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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道193

2009-02-21 18:06:35 | E,霧の狐道
俺は主治医の顔を見た。

“ どうも、胡散臭いな・・・・。”

 主治医の狸小路は、妙にニコニコして俺の顔を見てから、ボールペンでレントゲン写真を指しながら説明を始めた。

「 えっと、ここの骨、ホラちょっとヒビがいってますね。
 ホラ、ここから、ここに、こう来て、こう来ると・・・。
 これは、手術の方が良いですね。
 もうちょっとで骨折だったんですがね。
 惜しいですね、折れてないんですよ、うん、うん。」
「 あの、折れてないんだったら・・・・・。
 手術は、ちょっと・・・・。」
「 手術の方が早く治りますけどね。
 金属で固定すると、スッキリ治りますよ。」
「 手術、あの、怖いんですけど・・・。」
「 アハハハ、大丈夫ですよ。
 この手術だったら、私も出来ると思いますよ。」
「 えっ!」
「 いや、大丈夫ですよ、簡単ですから!」
「 手術せずに直せますか・・・。」
「 あ、一応、固定すれば治りますけどね。
 手術した方が良いと思いますがね、久し振りですから。」
「 何が、久し振りなんですか?」
「 いえ、こっちの話ですから、気にしないで下さいよ。
 手術した方が、早く治りますよ。
 ホント、絶対手術が良いですよ。
 うん、うん・・・・。」



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