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日々の出来事 5月3日 リカちゃん

2018-05-03 09:40:38 | A,日々の出来事_






  日々の出来事 5月3日 リカちゃん






 今日は、リカちゃんの誕生日です。(5月3日)
初代のリカちゃんは、1967年に発売されたので、結構いい年ではないかと・・・。

リカちゃんの本名は、香山リカと言います。
明るくて、ちょっぴりあわてんぼうのハートヒルズ学園初等部5年生(11歳)です。
身長、142cm、体重、34kgです。
好きな色は、白とピンクです。
花は、赤い薔薇が好きです。
趣味は、お菓子作りです。

「 リカちゃん、こんなもんでいいですか?」
「 うん、全部、あってるよ。」
「 あっ、リカちゃん、忘れていた、初恋は?」
「 わたるくん。」
「 次は?」
「 マサトくん。」
「 次は?」
「 佐藤イサムくん。」
「 次は?」
「 かけるくん。」
「 どんどん、増えているようだけど・・。」
「 そうよ、結婚予定のフランツ・シブレーと出会うまで、まだまだ行くわ。
あっ、また、リカちゃん電話が掛かって来たわ!」

ソファーに寝ていた犬のプリンが、おもむろに顔を上げて言いました。

「 困ったもんだ。」











       リカちゃん


















☆今日の壺々話












よくある都市伝説のリカちゃん








 ある女の子が両親の仕事の都合で遠くに引っ越すことになりました。
その引越しのときに、長年大切にしていたリカちゃん人形を捨てていくことにしました。
引っ越してからしばらく経ったある日、彼女のところに電話がかかってきました。

「 もしもし、私リカちゃん。
よくも捨ててくれたわね。
同じ目にあわせてやるから憶えてなさい。」

最初はただのイタズラと思いましたが、その後も不気味な電話は続きました。

「 もしもし、私リカちゃん。
今あなたのいる県についたの。
これからあなたのところに向かうから。」

そして翌日の夕方。

「 もしもし、私リカちゃん。
今近くの駅についたの。
迎えに来てね。
待ってるから。」

女の子は、怖くなってそのまま電話を切ってしまいました。
 その日の深夜、再び電話がかかってきました。
女の子は電話の所まで来ましたが、恐いので受話器を取ろうとしませんでした。
すると、留守電の応答メッセージが始まり、リカちゃん電話と同じあの声が聞こえてきました。

「 もしもし、私リカちゃん。
ずっと待ってたのに、迎えに来てくれなかったわね。
でも、もう、お家はもう分かってるのよ。
今、あなたの後ろにいるの・・・。」


 このお話の主人公は、“リカちゃん”と“メリーさん”が混在しています。
これは、“ヒトガタ”としての人形に、潜在的な恐怖を感じている部分から発生したものでしょう。
それにしても、増淵宗一が大学のアンケート調査で、半数近くの女子学生がリカちゃん人形の手足を引っこ抜いたり、髪を切り刻んだり、地面に埋めたりしている経験があったと言うのは、なかなかの都市伝説だと思います。






















リカちゃん(成り切り村上春樹)








 その日は女の子からかかってきた突然の電話で始まった。
モグラやアシカから起きぬけにかかってくる電話なら絶対とらないところだが、でも女の子ならべつだ。

「 もしもし、わたしリカちゃん!」

幼いような、それでいて何か惹きつけるような声。
自分のことを自分で「リカちゃん」と呼ぶような女の子は大体そんな声をしている。

 困ったことに僕は「リカ」という名前の女の子を60人知っていた。
こんな時、適当に話をあわせたりすると後々やっかいなことになる。

「 すまないけど、どのリカちゃんだったっけ?」僕は正直に訊いた。
「 金髪の巻き毛のリカちゃんよ。」彼女は言った。

しかし、困ったことに金髪の巻き毛のリカちゃんを僕は52人知っているのだ。

「 他に特徴は無いかい?」
「 フリフリドレスのリカちゃんよ。」

困ったことに、金髪の巻き毛でフリフリドレスのリカちゃんは47人いる。

「 顔は?眼鏡とか、前歯の矯正とか、ほくろとか?」我ながら馬鹿な質問だと思った。
「 眼鏡も矯正もないわ、ほくろは左目の下よ。」

よかった、これで28人まで絞り込めた。

「 どこに住んでたっけ?」
「 あなたのおうちのそばよ。」12人。
「 今どこにいるの?」
「 あなたのお部屋の前よ。」5人。

ピンポーン、とチャイムが鳴った。
ドアを開けると、フリフリに金髪の女の子が5人立っていた。
やっぱりだ、と僕は思った。
いつだってそうなのだ。

「 今日は何だい?
家賃なら、昨日、左端から二番目のリカちゃんに払ったとこだよね?」
「 こんにちは。」右端が言った。
「 配電盤の故障を直しに来たのよ。」真ん中。
「 あがらせてもらうわね。」左端。

 今、リカちゃん達は楽しそうに壊れかけの配電盤を修理している。
終わったらまた散歩に行くのだろう。
僕らのお決まりのコースがあるのだ。
そして、その後はリカちゃん会議に書記として参加する。
 今日の議題としてリカちゃん達に背番号をつけてみることを提案したらどうだろう、と僕は思いついた。
そしてその案を紙に書いてシュレッダーにかけた。
僕はなんというか、そういう性格なのだ。





















お話“先輩”









 俺の職場の先輩は面倒見がいいし、仕事もスゲーってほどじゃないけど、確実で取引先からも指名で仕事が来たりする。
ただ、ちょっと困ったとこは異様に家族のことを大切にしてること。
奥さんや娘さんのことを話し出すと止まらなくって、休日明けなんかは、家族となにをやった、どこへ行ったってことを写真を見せびらかして話してる。
 それだけならいいお父さんで済むんだけど、問題は奥さんと娘さんが既に他界されてること。
それ以外は本当に頼りになる人で、仕事にも支障がないから、みんな触らないようにしてすごしてる。

 で、いつぞやの忘年会のこと。
その年は割とデカイ仕事が成功したこともあって、忘年会はかなり豪勢だった。
先輩もいつになく上機嫌で普段は絶対にしない深酒をして、仕舞いには歩くどころか、いすに座ってるのもままならないことになってた。
 そんな状態だから一人で返すわけにもいかないけど、先輩は家族が待ってるからと、帰るといってきかない。
しかたなく、社長命令で俺ともう一人の同僚で送っていくことになった.。

 同僚は下戸で車に乗ってきていたので、その車で先輩のうちまで行くことになった。
( 本当は同僚だけが送っていけといわれたのだけど、見捨てられずついていった。)
先輩はどっから見ても酔いつぶれてるってのに、いつの間にか持ち帰りを頼んでて、それをしっかり抱えてたのを覚えてる。
 先輩の家につくと、当たり前なんだけど家の中は真っ暗。
いくらか回復してた先輩は、

「 もう寝ちゃってるなー。」

といって笑った。
お茶くらい出すからというのを、とっくに日付も変わってるしと断っていると、

“ トタタタタタ ガチャ!”

玄関が開いた。

「 なんだー、起きてたのか。
お土産あるぞー。」

と、どこか嬉しそうな先輩。
真っ暗な家に入っていく先輩に俺らは、

「 それじゃ・・。」

といって車に乗り込んだ。

車の中でガチガチ震えてる俺ら。

「 ・・・なあ、先輩は、なにと住んでるんだ?」

今でも先輩は、誰も写ってない奥さんと娘さんの写真を見せてくれる。

















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5月2日(水)のつぶやき

2018-05-03 08:01:03 | _HOMEページ_






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