ企業エネコートテクノロジーズは、2023年4月時点でモジ
ュール変換効率19.4%なフィルム型ペロブスカイト太陽電池の開
発に成功している。次世代技術として期待の高い車載用ペロブス
カイト太陽電池の実用化を目指して、トヨタ自動車と共同で取り
組むことにも合意し、開発を開始した。
トヨタは「トヨタ環境チャレンジ2050」の実現に向けた様々な取り
組みの中で、省エネルギーやエネルギー多様化の観点からカーボ
ンフリー電力の自給自足を目指し、結晶シリコンセルを用いた車
載太陽光発電システムの実用化を進めており、さらなる発電効率
向上や低コスト化を目指している。
パナソニックでは、ガラス建材一体型ペロブスカイト太陽電池の
開発を進めている。まち・くらしに調和する「発電するガラス」
と位置づけ、実用サイズのモジュールとして世界最高レベルの発
電効率17.9%を達成している。
シャープが取り組むペロブスカイト太陽電池は、タンデム型で30
%以上の変換効率を実現できる水準に達し、大面積化した用途に
向けたタイプについては、変換効率を20%程度には高めておきた
いとしている。大面積化を志向した用途に向けては、880mmx660mm
のガラス基板に形成したセル(発電素子)を昨年末に公開している。
理化学研究所は超薄型・超柔軟・耐水を開発
理化学研究所では、水中でも駆動可能な耐水性と超柔軟性を備え
た超薄型有機太陽電池の開発が進んでいる。作製された厚さ3μm(
0.003mm)の超薄型有機太陽電池は、水に4時間浸漬した後もエネ
ルギー変換効率の保持率が89%であり、水中で30%の圧縮歪(ひ
ず)みと復元を繰り返す機械的な変形を300回加えた後も、エネル
ギー変換効率の保持率が96%という商い安定性を示す。さらに、
水中で浸漬した状態で60分以上の連続駆動を達成している。通常
の太陽電池は、光が斜めに入ると発電効率が低下するが、折り曲
げ可能な超薄型有機太陽電池の特長を生かして、700ナノメートル
(1nmは10備分の1メートル)の周期で微細に波打った状態で層を
つくり、光の入射角度の影響を受けにくく十分な発電を可能とし
ている。超薄型有機太陽電池は、その柔軟性と軽量な性質により、
ウェアラブルデバイスの潜在的な電源として期待されている。
用途や目的に応じてさまざまな市場の拡大が想定される
ペロブスカイト太陽電池
たとえば、軽量でフレキシブルなタイプは、ビルの壁面や耐荷重
が小さい工場の屋根などにも設置が可能で、太陽光発電の導入量
の増加が見込まれる。すでに開発に-定の進展が見られ、今後は
量産化に向けた製造技術の開発を進めるとともに、サプライチェ
ーン構築と初期需要創出がカギとなる。 屋内・小型タイプは、
loTデバイスなど比較的小型な機器類に貼ることができることか
新たな市場への展開が期待できる。また、超高効率型は、設置面
積の制限などから高いエネルギー密度が求められる分野、たとえ
ば交通や航空などの面でも利用が期待されている。低コスト化や、
高い耐久性など、量産化へのハードルはまだ高い状態だが、将来
的な市場ニーズは高いと考えられている。
※関連情報:
日本の再エネ拡大の切り札、ペロブスカイト太陽電池とは?資源エネルギー庁
風蕭々と蒼き時代
Giant, 1956 ⓐThis then is Texas, ⓑThe Eyes of Texas, ⓒYellow Rose of Texas
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