俺は田中爺に訊いた。
「 今、龍平ってのが入ってきたけど、誰?
入院患者?」
「 あ、龍平な。
あれは、入院患者や無いで。
龍平はな、この病院の院長の息子や。
この病院の院長、やり手でな。
コンビニみたいに、あっちこっちに病院作って、大儲けやがな。
あの龍平は、院長の息子やがな。
この病院に、よ~来よるんや。
何でやろな、他にも病院いっぱいあるのに・・・。
まあな、わしも山本さんもこの病院長いやろ。
何回も龍平と顔合わしてるし、知り合いやん。
まあ、お友達やがな。
今日は、土曜日やろ。
学校休みやから、昨日から院長室に院長と泊まっとるんや。
この病院の最上階の角っこにビップルームがあるねん。
ホテル並みのスゴイ部屋らしいで。
わし、入って見たこと無いけどな・・・。
そこから、来とるんや。」
「 へえ~、そうなん。
それで、何でこの部屋に来たん?」
「 あ、それはやな。
山本さんがな、そこのベッドが変やって看護婦さんに言ってやな。
それを聞き付けて来たんやと思うわ。」
俺は、空きベッドをチラッと見た。
ベッドとしては特に変わったところは無い普通のベッドだ。
“ 昨日の夜、黒い塊がベッドから出て来たけど、田中爺は前からそれを知っ
てるのかな?
今のところ、山本爺が変やと言っていたってことしか言ってないけど・・・。”
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