この事案、新聞記事紹介系のBlogでは取り上げられていますが、カメ飼いさんBlogの反応はまだ殆ど無い模様です。リクガメ系からのサルモネラ感染例は、これまであまり話題になっていないか、と思います。
元記事はこちらから。
「朝日新聞」
>暮らし>暮らし一般>9月19日付け記事
爬虫類ペットに注意 乳幼児のサルモネラ菌感染相次ぐ【写真あり】
http://www.asahi.com/life/update/0919/007.html
「カメやイグアナなど、最近人気が高まっている爬虫類(はちゅうるい)ペットからサルモネラ菌に感染する乳幼児が相次いでいる。食中毒のような下痢症状にとどまらず、敗血症や髄膜炎など深刻な状態に陥る子もいる。海外では死亡例も報告されており、国立感染症研究所は、爬虫類ペットの扱い方に注意するよう警告している。」
との要約で、今年5月に新潟県で生後7ヶ月の乳児が高熱で衰弱し入院。血液検査でサルモネラ菌が見つかり敗血症と診断された。抗生剤で治療し、入院から8日後に退院。菌のタイプから爬虫類由来と診断された、という事案。記事の引用から、
「地元保健所によると、一家は大型カメの一種、ケヅメリクガメ(体長45cm、幅30cm、厚み18cm)を飼っており、浴室で甲羅を洗うなど、家族のように可愛がっていたという。飼育法や菌型などから、保健所はこのカメが感染源と見ている。」
「英国では00年に乳幼児が2人死亡、米国では集団感染も起きている。米国疾病対策センターは、爬虫類からの感染を防ぐ家庭用ガイドラインを出し、正しく飼うよう注意を促している。」
欧米の報告では、爬虫類の50~90%は菌を持っているが発病はしないので、症状がなくても油断はできないとの事。
哺乳類のみならず爬虫類でも、触ったあとにはきちんと手洗いしないといけないわけで。生き物ですからね。
それはそれとして、
この記事に掲載されているケヅメリクガメの写真は意図的にかどうか、青物を喰いちらかした姿で不潔っぽく写ってますな。また記事冒頭の「カメやイグアナなど」の後半、イグアナによるサルモネラ感染症の症例が、何処から出てきた話なのか、よく判りません。
そこで、多少検索してみました。
多分こちらが本記事の元ネタです。
「感染症情報センター」
http://idsc.nih.go.jp/index-j.html
>速報記事 (細菌)
http://idsc.nih.go.jp/iasr/rapid/index-kb.html
更新日 2006/9/14
> <速報> 乳児サルモネラ敗血症事例-新潟県
http://idsc.nih.go.jp/iasr/rapid/pr3181.html
患児の血液及び便の培養から、サルモネラO13群を検出したとの内容です。本報告中では、細菌培養の結果も記載されています。
「ケヅメリクガメは、10検体すべてサルモネラ属陰性であり、家族は6検体中、兄2名と母よりサルモネラO13群を上越保健所にて分離した。血清型別は国立感染症研究所に依頼しS . Poonaと判明した。」
他の家族には症状は無かったそうです(サルモネラ菌感染では、症状の出ない「健康保菌者」は比較的よくみられます)。また、この報告からみる限り、
「判明した血清型から、爬虫類を原因とする敗血症も否定できない 」
との事なので、ケヅメリクガメからの感染は直接には証明されてはいません。
ただし、患児と他の家族に共通食がない(離乳食のためと思われます)ことや、屋内の飼育ケースに接触が容易であること、接触後手洗いの習慣がなかったこと、カメの洗体は家屋内の浴室で行われていたことなどが、状況証拠として挙げられています。
イグアナの元ネタは、こちらかな?
「千葉県衛生研究所」
http://www.pref.chiba.jp/syozoku/c_eiken/index.html
>トピックス
>2005年11月25日(金) 動物由来感染症について【写真あり】
http://www.pref.chiba.jp/syozoku/c_eiken/topics/20051125/20051125.html
「意外なペットからのサルモネラ感染相次ぐ」と題して、
「最近、千葉県内で意外なペットからの感染症が相次いでいます。」
ここでの報告はミドリガメ2例にイグアナ1例だけ。しかも、千葉県下で、という括りが入った報告です。
なんだか、新聞記事とニュアンスが微妙に異なるような…
医学領域では、
「日本医師会」発行の、
『動物由来感染症ハンドブックWeb版』
http://www.med.or.jp/kansen/animal/index.html
>輸入動物からうつる:サルモネラ症〔Salmonellosis〕
http://www.med.or.jp/kansen/animal/import/01.html
によると、
「食中毒以外では、健康なハ虫類(ミドリガメ、イグアナ等)の腸内に保菌していることが多いので、カメなどを、飼育することが多い子どもへは充分注意が必要です。」
との由。本HPの「はじめに」から、本誌は平成18年5月発行、のようです。
人獣共通感染症の方面では、既に有名な事案らしいですね。
一方、カメ飼いさんのBlogから、サルモネラ関連で検索してみました。
5月に拙Blog「ケヅメの闇」で、引用・TBをさせて頂いた、ホルスフィールドリクガメ飼いの
『蔵六の思いつ記』
http://blog.goo.ne.jp/zouroku-rg/
さんが、9月19日の更新にて上記の新聞記事全文を引用の上、感想を述べてみえます。
爬虫類ペットに注意 乳幼児のサルモネラ菌感染相次ぐ
http://blog.goo.ne.jp/zouroku-rg/e/01e1d6e19b4a307c38789f8bba71122c
「ウィキのサルモネラによれば経口的な感染をするそうだ。
空気感染や接触感染でなくて良かったよ。
とりあえず、我が家も温浴&お風呂を洗面所に場所替えだな。
台所はマズイわな。」
と、注意を喚起。
同じく、拙Blogにて6月に映画『小さき勇者たち~ガメラ~』のレビューを、7月にはワニガメ・カミツキガメ保護の事案について各々引用・ご紹介をさせて頂いた、
「Allabout」
>ペットチャネル>爬虫類・両生類ガイドサイト>
ガイド:星野一三雄さん、2006年4月23日のエントリー、
両生爬虫類のズーノーシス 「ミドリガメ」って悪者なの?
http://allabout.co.jp/pet/reptiles/closeup/CU20020424a/index2.htm
にも、サルモネラ関連の情報があります。
更に以前のエントリーなのですが、ペット由来のサルモネラ感染症がよくまとまっていますので、こちらも御覧頂けると良いかと。
「ケヅメリクガメについて」
http://blog.goo.ne.jp/gameraishi/e/3014ab10dfcada3ae847c027d86e8bb4
でご紹介して以来、しばしば引用させて頂いている、moonba-moogleさんのBlog。
『飛行機に乗ってやってきたケヅメリクガメ~Moonba&Moogle』
http://moonba.exblog.jp/
さんから、2006年3月10日の更新。
サルモネラ菌
http://moonba.exblog.jp/4244338/
こちらもミドリガメ関連の内容ですが、サルモネラ菌について簡潔なまとめがあります、カメに限ったことではなく、ペット=コンパニオンアニマルを扱う際の常識だとの主張で、
「とりあえず手を洗おう。
石鹸で手を洗おう。
夏の屋外なら、除菌ティッシュだってOKだ。
なんでもいい、手を清潔にすればいいだけの話だ」
moonba-moogle様は、公園にお散歩に連れて行く時、除菌ティッシュをたくさん持っていくのだそうです。
ケヅメ君に触った子供達に配るために。
生き物を飼うって、こういう覚悟の要る事なんですよね。
リクガメ関連といえば、
夏休みに伊豆アンディランドで公開されていた「小さき勇者たち」撮影時使用の6mガメラ“寝トト@PAMIさん”が登場する「ジャパンレプタイルズショー2006」
http://www.rep-japan.co.jp/Jrs%201.html
は、今週末の23日(土・祝)、24日(日)に静岡市内は「ツインメッセ静岡」にて開催の予定です。イベント記事をご紹介。
「お魚館」
http://www.osakanakan.com/list.html
>イベント情報・参加レポート>
爬虫類・両生類の日本最大のイベント!ジャパンレプタイルズショー2006(Japan Reptiles Show 2006)のご案内!!【写真あり】
http://www.osakanakan.com/archives/000336.html
会場の地図その他の案内があります。会場地図はクリッカブルマップになっていますので便利。
静岡近郊のガメラファンの皆様、週末には是非ツインメッセへお出かけくださいね。
―――ここから、9月22日の追記です。―――
上記のエントリーにコメントを頂いて、再度考案してみました。
ガメラ医師は、この新聞記事の信頼性を云々するに足るだけの情報は持ちあわせておりません。個人的に一般検索した情報のみで、本記事の全てのソースを完全に網羅したとはいえないからです。
ただし、本エントリーで提示した情報は、Yahoo・Google等から「サルモネラ カメ」「サルモネラ イグアナ」で検索を行うと、上位にランクされるものであり、これらの他には「全国的な爬虫類からのサルモネラ感染症が頻発」という情報は見つけられませんでした。
もし、これらの情報が記事のソースなのだとしたら。
「千葉県下で起こった三件のペット経由感染例と、一例のケヅメリクガメから(ではないかもしれない)感染例を例に引いて、あたかも全国で爬虫類からのサルモネラ感染症が頻発しているかのような論調の記事を書くというのは、ちょっと強引なんじゃない?」と思った次第です。
「千葉県下で散発との報告があり、全国的にも注意が必要」という記述の方が、より妥当なのでは?
とか、思うわけで。
本記事に関しては、補完情報が得られれば随時追記していくつもりです。爬虫類からのサルモネラ感染症について情報をお持ちの方は、お報せ頂ければ幸いです。
――― 追加分は、以上です。 ―――
元記事はこちらから。
「朝日新聞」
>暮らし>暮らし一般>9月19日付け記事
爬虫類ペットに注意 乳幼児のサルモネラ菌感染相次ぐ【写真あり】
http://www.asahi.com/life/update/0919/007.html
「カメやイグアナなど、最近人気が高まっている爬虫類(はちゅうるい)ペットからサルモネラ菌に感染する乳幼児が相次いでいる。食中毒のような下痢症状にとどまらず、敗血症や髄膜炎など深刻な状態に陥る子もいる。海外では死亡例も報告されており、国立感染症研究所は、爬虫類ペットの扱い方に注意するよう警告している。」
との要約で、今年5月に新潟県で生後7ヶ月の乳児が高熱で衰弱し入院。血液検査でサルモネラ菌が見つかり敗血症と診断された。抗生剤で治療し、入院から8日後に退院。菌のタイプから爬虫類由来と診断された、という事案。記事の引用から、
「地元保健所によると、一家は大型カメの一種、ケヅメリクガメ(体長45cm、幅30cm、厚み18cm)を飼っており、浴室で甲羅を洗うなど、家族のように可愛がっていたという。飼育法や菌型などから、保健所はこのカメが感染源と見ている。」
「英国では00年に乳幼児が2人死亡、米国では集団感染も起きている。米国疾病対策センターは、爬虫類からの感染を防ぐ家庭用ガイドラインを出し、正しく飼うよう注意を促している。」
欧米の報告では、爬虫類の50~90%は菌を持っているが発病はしないので、症状がなくても油断はできないとの事。
哺乳類のみならず爬虫類でも、触ったあとにはきちんと手洗いしないといけないわけで。生き物ですからね。
それはそれとして、
この記事に掲載されているケヅメリクガメの写真は意図的にかどうか、青物を喰いちらかした姿で不潔っぽく写ってますな。また記事冒頭の「カメやイグアナなど」の後半、イグアナによるサルモネラ感染症の症例が、何処から出てきた話なのか、よく判りません。
そこで、多少検索してみました。
多分こちらが本記事の元ネタです。
「感染症情報センター」
http://idsc.nih.go.jp/index-j.html
>速報記事 (細菌)
http://idsc.nih.go.jp/iasr/rapid/index-kb.html
更新日 2006/9/14
> <速報> 乳児サルモネラ敗血症事例-新潟県
http://idsc.nih.go.jp/iasr/rapid/pr3181.html
患児の血液及び便の培養から、サルモネラO13群を検出したとの内容です。本報告中では、細菌培養の結果も記載されています。
「ケヅメリクガメは、10検体すべてサルモネラ属陰性であり、家族は6検体中、兄2名と母よりサルモネラO13群を上越保健所にて分離した。血清型別は国立感染症研究所に依頼しS . Poonaと判明した。」
他の家族には症状は無かったそうです(サルモネラ菌感染では、症状の出ない「健康保菌者」は比較的よくみられます)。また、この報告からみる限り、
「判明した血清型から、爬虫類を原因とする敗血症も否定できない 」
との事なので、ケヅメリクガメからの感染は直接には証明されてはいません。
ただし、患児と他の家族に共通食がない(離乳食のためと思われます)ことや、屋内の飼育ケースに接触が容易であること、接触後手洗いの習慣がなかったこと、カメの洗体は家屋内の浴室で行われていたことなどが、状況証拠として挙げられています。
イグアナの元ネタは、こちらかな?
「千葉県衛生研究所」
http://www.pref.chiba.jp/syozoku/c_eiken/index.html
>トピックス
>2005年11月25日(金) 動物由来感染症について【写真あり】
http://www.pref.chiba.jp/syozoku/c_eiken/topics/20051125/20051125.html
「意外なペットからのサルモネラ感染相次ぐ」と題して、
「最近、千葉県内で意外なペットからの感染症が相次いでいます。」
ここでの報告はミドリガメ2例にイグアナ1例だけ。しかも、千葉県下で、という括りが入った報告です。
なんだか、新聞記事とニュアンスが微妙に異なるような…
医学領域では、
「日本医師会」発行の、
『動物由来感染症ハンドブックWeb版』
http://www.med.or.jp/kansen/animal/index.html
>輸入動物からうつる:サルモネラ症〔Salmonellosis〕
http://www.med.or.jp/kansen/animal/import/01.html
によると、
「食中毒以外では、健康なハ虫類(ミドリガメ、イグアナ等)の腸内に保菌していることが多いので、カメなどを、飼育することが多い子どもへは充分注意が必要です。」
との由。本HPの「はじめに」から、本誌は平成18年5月発行、のようです。
人獣共通感染症の方面では、既に有名な事案らしいですね。
一方、カメ飼いさんのBlogから、サルモネラ関連で検索してみました。
5月に拙Blog「ケヅメの闇」で、引用・TBをさせて頂いた、ホルスフィールドリクガメ飼いの
『蔵六の思いつ記』
http://blog.goo.ne.jp/zouroku-rg/
さんが、9月19日の更新にて上記の新聞記事全文を引用の上、感想を述べてみえます。
爬虫類ペットに注意 乳幼児のサルモネラ菌感染相次ぐ
http://blog.goo.ne.jp/zouroku-rg/e/01e1d6e19b4a307c38789f8bba71122c
「ウィキのサルモネラによれば経口的な感染をするそうだ。
空気感染や接触感染でなくて良かったよ。
とりあえず、我が家も温浴&お風呂を洗面所に場所替えだな。
台所はマズイわな。」
と、注意を喚起。
同じく、拙Blogにて6月に映画『小さき勇者たち~ガメラ~』のレビューを、7月にはワニガメ・カミツキガメ保護の事案について各々引用・ご紹介をさせて頂いた、
「Allabout」
>ペットチャネル>爬虫類・両生類ガイドサイト>
ガイド:星野一三雄さん、2006年4月23日のエントリー、
両生爬虫類のズーノーシス 「ミドリガメ」って悪者なの?
http://allabout.co.jp/pet/reptiles/closeup/CU20020424a/index2.htm
にも、サルモネラ関連の情報があります。
更に以前のエントリーなのですが、ペット由来のサルモネラ感染症がよくまとまっていますので、こちらも御覧頂けると良いかと。
「ケヅメリクガメについて」
http://blog.goo.ne.jp/gameraishi/e/3014ab10dfcada3ae847c027d86e8bb4
でご紹介して以来、しばしば引用させて頂いている、moonba-moogleさんのBlog。
『飛行機に乗ってやってきたケヅメリクガメ~Moonba&Moogle』
http://moonba.exblog.jp/
さんから、2006年3月10日の更新。
サルモネラ菌
http://moonba.exblog.jp/4244338/
こちらもミドリガメ関連の内容ですが、サルモネラ菌について簡潔なまとめがあります、カメに限ったことではなく、ペット=コンパニオンアニマルを扱う際の常識だとの主張で、
「とりあえず手を洗おう。
石鹸で手を洗おう。
夏の屋外なら、除菌ティッシュだってOKだ。
なんでもいい、手を清潔にすればいいだけの話だ」
moonba-moogle様は、公園にお散歩に連れて行く時、除菌ティッシュをたくさん持っていくのだそうです。
ケヅメ君に触った子供達に配るために。
生き物を飼うって、こういう覚悟の要る事なんですよね。
リクガメ関連といえば、
夏休みに伊豆アンディランドで公開されていた「小さき勇者たち」撮影時使用の6mガメラ“寝トト@PAMIさん”が登場する「ジャパンレプタイルズショー2006」
http://www.rep-japan.co.jp/Jrs%201.html
は、今週末の23日(土・祝)、24日(日)に静岡市内は「ツインメッセ静岡」にて開催の予定です。イベント記事をご紹介。
「お魚館」
http://www.osakanakan.com/list.html
>イベント情報・参加レポート>
爬虫類・両生類の日本最大のイベント!ジャパンレプタイルズショー2006(Japan Reptiles Show 2006)のご案内!!【写真あり】
http://www.osakanakan.com/archives/000336.html
会場の地図その他の案内があります。会場地図はクリッカブルマップになっていますので便利。
静岡近郊のガメラファンの皆様、週末には是非ツインメッセへお出かけくださいね。
―――ここから、9月22日の追記です。―――
上記のエントリーにコメントを頂いて、再度考案してみました。
ガメラ医師は、この新聞記事の信頼性を云々するに足るだけの情報は持ちあわせておりません。個人的に一般検索した情報のみで、本記事の全てのソースを完全に網羅したとはいえないからです。
ただし、本エントリーで提示した情報は、Yahoo・Google等から「サルモネラ カメ」「サルモネラ イグアナ」で検索を行うと、上位にランクされるものであり、これらの他には「全国的な爬虫類からのサルモネラ感染症が頻発」という情報は見つけられませんでした。
もし、これらの情報が記事のソースなのだとしたら。
「千葉県下で起こった三件のペット経由感染例と、一例のケヅメリクガメから(ではないかもしれない)感染例を例に引いて、あたかも全国で爬虫類からのサルモネラ感染症が頻発しているかのような論調の記事を書くというのは、ちょっと強引なんじゃない?」と思った次第です。
「千葉県下で散発との報告があり、全国的にも注意が必要」という記述の方が、より妥当なのでは?
とか、思うわけで。
本記事に関しては、補完情報が得られれば随時追記していくつもりです。爬虫類からのサルモネラ感染症について情報をお持ちの方は、お報せ頂ければ幸いです。
――― 追加分は、以上です。 ―――
サルモネラ菌については以前からミドリガメからの感染が有名でしたね。貴blogで2006-09-02に取り上げていらっしゃる『ミドリガメとフェレット』に時系列を追った記述があり、とても参考になります。
爬虫類の保菌率は低くありませんから、感染の事実の有無に関わらず、多くのカメキーパーは常識として心に留めているのではないかと思います。爬虫類ショップにも手洗い場や含アルコール紙が置いてあることが多いですよ。イヌ・ネコの保菌についての認識がどうなのかも気になるところです。
新聞記事や各リンク先にもありますが、手洗い励行や衛生的な糞便の処理など適切な管理をしていれば、必要以上に恐れるものでもありません。何でも口に入れる乳幼児は特にそうですが、「動物に触ったら手を洗いましょう」「糞便が食器等に触れないようにしましょう」という当たり前の配慮は、ペットでも家畜でも使役動物でも同じなんですけれどね。
蛇足ながら、大学でおどろおどろしく習った影響か、サルモネラ菌感染といえば加熱不十分な鶏肉や鶏卵由来というイメージの方がが強くあります。最近はあまり聞きませんが、加熱不十分になり易い手作りティラミスやカスタードクリームは今でも結構怖いです。いや饅頭怖いでなくて。
更に蛇足ながら、学食で行う研究室のコンパで出される安物の舟盛りには「○×学研究室」と書かれたコピー用紙製の帆がつけられていたんですが、「伝染病」「寄生虫」「病原微生物」等に違和感を覚えなかった青春の日々が懐かしいです。非保健系の進学先で話したら暫くの間物笑いのタネでしたが。
長文失礼致しました。
ケヅメは陰性だったとは驚きました。
やっぱり誘導記事っぽいですね。
もっとも我が家の場合、台所でカメを洗ってたので、かなり不衛生だったんですが・・・f(^^;)
本文に少々追加致しました。なんとなく言い足りない気がしたもので。
本例に限らず、新聞や雑誌などの活字情報を見ると素直に信用してしまう傾向があるのは、Blog界隈でも余り変わりがないのかな、とか思います。新聞掲載の意図が感染症に対する注意喚起なのだとすると、この程度の編集は普通に行われていることなのかもしれません。
リクガメの全てがサルモネラに汚染されているかのような感想を抱かせるこの記事の論調には、ちょっとどうかな、と思います。
はじめまして。私もケヅメを飼っていますが、台所で生体や飼育器具を洗うのはご法度ですよ~。カメに限った事ではなく、ペットや野生動物はいろいろなものを持っていますから。逆に、人間から動物への感染の恐れもあります。
>ガメラ医師 様
なるほど、新聞記事の論調は確かに大袈裟すぎますね。記事中で、結果としてケヅメの便からサルモネラ属菌は検出されなかったことには触れていませんし。
ペットの衛生的な管理について啓蒙するための記事であるにしても、確かに強引に過ぎるように読めます。
感染症については詳しくないのですが、国立感染症研究所感染症情報センター(IDSC)発行の「病原微生物検出情報月報」今年の8月分"IASR Vol.27 No.8-No.318-August 2006"に、今年6月現在の状況があります。サルモネラ菌によるサルモネラ症は、1991年以降、発生数・患者数ともに減少傾向にあるようで、またそのうちの多くはS.Enteritidisによる食中毒のようです。爬虫類由来のサルモネラ症が散発していることも記載されていますが、経年推移等は不明です。
厚生労働省をはじめとする衛生行政府には「怪しいものはなるべく国内に入れない」という姿勢があります。イヌ・ネコ等はペットとしての歴史が長く経験も積んでいるのでコントロールもし易いがエキゾチックアニマルは知見がないのでなるべく飼うべきではない、パンドラの箱は開けたくない、出来る事なら鎖国したい(でも先行事例は教えて欲しい)、というスタンスです。
交雑・乗り換え等が起きてコントロール出来なくなる事態を避けるという意味では感染症対策の根源として理解できますが、「例示した動物や食品が絶対に危ないという訳ではない」ことは明記すべきでしょうね。
本筋と外れますが、感染症等の危険がある地域への渡航の話題では「危険を理解したうえで自己責任」という言葉が必ず出てくるんですが、今回の記事に見られないのもちょっと不思議です。
長文失礼致しました。
記事を書く記者がいる以上、記事に筆者の主観が入ることは避けようがないはずなのですが、新聞・雑誌の記事やTV番組での報道などを見ていると、あたかも発信者の意図が全く無いかのような立場に立とうとしているように見えてしまいます。
読者・視聴者の側でも、情報を無批判に受け入れてしまう事が多いのではないかと(自らを含めて)感じる次第です。心に留めておきたいと思いますね。
乱文申し訳ありません。
常々感じておりましたが、ガメラ医師様のblog記事やコメントには軽妙な中にも深い洞察があり、大変興味深くまた時には気を引き締めながら拝見致しております。
隔日の更新には多大なご労力をお払いかと存じあげます。ご自愛のうえ今後とも宜しくご鞭撻の程お願い申しあげます。
連続の長文投稿で失礼致しました。