皆様ごきげんよう。信じられないだろ・・・結局一日何もしなかったんだぜコレ・・・という駄目人間全開な黒猫でございます。よろしくどうぞ(やだよ)。
なので今日はせめて多少は読む方のお暇つぶしになる内容にして何もかも無駄にしたってわけではないことにしよう、ということで、映画レビューです。もう始まってしまっていますが試写会で観てきました。
『紀元前一万年』
はるか昔。(言及はされていないですがおそらく紀元前一万年)冬には雪に閉ざされる山間部に住まうとある部族が居た。
デレー(スティーヴン・ストレイト)の父親は、一番の勇者が代々引き継ぐことを許される白い槍を受け継ぐ者だったが、ある日誰にも告げずにふと姿を消した。一族を守るべき立場でありながら姿を消した父親を持つデレーは、幼い頃から「卑怯者の息子」とそしられてきた。しかし、同胞を皆殺しにされ、唯一の生き残りとしてデレーの部族に保護された青い目の少女・エバレット(カミーラ・ベル)は、デレーと心を通わせる。
長じて立派な若者に成長したデレーは、一族あげてのマンモス狩りに参加し、偶然に助けられてひとりでマンモスを仕留める。マンモスを倒した功労者として、デレーはエバレットを伴侶に望み、周囲もそれを祝福する。しかし本当はマンモスを仕留めたのは実力ではない。それを黙ってエバレットを妻にするのは卑怯なことなのではとデレーは悩む。
そんなある晩、一族は「四本足の悪魔」に襲われ、多くの者が殺され、あるいは連れ去られてしまう。デレーは辛くも襲撃を逃れたが、エバレットはさらわれてしまった。エバレットを取り戻すため、デレーは歴戦の勇士・ティクティク(クリフ・カーティス)とライバルであるカレンとともに、四本足の悪魔のあとを追うが・・・?
というようなお話。
わたしは結構古代ものが好きなので、期待して行きました。その割にストーリーとかほとんど調べずに行ったんですが。
・・・度肝を抜かれました。
その文明レベル差ずるいだろ、と。
主人公たちと敵対勢力の文明レベル差がまさに一万年くらいある感じでした。かたや槍と打製(磨製かも)石器、かたや鉄器。
主人公の部族が人の足と罠で一生懸命マンモスを狩ってるってレベルのとこに馬に乗った部族がやってくるだけでもずるいと思いますが、さらにマンモスを使役獣にしてピラミッド建設とは何事か。紀元前一万年にその技術は反則だろ。普通に考えたら絶対勝ち目ないよこれ。・・・まあなんか色々ミラクルが起こるわけですが。
その昔、アステカやマヤの人たちは馬を知らなかった(新大陸には馬がいなかった)ので、馬に乗ってやってきた侵略者たちを馬と一体化した悪魔と恐れたといいますが、そのノリなんでしょうか。思いっきりフィクションだということは重々承知ですが、それにしたって舞台はどこよと問い詰めたい。無粋でしょうか。
ストーリーは・・・なんというかヒーローものの王道という感じで、お約束展開大好きなわたしから見ても「ねえよ」というほど都合がいい部分が多いです。主人公はあれよあれよという間に勇者に祭り上げられます。実は俺はそんなんじゃないんだと悩んだりもするものの、最終的にはその地位を受け入れて指導者的な立場に、と、かなりご都合主義な展開が多いので、このへんを受け入れられるかどうかで楽しめるかが決まってきそうです。
ストーリーはそんなですが、映像はすごかったです。マンモス、生きてる「みたい」、じゃなくて生きてたよありゃあ。
最初のマンモス狩りのシーンは、その原始的な狩りの手法と相まって(まあ原始人なんですが)すごい迫力です。ひたすら追っかけて一匹罠にかけ、槍で仕留めようってアンタ。他になんかあるだろ。げ、原始的ィ!と思ったけど、その通りだもんな(笑)。あれでは相当な確率で狩りのたびに人死にが出たでしょうねぇ。
こんな感じで、主人公が旅に出てからはリアルモンスターハンターというノリでした。荒地→熱帯雨林(?)→砂漠とフィールドが変わったり(ホントにいきなり変化する)、イャンクックみたいな怪鳥が出たり。モンハンだったらうまく狩って帰ればおしまいですが、攫われた想い人を助けるとなるとそうもいかず。旅の途中でどんどん他の部族に出会い、そのたびに同志を増やしていくんですが、最初に出会った部族に言い伝えられている、英雄だという「牙と話す者」につながるエピソードはちょっと無理がありすぎたと思います。いくらなんでも。
更に最初に会った部族にやたらどこの言葉にも通じている通訳がいるのはご愛敬?まあ、そういう人いないと話進まないもんねぇ。
大詰めでは、エバレットをさらった部族よりもさらに上に人狩りを命じていた国家があって、そこに乗り込んで行くんですが、ここの文明レベルがずるかったです。神だか王だか、そんな感じの人はどうやら他の大陸から来たっぽい様子でしたが、それにしたってチートすぎる。でもその後の展開のほうがもっとチートすぎたと思います(笑)。
・・・ストーリー的には・・・うーん、どうかと思います。お約束大好きだけれども。
でも映像はすごいです。人間以外の生き物の凄さは一見の価値アリ。
実はジャパンプレミア使者で、監督と主演の俳優さんが来場したんですが、観客は静かなもんでした。・・・あるぇー?(笑)