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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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5月24日(木)のつぶやき

2018-05-25 02:58:23 | _HOMEページ_
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日々の出来事 5月24日 人類最古の職業

2018-05-24 08:00:00 | A,日々の出来事_







  日々の出来事 5月24日 人類最古の職業







 今日は、売春防止法が公布された日です。(1956年5月24日)
日本には、江戸時代以来の公娼制度が存在していましたが、第二次世界大戦後の占領下、GHQからの廃止の要求によって公娼制度は無くなりました。
 しかし、形の上では廃止なのですが、実質は赤線地帯が黙認されたため、事実上の公娼制度は温存されていました。
そして、次に、この売春防止法により温存されていた赤線地帯も姿を消します。
 売春防止法の施行後、それまで赤線内で営業していた店舗は、バー、スナック、ラブホテル、映画館、旅館、料亭、アパート、堅気の下宿屋等に職種を変えましたが、密かに風俗営業を続けるものもいました。







 メソポタミア文明(シュメール)


 売春が「世界最古の職業」といわれる理由。
よく「売春は世界貴古の女の職業」といわれるが、もともとは売春といっても、金銭のやりとりがなく、慈善的なものとしてはじまった。
シュメール人は、史上最古の民族とされ、紀元前3000年ごろにはメソポタミア南部に都市国家をつくり、楔形文字を発明したことで知られる。








       シュメールの遺跡





















☆今日の壺々話















人類最古と言われている職業の種類




「 わちきは、嫌でありんす。」
「 赤ん坊を何人取り上げたことか。」
「 病気を治しちゃうぞ。」
「 盗んじゃうからね。」
「 雇ってくれたら戦うよ。」
「 私がやがて従事するであろう人類最古の職業。」(チャールズ皇太子談)


哺乳類の職業について

「 キーッ、キャッ、キャッ、キャッ。」(ボノボ談)
(翻訳:人類以前でもあるがな!)






















就職







 会計学校を卒業したばかりのリックは、高給職の面接を受けに行きました。
面接官は、学歴など、ありとあらゆる質問を彼にぶつけたのち、“3×7はいくつかね?” と問題を出しました。
そして、リックは自信を持って答えたのです。

「 22です!」

面接を終えた彼は、電卓を使って計算をやり直してみました。

“ しまった、21か!
これでは、合格はもらえないだろうな・・・。”

リックは不合格の覚悟を決めました。
 それから2週間が経ち、その会社から封筒が送られて来ました。
リックは封筒を見るなり思いました。

「 どうせ、不合格だろ・・・。」

でも、一応、確かめてみる必要はあります。
リックは封筒を開けてみました。

““ 合格 ””

「 え、えっ、合格だって・・・!?」

なんと、その会社から採用通知が送られて来たのです。
 リックの頭は、疑問でいっぱいになりました。
あれこれ考えるのですが、どうも決定打は浮かんで来ません。

“ 考えていても仕方ないから、訊いてみるか・・・。”

 あくる日、彼はその会社に出向き、あれほど簡単な計算を間違えた自分が、なぜ採用されたのか訊いてみました。
すると、面接官は肩をすくめて言ったのです。

「 ああ、キミが一番正解に近かったんだよ。」























この店







 なあ、お前と飲むときはいつもこの店だな。
一番最初、お前と飲んだときからそうだったよな。
俺が貧乏浪人生で、お前が月20万稼ぐフリーターだったとき、おごってもらったのがこの店だったな。

「 俺は、毎晩こういうところで飲み歩いてるぜ。
金が余ってしょーがねーから。」

お前はそういって笑ってたっけな。
 俺が大学出て入社して初任給22万だったとき、お前は月30万稼ぐんだって胸を張っていたよな。

「 毎晩残業で休みもないけど、金がすごいんだ。」
「 バイトの後輩どもに、こうして奢ってやって、言うこと聞かせるんだ。」
「 社長の息子も、バイトまとめている俺に頭上がらないんだぜ。」

そういうことを目を輝かせて語っていたのも、この店だったな。
 あれから十年経って今、こうして、たまにお前と飲むときもやっぱりこの店だ。
ここ何年か、こういう安い居酒屋に行くのはお前と一緒のときだけだ。
別に安い店が悪いというわけじゃないが、ここの酒は色付の汚水みたいなもんだ。
油の悪い不衛生な料理は、毒を食っているような気がしてならない。
 なあ、別に女が居る店でなくたっていい。
もう少し金を出せば、こんな残飯でなくって、本物の酒と食べ物を出す店を、いくらでも知っているはずの年齢じゃないのか、俺たちは?
 でも、今のお前を見ると、お前がポケットから取り出すくしゃくしゃの千円札三枚を見ると、俺はどうしても“もっといい店行こうぜ”って言えなくなるんだ。
お前が前のバイト、クビになったの聞いたよ。
お前が体壊したのも知ってたよ。
 新しく入ったバイト先で、一回りも歳の違う、20代の若いフリーターの中に混じって、使えない粗大ゴミ扱いされて、それでも必死に卑屈になってバイト続けているのもわかってる。
だけど、もういいだろ。
十年前と同じこの店で、十年前と同じ、努力もしない夢を語らないでくれ。
そんなのは、隣の席で浮かれているガキどもだけに許されるなぐさめなんだよ。






















職業病







 さっき仕事でクタクタの状態で、結構混んでる電車の入り口近辺に立ってたんだ。
遅い時間だし座席も空かなくて、車内はドヨーンとした雰囲気。
しばらくして、私がいる側の入口がピコーンと開いた。
その瞬間、隣でウトウトしてたお兄さんが、「いらっしゃいませー!」と爽やかに挨拶した。
乗ろうとしたおじちゃんはびっくりして一瞬止まってるし、お兄さんは私に向かって「あっすみません…」とか言うし・・・・。


 実家の玄関あけて「御免下さい」って入った。
訪問販売やってた頃だったな。


 「おかえり~」と言いながらこっちに歩いてくる母に対して、「あっ、はい、お世話になっております!」と言ってしまったことならある。
まぁ世話にはなってるんだけど。


家に、かかってきた電話に、「ハイ!○○です」と会社の名を元気に答えてしまいました。


 以前、販売してた経験から『毎度ありがとうございます〇階〇〇売場でござい…』って出ちゃった経験ある。


 ファミレスで食事中、お客さんが入ってきて「いらっしゃいませー!」と言いかけ、(ハッ!違う!)と気づいたものの止まらず、「いらっ!」っと元気よく言ってしまったことはある。


 ホテルマンやってました。
マンションの入り口で他の住人と出合ったときに、ドア開けて笑顔でおむかえしてしまった。
住人はぎこちなく会釈しながら変な足取りで帰宅した。


 バスガイドです。
バック誘導のとき、「オラーイ、オラーイ、オラーイ…」って腕振ってやるところを、「お疲れ様で―す、お疲れ様で―す、お疲れ様で―す…」って言いながらやってた。
三回目くらいで気付いた。


 今日は朝から忙しくて、部署全体がテンパってた。
上司なんか電話2台で交互に話すぐらい。
隣に座ってる同期のやつの電話が鳴った。

同僚「もりもり!もしですが!」

↑の名前は森くんです。























面接





自分も空白期間が5年程ある。
面接で突っ込まれたらなんて答えればいいんだろ?

長期のブランクには、家業の手伝いしてたが一番有効らしいぞ。

家業というのは何かな?
家は自営でもなく、何もしてないのだが・・・。

親戚でも友人でも何でも良いだろ。

親戚も友人もいないのだが。

こうなったら浮浪者でも野良犬でも何でも良いだろ。

5年ほど野良犬の手伝いをしていました・・・・。























警察





この前、ねずみ取りやってたから自転車本気で漕いで通過して、その後、

「 何キロでてました?」

って聞きに戻ったら、

「 仕事の邪魔です。」

って言われた。























中華店






チャーハン食った。
まずかった。
大声で「まずい」と叫んだ。
厨房の置くから「どうすりゃええねん」と若い男の声が聞こえてきた。
あわてて「ねぎはうまく切れてる」とフォローを入れた。

























コンビニ






 先日、引継ぎ中でレジに3人いた時に、

“ デブでおでこハゲかかってて広い、後頭部と耳上は一分刈りで頭頂部だけ猫耳のように立ってる髪の毛が2束”

という、とても変な髪形の客が来た。
 髪の薄いサリーちゃんのパパみたいな・・・・。
文字だけじゃイメージしづらいと思うけど、かなり衝撃的。
 しかも、寒い夜なのになぜか半そでTシャツ。
TシャツにはPUMAっぽいプリントがあって「PUMA」の代わりに「KUMA」とか書いてある。
そいつがレジに歩いて来る時に、スタッフ3人は同時にカウンター下に隠れた。

女子店員「 無理・・・あたし絶対あの人の接客無理!吹き出しちゃうよ。」
後輩「 僕も無理です!!直視できません・・・。」
俺「 俺だって無理だよ、チラっと見ただけでもう思い出し笑いが。」

 でも、しょうがないからレジに一番近かった後輩がレジ打ちして、女子が袋詰め。
肉まんを頼まれたから、俺が肉まんを袋に詰める。
 ふと女子店員を見ると、笑いをこらえすぎて顔が真っ赤になっている。
吹き出すのを我慢するためなのか、唇にぐっと力を入れている様子。
後輩は、

「 ○○円が1点ー、○○円が1点ー・・・・・・。
○○…ふっ、○○円が2て…、ゴホンゴホン・・・・。」

と、むせたフリをしてごまかそうとしている。
それ、ごまかせていない。
そんな2人を見て、更に笑いがこみ上げる俺。
 女子店員も同じ様子で、袋詰めし終わった後はじっと下を向いていたんだが、何を思ったかチラッと客を見たくなったようで、客を見て「ぶふっ!」と言いながら後ろ向きになって煙草の品出しを始めた。
 後輩はもう我慢ができず、笑いはこらえているものの肩が小刻みに震える。
鼻息荒いし。
俺ももう限界。

 なんとか大笑いすることなく、客が帰ってゆく。
他に店内に客はいない、もうすぐ事務所で思う存分笑える。
早く閉まれ自動ドア!
そう思った瞬間、その客が踵を返して戻ってくる。

“買い忘れか?勘弁してくれよ・・・・。”

そう思った瞬間、彼は閉まりかけたドアに挟まれた。
もうだめ。
全員限界超えた。























無料警備員






 最近施設常駐警備員に就職したんだがよく出る。
先輩たちや隊長からよく出るからまぁそれも給料のうちと思っとけと言われてるけど・・・。
仕事先がショッピングセンターなので閉店作業っていう施設内からお客さんを追い出す作業中、とある箇所のトイレが毎回ヤバイ。
 誰もいないのに話し声が聞こえるなんて当たり前。
そこのトイレだけなぜか薄暗いし昼間はなんともない照明がとにかく点滅する。
極めつけは、鏡越しに見ちゃったこと既に3回。
当然後ろには誰もいないんだけど・・・。
 最近は慣れてきたもんで見ちゃうと「お疲れ様でーす!」と声かけてから出ることにしてる。
夜間のトイレの安全はきっと彼らが守ってくれてるんだから。
今日もノーギャラで警備乙っす!




















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5月23日(水)のつぶやき

2018-05-24 03:03:12 | _HOMEページ_
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日々の出来事 5月23日 城南電気 宮路年雄

2018-05-23 08:00:00 | A,日々の出来事_






  日々の出来事 5月23日 城南電気 宮路年雄






 今日は、城南電気の社長、宮路年雄(みやじ としお)が、本社の社長室で刃物を持った男に襲われ、150万円を奪われた日です。(1995年5月23日)
宮路社長は、江頭2:50と友達で、ユニークなキャラクターに人気があり、数多くのテレビ番組に出演していました。
そして、商品の仕入れのために常に3000万~4000万円の現金をアタッシェケースに入れて持ち歩き、自らロールス・ロイスを運転している様子をテレビでよく紹介されていたために、何度も強盗に襲われていました。
 宮路年雄を有名にしたのは1994年3月の米騒動事件で、前年の記録的な冷夏の影響で全国的に米不足となった際に、秋田県大潟村であきたこまち29トンを買いつけ、3月27日に杉並区の城南電機・西永福店で赤字廉売しました。
当時、この米販売はヤミ米と言う訳で、食糧庁が食糧管理法の無許可販売と判断し城南電機に行政指導した事件です。
 宮路年雄は1998年5月9日肺炎で亡くなり、城南電気も後を追うように1998年6月15日に潰れてしまいました。














    城南電気 宮路年雄



















☆今日の壺々話
















宮路社長と社員と江頭2:50




「 社長、もう、現金を持ち歩くのは止めて下さい。」
「 何を言っておるか、バカモノ。
戦時中の機銃掃射に比べたら、チンピラみたいな強盗なんて物の数ではないわ。
今、生きているだけで儲けものなのだから、もう怖いものなどないのじゃ。
なあ、江頭君。」

( 江頭、服を脱ぎ始める。)

「 それに、ヤミ米を安売りするのも止めて下さい。
食糧庁の行政指導も入っていますから。」
「 日本人は日本の米を食いたいんじゃ!
もう、5キロ6000円で仕入れたコメを3000円で売り出すぞ。
損して、知名度で得を取るのじゃ!
なあ、江頭君。」

( 江頭、パンツに手を掛ける。)

「 社長、もう、止めて下さいよ!」
「 なんの、なんの。
消費者の声にこそ、“正義”はある。
なあ、江頭君。」

( 江頭、パンツを一気に脱ぎ捨て、踊り出す。)

「 人生は、オモロイ!
なあ、江頭君。」

( 江頭、下半身を社長の顔に擦り付ける。)

「 こらァ~、止めろ~、うっぷ!!」










やしきたかじん事件





 江頭2:50は、番組中、椅子に紐で括り付けられ身動きが取れなくなった やしきたかじんの顔に性器を押し付けました。
その時の絶叫は次の通りです。

「 おのれェ~、おんどりゃあァァ~、やめろッ、こらぁぁ~!!!」

やしきたかじんの東京嫌いは、東京に行ったら いつ江頭に会うかわからないと言う恐怖にかられているという説がありました。























パソコン





女『パソコンがおかしいんだけど…。』
俺『バッテリーかな?電源は点く?』
女『昨日はちゃんと動いたんだけど…。』
俺『原因がバッテリーかどうか知りたいんだけど、電源は点く?』
女『明日の会議用の資料作ってたから、パソコンを使えないと…。』
俺『んで電源は点く?』
女『前に使ってたパソコンでは、こんな事無かったのに…。』
俺『電源は点く?点かない?』
女『前使ってたワープロがあるから、作ろうと思えば資料作れるけど…。』
俺『…電源。』
女『まだ買って1年も経ってないのに…。』
俺『………で・ん・げ・ん。』
女『そうだ!今から電気屋さんに行ってみるね!』























一人暮らしの家電







 自炊するなら、とりあえず一口コンロと鍋一個を買っとけ。
しないなら、電子レンジ。
オーブン機能の無いレンジ機能だけの激安で十分。
 後、多少は格好気にするなら、アイロンとアイロン台が必須。
皺の出来ない形状記憶生地の洋服も多いけど、それでも皺は皆無じゃないし、
ちょっとした皺を消すにもあったほうがいい。
 本棚は段ボール箱を横に積み重ねて、サランラップなどの芯を柱代わりにして使用する手もあり。
気に入る棚が手に入るまで、それで過ごすというのもありよ。
金かからねーし。
 そして、必須なのはトカレフとニンニク。
あと念のため火力の大きい、ロケットランチャー。
都会の夜の鉄則は「殺られる前に殺れ!!」だ。
最近ゾンビの群れが、一人暮らしを狙って、便所から涌いてくるらしいから、
対戦車ライフルもあった方がいいかもしれないが、
それは、おいおい買い揃えるべきだろうな。























家電量販店の上司





 家電量販店でモバイルルーターの契約取る仕事してた事があるんだけど、その時一緒に店に入ってた上司が仕事はできるけど人間性が最低の嫌な人で、仕事もほとんど教えてくれない。(最低限以外は自分で見て覚えろと無茶ぶり)
同僚同士の飲み会あっても、わざと俺だけスルーして俺は知らなかった。
 飲み会は他の同僚から、

「 なんで、お前だけ来なかったんだ?」

と言われて初めて気付いた。
 上司は、

「 あ、君も来たかったの?」

とか終わった後から言うような人だった。

 それで、ある日年配のお婆さん相手に契約が1件取れて、パンフレット片手に必死に説明し、契約書書いた後の不備がないかどうかの確認にその上司を呼んだら、お婆さんの目の前で俺をいきなり罵倒し出した。

「 パンフレットや規約説明の部分にごちゃごちゃ書き込みをするな。」
「 こんなにひどいメモ書きではお客様が逆に混乱する。」
「 説明のために書くにしてもあまりにも字が汚すぎる。」
「 なんだこの歪な字は、なんて書いてあるのか意味不明。」
「 黒一色じゃなくて蛍光ペンも使えと言っただろう。」etc...

言うだけ言った後、俺に無理矢理頭下げさせようとした辺りで、今まで黙っていたお婆さんがキレた。

「 メモは、その人じゃなくて全部私が書いたんですけど!」

 上司は平謝りしてなんとか許してもらってたけど、その様子を周囲の人に見られてそこから評判がガタ落ちした。
それで、この噂が本部に流れたようで別の店舗に降格異動になった。























冷蔵庫




 パートが残業で遅くなって、うちに帰ったのが夜になってしまいました。
主人がもう帰ってきていて、一人で晩酌していました。

私「 ただいま。ごめんね。買い物してきたから、今おつまみ作るわ。」
主人「 ああ、お帰り。勝手に冷蔵庫から出して食べてるからいいぞ。」

昨日、食材は使いきってしまって、冷蔵庫の中は空なのに一体…。
私はいぶかしく思い、尋ねてみました。

私「 冷蔵庫に何か残ってたっけ?」
主人「 うん、この猫印の缶詰めなかなか美味いぞ。」

























冷蔵庫





冷蔵庫に入れる玩具で、
冷蔵庫開けると「こんにちは」
長く開けると「暑くなってきた」「そろそろ閉めない?」
みたいなことを喋るやつがあるみたい。



俺様冷蔵庫
「 またおまえか。」
「 開けすぎだ…そろそろ閉めろよ。」
「 (中身が)もうどうなってもしらねえぞ。」

敬語冷蔵庫
「 …っ急に開けないでください!」
「 ヘ、ヘンなとこ探らないでください!」
「 これ以上はもう、ダメです…。」

おばか冷蔵庫
「 プリンくっちゃったよぉ~嘘だけど~。」
「 ねー、たまご腐ってなぁい?w」
「 あ、牛乳がヨーグルトになってるうー。」

























冷蔵庫





 就職が決まったので日記をつける事にした。



3月26日(日)
 20世紀最後の年。
念願の就職も決まり、今日から日記をつけることにする。
ようやく真人間となれたものの、真人間とは何をするものかと、
貧弱な頭を捻った結論が日記である。
長年、親の脛に寄生してきた代償は思った以上に大きい。



4月1日(土)
 本日より仕事である。
誰しも一度は耳にしたことがある電器メーカーが、私の職場となる。
先日まで地の底を見上げていた、私のような人間が必要とされる。
これほどまでに胸が高まるのは何時以来だろうか。
初日で土曜日ということもあり、簡単な説明で退勤となる。



4月3日(月)
 最初に与えられた仕事は、冷蔵庫の扉の耐久テストだ。
冷蔵庫の扉が、何回の開閉までなら正常に使用できるかを評価するらしい。
作業は至極単純で、一定の力加減で扉を開閉し、開閉した回数を数えるのだ。
学の無い私でも最先端の技術に貢献できることを、とても誇りに思う。
今日は2万5千回の開閉で退勤。



4月10日(月)
 耐久テストを開始して1週間が経つ。
扉は壊れるどころか、正常そのものである。
これほどまでに頑丈な扉を作る技術があるとは、本当に素晴らしい会社だ。
私の境遇がいかに恵まれているか、改めて痛感する。



4月25日(火)
 この世に生を受け幾年月、初めて自分の力で金を稼いだ。
会社の好意で、商品の冷蔵庫を安く譲ってもえることとなる。
早速家へと帰り、感謝の気持を込め冷蔵庫を母親へ贈った。
これの新型の開発に携わっていることを話すと、涙して喜んでくれた。
初めての給金と、初めての親孝行、なんと素晴らしい日であろうか。



5月12日(金)
 真に頑丈な扉である。
100万回の開閉にも、歪み1つ見せない。
最近、扉を開閉する音が耳に残り、なかなか寝付けない。



6月19日(月)
 夜中に目が覚める。
腕が、扉を開閉する動きを繰り返していた。



7月15日(土)
 どこまでが腕で、どこからが扉なのか、
時々判らなくなる。



8月30日(水)
 突然、冷蔵庫の中に蝶が紛れ込んできた。
開閉作業を中断し、蝶を探すが見つけられず。



9月3日(日)
 冷蔵庫を開けると、妖精と目が合う。
なるほど、蝶も幻覚だったのだ。



9月28日(木)
 冷蔵庫の妖精が、日に日に醜くなる。
その形相は、まるで鬼のようだ。



10月16日(金)
 夢の中でも扉を開閉している。
夢と現実の区別がつかない。



11月22日(水)
 仕事中、気が付くと1週間が過ぎていた。



12月31日(水)
 今年も終わり。
それにしても頑丈な扉である。























家電量販店の店員さんに聞いてみました






田舎だからなのかうちの近所の量販店は行くといつもガラガラで店員さんも暇そうだけどお店はどうなの?

おれのいる店は街中だからお客が多いから、あまりヒマではないよ。
昔は郊外の店に配属されてたけど、その時はヒマな時もあれば、めっちゃ忙しいときもあった。
それより、売り上げを伸ばすために積極的に接客をしていたが。

正社員?
知り合い来たら恥ずかしくない?

元正社員。いまは雇用形態はちがうが。
知り合いきた時は、ちゃんと接客するし、安くしたりいろいろサービスしてやんよ。
べつにはずかしくはない。

結婚しないの?

結婚したいよ。

俺、ヨドバシ好きなんだけど、どんぐらい値切って落ちるもの?

おれも、数ある家電量販店の中ではヨドバシは大好きだ。賑やかで、豊富な品揃えが、最高に興味を引き立てるね。
値切るなら、値切る理由をつけないとやってくれないよ。
店員からしたら、ただ安くしても値引く理由もないからやらないね。
でもこれが、ほかで安い店があった(その店の名刺提示された価格が記載されたものとか)とかがないと。
あとは最初から偉そうな口調で値引き交渉してくる客には「こんなやつに値引きしたくない」って思うから、態度は気をつけたほうがいいよ。
店員だって人間だから感情はあるよ、仲良くなったお客や、店のシステムやルールを理解してくれたお客には、出来る限りのサービスをしてあげたい!って思うからね。

得意料理はなんですか?

ヘルシオで作る鶏のスパイシーデジタルソテーかな?
つかおまえら家電量販店にまつわる質問をしてこいよ。

ピックとかヨドとか、早番は何時出勤?遅番は何時退勤なの?

だいたい早番9:30~、中番11:00、遅番13:00とかかな。
閉店後も、品出しとか売り場の改装やら、翌日の売り出し商材の準備とかある。

お客様に誘われちゃつたことはある?

保険の勧誘受けたことならあった。

オススメの商品って早く在庫処分したいかメーカーが金積んだかどっちかなんだろ。

そうだよ。
めっちゃ性能悪いのに売らなきゃいけない商品もあるよ。
お客に勧めて売るのマジ心痛いわ。

量販店の電機製品の原価は、ほとんどが半値8掛け二割引きなんですか?

そうでもないよ、商品や発売からの経過時期によってもさまざま。
ただ新製品は値下がり前の価格だから粗利いっぱいのってるよ。
逆に発売からある程度経過したら、実質原価割れでの販売になってくるよ。
税込原価50800円が、52800円Pt10%とかでバンバン売るよ。

特ア系のメーカー、例えばLGやハイアールって品質とかアフターサービス悪いの?

品質わるいよ、おれなら買わない。
日本メーカなら毎日のように営業が商品のメンテナンスやレイアウトの変更やPOPを貼りに来るほど、販売意識高いけど。
特ア系は1年に一回とかしか来なかったりしたな。まぁ店の規模にもよるけど。
お客がお客様窓口に電話しても、満足する対応が受けられなかったりする。
販売店が問い合わせする窓口すらないところもある。
だからカタログに表記されてない仕様とかお客に聞かれても、調べる術がなかったり。
商品は卸業者を通して勝手に入ってきて、勝手に売れていき、担当営業が誰なのか不明、問い合わせる術もない。
まさに"無言で運営しつづけるメーカー"というイメージだ。ようわからん。

なるほど。そこら辺も大陸仕様か。
もひとつ、オリオンみたいな日系の新興勢力はどうよ。

オリオンか。
販売店の店員からすると、名前聞いただけで地味すぎてワロリンだよ。
同じく故障多いよ。オリオンの14インチくらいのテレビあったけど、デザインわるいし安っぽいし。
緩衝材の発泡スチロールさえなんだか他と違って安っぽい。
説明書はワードで適当に作っただけのようなやつで、誤字もある。

新製品の情報ってメーカーからどう伝えられるの?
正式発表よりも前に分かるの?守秘義務とかありますか?

新製品の情報は、メーカの営業さんが「ぜひ販売お願いします!」って言って資料を持ってきてくれて、販売店向けに勉強会を開いてくれるよ。
公式発表前に教えてくれるところもある。もちろん公式発表までは守秘義務があるよ。
炊飯ジャーやオーブンの勉強会なら実際にご飯炊いたりお菓子焼いたりして食べさせてくれるし、TVやカメラなら旧モデルと並べて画質の差をわかりやすく比較してくれたり。
メーカーも、販売店の社員に自社の商品をオススメしてもらえるように必死だよ。
全量販店向けに、ホテルの会場貸し切って発表会や勉強会やるとこもあって、カメラの発表コーナーではモデルさんがスタンバイしてて新製品で実際に試し撮りをさせてくれたり楽しいよ!

色んな商品を比較して決めたいのに、自社製品ばかりすすめる人がいてうんざりする時があるんだけど、メーカーの人がきてるの?
もしそういう人がいたら、販売店の人に代わってもらったら失礼だよね?

それはメーカーの販売員だね。
彼らは自社の製品を販売する目的で入店してるから、自社製品をオススメしてくるよ。
彼らは1日何台っていう風に予算が組まれてるから、給料もらうために一生懸命自社の商品を販売するよ。
販売店の社員であれば、わりと中立な立場でお客に商品を提案できるから、
お客によっては「あなたメーカーの方でしょう?社員に代わってもらえる?」
と言う人もいるよ。言っても大丈夫ですよ。
あとは値引きできる権限や他店の在庫状況まで確認できるのも社員。
メーカーのスタッフは店舗の社員や上長と仲が良くないとそこまではできないよ。

値段にうるさい客きたらどう対処してる?

カカクコムの最安値より安くしろ系の交渉はもう飽きたね。
販売員なら誰でも嫌な接客だよ。
最近では量販の価格が価格コムに勝てないのを知ってて交渉に来る客がいるが、価格コムに近い価格を提示すればすんなり店で買ってくケースがある。
おれはそれを知ってるから、価格コムの話をして来たお客には精一杯の価格を提示するよ。

ケーズデンキのネットのショップで6000円で売ってて、近所のケーズの実店舗だと定価で8000円で売ってた。
こういうのは値引き交渉出来るんですかね?

できない場合がほとんどだよ。
そのパターンはよくあるけど。
ネットの価格と店頭価格が違うのはどこの量販も同じだね。
なぜと聞かれると、マーケットに詳しい人じゃなきゃ説明できない。
販売員レベルの人で正確に答えることはできないのではないかな。

ケーズは?

ケーズは感じのいい女性の店員さんがいたので、以後1万円を超える電化製品を店頭で買うときはその人で指名買いしているんだが、ほぼ納得できるぐらいの価格に一発で値引きしてくれる
後で知ったがその人フロアの部長さんだった。
店頭買いは、大きな裁量権を持っている感じのいい人を見つけることが大事だと思う。

年収いくらくらい貰ってますか?
家電販売店ってよく派遣スタッフを募集してるけど、派遣スタッフと付き合ったりとかあるんでしょうか。
全く関係ない話ですか、婚活相手が家電販売店に勤めてるので気になります。

ありがとうございます。
300万~400万くらいですね。
歩合制のようなのでちょっと不安だな。



















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5月22日(火)のつぶやき

2018-05-23 03:02:34 | _HOMEページ_
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日々の出来事 5月22日 華厳滝

2018-05-22 08:00:00 | A,日々の出来事_








  日々の出来事 5月22日 華厳滝








 今日は、藤村 操(ふじむら みさお)が華厳滝で自殺した日です。(1903年5月22日)
藤村 操は、北海道出身の旧制一高(東京大学)の学生で、1903年5月22日、日光の華厳滝において、傍らのミズナラの木に「巌頭之感」を書き残して自殺しました。


  巌 頭 之 感

悠々たる哉天壤、遼々たる哉古今、 五尺の小躯を以て比大をはからむとす、
ホレーショの哲學竟に何等のオーソリチィーを價するものぞ、
萬有の真相は唯だ一言にして悉す、曰く「不可解」。
我この恨を懐いて煩悶、終に死を決するに至る。
既に巌頭に立つに及んで、 胸中何等の不安あるなし。
始めて知る、 大いなる悲觀は大いなる樂觀に一致するを。



 東大生の厭世観による死は社会に大きな影響を与え、藤村の死後4年間で華厳滝で後追い自殺を図った者が185名に上りました。
華厳滝が今も自殺の名所として知られるのは、この出来事によるものです。
 また、夏目漱石は旧制一高で藤村 操に英語を教えており、自殺直前の授業中、予習をしていなかった藤村を叱っていました。
この自殺は、夏目漱石が、後年、鬱病になった一因と言われており、「吾輩は猫である」にも “打ちゃって置くと巌頭の吟でも書いて華厳滝から飛び込むかも知れない”と言う一文が見られます。
 なお、ミズナラの木は、警察により伐採されましたが、その写真は華厳滝で今でもお土産として販売されています。














    華厳滝























☆今日の壺々話












  東大生による“東大に入るメリット・デメリット”






東大に入るメリット

1.「東大」というブランドが手に入る。

 私が東大受験をしていた頃でしょうか、どっかに保管されていた落書きの作者がゴッホだということが判明すると、その落書きに何億もの値段が付いたというニュースを見ました。
 今まで誰も見向きもしなかった落書きに、「ゴッホ」というブランドが付いただけで、この有様です。
おおよそこの世の中に住む人は、ブランド大好きみたいです。
 京都でニートやってた時、高島屋で「エルメス展」をやっていたので見に行ったのですが、善光寺の真っ暗の中を進むアレみたいで何とも言えない展示会でした。
 しかし心の中では,

「 これは天下のエルメスが企画した展示会だから素晴らしいに違いない!」

と思い込んでいました。
 そしてナイロン製のリュックを5000円で買ってしまいました。
今思えば、「何だコリャ?」といったナイロンのリュックを「エルメス製だから」という理由で、5000円で買ってしまったのです。
私を含めた多くの日本人は、その品質も確かめずに、「ブランド品だから」という理由だけで高い金を出してはブランド物を手に入れようとしています。
 本来、ブランドには一定の品質が求められると思うのですが、その点について盲目的な人が多いと感じます。
 エルメスだろうがヴィトンだろうがシャネルだろうが、自分の中に確固たる信念を持ち、自分を信じていれば、わざわざ「他人様がお作りになられた」ブランドなんかで身を守らなくても良いのですがね・・・。
 出る杭は徹底的に打たれ、自己否定を美徳とする。
日本の風土がそうさせているのかもしれませんが、自信の無い日本人が多い証拠だと思ってしまいます。
学校でも会社でも至る所で見受けられます。
 まさに、一億総「トラの威を借るキツネ」状態でございます。
そんなわけで、社会に出て分ったのですが、「東大卒」はかなりのブランドになります。
地方に住んでいると、天然記念物を見るような目で見られます。
 さらに良いことには、金を出せば誰でも大抵のブランド品は買えますが、東大というブランドは、金を出すだけじゃ買えないということです。
そこそこの金に加えて、ある程度の情報処理能力が必要なのです。
 例えば金持ちにありがちな、「親の七光り」だけでは東大ブランドは手に入らないのです。
逆に言えば、例え親がクズでもコネが無くても、ある程度の情報処理能力があれば誰でも手に入るのが東大ブランドなのです。
 本当は、所属している大学名や企業名といった、レッテルや肩書きに惑わされず、各個人の内面を見て色々と判断できれば良いのですが、そうも言ってられないのが今の社会です。
それが良いのか悪いのかの判断はともかく、肩書きで判断されることが多い社会に生きる現代人にとっては、東大は大きなブランドとなるのです。



2.頭が良くなる

 「合格して入学して終わり」という他大学とは違い、東大は入学してからも勉強しなきゃいけません。
東大に入ると、2年から3年にあがる時に「進振り」があるので、希望する学科や研究室に入るためには授業で真っ当な点数を取らなければいけないのです。
 真っ当な点数を取るために嫌でも勉強しなければいけなくなるので、自然と頭が良くなります。
 さらに、東大生の殆どは、頭が良いと共に色々な才能や大らかな人格を持ち合わせています。
どうしようもないニートだった私もそういった人達と付き合うことで、「類は友を呼ぶ」「朱に交われば赤くなる」といった感じで、かなり頭が良くなりました。
 日本で一番の学習環境に身を置くと、嫌でも頭が良くなってしまうのです。



3.金に困らない

 既に色んなところに書いていますが、一般に就職できないと言われている文学部ですら、東大だと就職先はテレビ局、証券会社、出版社、通信会社、広告代理店、大手コンサル、ナントカ省など様々です。
 最低でも地方公務員といったところで、法科大学院に行って、弁護士になった人もいます。
私のように6年間ニートでダラダラ過ごしていても、金に困らない程度の会社でダラダラ過ごすことができます。
それで本人が満足するかは、全く別ですが・・・。
 というか、東大に入る力を持っている人間は、「金を引き寄せる力」のようなものを持っているみたいなので、道さえ踏み外さなければ、おそらく一生、お金で思い患うことはないと思います。





東大に入るデメリット



1.妬み

 一番のデメリットは、これに尽きます。
「学歴なんか関係ない」という人間に限って学歴にこだわり、妬みの炎を燃やして、こちらを異様に敵視してきます。
 こういう手合いは「学歴なんか関係ない」のではなくて、「本当は学歴が欲しいけど手に入らなかったから、自分の中では関係ないことにしていたい」が本心なのです。
日本人の誰にでも大いに関わりのある話題なので、金と学歴の話は、日本では荒れるネタです。
しかし、いくら他人を妬んでも、困るのは本人なのですがね・・・。
 私みたいに、どん底まで落ちて人生割り切っている人間ならまだしも、純粋培養されてきた東大生が社会に出ると、周囲の人間の妬みに晒されて、それをマトモに受けてしまい神経をやられるかもしれません。



2.社会に出て失望する


 東大で聖人君子みたいな友人や教授に囲まれて過ごすと、社会に出てからあまりのレベルの違いに愕然とさせられます。
こちらの考える「標準」「スタンダード」「普通」が、全然「標準」「スタンダード」「普通」ではなかったりします。
 私のように、都市部ではなくてド田舎で会社員生活を送ると、都市と地方とのレベルの違いも相まって、さらなるギャップを痛感させられます。
私みたいにギャップを感じるだけなら良いのですが、小さい頃から東大一筋、一流企業一筋で生きてきた人には私のような転落は、生死の問題となるでしょう。
 つまり、社会的にかなり上昇した東大卒が転落すると、落差がすごくて「両足を折る程度では済まない」くらいのダメージを負うのです。
 また、転落しないように「死ぬまで踏ん張り続けなければならない」ということは、一旦高い所まで上ってしまった人間特有のデメリットだといえなくもありません。



3.東京は金がかかる

 安売り店が沢山あるので、物価はそんなに高くないのですが・・・。
東京は家賃が高いです。
そのへんのボロアパートでも家賃が7万円かかります。
長野みたいな田舎だと1軒家が借りられる値段です。
 誘惑もいっぱいで、何かサークルにでも入ろうものなら家賃、生活費、遊ぶ金で、毎月20万円は吹き飛びます。
 実家が金持ちの人や、関東に実家のある人には関係ない話ですが、地方出身者にとってはキツい話です。
ちなみに私は、サークルは1ヶ月で辞めましたし、ネットと酒を飲む以外の趣味が無かったので、毎月かかる金は家賃含めて10万円未満でした。



まとめ

 以上、東大に入るメリットとデメリットでした。
当たり前ですが、やっぱメリットの方が大きいかな、と思います。
 そもそもここに書いたデメリットはこじつけに近いですし、自己の内面を鍛えれば、他人から妬まれ嫌がらせを受けた時や、人生転落した時などに、冷静に対処できるようになると思います。
 私のように痛い目にあってから内面と向き合うのが嫌な人は、東大に入ってからでも内面関係の本などを読んで、頭と一緒に内面も鍛えれば良いと思います。
哲学書や自己啓発本の内容を理解できる読解力は、東大に入れる時点で身に付いているでしょうからね。
 ただ、怪しいサークルや宗教団体に勧誘されるとあなたの人生が物凄くマズいことになるので、内面を鍛える場合は、自分の部屋で人知れずコッソリとやりましょう。


























有名なあちこち








■青木ヶ原樹海 周囲の住民は、見慣れない自殺志願者に敏感。結局は樹海内で他の手段で自殺しなければならず二度手間。

■清水の舞台 夜中ででもない限り観光客が多く、飛び降りれない。

■虹の大橋 交通の便が悪い。当然フェンスがあるので、乗り越えようとすれば誰かに止められる。

■中央線 影響甚大。場合によっては賠償金とも。遺体が目も当てられない。

■道頓堀 夜中でも人が沢山いる。救助が早い。阪神ファンと間違えられる。

■東尋坊 自殺の名所として有名なため自殺防止のボランティアがいる。

■足摺岬 交通の便が悪い。日中は観光客がいる。

■三段壁 自殺の名所として有名なため自殺防止のボランティアがいる。

■阿蘇山 かつて自殺の名所とされた。火口にまで辿り着くのは困難。

■軍艦島 上陸自体禁止されている。結局はそこで他の手段で自殺しなければならず二度手間。

■華厳の滝 かつて自殺の名所とされた。日中は観光客が多い。

■錦ヶ浦 かつて自殺の名所とされた。

■高島平団地 かつて自殺の名所とされた。現在はほとんど飛び降り防止柵が設けられている。






















  警察が自殺と断定、または事件性が無いと判断したものいろいろ





・自動車事故で胸部大動脈損傷したあと5キロほど車を運転して、橋の欄干から5mほど飛行して投身自殺した自衛官

・400kgの重りを自分で身体に縛り付けて海に飛び込んだ高校生

・時速80キロで、ガードレールとガードレールのわずかな隙間をタイヤ痕ひとつ残さない絶妙な運転テクニックですり抜けて50m下へ転落したナース集団

・ロープを首に巻いて空中浮揚し門扉にひっかかったタクシー運転手

・証拠品の銃を奪い取って別の袋から再装填しわざわざ離して自分の胸に発射、ただちに飛び散った血をふき取って取調室を掃除、この間5秒。

・逆立ちしてマンションの窓際まで、指でひきずった跡をつけながら歩行、足から逆エルードして手すりにぶら下がり、空中で方向転換して50cmの隙間に向けて飛行した市議会議員

・わざわざ動脈と反対側の手や腕の甲を切って自殺しようとするも未遂、自分で自分の背中に針金でおもりを結びつけて川にうつぶせになり死亡

・火の気のない玄関で人体発火現象を起こして、燃え尽きるまで気管に煤が入らないようじっと息を止めて待ってた審査委員長

・手首の甲をリスカして全身をメッタ刺ししてから、血の跡ひとつつけずに非常ボタンを押した証券会社副社長

・口の中に靴下を入れたままガムテープで口を塞ぎ、両手を後ろで手錠により拘束し左手には手錠の鍵を持ち玄関内で衣服の乱れもなく窒息死した記者
























叔父さん






 小学生の頃、家に叔父さんが居候してた。
叔父さんは工場の仕事をクビになり、家賃も払えなくなってアパートを追い出され、やることもなく、毎日俺んちでゴロゴロしていた。
 収入もなく、毎日安酒を飲んで寝てるだけの叔父さんだったけど、甥っ子の俺のことは可愛がってくれ、時々アイス買ってくれたり釣りやクワガタ採りに連れてってくれたりして、俺はこの叔父さんのことを好きだった。
 叔父さんが居候しだして半年が過ぎた頃、ある土曜日の雨の深夜、親父と伯父さんが階下で言い争いをしてる声が聞こえた。
かなり激しい怒鳴りあいだったので、聞いてたラジオを消し息を殺して聞いているとバタンとドアが閉まる音がして叔父さんがドカドカと階段を上がってきた。
げっ、俺の部屋にくんの?とビビってると隣の仏間の障子がピシャっと閉まる音がした。
俺はそっと布団に潜り込み暫くドキドキしてたがいつの間にか寝入ってしまった。

 翌日の日曜、俺の両親は店へ行き、家には俺と叔父さんの2人きりになった。
俺は昨日のことは知らないふりで、日曜の昼のテレビを見ながら母ちゃんが用意してくれてた唐揚げで昼飯を食っていた。
 叔父さんが、仏間から出てくる音がして、階段を下りる音が続いた。
俺はちょっと緊張しながら、

「 おじさん、おはよ~。」

と言うと叔父さんも、

「 おう、なんや、美味そうやな。」

と一緒にご飯を食べだした。

「 ツトム(仮名)、飯食ったら釣り行くか?」

と誘われたので、俺も子供心に叔父さんを慰めてやろうと「うん。」と同意した。

 釣竿を2本持ち、仕掛けの詰まった箱をバケツに入れて、俺と叔父さんはいつも釣りに行く近所の滝つぼへ向かった。
滝つぼは前日の雨で水位が増し、コーヒー牛乳色の濁流が厚い渦を巻いていた。

「 あんまり釣れそうやないね。」

と俺が言うと叔父さんも、

「 どうやろか、ちょっとやってみようか。」

と応えた。

「 こう言う時の方が却って釣れるもんやけん。ウナギとか釣れるとぞ。」

と言い、叔父さんは滝壺の方まで進んだ。
俺はこんな奥やら行かんでいいのにな~と思いながらも、言葉すくなにに早足で進む叔父さんの後をついて行った。

「 ここでいいか。」

叔父さんは滝壺手前の高い大岩の前で止まった。

「 ツトム、この上から釣ろうか。ちょっと上ってみ。」

と俺を持ち上げた。
俺が脇を抱えられ岩の上に這い上がると、

「 どうや?水の具合は。釣れそうか?」

と叔父さんが聞いてきた。
俺は濁流が渦巻く水面を覗き込み、

「 魚やらいっちょん見えんよ。」

と魚影を探した。
暫く水面を見てた俺は、叔父さんの返事の無いことに気付き、

「 叔父さん?」

と振り返った。
 岩の下にいたはずの叔父さんは、俺の直ぐ背後に立ち、俺を突き落とそうとするような格好で両手を自分の胸の前に上げていた。
振り向きざまに叔父さんの姿を見た俺は固まった。
叔父さんは無表情で力の無い目をしていた。
 せみの鳴き声をバックに時が止まった。
俺は何も言えずに叔父さんの目をただ見つめ返すことしか出来なかった。
汗が頬を伝い、身動きの出来ない体の中でただ心臓の鼓動だけが高鳴った。
伯父さんも手を下ろそうとせずに、ただ無気力な目で俺を見つめていた。

 どれくらい見詰め合っただろう。
不意に叔父さんの背後の藪ががさがさとなった。
両者とも、はっと我に返り、藪に目をやった。
見ると、こちらに気付く様子もなく近所の農家のおっさんらしき人が横切って行った。

 俺は叔父さんのよこを通り過ぎて、

「 今日は釣れそうにないけん、俺先帰っとくね。」

とだけ言って歩き出した。
滝から少し離れると、俺は弾かれたように全速ダッシュで逃げた。
 振り返ると、あの目をした叔父さんがすぐ後にいるような気がし、俺は前のめりになって全力で走った。
大分走ったころ、自分がボロボロ泣いていることに気付いた。
 俺は家に帰らず、両親のいる店へと向かった。
当時定食屋をやってた両親の店で、俺は両親が店を終わるまで過ごした。

 叔父さんはその日帰ってこなかった。
翌日の夜に親父が警察へ届け、数日後に水死体で見付かった。
俺は滝壺であったことを一切語らず叔父さんは一人で釣り中の事故で片付いた。
俺が持ち帰った仕掛け箱に叔父さんの字で書かれたメモがあった。
それには、

”ツトムを連れて行く。”

とだけ書いてあった。

















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5月21日(月)のつぶやき

2018-05-22 03:01:30 | _HOMEページ_
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日々の出来事 5月21日 八つ墓村

2018-05-21 08:00:00 | A,日々の出来事_








  日々の出来事 5月21日 八つ墓村








 今日は、津山三十人殺し事件があった日です。(1938年5月21日)
この事件は、岡山県津山市加茂町行重で都井睦雄(21才)が、村人を僅か1時間半の間に30人惨殺した事件です。
 当日、都井は詰襟の学生服を着て、頭に鉢巻をして小型懐中電灯を両側に1本ずつ結わえ付け、足にはゲートルと地下足袋、首からは自転車用のランプを提げ、腰には日本刀と匕首、手にはブローニング猟銃を持っていました。
この装束は、テレビで何回も放映されています。

「 濃茶の尼さん、何か一言。」
「 祟りじゃ~。」
「 えっと、多治見要蔵が鬼気迫る形相で走る姿は凄かったですね!」
「 祟りじゃ~。」
「 あの~、今日は天気が悪いですね。」
「 祟りじゃ~。」
「 ねえ、ねえ、どうしてそれしか言わないんですか?」
「 祟りじゃ~。」

横溝正史の八つ墓村は、この事件がモデルでした。



また、都市伝説“杉沢村”も、これをアレンジしています。


“ かつて青森県内の山中に杉沢村という村がありました。
昭和初期、突然発狂した青年が村人全員を殺して自らも命を絶ちます。
そして、人がいなくなった村は廃村となり、地図からも県の公文書からも抹消されました。
しかし、廃村の家屋は悪霊の棲み家となって残り、村を訪れた者は二度と戻っては来られないのです。”


「 祟りじゃ~!!」











       八つ墓村

























☆今日の壺々話















怨念







 ある夫婦が些細な諍いから喧嘩となり、激昂した夫は妻を殺してしまいました。
夫は妻の死体を夜中にそっと裏庭に埋め、近所には妻が家出したと触れ回りました。
このことは誰にも見られなかったようで、平穏な日々が過ぎて行きました。
 でも、そのうち、夫は5歳になる一人息子が不思議そうな目つきで、自分を見ているのに気が付いたのです。
それで、それとなく一人息子に、その理由を尋ねてみました。

「 なあ、ママが家出して一ヶ月になるけど、何かパパに言いたいことでもあるのかい?」

すると一人息子は父親に言いました。

「 どうして、パパはずっとママをおんぶしているの?」























        祟りの話






 曾爺ちゃんは、オレが物心付く前に死んでしまったので爺ちゃんに聞いた話です。


 オレの曾爺ちゃんは坊主だったらしい。
というか曾爺ちゃんの代まで坊主の家系だったそうだ。
 そんでもって曾爺ちゃんは霊感(坊主だと法力か?)があったらしく、除霊やら鎮魂やら何かと有名だったらしいが、ありがたい崇高な霊力者とかって感じではなく、変な能力は有るけれども普通の多少目端の利く人だったようだ。
 そんな曾爺ちゃんには、人づてで何かとオカルトチックな依頼が来るらしく、旅に出て家を空けることが多く、爺ちゃんも寂しい思いをしていたようで、いつも曾爺ちゃんが旅から帰ってきたら土産話を要求するのだが、曾爺ちゃんは大抵当たり障りのない話ばかりをしていたそうだ。
まぁ、怨念やらの絡みになると色恋沙汰や依頼者の恥部となる話になるのだから口は堅かったのだろう。


 前置き長かったけど、数少ない旅の話の中から曾爺ちゃんが坊主を辞めた原因になった時の話。


 そんな曾爺ちゃんに、ある日どっかの地方から羽織袴の名士っぽい人が訪ねてきた。
曾爺ちゃんは見た目で「祟られている」って判ったらしいが、そんな事はおくびにも出さずに、応接間に通して何事かと聞いてみたらしい。
 その人は、某県の何処其処で何々をしています誰々です~みたいな話を丁寧にはじめ、話し口から名主っていうか纏め役みたいな家系って曾爺ちゃんは感じ、その時曾爺ちゃんにお願いしたのは、不幸な死に方をした女性の供養ってことだったそうだ。
 曾爺ちゃんは、この人は隠し事が多いな~等と思いながら、多少身の危険を感じたらしい。
霊的な危険って言うより、殺しとかにこの人の家の者や知り合いが関わったのが原因じゃないかと感じたそうだ。
それだと、場合によっちゃ自分の身も危険だし。
 取り敢えずその人には多少準備がかかるし疲れたでしょって言って2・3日家に泊めて、その間にその地方の議員さんやら親分・警察署長あたりの名前を調べ、知人に紹介して貰って実際に電話したりして繋ぎをつくったりしたそうだ。
なかなか世俗チックな曾爺ちゃんだと思う。
 そんな対人的な下準備の後は、今度はそれなりにも準備をして、「じゃあ行きましょうか」って事でその人の案内で地方に向かったそうだ。
地方に着いたら「そう言えば●●先生はここに居られるそうだから挨拶したい」とか何とか言って、先に手を回しておいた議員やら署長やら親分に挨拶に行き、自分に変に手を出したら後々厄介ですよ~って臭わせておいてから、その人の家に行くことにしたそうだ。

 その人の家は街から外れて幾つか山を越えた山間の村で、村に近づくにつれて嫌な感じが強くなってきたので、「これは村ごと祟られているな、女一人を供養して済むのかね?」って思ったらしい。
 村に入ると出会う人がどいつもこいつも祟りの影響を受けている。
流石に曾爺ちゃんも村ぐるみの事件っぽい臭いがしてきて嫌になってきたが、こんな辺鄙な場所から逃げ出すのも大変だと思い、一応その人の家で詳しい事情を聞いてみることにした。
 その人の家は結構大きかったらしく屋敷って感じで、曾爺ちゃんの村の纏め役っぽいって予想は当たっていたらしい。
庄屋の家系の当代ってところ。
 屋敷は門に入る前から恨まれている感じが臭いまくっており、かなり業の深いことをしてしまった家系だと思いながら家に入ったそうだ。
 部屋に案内されて、改めて話を聞くと供養して欲しい女性は3名。
曾爺ちゃんは屋敷の人間がその3名の死因に関わっていると思ったので、その辺は深くは聞かずに村に何か起こっているのか聞いてみた。

 どうやら村では殺人が連続して起こっているらしい。
しかも、事件や犯人を警察に届けていなくて、犯人は土蔵に閉じこめたり納屋に縛ってあったり、死因も事故死・病死って事にして医者に見せずに土葬にするなどかなりヤバイ感じの処置をしていた。
 現代なら(多分当時でも)死体遺棄&不法逮捕監禁で引っ張られるようなやり方をするからには、村人を外に出したくない理由があると思えること。
 曾爺ちゃんは突っ込み所が多すぎるのをグッと我慢(自分の身の為)して、まずは犯人の一人に会って見ることにした。
 多分この屋敷にも居るのだろうが、当代に案内されたのは屋敷から少し離れた農家の納屋だった。
納屋の中はジメっとして糞尿の臭いが酷く、中には怯えた感じで縮こまっている女性が一人柱に縛られていて、曾爺ちゃんは憑かれていたなって思ったらしい。
 曾爺ちゃんはこの女性はもう危険じゃないことを教え、暫く安静にしていたら今より良くは成るだろうって言いはしたが、殺したのは多分旦那か子供だなと感じて可愛そうに思ったそうだ。
この人への祟りはもう終わっているが、多分完全に治ることは無いだろうって思えたらしい。

 曾爺ちゃんは「供養はするが、あなた方は供養でどうにかなると思っているのかね?」って話したらしいが、他に当たっても祟りがあってからは供養さえ怖がってしてくれないからお鉢が回ってきたらしく、どうしても供養はして欲しいって事で曾爺ちゃんは供養することにした。
 お墓の位置は村外れの山道を進んで行った山にあるらしく、昔はそこに寺が有ったが、廃寺となった後はそのまま村の墓地として利用しているとのこと。
案内されてそこに近づくにつれて悪寒がしてくるし、案内していた当代はどんどん顔色が悪くなってくる。
 これは半端じゃないって思い、とりあえず墓の方向に向かって経をあげて様子を見たが、どうにもならない感じなのである程度の道筋を聞いて当代を帰したそうだ。

 当代に活を入れて返した後、暫く進むと何かにすれ違った。
曾爺ちゃんには姿は見えなかったが、多分彼女らの誰かだろう。
その気配は当代を追うわけでもなく、また、自分を追う様にも感じなかったので、気を落ち着けながら先へ進むことにした。
 山の斜面を這うように進む山道を歩いていくと開けた場所があり、斜面にそって卒塔婆や墓石が並んでいるのでここがその墓地だろうと感じて中に入っていくと、多くの盛り土の墓の内にこの墓がそうと判るくらいの存在感がある墓が3つあったらしい。
 曾爺ちゃんはそこで経をあげて供養を試みたが、ずっと空気が重く、どっからか視線をずっと感じる。
「無理だな~業が深い」と思って屋敷まで引き上げたる事にした。
 屋敷まで戻った曾爺ちゃんは、当代に供養を試みたがこのままでは祟りは収まらないことを言った。
「 あなた方は業が深いので言えないことも多いと思う。
三人を死なせたのにも関わっているだろう。
しかし、祟りが無かったものが何故祟る様になったのか何でも話せる事があれば言いなさい。」
と言ってみたそうだ。

 当代も言い辛かっただろうが、話した内容はこうだった。
父にあたる先代は乱暴で狡猾な人物だったそうで、若い頃から問題ばかり起こしていたそうだ。
 それでも先々代が存命の内はまだマシな方で、先々代が亡くなると素行に歯止めが効かなくなった。
多くの村人を巧妙に利害で巻き込みながら悪事を繰り返し、村では誰も逆らうことが出来なくなってしまったそうだ。
 祟っている3名の死にも先代は関わっているらしい。
それから先代は三年前に実の妹に殺害された。
多分これが最初の祟りじゃないかとのこと。
 そして、祟りで死ぬ前にあの3名の女性と関わりのある男に罪を着せて殺している。
もちろん私刑だ。
それ以来、村では身内や血縁者を殺してしまう事件が時々起こるようになった。


 曾爺ちゃんはこの話を聞いて、その殺された男をまず供養しないとこの祟りは収まらないと思ったらしく墓の場所を訪ねた。
当代の答えは、「墓はない、埋めただけになっている」と話し、埋めた場所に次の日に行くことになった。
 曾爺ちゃんは、その晩は屋敷には泊まらなかった。
明日の事を考えたらここで気力を消耗したくないって気持ちになったらしい。

 次の日、当代と村の男数名に案内されてその男の埋まっている場所に出かけると、そこは村はずれの藪の中だった。
ジメジメと腐った枯れ草が覆い被さり、枯れ草の隙間から育ちが悪い感じの雑草が生えている高さの余りない盛り土があり、近くには申し訳程度の供え物が朽ちていた。
 曾爺ちゃんは、ちゃんと埋葬し直して供養しなといけないと当代に言って掘り返させた。
大して掘り返さないうちに死体は現れ、出てきた死体はやはり普通の状態ではなく無惨に切り刻まれていて、五体ばらばらどころか肉片がいくつも出てきたらしい。
ただ、不思議な事に三年前に死んだはずの死体は腐敗せずに湿り気を帯びていたそうで、曾爺ちゃんは「呪物になっているな」と感じたそうだ。
 この辺の詳しい理屈は爺ちゃんには判らないらしいが、多分殺された男は3名の女性を弔っていた者で、そのことで3名の霊的な干渉を良くも悪くも受けていたが、殺された後は本人の無念も重なって、3名の祟りの呪物化したのではないかって感じの話をしていた。
 とにかく、曾爺ちゃんは男の遺体から頭髪の一部を切り取った後は全てカメに詰めて埋め直した後に経をあげて供養した。
供養といっても成仏させた訳ではないらしいが、成仏させるわけにもいかなかったので、その地で安息できるように色々したようだ。
 頭髪の一部を切り取ったのは、業が深すぎる件なので、関わった自分への祟りも有ると思い、この男を自分も供養しないと危ないと思ったかららしい。


 曾爺ちゃんは当代にこんな注意をして別れたそうだ。

・あなたの直系は、子々孫々まで男の命日の供養を欠かさないこと。
・3名の墓を除いた墓地にある他の墓を村の近くに移すこと。
・墓を移したら誰も3名の墓に近づかないこと。
・祟りや3名の霊が現れることがあったら男の墓に供物を捧げ助命の願をかけること。


 曾爺ちゃんは村にはあまり長居したくなかったそうで、旅費位にしかならない報酬を貰った後は、来たときと同じように地元の議員さんやら有力者に挨拶をすましてから一人で家に帰った。
そして、家族に男の髪が入った箱をみせてこの話をしたそうだ。
 もし自分が祟りで倒れた場合に、この髪の供養を続けて貰わなければならないから。
この件で曾爺ちゃんが坊主を辞めなくてはならなかった理由は、曾爺ちゃんがやった方法は呪い返しに近い方法であって、それがお偉いさんにしれた時に世話になった上司?の立場をかなり悪くしてしまったからだそうだ。
 何か歴史物ではお偉い坊さんが権力者に頼まれて呪ったりする話が有ったりするが、下端の坊主が何かすると厳しいのかな?

 そして、うちの家系にはその祟りのようなのは無いっぽい。
髪の毛は結局話に出たカメに入れて埋めたらしい。
話に書いた当代がその男の人の墓を盛り土じゃなくて墓石やら置いて綺麗に作り直した時に、当代の家系が供養をちゃんとやってるから、それなら呪物化した物をあまり家に置くのは良くないって事で曾爺ちゃんが戻したらしい。
呪物を祀ってると地獄行きらしいですからね。


















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5月20日(日)のつぶやき

2018-05-21 03:01:25 | _HOMEページ_
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日々の出来事 5月20日 パイプオルガン

2018-05-20 10:17:32 | A,日々の出来事_








  日々の出来事 5月20日 パイプオルガン








 今日は、五億円のパイプオルガンが水浸しになった日です。(1996年5月20日)
浜松市にある“アクトシティ浜松”は、市有施設と民有施設によって構成される施設群です。
そのホールに設置されたパイプオルガンは、フランスのコワラン社製(価格が五億円)のもので、演奏会や各種学会や入学式などに使われています。



   ドラマ“警備員の呟き”(1996年5月20日)


-幕開け-

「 最近、施設内に悪戯が多いな。
非常ベルとか押すバカタレも居る事だし・・・。
困ったもんだ。
そうだ!
“ボタンを押すな!”の注意書きを貼る事にしよう。
備えあれば憂いなし!」

4分後

「 ムフフフフフ。
よし、出来た!
それじゃ、一番大事なパイプオルガンのホールから貼ろう。」

7分後

「 えっと、ボタン、ボタン、ボタン。
おっ、これだ、これだ。
上から注意書きを貼り付けて・・・。
剥がれないように、ちゃんと押さえて置かなきゃ。」

“ グリグリグリ・・・、プチッ!!”

「 わっ、押してしまった・・!」

“ ブシュ~ウ~~~~!!”

「 み、水が吹き出たァ~。
おわァ~、非常ベル、非常ベル!!!」

・・・慌てふためく人々・・・

-幕-


 水浸しのパイプオルガンは、解体されてコワラン社に送られ、修理復元されました。
また、ホール自体も、パイプオルガンにスプリンクラーの水がかからないように改修されました。
約三億円の損害です。
と言うことは、火事があれば、五億円+三億円は丸焼けかな・・・・。













    パイプオルガン(アクトシティ浜松)




























☆今日の壺々話















パイプオルガンの裏






 昔、私は高校時代をドイツで過ごしました。
完全寮制で、そこは授業棟、男子寮と女子寮兼食堂があり、更に三階にはグランドピアノとパイプオルガンがある講堂があって、思えばスゴい寮だった訳です。
またドイツは昔からの建築物を大切にしていて、うちも昔の建物を借りていたのですが、それが第二次世界大戦時の病院だったんです。
特に男子寮に至ってはナチスのマークが屋根裏部屋に残っているという噂もありました。
そして女子寮は四階建てでしたが、一階から三階までしか使用せず、四階は病院だった頃の備品が残っています。
 当然、好奇心で四階を覗くことはありましたが、薄暗い其処に乗り込んでいく人はおらず、私もきちんと見て回ることなく卒業したのですが、一度だけ、乗り込んだことがありました。
 当時、私たちはピアノを弾いて遊んでいたのですが、ふと、いつもは開いていないパイプオルガンの横にある扉が開いていることに気付きました。
中を覗くと、そこはパイプオルガンの裏側で、階段があり、更に階段は四階へと続いていました。

「 こんなとこに階段があったんだね。」
「 四階に行けるんだ。」
「 行こうか?」

元々退屈でピアノを弾いていた私たちは、その階段を登りました。
 登りきると扉があり、扉には鍵がありました。
ツマミを捻ると、ガチャッと音がして鍵が開きました。
先頭だった私が恐る恐るドアノブを廻すと軋んだ音を立てて扉は開き、更に階段があり四階へ行くことが出来ました。
 興奮気味に四階に入った最初の感想はカビ臭いこと、そしてまるでホラー映画の舞台のような場所でした。
斜めの窓から陽射しが頼りなく入り、広い部屋の隅には簡易ベッド等、改めてここが病院だったと思わせるものがありました。
 夏なのにひんやりとした空気に鳥肌を立てながら、隣の部屋へと歩き出したところで、一緒にいた子の一人が、

「 帰りたい。」

と言い出しました。
 私は、まだ先が気になったのですが、他の子達も帰りたいようなので、一緒に帰ることにしました。
そして階段を降り、途中の扉の鍵のツマミを回して鍵を閉めました。
 それから再びピアノで遊んでいたのですが、

“ ガチャ。”

と、パイプオルガンの裏の方から音が聞こえてきたのです。
 皆でパイプオルガンの方を見ていると、またガチャガチャと、当にドアノブを回す音が響いてきました。

“ ガチャガチャガチャガチャ。”

開くはずがありません、私が閉めたのです。
すると今度は扉をノックする音が響いてきました。

“ コンコンコン。”

誰一人、扉を開けようとはしません。
声すらあげられませんでした。
 そしてとうとう、音は扉を叩く音へと変わりました。
ドンドンと、強く扉を叩く音に、私たちは必死で声を殺しながらじっとしていました。

“ ドンドンドンドン!”

どれくらい経ったかは分かりません。
やがて、扉を叩く音が消え、静かになった途端に私たちは一目散に自室へと戻っていきました。
それから、さっきの音は何だったのか、と話しましたが、誰一人分からずです。
その後、一切この話題に触れることなく、私たちは卒業しました。

























オルガン







 家に、古いオルガンがあった。
母が、私が生まれるより前に中古で買ったらしい。
小学生のとき、一度だけ弾こうとしてみたが、ベース(足用鍵盤)の音が全く出なかった。
 高校生になって、三学期の中間考査の勉強をしているときだった。
テスト勉強は、本番の二日前か前日にしかやる気が出ずに、その時も、前日の深夜遅くまで勉強していた。
一時半になった頃、一階のリビングから、オルガンを弾く音が聞こえてきた。
(私の部屋は二階にあり、そこで勉強していた。聞こえた曲は、名前は忘れたけど、多分有名なやつ。)
ベース音がないので、とても頼りない音だった。
 この家でオルガンを弾けるのは母だけなのだが、母はもう寝ているし、この時間帯に弾くほど非常識じゃない。
オルガンの音を聞くのは久しぶりだし、この時間帯なので、少し怖かった。
 しばらく待ってもやめる気配がない。
曲もループしているし、気になって勉強できないし眠ることもできない。
仕方なく見に行くことにした。
真っ暗なのは怖かったから、廊下や踊り場の電気を全部つけながら行った。

「 ・・・・・。」

リビングの電気はついていなかった。
なのに、オルガンの音は聞こえる。
さっきより、音が少し大きい気がする。
母が弾いてるんだとしたら、どこか、頭がおかしくなってしまったのかも知れない。
そうだとしても十分怖いが、

“ 本当に、お母さんなのか・・・。”

などと考えてしまい、恐怖でリビングのドアを開けられなかった。
常識的に考えれば、オルガンを弾いているのは家族の誰かなのだが、現状が不気味すぎた。
 五分くらい固まって冷や汗を流していたら、突然、オルガンの音がやんだ。
なんと言うか、静かになると逆に、めちゃくちゃ怖くて、なにかあればすぐにでも泣いてしまいそうで、体の中心に向かってものすごい圧力がかかったように感じた。
 しかしそれをキッカケに、はやくドアを開けないといけない気もした。
静かな中に、にドアを開けるときの音が大きく響いて、かなりビビった。
真っ暗では何も見えないので、電気をつけた。
体は熱いのに、頭は、血が少ないのか寒くて、冷や汗が凄かった。
 オルガンの前に母はいなかった。
誰もいなかった。
 こんなことが、次の日もあった。
音がやんでからリビングに入ると誰もいないのだ。
母に話しても、わからない、知らない、寝ぼけたんじゃないか、などとしか言われなかった。
 また次の日も、オルガンの音が鳴り出した。
三回目でも相変わらず、というか三回目だけにかなり怖かったが、もう今回は音が聞こえるうちにリビングに入ると決めていた。
 二階から一階までをダッシュで駆け抜け、足がすくむ前にそのままリビングのドアを開けた。
ワンピースを着た女の人がいた。
私は、驚きのあまり声も出ず、体も動かず、なのに汗だけは体のどこかが壊れてしまったように流れていた。
 女の人がゆっくり振り返った。
暗い上に、結構距離があったので顔はよく見えなかったが、空洞の眼が気持ち悪かった。
口は私よりかなりおおきかったと思う。
顔もすごいが、それでも一番印象的だったのは足がないことだった。
それが、普通の人間を見慣れた私にとって視覚的に圧倒的に違和感があった。
 女の人がいきなり絶叫した。
動けない私は、泣いてしまった。
踏み潰されたような声を出して泣いてしまった。
女の人が絶叫している時間は無限にも感じられたが、実際は数秒だったのだろう。
 私は逃げ出した。
女の人に背を向けるのは本当に怖かった。
しかし、私は全力でリビングを飛び出し、玄関を駆け抜け外に走り出した。
家の中にはいられなかった。
女の人がついてきていないのを確認して、そのまま朝まで外で過ごした。
 朝、家に女の人はいなかった。
家族は何も知らないようだった。
あのおぞましい絶叫も聞かなかったらしい。
 その一ヶ月後、私は交通事故にあった。
自転車でバイクとぶつかった。
下半身に後遺症が残った。























田中






 小学生の頃、理科実験室。
実験室の机で、担任の先生が四角い金属のお皿に入った布に、ビーカーに入った薬を掛けたとき、後ろの席から“ブォン!”って音がして田中が屁をこきました。

クラス爆笑 田中も爆笑 先生も爆笑!!!

そして、先生はそれに気を取られたのか布に薬を掛け過ぎて、布から煙が“ブオ~ッ”って出て来ました。
 先生は慌てて煙を止めようとしたのですが煙は止まらず、そのうち非常ベルが鳴り出して全校避難ってことになって、消防車とか、たまたま通りがかった市会議員の視察団とかが来て大騒ぎになりました。
 そして、帰りの会のとき、校長に怒られて教室の隅で涙ぐむ煙を出した先生、女子たちもボロボロ泣いてて、

「 田中君がおならをしたのがいけないと思います!」
「 私もそう思います!!」

の大合唱。
田中は、“ええ~~~っっっっっ??!!!”って顔してました。
その田中を見て、クラスの男子は声に出さずに腹抱えて笑ってました。
 翌日、田中の屁に引火して理科室が吹き飛んだことになってて、それ以来、田中はこの町一番の有名人となったのです。






















田中





 関東から関西に引っ越すんだけど・・。  
なんかいろいろ文化の違いがあって心配です><  
標準語で話すといじめられますか?  

標準語なんて使ったらいじめられるとか言うレベルじゃねえぞ。  
家族親戚田中まとめて惨殺される可能性あり。  

田中理不尽すぎる。



















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5月19日(土)のつぶやき

2018-05-20 10:05:13 | _HOMEページ_



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日々の出来事 5月19日 ハレー彗星

2018-05-19 09:31:33 | A,日々の出来事_







  日々の出来事 5月19日 ハレー彗星








 今日は、ハレー彗星騒動があった日です。(1910年5月19日)
ハレー彗星は、約76年周期で地球に接近します。
前回は1986年、次回は2061年に出現予定です。
 オックスフォード大学のエドモンド・ハレーは、1705年にSynopsis Astronomia Cometicae(彗星天文学概論)において、約76年周期で地球に接近する彗星があることを発表しました。
 この彗星は、惑星以外で太陽系を公転する天体の初めての例となります。
そして、次回は1758年に現れることを予言し、予言の通り彗星が現れたため、この彗星はハレー彗星と呼ばれるようになりました。
 特に、1910年5月19日のハレー彗星は、地球に大接近し、非常に見やすく初めて写真撮影もされました。
この大接近時、地球が彗星の尾の中を通過することが予測され、彗星の尾には有毒のシアンが含まれていることも知られていたので、人類は破滅するとセンセーショナルに煽ったメディアもありました。
そして、呼吸用の空気を確保するため、自転車のタイヤのチューブが売れました。

「 ハレー彗星、キタ―――(゚∀゚)―――ッ!!!! 」
「 タイヤのチューブだァ~!」
「 あれっ、行っちゃった・・・・・?」
「 ?(´・ω・`)?」

 ドラエモンの話にも取り上げられた出来事です。
実際には彗星のガスは非常に薄いので、地球の濃い大気はガスを跳ね除け、地球が尾の中を通過しても何も起きませんでした。











       ハレー彗星


























☆今日の壺々話















星に願いを





夫「 流れ星が消える前に、三回願いが言えれば、その願いが叶うんだ。」
嫁「 あっと言う間に消えちゃうから、大急ぎで言わなきゃね。」
長女「 そりゃ、大変だわ。」
長男「 じゃ、練習しておこう。」

それぞれがブツブツ言いながら、夜が来ました。
四人が庭に並んで夜空を見上げていると、流れ星が出現!

夫「 カネカネカネ!」
長男「 オンナオンナオンナ!」
長女「 オトコオトコオトコ!」
嫁「 イサンイサンイサン!」
夫「 誰の?」
嫁「 えっ!?!」






















こりん星





 兄貴の家族が実家に遊びにきた。
兄貴の子供(女の子:小1)は、小倉優子がこりん星から来たと本気で信じてて、談笑する大人の間を一生懸命説明して回ってた。
 場にいた大人は誰一人相手にしなかったが、俺は「俺の姉貴(24歳)もね、こりん星人なんだよ!」と教えてやった。
その時、台所から顔を覗かせた姉貴がダッシュで二階に上がる気配がしたので、ちょっと時間をあけてから「証拠見せてやるよ」と、俺も姪っ子を連れて二階に上がった。

 アラビア文学専攻の姉貴はカイロ留学から帰ってきたばかりで、部屋はアラブの本だらけ。
姪っ子は1冊を手に取りパラパラめくると、驚いた顔で次々本を手にとってめくる。
 そこにクローゼットの中から姉貴登場。
まだ荷物のバラシがすんでないのでクローゼットは空っぽだったが、アルミホイルで簡単な装飾がなされており、即席UFO風。
 ヘッドフォンを縦(おでこから後頭部)に回し「ポピペパペペピッパペポープ」みたく、p音のみで構成された言語を、アラビア語にまぶして話す姉貴。

「 あ、電話中だった?ゴメ。」と言うと、
「 いいの、星から。すぐ終るヨ。」と流暢な日本語で笑う。

 姪っ子は、歓喜と恐怖の入り交じった表情で、「おとおさーーーーん!おかあさーーーーん!」と転がるように階段を下りていった。
部屋に残った姉貴と俺はニコニコ。
姉貴がこりん星人なら、お前もこりん星の血が入ってるわけだがな。





















にんじん






 俺の母親は、俺が2歳の時にがんで死んだそうだ。
まだ物心つく前のことだから、当時はあまり寂しいなんていう感情もあまりわかなかった。

 俺が小学校に入学してすぐ、父母同伴の遠足があった。
父は仕事で忙しく、一緒に来られなかった。
一人お弁当を食べる俺を、友達のY君とそのお母さんが一緒に食べようって誘ってくれたので、寂しくもなかった。
 でもなんとなく、Y君のお弁当に入っていた星形のにんじんが、なぜだかとっても羨ましくなって、その日仕事から帰ったばかりの父に、
「僕のお弁当のにんじんも星の形がいい」って頼んだんだ。

 当時の俺はガキなりにも母親がいないという家庭環境に気を使ったりしてて、
「何でうちにはお母さんがいないの?」なんてことも、父には一度だって聞いたことがなかった。
星の形のにんじんだって、ただ単純にかっこいいからって、羨ましかっただけだったんだ。

 でも父にはそれが、母親がいない俺が一生懸命文句を言っているみたいに見えて、とても悲しかったらしい。
突然俺をかき抱いて「ごめんな、ごめんな」って言ってわんわん泣いたんだ。
 いつも厳しくって、何かいたずらをしようものなら遠慮なくゲンコツを落としてきた父の泣き顔を見たのはそれがはじめて。
同時に何で親父が泣いてるかわかっちゃって、俺も悲しくなって台所で男二人抱き合ってわんわん泣いた。

それからというもの、俺の弁当に入ってるにんじんは、ずっと星の形をしてた。

 高校になってもそれは続いて、いい加減恥ずかしくなってきて、「もういいよ」なんて俺が言っても、「お前だってそれを見るたび恥ずかしい過去を思い出せるだろ」って冗談めかして笑ったっけ。

 そんな父も、今年結婚をした。
相手は俺が羨ましくなるくらい気立てのいい女性だ。
結婚式のスピーチの時、俺が「星の形のにんじん」の話をしたとき、親父は人前だってのに、またわんわん泣いた。
でもそんな親父よりも、再婚相手の女の人のほうがもらい泣きしてもっとわんわん泣いてたっけ。
 良い相手を見つけられて、ほんとうに良かったね。
心からおめでとう。
そしてありがとう、お父さん。























星座別初対面見た目分類(女性向)







 星座別に初対面の人から「どう見られやすいか」に焦点を当ててみました。


牡羊座……おおざっぱに見られる、実際もおおざっぱ

 初対面では、相手の見た目がまず気になるもの。髪型や靴や指先。意外と細かいところまで見られています。ガサツで細かいことを気にしない牡羊座は、鏡で見えない頭の後ろに寝癖が残っていたり、靴を磨いてなかったり、ストッキングが伝線していたり、ネイルがはげていたりしがち。「ガサツな人」と思われがちなのですが、実際にそうなので、見た目通りなのです。

牡牛座……弱々しく見られる、しかし意外と丈夫

 声が小さく、うつむきがちでふしめがち、いかにも内気で弱々しく見られがちな牡牛座。緊張のあまり顔面蒼白になっていたり、真っ赤に赤面していたり、「倒れそう」「熱があるのでは?」と思われることも。実際の牡牛座は意外と頑丈。学生時代は皆勤賞をもらっているかも。面接などの場合は、体が弱そうに見えるとマイナスなので、できるだけ胸を張って姿勢をよくしましょう。

双子座……年より若く見られる、実際の中身も若い

 流行のファッションを取り入れ、イマドキ情報に詳しい双子座は、初対面では実年齢よりも若く見られることが多いでしょう。年齢を聞いて相手がびっくりすることも。その反応が見たくて「何歳に見える?」とすぐに聞く癖があるかも。頭の回転も速く、実際に中身も若いので、年下と話が合うのはいいのですが、年配者からは落ち着きがない、と思われていそう。

蟹座……年上に見られる、しかし中身は子どもっぽい

 蟹座が年上に見られることが多いのは、顔が老けているという意味ではなくて、雰囲気や持ち物がもっさりしていて垢抜けていないからです。お母さんに買ってもらったバッグに、おばあちゃんが持たせてくれた裁縫セットなどなど。良く言えば家庭的で落ち着いた雰囲気なのですが実際は、落ち着きなくむしろ子どもっぽく、そのギャップが蟹座の魅力なのです。

獅子座……リーダーに見られる、実際もリーダータイプ

 獅子座のリーダー的資質は、初対面の第一印象でもバッチリわかってしまいます。まず姿勢がいい、声が大きい、動作がゆっくり。本人としては緊張して固くなって動作がぎこちなくなっていると感じていても、周りからはどっしりと落ち着いているように見えるのです。本人がいくら遠慮しても否定しても、生まれついてのリーダー的素質は隠せません。

乙女座……世話好きに見られる、しかし実際は結構クール

 細かいことに気付く乙女座は、初対面の場でも気配りできる人。自分のことだけでなく、周りの人の落し物を拾ったり、間違いを訂正してあげたり、面倒見てあげたり……。気付くからやっているだけなのですが、そんな姿が世話好きに見られてしまうのです。うっかりすると役員やらマネージャーやら、面倒な仕事を任されて「好きでやってるわけじゃないのに」と愚痴ることに。

天秤座……気があると思われがち、しかし実際はまるでなし

 コミュニケーションスキルの高い天秤座は、相手を立てて、褒めるのが上手。初対面の相手は褒められて持ち上げられて舞い上がり、天秤座が自分に気があると勘違いしてしまいます。同性の場合も「初対面でいきなり、すごく仲のいい友達になれた!」と相手が思っていても、天秤座自身は単なる社交辞令であることが多いのです。初対面の印象がよすぎるのも考えもの。

蠍座……怖い人に見られる、しかし実際は面倒見がいい

 警戒心と猜疑心の強い蠍座は、初対面ではまず、笑顔を見せません。受け答えもぶっきらぼうで、冷たくて怖い人と思われがち。そんなことは蠍座自身、百も承知でわかっていて「どうせそれが自分だから」と開き直っているのです。そのガードを越えてきてくれる人にだけ、心を許し、とことん面倒を見ます。蠍座の本当の顔を見られる人はごく少数です。

射手座……セレブっぽく見られる、しかし実際は庶民派

 射手座はスタイルがよく、動作が優雅なので、一見、セレブっぽく見えます。カバンや時計も、たとえ安物でも、射手座が持っているとなんだか高価なもののように見えるのです。エキゾチックな顔立ちで外国生まれと思われることも。実際は、激安セールや屋台、B級グルメが好きな庶民派なのですが、なぜか射手座が屋台にいると、絵になるのです。

山羊座……冷たそうに見られる、しかし実際は結構熱い

 山羊座の場合、表情が固く、特に初対面だと緊張して余計に能面のように無表情になってしまいがち。冷たそう、おもしろみのない人、と思われれることが多いでしょう。実際は、一途で頑張り屋で、いろんな場面で頼りになる熱いハートの持ち主。せめて、服装をモノトーンではなくて、明るい色にすると、初対面での冷たさがやわらぎます。

水瓶座……軽そうに見られる、しかし実際は硬派

 しゃべると早口でフレンドリー、目上にも目下にも対等なその態度は、初対面だと軽そうに見られることが多いでしょう。服装もあまりTPOにこだわらず個性的なものを好むので、男性だとチャラい、女性だと遊んでいるタイプと見られてしまうことも。実は意外と硬派で、勉強熱心、仕事での責任感も強く、見た目ほど軽くないのです。

魚座……不思議ちゃんにみられる、実際も天然

 優しい魚座は、初対面の相手を喜ばせようと気を遣います。一生懸命さとがんばりは伝わるのですが、ファッションや言動がどことなくずれているので、不思議なムードは隠せません。そして親しくなってみれば、やっぱり天然な人だったと再確認。魚座の場合、がんばりすぎると空回りしやすいので、心持ちひかえめにしているほうが自然と馴染んでいけるはず。























作家の星座別作品のイメージ






牡羊…わかりやすく、さっくりしていて明るい。時々展開が早すぎて読者を置いてきぼりにするが、それが気にならないぐらいうまくまとめる。

牡牛…単一カプ者が多く、作品にカプの2人しか出ないものが多い。作風はほんわか甘々だが、時々ぞっとするぐらい鬱ヤンデレ台詞をサラリと吐かせる。食べ物を美味しそうにかく。

双子…学パロ好き。ノリノリな楽しい展開でギャグ路線。登場人物も多ければカプも多い、しかしキャラの特徴をよく掴んでいるから、ごっちゃにはならない。

蟹座…丁寧に作られているので読みごたえがある。原作の雰囲気を崩さない。描写が細かい。ギャグになると、はっちゃけすぎててギャップに吃驚する。

獅子…ギャグはこれでもかというぐらいギャグ。シリアスはこれでもかというぐらいシリアス、しかしシリアス通り越して軽くホラーになる。強引な展開にすることがあるが、意外と好評を得る。

乙女…リーマンパロがすき。大人な雰囲気ばりばり出しちゃうぜと本人は意気込むが、何故か可愛くなる、主に受けが。スーパーにエコバック持って行ったりと、キャラの何気ない行動に生活感がでる。

天秤…色や構図にセンスがある。短い言葉で雰囲気を出せて、ふとした心理描写にドキリとする。話は良い意味で軽く、ちょっとスイーツ。攻めは絶倫、受けはビッチ。

射手…ざっくり描く。話もざっくり…だから見やすい。話もテンポがよくスピード感があるから、さくさく読める。たまに出る身内ネタはいまいち笑いどころがわからないけど、作者が一番楽しそう。

蠍…趣味趣向が全面に出ている。個性が強い。世界には2人しかいない、たまに世界が滅亡したりする。情熱的で官能的。甘いのをかくと甘々になるが、殺伐をかいても結局ドロドロ甘々になる。遊廓パロ好き。

山羊…話の内容を美化したりしない。アソコもあまり美化しないで堂々とかく。話は考えられており、枠の中にきちんと収まっているイメージ。淡白だがエロが好き。話が理屈っぽい。

水瓶…さっぱりとねっとりの差がはげしい。話はたまにぶっ飛ぶけど、納得はできる。コマ割りや言葉選びがうまい。変なこだわりがあり理解されにくいため変態扱いされることもある。

魚…少女マンガチックな桃色の片思いで切ないピュアピュアな展開を好む。受け視点が多い。童話パロが好き。鬱話をかかせるととことん病んでるものができあがる。

























星雲







 私が子供だった頃、友人の家に、初めて遊びに行った時のことだ。
当時私は小学六年生で、友人はその年に私と同じクラスに転校してきた。
最初の印象は『暗くて面白みのないヤツ』で、あまり話もしなかった。

 季節は秋口。
学校が終わった後一端家に鞄を置いてから、私は待ち合わせ場所である、街の中心に掛かる橋へと自転車を漕いだ。
 地蔵橋と呼ばれるその橋では、先に着いていた友人が私を待っていた。欄干に手をかけて川の流れをぼーっと見ている。
私のことに気付いていないようなので、そっと自転車を止め、足音を殺して近づいた。

「わっ」

後ろからその肩を掴んで揺する。
しかし、期待していた反応はなかった。声を上げたり、びくりと震えもしない。
 彼はゆっくりと振り返って、私を見やった。

「びっくりした」
「してねぇだろ」

 彼はくらげ。もちろんあだ名である。
何でも幼少の頃、自宅の風呂にくらげが浮いているのを見た時から、
常人では見えないものが見えるようになったのだとか。
私は今日の訪問のついでに、それを確かめてみようと思っていた。
すなわち、彼の家の風呂にくらげは居るのか居ないのか。私には見えるのか見えないのか、だ。

 橋を渡って南へと、並んで自転車を漕いだ。
私たちが住んでいた街には、街全体を丁度半分南北に分ける形で川が流れており、
私は北地区、くらげは南地区の住人だった。
 住宅街から少し離れた山の中腹に彼の家はあった。
大きな家だった。家の周りを白い塀がぐるりと取り囲んでいて、木の門をくぐると、砂利が敷き詰められた広い庭が現れた。
その先のくらげの家は、お屋敷と呼んでも何ら差し支えない、縦より横に伸びた日本家屋だった。
 木造の外観は、長い年月の果てにそうなったのだろう。木の色と言うよりは、黒ずんで墨の様に見えた。
異様と言えば、異様に黒い家だった。
私が一瞬だけ中に入ることに躊躇いを覚えたのは、その外観のせいだったのだろうか。

「入らないの?」

見ると、くらげが玄関の戸を開いたまま私の方を見ていた。私は彼に促されて家の中に入った。
 中は綺麗に掃除されていて、外観から感じた不気味さは影をひそめていた。
くらげが言うには、現在この広い家に住んでいるのはたったの四人だという。
祖母と、父親、くらげの兄にあたる次男。そして、くらげ。くらげは三兄弟の末っ子。
母親が居ないことは知っていた。くらげを生んだ直後に亡くなったのだそうだが、詳しい話は聞いていない。
 長男は県外の大学生。次男は高校で、父親は仕事。
家には祖母が居るはずだとのことだったが、その姿はどこにも見えなかった。気配もない。
どこにいるのかと尋ねると、「この家のどこかにはいるよ」と返ってきた。
玄関から見て左側が、家族の皆が食事をする大広間で、右に行くと、各個人の部屋に加えて風呂やトイレがある、と説明される。
 二階へ続く階段を上ってすぐが、彼にあてがわれた部屋だった。
くらげの部屋は、私の部屋の二倍は軽くあった。
西の壁が丸々本棚になっていて、部屋の隅に子供が使うには少し大きな勉強机がひとつ置かれている。

「元々は、おじいちゃんの書斎だったそうだけど」とくらげは言った。

確かに子供部屋には見えない。
本棚を覗くと、地域の歴史に触れた書物や、和歌集などが並んでいた。
医学書らしきものもあった。マンガ本の類は見当たらない。

「くらげさ。ここでいっつも何してんの?」
「本を読んでるか、寝てる」

シンプルな答えだ。
確かにくらげの部屋にいても、面白いことはあまり無さそうだ。そう思った私は、彼に家の中を案内してもらうことにした。

 二階は総じて子供部屋らしい。階段を上って三つある部屋の内の一番奥が長男、真ん中が次男、手前がくらげ。
兄貴たちの部屋を見せてくれと頼んだら、「僕はただでさえ嫌われているから駄目だよ」 と言われた。

「そう言えばさ、その二人の兄貴も、見える人?」

くらげは首を横に振った。

「この家では、僕とおばあちゃんだけだよ」

 一階に下りて、二人で各部屋を見て回る。
掛け軸や置物ばかりの部屋があったり、雑巾がけが大変そうな長い廊下があったり、意外にもトイレが洋式だったり。
くらげはどことなくつまらなそうだったが、私にとっては、古くて広い屋敷内の探検は、何だか心ときめくものがあった。

「ここがお風呂」

そうこうしている内に、今日のメインイベントがやって来た。
 脱衣場から浴室を覗くと、大人二人は入れそうなステンレス製の浴槽があった。
トイレの時と同じように、五右衛門風呂なんかを想像していた私は、その点では若干拍子抜けだった。
中にくらげが浮いているかと思えば、そんなこともない。
そもそも水が入っていなかった。まだ午後五時くらいだったので、それも当然なのだが。

「何しゆうかね」

しわがれた声に、私はその場で軽く飛び上がった。
驚いて振り向くと、廊下にざるを抱えた腰の曲がった白髪の老婆が居た。

「おばあちゃん」とくらげが言う。

どうやらこの人がくらげの祖母らしい。

「どこ行ってたの?」
「そこらで、いつもの人と話をしよったんよ」

老婆はそう言って、視線を私の方に向けた。

「ああ。言ったでしょ。今日は友達連れて来るって。この人が、その友達」

「どうも」と頭を下げると、老婆は曲がった腰の先にある顔を、私の顔の傍まで近づけてきた。
目を細めると、周りにある無数のしわと区別がつかなくなってしまう。
その内、顔中のしわが一気に歪んだ。笑ったのだった。
そうは見えなかったが、「うふ、うふ」と嬉しそうな笑い声が聞こえた。

「風呂の中には、何かおったかえ?」

いきなり問われて、私は返答に詰まった。
何も答えられないでいると、老婆はまた「うふ、うふ」と笑った。

「夕飯はここで食べていきんさい。さっき山でフキを採ってきたけぇ」
「いや、あの……」

遠慮しますと言いかけると、老婆は天井を指差して、「夕雨が降ろうが。止むまで、ここにおりんさい」と言った。
夕雨。夕立のことだろうか。朝に天気予報は見たが、今日は一日中晴れだったはずだ。

「さっきからくらげ共が沸いて出てきゆうけぇ。じき、雨が降る」

思わず私はくらげの方を見た。無言で『本当か?』と問いかけると、
くらげは無表情のまま首を横に傾げた。『分からない』と言いたかったのだろう。

 数分後。私はくらげの部屋から、窓越しに空を見上げていた。
雨が降っている。くらげの祖母の言った通りだった。
長くは降らないということだったが、土砂降りと言っても良い程、雨脚は強かった。
家に電話をして、止むまでくらげの家にいることを伝えると、『そう。迷惑にならんようにね』とだけ返って来た。
私の親は放任主義なので、子供が何をしていようがあまり気にしない。

「雨の日になると、街中がくらげで溢れるそうだよ。
 プカプカ浮いて、空に向かって上って行くんだって。まるで鯉が滝を登るみたいに」

イスに座って本を読んでいたくらげが、そう呟くように言った。

「……マジで。そんなの見えてるのか?」

すると、くらげは首を横に振った。

「僕には見えないよ。僕に見えるのは、お風呂に水がある時だけだから」

私は窓の向こうの雨を見つめながら、前から気になっていたことを訊いてみた。

「なあ、そもそもさ。お前が風呂で見るくらげって、どんな形をしてんだ?」
「普通のくらげだよ。白くて、丸くて、尾っぽがあって。……あ、でも少し光ってるかも」

私は目を瞑り想像してみた。無数のくらげが雨に逆らい空に登ってゆく様を。
その一つ一つが淡く発光している。それは幻想的な光景だった。
再び目を開くと、そこには暗くなった家の庭に雨が降っている、当たり前の景色があるだけだった。

 その内、くらげの父親が仕事から帰ってきた。
大学で研究をしているというその人は、くらげとは似つかない厳つい顔つきをしていた。
くらげが私のことを話すと、こちらをじろりと一瞥し、一言「分かった」とだけ言った。
口数が少ないところは似ているかもしれない。
次男はまだ帰って来ていない。但しそれはいつものことらしく、彼抜きで夕食を取ることになった。
 大広間に集まり、一つのテーブルを囲むように座る。
大勢での食事会にも使えそうな部屋で四人だけというのは、いかにもさびしかった。
フキの煮つけと、白ご飯。味噌汁。ポテトサラダ。肉と野菜の炒め物。
いつも祖母が作るという夕食はそんな感じだった。
 最後にその祖母がテーブルにつき、まず父親が「いただきます」と言って食べ始めた。
私も習って、家では滅多にしない両手を合わせての「いただきます」を言う。
テーブルには酒も置いてあった。一升瓶で、銘柄は読めないが焼酎の様だ。
但し、父親はその酒に手をつけようとしない。
その内にふと気がついた。
テーブルには五人分の料理が置かれていた。
 私は当初、それは帰って来ていない次男の分だと思っていたが、そうでは無かった。
祖母が一升瓶を持って、一つ空のコップに注いだ。その席には誰も座っていない。

「なあ聞いてぇな、おじいさん。今日はこの子が、友達を連れてきよったんよ」

 祖母は誰もいないはずの空間に向かって話しかけていた。まるでそこに誰かいるかのように。
おじいさんとは、後ろの壁に掛かっている白黒写真の内の誰かだろうか。
見えない誰かと楽しそうに喋る。たまに相槌を打ったり、笑ったり、まるでパントマイムを見ているかのようだった。
呆気に取られていると、私の向かいに座っていた父親が、呟く様にこう言った。

「……すまない。気にしなくていい。あれは、狂ってるんだ」
「うふ、うふ」と老婆が笑っている。

隣のくらげは黙々と箸と口を動かしていた。
私は何を言うことも出来ず、白飯をわざと音を立ててかきこんだ。

 夕食を食べ終わったのが七時半ごろだった。その頃には土砂降りだった雨は嘘のように止んでいた。
外に出ると、ひやりとした風が吹いた。
車で送って行くという父親の申し出を断って、私は一人自転車で家路につく。

「お爺ちゃんも、雨の日に浮かぶくらげも、おばあちゃんがよくお喋りするいつもの人も、僕には見えない。
 だから僕は、『おばあちゃんは狂ってないよ』って言えないんだ」

それは、私を見送るために一人門のところまで来ていたくらげの、別れ際の言葉だった。

「……もしかしたら、本当に狂ってるのかもしれないから」

くらげはそう言った。
――でも、お前も同じくらげが見えるんだろ――。
のどまで出かかった言葉を、私は辛うじて呑みこんだ。

 『僕は病気だから』と以前彼自身が言っていたことを思い出す。
あの時、『あれは、狂ってるんだ』と父親が言った時、一体くらげはどう思ったのだろう。
家に向かって自転車を漕ぎながら、私はそんなことばかりを考えていた。
 地蔵橋を通り過ぎ、北地区に入った時、私は思わず自転車を止めて振り返った。
一瞬、何か見えた気がしたのだ。
振り向いた時にはもう消えていた。
私はしばらくその場に立ちつくしていた。
それは光っていた。白く。淡く。尻尾のようなひも状の何かがついていたような。
 あれは空に帰り損ねた、くらげだろうか。
もしもそうだったとしたら、私も少し狂ってきているのかもしれない。
しかし、それは思う程嫌な考えでは無かった。
くらげは良い奴だし、雰囲気は最悪だったがおばあちゃんの夕飯自体はとても美味しかった。
 私は再び自転車を漕ぎだす。空を見上げると雲の切れ間から星が顔をのぞかせていた。
空に上ったくらげ達は、それからどうするのだろうか。私は想像してみる。
星になるんだったらいいな。くらげ星。くらげ座とか、くらげ星雲とか。
その内の一つが本当にあると知ったのは、私がもう少し成長してからのことだった。





















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5月18日(金)のつぶやき

2018-05-19 09:17:37 | _HOMEページ_



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日々の出来事 5月18日 L'Empire des sens

2018-05-18 09:42:33 | A,日々の出来事_







  日々の出来事 5月18日 L'Empire des sens







 今日は、阿部定事件があった日です。
阿部定事件とは、1936年(昭和11年)5月18日、東京都荒川区尾久の待合茶屋「満左喜」で、中野区新井町の料理店「吉田屋」の主人、石田吉蔵が殺害された事件です。
 阿部定と石田吉蔵は、一週間延々と、この待合茶屋に滞在していちゃついていましたが、SM趣味が高じて阿部定は吉蔵を絞殺してしまいます。
そして、阿部定は、敷布に大きく“定吉2人キリ”と書き、殺害した吉蔵の局部を切り取って逃走します。
 その後、5月20日に品川駅前の高輪南町の旅館「品川館」で、殺人罪の容疑で阿部定は逮捕されました。
裁判の結果、事件は痴情の末と判定され、阿部は懲役6年の判決を受けて服役し、1941年に“皇紀紀元2600年”を理由に恩赦を受け出所しました。
 後に、この事件を題材にした大島渚監督の日本・フランス合作の映画“愛のコリーダ”( 1976年)が作られています。
ちなみに、フランスでの、この映画タイトルは“L'Empire des sens”、官能の帝国となっています。












   L'Empire des sens





















☆今日の壺々話















高田純次の適当語録






「 キミはSなの?Mなの?僕はPなんだ。たまに自分が分からなくなるんだ。」
























問題







 とっても美人の女性教師が問題を出しました。

「 塀にアヒルが3羽とまっています。
猟師が1羽を鉄砲で撃ちました。
何羽残っていますか? 
ジョニー、判りますか?」
「 ゼロです、先生。」
「 ・・・どうしてなの、ジョニー?」
「 あとの2羽は鉄砲の音で逃げてしまいます。」
「 う~ん、この授業での正解とは違うけど、君のその考え方は好きだな。」

先生の言葉を聞いたジョニーはニコッと笑って言いました。

「 それじゃ先生、僕から問題出していい?」
「 ええ、いいわよ。」
「 3人の女性がアイスクリームを食べています。
一人はちょっとずつかじり、一人はパクパクかぶりつき、一人はなめています。
この中で結婚してる人はだ~れ?」

先生は、ちょっとどぎまぎしながらも答えました。

「 なめてる人だと思うけど・・・、何で?」

ジョニーは答えました。

「 ううん、正解は結婚指輪をしてる人。
でも僕、先生のその考え方好きだよ。」





















精子なヤツら







「 おい、がんばれ、みんな先に行っちゃったぞ!」
「 どうも泳ぎは苦手なんだよ、俺のことはいいから先に行ってくれ。」
「 何言ってんだ!
卵子まで全力で競争するって、睾丸の中で誓い合ったじゃないか!」
「 そうだったな。
弱音を吐いて悪かった。
がんばるよ。」
「 その意気だ!
さあ、先は長いぞ、がんばれ!」
「 ところで後どのくらいあるんだ?」
「 ちょうど今、扁桃腺を過ぎたところだ。」























恋愛経験値を稼げ!







 女に免疫がない奴は、いきなり可愛い彼女を作ろうとしても無理。
生涯、ただ一人の可愛い彼女と付き合って結婚するなんて夢想してるから、いつまでも童貞なんだ。
気持ち切り替えて、とりあえずブスでもいいから口説いて付き合って、女との付き合い方を学べ。
女に免疫がない頃は女と話すと緊張するから、相手はブスぐらいがちょうどいい。

 最初愛情がなくても、付き合っているうちにだんだん愛情がわいてくるもんだ。
それで自分でその女に満足すりゃ良し。
それでも不満なら、そこで別れてもっと可愛い女を捜せ。

 恋愛経験値ゼロ、恋愛レベル1の男が強敵(可愛い女)を攻略できるわけがない。
まずは弱い敵(ブス)を倒して(付き合って)、恋愛経験値を稼げ。
経験値がたまってレベルも上がると、自分に自信も出てくるから。
また、結婚するわけじゃなく試しに付き合ってみてるんだと思えば、けっこう気楽に話せるから。

 え?好きになってもいない女と付き合えない?
なに小学生みたいなことを言ってんだ。
恋愛ははじめから両想いか?
違うだろ。
普通はどちらか一方に恋愛感情があるだけだろ。
もう一方は告白を受けて、お試し的に付き合い始めるんじゃねーか。
それと同じことだろ。

 要はドラクエで最初スライムを倒す意味と一緒。
なぜ、スライムなんか倒さなきゃならないのか?
その答えは経験を積まないと、何もできないってこと。
 1~2年かけて恋愛レベルが上がると、魔法(口説き文句)や強い武器(花束・プレゼント)も使えるようになる。
そういうものを色々学ぶと、自分に自信がつくし、けっこう可愛い子とも付き合えるようになる。
恋愛が断然面白くなるよ。
 なんにしても、本当に倒したい相手(本当に付き合ってみたい相手)が現われたとき、自分の恋愛レベル不足から失敗したり諦めたりしたくないでしょ?
ならまずは経験を積まないと・・・・。
とは言っても、スライムの妊娠は想定外だったけど・・・・。























彼女の作り方







 ブスに冷たいヤツは努力しなくても女が寄ってくるイケメン君か、女心の分からない、童貞もしくは素人童貞だな。
ブスに優しくするところを可愛い子が見たら、「あの人ってあんな子にも優しいんだ~、素敵」となる。
女は、可愛い女にだけ優しくする男を嫌う。

 考えてもみろ、お前等だって、イケメンにだけ媚び売る女とか嫌いだろ?
それと一緒。
ブスにとことん優しくしろ!
そしたらブスは友達を紹介してくれる。
 ブスの友達には可愛い子がかなりいる。
アイドルの友達とかテレビで見た事あるだろ?
とんでもねーブス多いだろ?
 可愛い子は自分を引き立たせる為に、ブスと交遊関係を結ぶことが多々ある。
それを逆に利用するのだ。
ブスに優しくすれば、必ず可愛い子と出会える。
俺はこの手法で30人以上のブスと付き合うことに成功した。


よし!
俺、百万回メモった。


待て!
ちゃんと最後まで読むんだ。

























お話






1)

30歳のAさんが21歳の女性と結婚することになったことを職場の先輩に報告した時の話。
Aさんの先輩「若い嫁さんもらったなー。親御さんとか良く許してくれたな。」
A「もう8年も付き合ってますからね。流石に大丈夫でしたよ。」









2)

メンヘラの友達が彼氏と別れた時、その彼氏が逃げるようにTwitterの垢消ししたらしいけど、メンヘラ曰く「あいつは絶対アカウント変えてまたTwitterしてる」って言って元彼が好きだったアイドルのフォロワー1万人以上の中から新アカウント見つけ出した話好き。








3)


元カノから「今でも少し好きですよ」ってメールがきたからビックリしてたら「あっ、間違えました。死んでください」ってメールがきてさらにビックリした。








4)

彼女への別れようメールを親父に送信








5)


彼氏を自分の友達と初めて会わせた後に、彼氏の部屋で宅飲みしてたら
「はじめまして~☺」って挨拶していた友達のスマホが彼氏宅のWi-Fiに接続されていたって話がすごい好き








6)


初めて行く美容院で「抜け毛が激しいんです」って言ったら、「もしかして最近ご出産されました?直後は髪の毛抜けちゃうんですよ」って教えてくれて、「なんだ、そうなんだ!よかったー」とか言って帰ってきたんだけど、産むどころか結婚もしてないし彼氏もいないのに毛は抜け続けてて何一つよくない。









7)


風呂上がりにリビングを覗くと嫁が真剣な表情で僕の携帯チェックをしていたので『今はそっとしておこう』と静かに寝室に向かったのだけど、今朝起きたらちゃんとスマホが充電器に挿してあって嫁って優しいなって思った。










8)


友だちの結婚式で、夫の顔を見たことないし電撃結婚かなと思っていたら、「新郎と新婦は5年間つきあい〜」とナレーションが聞こえて、え?3年前に付き合ってたあの男は?半年前に別れたあの男は?おどろいていたら新婦が目くばせをしてきたので私も変顔を返した。









9)


元彼のフルネームからまずFacebookを特定して、FB友達一覧からフルネームでInstagramしてる友人を見つけて、そのID名から友人のTwitterを特定して、そのフォロワー一覧から元彼のTwitter裏アカウントを特定して、元彼の浮気を発見した自分の話好き。







10)


彼女との待ち合わせ時刻が迫ってるのに、外出の準備すら済んでなくてやばいなって思ってたら、彼女から今どこ?と確認の電話。彼女の執拗な追及を、家出たとこ、今自転車に乗ってる、あと5分で着く、と巧みにかわし、いざ家を出ようと玄関を開けたら、「よう。もう着きそうか?」って彼女が立ってた。



















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5月17日(木)のつぶやき

2018-05-18 09:00:30 | _HOMEページ_



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