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読んだ本の感想と旅行の日記を書いていきます。
後、その他なんかあれば・・・

128冊目:「この1冊ですべてわかる 経営戦略の基本」

2014-11-04 17:36:11 | 
総評:★★★☆☆ 読み終わった感想としては普通だった。
面白い度:★★★☆☆ 面白いかどうかというと普通。
読みやすい度:★★☆☆☆ ちょっと専門的なことが書かれてあって読みにくい。
ためになる度:★★★★☆ 色々新しいことを学べた。
また読みたい度:★★★☆☆ 必要な時に読み返せれば。


久しぶりに最近読んだ本の感想を書く。

この本はITの資格試験の「ITストラテジスト」という試験を受けようと思った時に、読んでおくと良い本としてネットに載っていたやつで、参考書は高いので、まずはこれを読んで試験の内容のさわりだけでも学んでおこうと思って読んだ本である。
結局旅行が終わってからの転職活動が思ったより忙しく、試験は受けずに終わってしまった・・・が、来年当たりまた受けようかなとも思っている。

そんなんで、会社経営をしていく上で、永続的な利益を上げて行くために、会社が取って行くべき戦略とその自分の置かれている立ち位置などの情報を分析するためのフレームワークなどが色々書かれてあった本であった。

まずは、企業は、競合他者との争い?の中で優位性を持つことが一番大事だとされている。
これは、売上もそうだが、お客さんの数や優良顧客数とか、独自の製品や技術とか、またはニッチな分野での存在感とか、そういったものである。

この優位性を保つために、
1、現在の自分の状況を分析し
2、これからの戦略、いわゆる「打ち手」をどのようにするかを考え
3、その目標に向かって企業活動を推進して行く
ということが必要となる。
そして、この企業活動をPDCAサイクルで回し、その活動を常に反省、改善し、精度を上げて行くというのが大まかな企業活動の流れである。

これらの考え方は大まかには、昔からある戦争の考え方を元にしており、戦略や戦術を用いて土地を奪ったり、優位な場所からの攻めや守りだったり、そういった戦場を俯瞰する力や戦場での決断などの考え方が、今の企業活動にも当てはまるという所から来ているのだろう。
戦争では「戦場」で軍事活動が行われるが、ビジネスでは「市場」で、軍事活動に当たる企業活動が行われるのだろう。
ということを今思いついたりしました。


分析の流れとしては一応テンプレート化していて、大まかには以下の流れて分析を行うようである。

1、PEST分析(政治、経済、社会、技術の外部環境を分析する)←マクロな視点からまず分析する
2、5Forces分析(業界内の敵対関係、新規参入の脅威、代替品の脅威、供給者の交渉力、顧客の交渉力の5つを分析する)←自分の属している業界を分析する
3、バリューチェーン分析(自社の活動を大きく主活動(製造業の場合:仕入れ、製造、物流、販売、サービス)と支援活動(インフラ、人事、労務、技術開発、調達活動)に分けて分析する)←自社の内部環境を分析する
4、VRIO分析(経済価値、希少性、模倣困難性、組織を分析する)←自社の持つ資源を分析する
5、3C分析(顧客、競合、自社を分析する)←その市場のKFS(成功要因)を分析する
6、SWOT分析(強み、弱み、機会、脅威を分析する)←内部資源と外部環境を分析する

これらの分析は場合によって行ったり行わなかったりするらしい。まあ被る内容の分析もあったりするだろうし、これらをみっちり分析するだけで時間がかかり、戦略決断までの足も遅くなってしまうリスクもあると思う。
なので、ほどほど切りのいい所までの分析が良いと思うが、これも分析を行う人や組織の力量によるものが大きいのだろうと思う。


その後、分析を行った後は、戦略策定フェーズに移る。
まずは分析結果を元に事業ドメイン(領域)の策定を行う。これはドメインが狭すぎても広すぎてもいけないらしい。

次にドメインを具体化し、施策に落とし込む。
事業の優位性を確立するための基本戦略は大きく3つあるらしく、それは以下の通りである。
・コスト・リーダーシップ戦略 ← 業界内の広い顧客層に他者のどこよりも低いコストを実現することによって競争優位を確立する
・差別化戦略 ← 他者との差別化を行い、独自性による競争優位を確立する
・集中戦略 ← 特定のセグメントに経営資源を集中し、低コストまたは差別化によってそのセグメントに置ける競争優位を確立する

とどこかで聞いたことのある理論である。
この策定した事業ドメインに対してこれらの戦略を実行して行くことになるらしい。

基本的に業界内での立ち位置に応じて取り得る「定石」というものが決まっており、業界内の立ち位置は、大きく分けて、「リーダー」、「チャレンジャー」、「ニッチャー」、「フォロワー」というのに分けられる。
業界1位の市場シェアを持つリーダーは幅広い製品を数多くの人たちに提供するなどの「全方位」に対しての戦略を打つ。市場で2番手に当たるシェアを持つチャレンジャーは差別化戦略。特定領域において独自の地位を築いているニッチャーは集中戦略。市場シェア下位のフォロワーは基本的には上位者の模倣をする。
というのが基本定石らしい。

その他にもプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)という、多角化事業に成功した企業が、どの事業に資源を集中的に投入して行くかを分析するための分析手法(商品をプロダクトライフサイクル(スター、金のなる木、問題児、負け犬の4事象)に分類する手法)なども書いてあり、これについてもどっかで聞いたことのある内容だった。


そんなんで、戦略を決定した後は、最後の実行フェーズに移るのだが、これについても、どのような「仕組み」を作るかが重要であり、仕組みは大きく「計画」、「評価」、「組織」の三本柱で考えていくことが必要となる。

計画は戦略を分かりやすく落とし込むために必要である。戦略の進捗と結果を測るために指標を策定することが必要であり、これは部署内の売上計画や売上目標などの指標になったりする。
そして計画が正しく実行されているかを見るためにしっかり評価をし、目標が達成された場合にどのような報酬やインセンティブを与えるかどうかということも考えて行かなければいけない。

組織についてもトップダウンにするか、ボトムアップにするかなどを考えたり、はたまた、組織を技術、営業などの組織に分ける職能別組織にするか、事業部内に営業と技術を混在させ、事業部ごとに採算を考えて行く事業部制組織にするかなど、その組織の戦略、目標などにあった適切な組織を考え仕組みを作って行かなければならない。


と、以上が大まかな内容になるが、今までちょいちょい聞いたことのある何とか分析とか、スタートか金のなる木とかのお話は結局はその企業の戦略について考えて行くものだったのだということが分かりました。
また、この本を読んで、戦略を決めて実行していくために、とても色々な分析が必要になるということが分かったが、こういう分析や戦略策定などを、戦略コンサルタントに当たる人たちはやっているんだなあということが分かった。

でも一つ思うのは、今までも会社にいて分かったが、その決めた戦略や目標を忠実に実施して行くことが一番難しいんだろうと思う。
何よりも昨今は本当に色々な情報が飛び交い、経営環境の変化や時代の流れも早いので、当初決めた戦略がもはや役に立たないということも大いにあり得ると思う。

なので、頑張って時間をかけて分析した内容があまりアテにならないものになったり、当初決めた目標に対して頑張っていた物があまり意味の無い物になってしまうことも往々にしてあり得るんじゃ無いかと思う。
自分がこれから大事になっていくことになると思うのが、変化に素早く対応する柔軟性と、リーダーの組織を動かす直感力、そして組織トップのリーダーシップなどが、本当に大事になっていくんじゃないかと思っている。

そんなんで今回はこれで以上☆
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