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読んだ本の感想と旅行の日記を書いていきます。
後、その他なんかあれば・・・

80冊目:「アメーバ経営 ひとりひとりの社員が主役」

2012-08-03 23:52:08 | 
総評:★★★★☆ 稲盛さんの基本原則が分かった!
面白い度:★★☆☆☆ 面白いかというとそうではない
読みやすい度:★★☆☆☆ ちょっと会計の難しい知識がいる
ためになる度:★★★★★ かなりためになった
また読みたい度:★★★☆☆ ちょいちょいつまみ読みしたい


あの経営の神様、稲盛和夫の有名な著書。
この前カンブリア宮殿で300回?のスペシャル番組で稲盛さんが出ていたのを見て、触発されて見ることにしました!


アメーバ経営という稲盛イズムの一端が分かる本。
ちなみに稲盛さんの考え方はこれだけではない。
他にも実学という会計の考え方もあったりするが、それはこれから読むつもりである。


アメーバ経営というのは、組織を細分化し、それぞれの組織が収支を理解し、従業員の一人ひとりが組織の経営を行っているという認識を持たせて、全員の危機感やパフォーマンスをアップさせるという、ざっくりいうとそんな経営手法である。

面白かったのが、まず、売上最大、経費最小という考え方である。
会社は利益を上げていかなければ存続できない、その利益を最大にするためには、売り上げを最大に、経費を最小にという、このシンプルな原則だけ実行すればよいということであった。

一つ一つの組織単位であるアメーバ、いや全従業員が、まずこの原則を理解することからはじまっているのであった。
もちろんカンブリア宮殿でやっていたJALも同じことを実行していた。


次に、売り上げの意識を営業部門だけでなく、製造部門にも持たせる方法が面白かった。これは製造業に親和性が高いと思うが、社内で製造した製品を営業が買って、お客様に売り、そこで会社の売り上げを計上するということではなく、製造部門で製品を作っている間から、それぞれの製造の部門間のやりとりで売り上げを上げて、営業は最終的にできた製品を売った売り上げ金額の割合を、営業の売り上げとするという、この考え方が斬新だと思った。
(ここで説明するのはちょっと難しいですね^-^;)

でもこの考え方はとてもいいと思った。会社の売り上げは、あくまで営業が上げるものだという考えが今まであったが、実際にはそこに関与していない部門も売り上げを上げることの意識を持つことができるので、組織の全体で経営の考え方を根付かせることができる。
これもアメーバ経営の肝だと感じた。自分の会社でもそういったものを参考にできないものかと思った。


会社で働く上では、ただそこにある仕事をやっていくという考えだけではちょっと甘いと思っている。
あくまで会社はお金を回すことによって存続している。その存続しているプロセスを分からないままに日々の業務を行っていると、気づかぬ間に会社の業績が悪くなったり、本当に倒産ということになってしまうと思う。

そんなんで、社員の一人ひとりが会社のことを考えて仕事をしていく上では、まさに全従業員が会社のお金や経営について、できるだけ知識を得て、自分たちが会社を回しているんだという意識を持つ必要があると思います。
そうすることで会社が良くなっていったり、社員ももちろん積極的に会社に関わることができるんじゃないかと思う。
そういったことを意識して自分も働いていきたいと考えている。

会社が今どうなっているか、また組織がどんな状況なのかを知るために現在の状況をはかるものさしとして、時間当たり採算表というのも稲盛さんは考え出した。自分はIT業の会社に勤めているが、ITの業界でもそういったものさしは考えられないかと思った。

ちなみに一番いいやり方は、月次で、売り上げや経費、利益を全従業員に展開することかなぁと思ってはいるのだが、実際はどうなのだろう?
稲盛さん曰くガラス張り経営といっているが、こういった手法も自分の会社に取り入れられたらどうかと考えている。


とにかく今まで(一応)大企業に勤めてはいたが、今まではそういった考え方がホントに全くなかったので、今のベンチャー企業ではそれが学べているあたり、いい環境にいるのかなぁと思う。


そんなんで、今までと違ってちょっと分野は狭いが、マニアックにためになることを学べた一冊だった。
それにしても簿記を取っておいて本当に良かったなぁと思う。簿記の知識がなければこの本の内容はあまりわからなかっただろうなぁと思う。


最後に、ためになると思った箇所を抜粋する。

・いざ会社を創業してみると、社員は自分の一生を託して入社してくる。だから、会社には、私の夢の実現以上に大切な目的がある。その目的とは、従業員やその家族の生活を守り、その幸せを目指すことなのだ。私が先頭に立って従業員の幸せを目指すことが、私の運命なのだ。

・アメーバ経営には大きく分けると次の三つの目的がある。
 -市場に直結した部門別採算制度の確立
 -経営者意識を持つ人材の育成
 -全員参加経営の実現

・「人間として何が正しいか」という基準を会社経営の原理原則として、それをベースにすべてを判断することにしたのである。それは、公平、公正、正義、勇気、誠実、忍耐、努力、親切、思いやり、謙虚、博愛、というような言葉で表される。

・市場は常に変化しており、技術開発の世界も日進月歩である。そのような企業を取り巻く環境に敏感に反応し、柔軟に対応していくには、組織を固定化せず、事業展開に応じて自由に分割したり、統合したり、あるいは増殖させたりすることが必要である。

・技術的な優位性というのは、このように永遠不変のものではない。だから、企業経営を安定させようと思うなら、たとえ技術的にさほど優れていなくとも、どこでもやれるような事業を優れた事業にすることが大切である。つまり、誰もがやれるような仕事をしていても、「あの会社はひと味違う」というような経営をすることが、その会社の真の実力なのである。

・単にビジネスチャンスがあるという理由で事業を始めたことはない。新規事業を担うにふさわしい人材が社内にいることを確認したうえで、あるいは、社内にいなくても社外に適任者がいて、当社に来てくれる目処を立てたうえで、新規事業に乗り出すことにしてきた。「適切な人材がいるから新事業に進出する」というのが私の鉄則である。

・製造業におけるアメーバ経営では、ものづくりの基本となるすべての技術を社内に蓄積するためにも、できるだけ外注を使わず、社内に付加価値の高い一貫した生産ラインを構築すべきである。


こんな感じです!
しばらくは稲盛さんコンボが続くと思いますが、以上☆

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