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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道187

2009-02-09 19:51:34 | E,霧の狐道
 俺はひとまず昨日のことは伏せて、しらばっくれて訊いてみた。

「 どう、変なん?」
「 そやな・・・。
 まあ、同じ部屋になったのも何かの縁かも知れへんな・・・。」
「 だから、どう、変なん?」
「 うん、よっしゃ。
 ちょっと、待ちや・・・・。」

田中爺は通路の方に行って外をキョロキョロ見てから、人がいないことを確かめて戻って来た。

「 看護婦、おらんし言うたるわ。
 あのな、このベッドな、使ったヤツ、生きては退院できひんで・・。」
「 えっ、ホント?」
「 ホンマやで。
 わしも山本さんもホンマにこの病院長いんや。
 そやから、知ってるねん。
 知ってるヤツだけで、四人はおるんやで。
 これ、ホンマのこっちゃがな。」

 俺はシゲシゲと曰く付きのベッドを眺めた。
その隣のベッドでは、相変わらず山本爺が布団から眼だけ出して、こちらの様子を窺っている。
田中爺はアゴでそのベッドを指して話を続けた。

「 で、そのベッドなんやけどな。
 来たヤツ、始めは結構元気なんやけどな、そのうち段々弱って来て個室行き
 なんや。
 そんで、個室行ったらもう帰って来んわな。
 ホンマ、お陀仏さんやがな。」
「 それって・・・・。」
「 ああ、始めは分からんかったんやけどな、最近、何か変やなって、山本さん
 と話してたら、うわ~って気が付いたんや。
 そんなら、案の定、そうなんやわ。」



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