満月と黒猫日記

わたくし黒猫ブランカのデカダン酔いしれた暮らしぶりのレポートです。白い壁に「墜天使」って書いたり書かなかったり。

『さあ、気ちがいになりなさい』

2006-01-23 01:44:43 | 

小説の感想です。

『さあ、気ちがいになりなさい』(フレドリック・ブラウン著、星新一訳、早川書房)

これはすごかった!
恥ずかしながらフレドリック・ブラウンの著作をまともに読むのは初めてだったのですが、短編とは、ひねりの利いたオチとはこういうものなのか!と唸らされる作品ばかり。1962年に発行された「異色作家短編集」というシリーズの再刊ということですので、当然発表年はもっと前なわけで、かなり昔に書かれた作品たちなのですが、全然古さを感じない。すごいことだと思います。SFですが、『ぶっそうなやつら』など、SFではない作品もあり。ぐいぐい読ませますし、別にハードSFというわけでもありませんので、SFはちょっと・・・という方も是非。12編収録されています。
収録作『みどりの星へ』のラストのせつなさ、『電獣ヴァヴェリ』のある意味ハッピーエンドな終わり方、『沈黙と叫び』の何ともいえない後味の悪さ、どれをとってもおすすめです。
そしてさらに特筆すべきことに、この作品、翻訳者が星新一さんなんですよ!日本のショート・ショートの名手がアメリカの短編作家の作品を翻訳する。きっと星さんもそのオチに唸りながら翻訳されたことでしょう。とても贅沢な作品集ですよ~!!

とても面白かったので他の作品も読みたいな。少なくとも『火星人ゴーホーム』(未読)は、わたしの部屋のどこかにある・・・はず・・・なんですが。
そ、掃除します・・・。


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4 コメント

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Unknown (kazuou)
2006-02-18 10:58:24
はじめまして。

そうですね、ブラウンは今でも全然古びてないところがすごいです。『沈黙と叫び』『さあ、気ちがいになりなさい』などは、もう突き抜けた傑作だと思います。

もともと星新一も、ブラウンやブラッドベリに影響されてますからね。

あと『火星人ゴーホーム』もめちゃめちゃ面白いですよ。
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ありがとうございます (黒猫ブランカ)
2006-02-18 14:46:41
コメントありがとうございます。

表題作もすごかったですね。こんなひねり方もあるのか!ありなのか!と思いました。『火星人ゴーホーム』、なるべく早いうちに読んでみたいと思います。
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Unknown (kazuou)
2006-02-18 19:31:22
ブラウンは他の短編集も面白いですよ。創元SF文庫から出ていた4~5冊の短編集は傑作揃いです。レベル的には『さあ、気ちがいになりなさい』と同じか、それ以上だと思います。とはいえ、今現在は入手困難になっているようなのですが。『さあ、気ちがいに~』が出たので、近いうちに復刊するかもしれません。
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期待したいですね (黒猫ブランカ)
2006-02-19 01:33:12
コメントありがとうございます。

創元SFの昔の作品ですと、やはり入手困難気味なんでしょうね。レベル的に『さあ、気ちがいに~』以上となると、読んでみたいですが・・・。

今SFはわりと復刊ブームな感じなので、出して欲しいものですね。情報ありがとうございました。
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