日々の出来事 5月6日 あなたの知らない世界と宜保愛子
今日は、宜保 愛子(ぎぼ あいこ)が、胃癌で亡くなった日です。(2003年5月6日)
宜保 愛子は、日本テレビの『あなたの知らない世界』に出演し、1990年代には霊能をテーマとした多くの宜保 愛子特番が組まれ、著書もベストセラーになっています。
特に霊視に関しては稀代最高の霊能者と言われていました。
英語に堪能で、通訳を介さずにユリ・ゲラーと会話をしております。
宜保愛子略歴
4歳のとき、左目に火箸が落ち失明寸前となる。本人によれば、6歳頃に、自分の中の霊能力を自覚したという。宜保は相談者の守護霊の声が聞こえ、姿が見えるという。そして、相談者の亡くなった肉親の霊と話すことによりその肉親について他人が知り得ないことがらや、相談者の家の構造や家具の配置などを言い当てたとされる。右耳は聴力を失っているが、その右耳で霊の言葉を聞くことができた。幼少時、懐疑主義者の父からはその特異体質を非難されたという。
1961年のテレビ出演を期に、人気が高まり、多くの講演会を行なうようになる。1970年代中頃から、心霊研究家の放送作家新倉イワオと共に、日本テレビの『あなたの知らない世界』に出演、また女性週刊誌『女性自身』の有名人との対談連載などによって1980年代後半に話題となった。芸能人のみならず多くの文化人とも霊視対談を行った。1990年代に入ってから彼女の霊能をテーマとした多くの特番が組まれ、著書がベストセラーにもなった。
2003年5月に胃がんのため71歳で死去しました。
宜保愛子
☆今日の壺々話
5月6日の世界
「 宜保さん、5月6日について何か見えますか?」
「 あっ、ヨーロッパに高い塔が見えます。」
「 パリ万国博覧会のエッフェル塔の公開ですね、他に?」
「 アメリカで、飛行船が落ちるのが見えます。」
「 ドイツの飛行船ヒンデンブルク号の爆発炎上ですね。
あれっ、次は歌ですか?」
「 てなてなもんや♪、てなもんや♪、あたりまえだの・・・・・。」
「 ああ、てなもんや三度笠ですか、懐かしいですね、今日が放送が開始された日ですか。
あれっ、どうしたんですか?
急に踊り出して・・・。
え、踊りじゃないんですか、体操ですか?
あ、分かりました、分かりました、ラジオ体操第一ですね。
そうですか、NHKのラジオ体操第一が開始された日なんですね。
あのォ~、宜保さん、宜保さん、そろそろ席に戻ってくださいよ。
ねぇ~、宜保さんったらァ~!
もう、困ったなァ~、時間、時間、あァ~~~~~~~~~~~。
宜保さんの体操がなかなか終わりませんので、これで放送を終了させていただきます。」
あなたの知らない世界
(1)ドアノック
3年前の話で、あるアパートで暮らしていた時のことです。
そのアパートは一階建てで、部屋が横に三部屋並んでいます。
一号室、二号室、三号室といった具合です。
大きな交差点が近くにあるため、騒音になかなか慣れず、車が少なくなる十二時すぎにしか眠りにつけませんでした。
引っ越してきて十日程して、あることに気がつきました。
毎晩十一時半を少し過ぎると、きまって誰かがドアをノックするのです。
よく聞いてみると一号室から順に三号室まで、「コンコン、コンコン、コンコン(1から3まで二回ずつ)」と、こんな感じに。
しかし、このノックもほっておけば何事もなく、ただ通り過ぎるだけでした。
毎晩毎晩のことで気になって仕方がありません。
それにノックの最中に人の足音がないということも気になって、直感で霊と判断しある霊能者に相談しました。
直感は当たっていて、ノックをしているのは、すぐ近くの大きな交差点で事故に遭った4歳の男の子で、成仏しきれずに話し相手を探しているのだとか。
実際に新聞で事故があり、確かに4歳の男の子が事故にあってます。
霊能者によれば、ノックをやめさすには誰かが話し相手になってあげて、話を聞いてやればいいとのことで、早速話し相手になってあげることに決めました。
ただし霊能者曰く、絶対にドアは開けるな、とのこと。
その日の夜、いつも通りノックがきました。
一号室、二号室、そして私の部屋・・。
勇気を出して「コンコン」の後に「コン」と返しました。
その後二人の間でルールを決めました。
YES=ノック一回、NO=ノック無し。数字=回数。
私: 「可哀相に、交通事故だって?」
少年: 「コン・・」
私: 「いくつ?」
少年: 「コン、コン、コン、コン」
私: 「四つか・・・。お父さん、お母さんは一緒?」
少年: 「・・・・・・・」
私: 「そっか・・一人か・・お兄ちゃんが供養してやるから、成仏してくれるか?」
少年: 「・・・・・・・」
私: 「(ちょっとピンチ)あ、そうそう友達はできたか?」
少年: 「コン。」
私: 「それはよかったじゃん!今来てるの?」
少年: 「コン。」
私: 「ふぅん、そっか。何人いるの?」
ドア: 「ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!」
あまりの怖さに布団に包まってしまいました。
しかし、この日を境にノックはされなくなったのです。
少年は成仏したくないと言ったはずなのに・・・・・。
(2)幽霊の嫌いなもの
ずいぶん前の話になるが、友人の部屋に"出る"って噂が仲間内で広まった時期があった。
話を聞くと、誰もいないはずの台所に女の影が見え、寝ている時に足を引っ張られるんだとか。
で、皆で雑魚寝すると、起きたときには全員の足が台所の方に向けられているというものだった。
ある日、俺も含め5人で噂の友人の部屋に泊まることにした。
酒を飲みつつ怖い話をしたりしてムードを高め、わざと皆バラバラの方向に足を向けて寝ることにした。
恥ずかしい話だが、俺は足が強烈に臭かった。
皆に「くっせぇくっせぇ」と言われ、渋々部屋の隅で壁に足を向けて寝た記憶がある。
朝になり起きてみると、「夜中に誰かが足を触った」とか、「人影を見た」とか皆が言い合っていた。
一番最初に起きた奴が、「起きたら皆同じ方向に足が向いててびびった、○○以外は(俺のこと)。」と言われ、俺はその時、自分だけ取り残されたような寂しい気持ちになったのを覚えている。
(3)ゴスロリ除霊
うちの会社に、コネで入ったバイトがいる。
ゴスロリ着て奇声を上げる娘さん。
仮に名前を“ゴスロリ”とする。
陰のあだ名が「アゴなしゴス」または「ボンレス」という時点で容姿は推し量って欲しい…。
色々痛々しく笑いを呼ぶエピソードのある彼女だが、自称霊能者もその一つ。
前世がどっかの巫女で姫で、よくわからんが悪霊と戦い続けているらしい。
そのせいで現実と戦う方に手が回っていないようだ、惜しい。
で、うちの社の先輩Aさんが春先に引っ越したんだが、その部屋に幽霊が出ると話した。
一人暮らしなのに誰かの足音がしたり、黒い影が見えたりするらしい。
自分と先輩Bさんとがその話を聞いていたら、割り込んで来たゴスロリ。
張り切って除霊をすると気合い十分。
前述の通りコネのある子ということもあり、無下にはできないAさん。
GW中に除霊を決行する事になった。
同席するのは部屋の主であるAさん、Aさんに泣き付かれたBさんとC女史。
さてGW明けの今日、出勤するなりC女史とAさんに会議室へ連行されて、事の顛末を話された。
二人とも顔が笑ってた。
当日、まずゴスロリ、Bさんの車でAさん宅に向かう途中、「嫌な気配がします、これはとても強い霊です」と語り出す。
しかし、その時見ていた方向、Aさん宅とは逆方向。
除霊に使うのは何かしたらしい粗塩と、月の光に当てて何かしたという聖水。
聖水、思いっきりジョニーウォーカーのボトルに入ってたらしい。
塩を撒く姿に土俵入りがオーバーラップし、笑いを堪える三人。
呪文らしき者を唱えながら、聖水をぶちまけるゴスロリ。
トランス状態になり、奇声を上げて転がり回るゴスロリ。
そのスカートがめくれて、ストッキングとパンツが丸見えになり、恐怖にびびるAさんとBさん。
冷静に「ユニクロだ」と観察するC女史。
ここで、悪霊が自分を犯そうとしているというゴスロリの解説が入る。
あんあん言い出すゴスロリの様子に、「俺辞表出したい」と思わず呟くBさん。
一通り終わった後、「霊力を使い果たしました」とか言ってぐったりする、汗まみれのゴスロリ。
ゴスロリ帰宅後、塩と水でじゃりじゃりの部屋を掃除する三人。
笑えるのはここから。
その夜、Aさんが寝ようとすると、また黒い影が枕元に。
その影は…恨みがましい低い声で一言。
「 …あれは、ない…。」
思わずAさんが笑うと、影は消えてしまったそうだ。
幽霊にまで駄目出しされるって、人としてどうなんだろう。
ちなみにゴスロリは寝坊したので、今日は休みますって連絡が母親から入りました。
ねえわー。
(4)実家の幽霊
うちの実家に居た幽霊の話です。
通称、“がしゃがしゃのおじさん”で“がしゃがしゃさん”。
基本、子供にしか見えない。
中学生ぐらいから自然と気にならなくなる。
何で“がしゃがしゃ”かというと、鎧を着てるから。
鉄ずれの音がインパクトに残るようで・・・。
少なくとも爺様が子供の時にはもう居たらしい。
家に入った泥棒はとっちめたり、子供のお守をしてくれたり、延焼を防いでくれたりと一見守り神のようながしゃがしゃさんだが、実はかなり恐がりでドジ。
テレビやラジオのようなものは慣れたらしいが、俺が子供の時はカメラやファンヒーターに、びくぅ!とすくみあがる姿を何度も見た。
音や光にびっくりするらしい。
その最たるもので、今でも語り種なのは、俺が子供の時の話。
沢遊びに行って、足を滑らせて深みにはまった従兄弟を助けようとして飛び込んだ父。
それと同時に、何故か一緒に飛び込むがしゃがしゃさん。
「え?ついてきてたの?」と訳が分からないまま呆然と見てたら、父が従兄弟を抱えて岸辺に戻ってきた。
水飲んでないみたいだし大丈夫だな、よかったなー、と騒ぐ大人達をよそに、子供一同、川に釘付け。
手足バタバタさせているがしゃがしゃさん、……明らかに溺れていた。
「 うわあ、助けないと!」
と騒ぐ子供。
俺は父に、
「 がしゃがしゃさん溺れてる!」
と言うと、
「 鎧きてんのに何やってんだバカかー!」
と父も慌て出す。
「 どこらへんに居るんだ、俺もっぺん飛び込むから(父にはもう見えてない)。」
という親父を制し、いつも冷静な兄貴が一言、
「 一度死んでるのに、溺れるもん?」
しーんと静まり返った中、鎧の鉄ずれの音をさせてがしゃがしゃさんは川から浮き上がり、バツが悪そうに背中丸めて立ち去っていった。
先日実家を取り壊す時に、十何年ぶりに姿を見かけた。
恐がりでドジなうえに泣き虫なおじさんだと判明。
鎧はぼろぼろで落ち武者みたいだった。
親父や爺様にどことなく似ているから御先祖なんだろうか。
今では兄のところにいるがしゃがしゃさん。
電気ケトルのスイッチがきれるバチン!という音に、びくびくしてると甥っ子が教えてくれた。
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