goo blog サービス終了のお知らせ 

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆分野を選択して、カテゴリーに入って下さい。

A,日々の出来事

☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

☆( 日々の恐怖 )

C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

霧の狐道185

2009-02-05 18:54:05 | E,霧の狐道
 俺はその子供に言った。

「 山本さんは、昨日の夜、俺がその女の子を連れて来たと言ったけど。」
「 ふふ、どうもそうらしいな。」
「 どうしたもんかと・・、考えてるんだけど・・・。」
「 うん、まあ、それは、ええわ。」
「 まあ、それは、ええわって、かなりヤバイような気もしてるんだけど・・・。」
「 アハハ、かなりヤバイやろな。」
「 そうか、やっぱりかなりヤバイのか・・・。
 弱ったなァ。」
「 まあ、まだ、はっきりしてないけどな。
 で、おまえ、名前は何ちゅうんや?」
「 神谷貴志だよ。」
「 わいは、山藤龍平。
 龍平と呼んでもええで。」
「 じゃ、俺も貴志でいいよ。」
「 うん、じゃ、貴志、また来るわな。
 わい、ちょっとベッドの様子を見に来ただけやから。
 また、後で来るわ。」
「 うん、そう・・・。」
「 ホンジャ、な。」
「 じゃ、また後で・・。」


龍平は軽く空きベッドを一瞥して病室を出て行った。
俺は部屋を去って行く龍平を見て思った。

“ なんだか、とても元気そうなヤツだけど・・。
 でも、人は見掛けによらないとも言うからな・・。
 あいつも、入院患者だろうな・・。”

それでも、今の俺には同年齢の子供がいるだけでも心強く感じる。
入れ替わりに、体操を終えた田中爺が部屋に戻って来た。


☆HOMEページに戻る。
  HOMEページ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。

-------大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ-------