身延山の武州屋を辞して、ふたたび国道52号線を南下し、南部町に入りました。町の中心街区の手前に上図の「道の駅なんぶ」がありますが、この日はびっくりするほどの賑わいでした。入口付近は混雑と渋滞、広い駐車場は奥まで満車に近く、私も車の列に並んでゆっくり進み、たまたま出て行った車の後に運よく停めることが出来ました。
上図のアングルは、出入口とは反対側にあたる位置で、奥の駐車場から歩いていくと建物がこのように見えます。つまりは施設群の裏手にあたるわけで、人混みも余りありませんが、「へやキャン△」第9話ではこの裏手のアングルで登場します。
このシーンですね。実際の景観をそのまま写し取っています。建物の反対側にある出入り口の方には多目的広場や屋台村があってそちらのほうが賑わっているのですが、アニメでは斉藤恵那が食事していたお店「村の駅」を中心とした施設範囲を描いているためか、その施設の外観をまずもってきたもののようです。
その手前には、地元南部の歴史人物としてはナンバーワンである、鎌倉時代の在地武士の南部光行の銅像があります。
この南部光行騎乗像も、上図のアングルで「へやキャン△」第9話に登場しています。
このシーンです。おそらく、地元の歴史人物に関する顕彰および観光情報紹介の意味もあるのでしょう。
南部光行騎乗像の全容です。本来ならば道の駅の施設の表に堂々と置かれてしかるべき銅像が、建物の裏手にあるのですが、それには明確な理由があります。
銅像の横に、上図のように「情報発信棟」というコーナーがあり、南部氏展示室が併設されているのです。南部光行騎乗像は、その入口への案内目印の役目を担っているわけです。
歴史が好きな私にとって、こういう展示コーナーは大変に興味があります。ここは絶対に見ておこう、と予定にも入れてありました。南部氏展示室の入り口脇にあった南部光行の肖像画パネルに一礼しました。それから展示室に入り、じっくりと30分ほど居ました。
南部氏は、周知のように江戸期よりの陸奥盛岡藩南部氏の祖でもあります。南部氏関連の家宝や資料類は大方が盛岡に伝存している形であるため、南部氏発祥の地であるここ南部町には遺跡が幾つかあるのみで、伝世資料がほとんどありません。
それで、展示室内では遺跡紹介ビデオや解説パネルによる説明がメインとなっていますが、もともとこの種の展示施設は山梨県内でも類例が少ないため、その存在価値は決して小さなものではありません。町名の由来でもある鎌倉幕府御家人の南部氏のことを、多くの人々に知ってもらうのはとても大切な事であると思います。 (続く)