玄語

玄音の弟玄です。日々感じている事、考えている事を語っていきます。そんな弟玄が語る”玄語”です。よろしく。

August

2013-08-18 19:28:10 | Weblog
ユリアヌス アウグストゥス パウロ

辻邦生さんの大作「背教者ユリアヌス」を読み終えてから、ローマ帝国、キリスト教、ギリシア哲学などの興味が尽きません。
乗じてローマ帝国に関する映画を探していたら偶然みつけた「ローマンエンパイア」。これは初代皇帝アウグストゥスを描いた作品。英語の8月を現すAugustはこのアウグストゥスが由来と知り、この8月に出会うとは何たる巡りと一人興奮する暑い夜。アウグストゥス役が「アラビアのロレンス」のロレンス役のピーター・オトゥールというのに後で気付いて何だか一人で感動。この映画のラスト、アウグストゥスが自己の栄光を振り返る最後に「私の在位中にユダヤである男が誕生 ナザレのイエスだった」で締めくくられるのが何とも心に残りました。

またまた偶然、一緒に借りてた映画が「パウロ~ローマ帝国に挑んだ男」。今まで知ってはいたがこの映画で初めてパウロに興味をもち、それまで持ってたキリスト教関係の本で語られるパウロについて全く風景が変わってしまいました。パウロは初期キリスト教徒を迫害する側だった人。ある時に目が見えなくなり、その際に既に亡くなっていたイエスから語りかけられ、そのお告げ通りに事が運び、目が回復する経験をする。この経験により迫害する側からイエスを伝える側に変わり、この事を回心という。パウロの言葉が聖書には多く残っているけど、イエスと実際に活動を共にした使徒とは違い、このパウロの経験は強烈です。ある意味、哲学で言う存在経験をした最初の人ではないだろか。だから他の使徒に比べても強烈に伝道活動をしているし、その心には全く揺るぎがない。凄まじいまでの一貫した姿勢で生ききっている。パウロの活動からキリスト教はキリスト教になったといわれているけど、その活動の元はこの回心であり、哲学的には存在経験である。哲学者になった人、特に存在論を説く人は何かしらの存在経験、超越経験をされているようであり、あのハイデガーも存在経験をしているといわれてます。

何よりもイエスという人を伝える伝道の凄さ。今の世界はローマ帝国が支配する中でイエスが殺されたという所から始まっている。世界に影響を与える国のほとんどがキリスト教国である事から考えても、世界を知るにはキリスト教を知らない事には始まらない。その思想、発想、活動、全てがキリスト教をベースにしているのである。このイエスという存在をそれまで人類に現れた事のない”新しい存在”として探究しているのが神学であり、その中心がパウロ・ティリッヒという神学者(ティリッヒがパウロという名である事に今あらためて気付いた。。)。この”新しい存在”の探究こそ、ずっと自分の興味関心のもとだった事に最近気付きました。

ちょっとした事から随分とひろがっていってる8月です。お盆を過ぎて、これから面白くなってきそうです。
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Lightning

2013-08-15 14:43:24 | Weblog


瞬間の美学。

数日前の豪雨に雷。
近くで何か爆発したのかと思う程の雷。
停電が数分おきに起こる。
その暗闇の中ですっとカメラに手を伸ばし、その瞬間に狙いをさだめる。

おっっと思ってシャッターを押してもすでに遅し。
来る前にシャッターを押しこそ、その瞬間をモノに出来る。
心静かに、音と風の動きを読み、ふっっとシャッターを押す、、、と同時にぴかっ!
よし!

瞬間の美学。
完全なる自己満足。
サマソニで見たメタリカのセカンドアルバム”Ride the Lightning"な心意気。

以上。


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世界を変えてる事とは

2013-08-11 12:50:21 | コンサート
 
予断を許さぬ中東情勢。欧米寄りの報道機関により伝えられる報道の偏り。シリアについて、その報道の偏りを早くから指摘されているのは元シリア大使の国枝氏。シリアはフランス統治...
 
 
 
 
 
一年経ってみえてきたもの。
 
このgooブログの機能で、一年前の自分が書いたブログがメールで送られてくる。
去年の今頃、シリア情勢について考え、芸術表現が与える可能性について、そのコンサートの案内とともに書いていた。
 
一年経ち、シリア情勢は様々な事が明らかになってきた。シリア反体制派といわれる組織そのものが瓦解しはじめ、そこで闘う兵士はほとんど海外からの傭兵であり、シリアに新しい体制を樹立する事とは全く関係ない、その目的すらよくわからない連中が兵士になっている現実。アサド政権は現実的に機能しており、このテロ行為に対してシリアという国は持ちこたえているのである。イラク、リビアで起こってきた事と同じ方法論でシリアの体制崩壊を目論むある力が働いてる事も明らかである。しかしシリアは持ちこたえているという現実。これはある目論みがうまくいってない事の証ではないか。
 
去年のブログの中でも些細な事が現実を変えていく可能性の事を書いたけど、自分としてはそこで紹介しているIDAKI SHIN氏のコンサートがまさしく影響していると感じざるをえない程に、シリア情勢は奇跡的に持ちこたえている。昨年紹介したイベントからはじまり、今に至るこの一年間に数多く開催されたコンサートの全てが中東諸国へむかってインターネット中継し続けており、現地、特にレバノン大学のガジ教授をはじめとして、楽器製作者の方などが悲惨な現実の中でも希望を見出し、コンサート開催毎に情勢が好転している現実を述べられている。そのメッセージはhttp://www.keikokoma.com/のサイトから読む事ができます。
 
ただのコンサートと思うなかれ。演奏者はただの芸術家ではなく、人間とは何かを探究され一応の答えを見つけられた哲学者とも言える方で、その一貫した活動の姿勢はどんなに周囲が理解できずとも、また批判されても30年にわたってコンサート開催され続けている事からもわかり、その活動の真意・真価は日本よりも情勢苦しい中東諸国の一級の知識人達から評価されているのである。日本人は哲学や宗教的な教育を真っ当に受けていないことから、こういった本質的な表現をすべて胡散臭く感じてしまい、まして自分で考える訓練もされていないので、その考えの基準は経済的な事に終始してしまっているのである。評価・価値の基準が全て経済なのが現代日本人。世界から魂をなくした民族は滅ぶと日本人に対して警鐘をならされてる理由がよくわかるのである。またレバノン大学のガジ教授がレバノンの雑誌に掲載したこのコンサートについて(コンサートを主催されてる高麗さんの事を中心にした)の記事を下に転載します。中東の知識人がどのように評価をしているかがわかると想います。
 
世界情勢に日本国内の情勢も本当に大変なことばかりである。事はそう単純ではないのも現実である。しかしいつの時代も真に世界に影響を与えていくのは内面的な事であり、ひとりの表現が世界を変えていくのである。そういった一人の表現が同心円状の様に一人一人に影響し、どんどん広がっていけば世界は間違いなく変わるのでしょう。
 
その注目のコンサートがこの8月9月に多数開催されるので、昨年と同じように告知します。
是非経験してみてください。百聞は一見にしかずです。
 
 
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●いだきしんコンサート
 
2013年8月23日(金)
いだきしんピアノインプロヴィゼーションコンサート
 
会場:三鷹市芸術文化センター 風のホール
日時:2013年8月23日(金)
PM6:30開場 PM7:00開演 (PM9:00終演予定)
料金:全席自由席6,000円
主催:株式会社いだき
 
 
2013年8月27日(火)
いだきしんピアノ&パイプオルガンインプロヴィゼーションコンサート
 
会場:府中の森芸術劇場 ウィーンホール
日時:2013年8月27日(火)
PM6:30開場 PM7:00開演 (PM9:00終演予定)
料金:全席自由席6,000円
主催:株式会社いだき
 
 
2013年9月3日(火)
東日本大震災いだきしんチャリティーコンサート
 
会場:盛岡市民文化ホール 小ホール
日時:2013年9月3日(火)
PM6:00開場 PM6:30開演 (PM8:30終演予定)
料金:全席自由席3,000円
主催:NPO高麗
 
 
2013年9月9日(月)
いだきしんピアノインプロヴィゼーションコンサート
 
会場:ヤマハホール
日時:2013年9月9日(月)
PM6:30開場 PM7:00開演 (PM9:00終演予定)
料金:全席自由席6,000円
主催:株式会社いだき
 
 
2013年9月13日(金)
いだきしんピアノ&パイプオルガンインプロヴィゼーションコンサート
 
会場:京都コンサートホール 大ホール
日時:2013年9月13日(金)
PM6:30開場 PM7:00開演 (PM9:00終演予定)
料金:S席6,000円   A席5,000円
主催:NPO高麗
 
 
2013年9月24日(火)
いだきしんピアノ&パイプオルガンインプロヴィゼーションコンサート
 
会場:新宿文化センター 大ホール
日時:2013年9月24日(火)
PM6:30開場 PM7:00開演 (PM9:00終演予定)
料金:S席7,000円   A席6,000円
主催:株式会社いだき
 
 
お申込み:
 
 
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●「高句麗伝説」コンサート
 
2013年9月4日(水)/9月5日(木)
 
会場:盛岡市民文化ホール 小ホール
日時:2013年9月4日(水)/5日(木)
PM5:30開場 PM6:00開演 (PM7:30終演予定)
料金:全席自由席5,000円 (両日共)
主催:NPO高麗
 
 
お申込み:
 
 
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レバノン"aliwaa"誌
 
"高麗恵子さん"
高麗恵子さんが言葉を話すと際限なく神秘の花畑が広がり、真の春、夢の更にむこうにある栄光の光に満ちた世界が目の前に現れます。永遠なる世界、春、全てあります。その表現に呼応して鳥たちは一生懸命小さな肩をゆらして優しく歌います。鳩は羽を大きく広げて空に舞います。空間が生命の喜びの光に満ちるからです。高麗さんが行くところはたと^え大変な困難な状況にあっても暖かい生命が大地から蘇り、困難にある人々を包んでくれます。自然の木々や草花の緑は輝きます。永遠なる愛、平和実現への意志、情熱、それらが私たちのプリンセスの神聖性の秘密なのです。
人間の生命は宇宙空間にあって皆の魂、心は一つにつながっています。高麗さんの言葉は魂の世界で誰とでも話が出来ます。過去のいかなること、悲しみ、苦しみそして喜びの記憶でも報われることのなかった人類史は、高麗さんの表現で、今生きる私たちの生命と融合出来ます。歴史の悲しみから解放され誰もが自分の本来の自己を見出し、他人の存在を受け容れることが出来るようになります。
高麗さんはIDAKI SHIN先生の音楽と共に詩を創作していきます。先生は他人と自分の生命の隔たりがなく全て受け容れる存在としておられます。先生の音は、生命の根源を最も純粋な形で表現し、魂の世界が生命の中心であることがわかり人々を苦しみ悲しみから解放する働きがあります。この類ない先生の音楽とともに詩の言葉は過去の人類史を通じてあった闇の世界が、私たちの生命を陥れようとする時、真の光の表現で心の悲しみ、かげりを一掃し、私たちの人生を導いてくれます。高句麗伝説では高麗さんの人生が語られます。IDAKI SHIN先生との出会いによって真実をわかり生命助かった経験が詩となって表現されています。そしてお二人は世界中の人々に共通の真の愛があらわれ地球を真の春の花で満たすコンサートを開催し続けています。人間のみならず花や木、鳥たちに始原の光が顕れたことを微笑みをもって伝え、自然の生命は自由に飛翔できる喜びに満たされます。大海にあっては波の表現をすることは意味がありません、大海原を自由にそのまま表現する言葉が必要なのです。高麗さんは大自然そのものと対話することを望み、また現実に対話することができるのです。この世でこの様な詩人の存在は最も純粋な生命としてあります。そして、私たち中東の地で紀元前6000年から活躍してきたフェニキア人やエジプト人などの魂とつながり、東アジアと中東を一つとし、世界を一つとする大きな大河の流れを創る使命を持って誕生されました。豊な文化、哲学、詩、音楽全てで人間の純粋な魂の世界を表しておられます。
IDAKI SHIN先生と高麗さんはともに活動されてきました。エチオピアでの天命コンサートのメッセージでは人類の本性についての多くのことを解明されました。内なる生命とこの世、宇宙の果てまでが和解した瞬間です。
日本語での表現ですので翻訳がなければ意味はわからないはずですが、世界中だれでもその豊な声の響きとリズムに触れるだけで砂漠に水が浸透するように、真に餓えた生命に高麗さんの詩の表現は浸透します。高麗さんは宇宙の夢、躍動、美、純粋性、正直さ、栄光に満ちた全ての人類のための詩人です。
 
 
レバノン大学芸術学部教授
Dr. ガジ・カワジ
NPO高麗 レバノン
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即興

2013-08-08 14:19:27 | コンサート
 
即興に関する覚え書き。
 
「時間的に経過するある一つの事態、たとえば即興曲の演奏に接する場合にもあてはまる。私がその事態を対象化して傍観者的な態度をとるとき、それはほとんど意味を失った光景の連続でしかない。私がその内部に身をおき、創造活動に参与することによって、はじめてその作品の具体的な意味を、すなわちそのリアリティをとらえることができる。」(「ヤスパース マルセル」中央公論社)
 
大変わかりにくい即興演奏にふれた時にどのような関わりを持つかでその意味や視界は変わる。生きる事は即興であると言った人がいたが、生きる事、人との関わり、その場にどのように参与しているかで展開も変わる。場を共にしても、明後日の方向をみていたり、携帯などで他を意識したりして、しらずしらず傍観者になってる人は多い。些細な事と思うなかれ、知らず知らず疎外状態は心を蝕んでいく。精神疾患が増えてるのもうなずける。大事な事は今いる場に参与すること、しかも創造的に参与する事と哲学者のマルセルは言うのである。一つの警鐘である。
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