小説の感想です。
『さあ、気ちがいになりなさい』(フレドリック・ブラウン著、星新一訳、早川書房)
これはすごかった!
恥ずかしながらフレドリック・ブラウンの著作をまともに読むのは初めてだったのですが、短編とは、ひねりの利いたオチとはこういうものなのか!と唸らされる作品ばかり。1962年に発行された「異色作家短編集」というシリーズの再刊ということですので、当然発表年はもっと前なわけで、かなり昔に書かれた作品たちなのですが、全然古さを感じない。すごいことだと思います。SFですが、『ぶっそうなやつら』など、SFではない作品もあり。ぐいぐい読ませますし、別にハードSFというわけでもありませんので、SFはちょっと・・・という方も是非。12編収録されています。
収録作『みどりの星へ』のラストのせつなさ、『電獣ヴァヴェリ』のある意味ハッピーエンドな終わり方、『沈黙と叫び』の何ともいえない後味の悪さ、どれをとってもおすすめです。
そしてさらに特筆すべきことに、この作品、翻訳者が星新一さんなんですよ!日本のショート・ショートの名手がアメリカの短編作家の作品を翻訳する。きっと星さんもそのオチに唸りながら翻訳されたことでしょう。とても贅沢な作品集ですよ~!!
とても面白かったので他の作品も読みたいな。少なくとも『火星人ゴーホーム』(未読)は、わたしの部屋のどこかにある・・・はず・・・なんですが。
そ、掃除します・・・。
創元SFの昔の作品ですと、やはり入手困難気味なんでしょうね。レベル的に『さあ、気ちがいに~』以上となると、読んでみたいですが・・・。
今SFはわりと復刊ブームな感じなので、出して欲しいものですね。情報ありがとうございました。
表題作もすごかったですね。こんなひねり方もあるのか!ありなのか!と思いました。『火星人ゴーホーム』、なるべく早いうちに読んでみたいと思います。
そうですね、ブラウンは今でも全然古びてないところがすごいです。『沈黙と叫び』『さあ、気ちがいになりなさい』などは、もう突き抜けた傑作だと思います。
もともと星新一も、ブラウンやブラッドベリに影響されてますからね。
あと『火星人ゴーホーム』もめちゃめちゃ面白いですよ。