
今年は、「タイタニック」が海に沈んで、百年目に当たるそうです。
それで、今年中にこの映画のお話を書かなければと思っていました。
この映画は公開当時、大ヒットしました。
普段、古い映画しか観ない私もあまりのヒット振りに、つい観たくなった映画でもありました。
この映画はまず脚本がよく出来てるなと思います。
現実にあった出来事を巧みに取り入れ、本当っぽく作られていて、しかもコンピューター・グラフィックスとの合成が素晴らしく、本物かと思わんばかりでした。
そして、女性のこうあってほしいという願い通りにストーリーが作られていたのが、とてもよかったと思います。
それではジェームズ・キャメロン監督はどうやって女性の心理に訴えたのでしょう。
この映画は1921年に海中に没した本物のタイタニックを撮影した映像から始まります。
最初に映し出されるのが、船首の部分、続いてデッキ。
そうして錆びれ、朽ち果てた船内を次々に映していくのです。
それらを観ているうちに、この沈没したタイタニックにどんな人々が乗り、様々なドラマがあったのか、興味をかきたてられずにはいられなくなります。
古い朽ち果てたタイタニックが、冒頭で映し出された理由は、沈没船の宝探しのハンター達が、一等客室の金庫に眠るルイ16世も所有していた「碧洋のハート」と呼ばれる56カラットのダイヤモンドを手に入れるためでした。
しかし、小型潜水艇を使って、ようやく捜し当てた金庫には碧洋のハートはなく、代わりに若い女性のヌードを描いた絵が出てくるのです。
だけど、その女性の胸には碧洋のハートとおぼしき宝石が描いてあり、このニュースはテレビで流され、「私を描いたものだ」と上品で優しそうな一人の老女が名乗り出てきます。
お婆さんが出てきて、本当に私は感動出来るのかなと、少し不安が脳裏をかすめ、半信半疑になりかけました。
ところが、金めのものにしか目のない不格好な宝探しのハンターが、「百歳を越えた詐欺師だ」と、お婆さんを罵倒するに及んで、「何、とんでもない事言い出すのよ。あんたみたいな、およそ女性に一度もモテた事のないブ男には理解出来ないかも知れないけど、世の中には恋愛という、とってもロマンチックで尊いものがあるんだから!」
と、お婆さんにロマンチックなお話を期待する気持ちに傾いてしまうのです。
この映画の主人公、ローズは上流階級の出身で、破産しかかったわが家を救うために、母親に強制される形で、資産家のキャルと婚約して、ともにタイタニックに乗船していたのです。
そのタイタニックに、ジャックという貧しいけれど、夢と希望だけは人一倍持っている画家を目指す青年がギャンブルで得たお金で乗り込むのです。
ローズは、キャルとの結婚に失望していました。
私には、すでに先の人生が見えた。
来る日も来る日もパーティーとダンス、ヨットやポロ観戦…
いつも同じ顔ぶれ、くだらないお喋り…
それはまさに断崖に立たされた気持ち…
誰も引き戻してくれず、気づいてくれる人さえいない…
そう思い詰めたローズはタイタニックから飛び降り、死のうとします。
これも、よく理解出来ます。
誰だって思い通りの人生を歩んでいる人は、なかなかいないですから。
突然、素敵な男性が現れて、今の生活から救い出し、どこか知らない遠いところへ連れてってくれないかなと夢想した事のない女性はいないのでは?
そんなローズを救ってくれたのが、ジャックで、この出来事を機会に二人の仲は急速に進展していきます。
しかし、それでもローズは母親や、わが家を助けるために、キャルとの結婚を受け入れようとするのです。
ところが、身分も財産もないジャックはなんら臆する事なく、ローズにこう語りかけるのです。
君は捕われた蝶だ。
逃げなきゃ死んでしまう。
君は強いけど、君の中で燃えてる熱い炎は、やがて消えてしまう。
そう言われたローズは、ジャックに身を任せる決意をします。
タイタニックの船首に二人で立って、両手を大きく広げる場面の、なんてロマンチックで、素晴らしい事でしょう。
さながら、それはジャックとローズの夢と希望に満ちた新たな人生の旅立ちを想像させます。
そのあとで、ローズはジャックに「私を描いて」と頼み、全裸になります。
私は、ここでローズがヌードになるのに、とても共感を覚えました。
「どうして服を着たままではいけないの?」と、なかにはおっしゃる方もいるかも知れません。
だけど、この場面では、全裸でないとダメなんです。
服を着たままで、描かれるのは当たり前の事ですが、女性が全裸を見せるのは、愛する男性、ただ一人だけなのです。
ですから、女性が男性を愛していると示すためには、どうしても全裸でないと困るんです。
それに女性はいい服を着てるねと誉められるよりも、容姿を誉められた方が何倍も嬉しいものなのです。
また、全裸をすみずみまで、じっとジャックに見つめられる場面も、自分自身がそうされてるような気がして、とても恥ずかしいには違いないのですが、思わず感じちゃっていいなぁと思わずにはいられないです。(真っ赤)
それでは、先にお話を進めます。
この時点で二人は自分達の行く手に忍び寄る運命が、どんなに苛酷なものか知る由もありませんでした。
それはタイタニックが氷山と衝突した事に端を発しました。
そして、ローズがキャルから贈られた碧洋のハートが無くなったのをジャックのせいにされてしまうのです。
それがために、ジャックは柱に鎖で繋がれてしまい、ローズが懸命に助けようとします。
タイタニックが氷山と衝突したあとの物語の展開はまるでパニック映画のようで、ハラハラドキドキの連続でした。
でも、ローズのジャックを何とか助けようとする必死な姿に、愛の素晴らしさをかいま見た思いで、二人ともどうにか助かってほしいと祈らずにはいられませんでした。
だけど、二人に悲劇が訪れるのはわかっていたので、この場面に私はどうしようもなく涙がこぼれて、胸が締め付けられる思いでした…
それにしてもローズをジャックに奪われたキャルの怒りと嫉妬に狂った姿は、恐ろしいとしか言えませんでした。
彼はローズを愛しているのではないのです。
資産家であり、ビジネスマンとして成功し、お金で何でも手に入れてきたキャルに愛情のかけらはまったく見受けられず、ローズをただ独占したいという自己中心的な感情だけなのです。
自分の命が助かりたいばかりに知らない少女を自分の娘と偽って、救命ボートに乗り込んで助かろうなんて、男性として最低!
やがて、タイタニックは海中に沈み、ジャックとローズは冷たい海上に投げ出されてしまいます。
そのあと、ジャックはローズを板の上に助け出し、ジャックは板に捕まりながら冷たい海の上で…
この映画は、私に愛情の素晴らしさと、生命の尊さを教えてくれたように思います。
愛する人のために、私は死ねるだろうか。
私は精一杯、あの人を愛しているだろうか。
私の愛するあの人のように、いつ死んでも構わない生き方を、私はしているだろうか。
この映画を思い出すたびに、自分自身に問いかけずにはいられない私です…
それで、今年中にこの映画のお話を書かなければと思っていました。
この映画は公開当時、大ヒットしました。
普段、古い映画しか観ない私もあまりのヒット振りに、つい観たくなった映画でもありました。
この映画はまず脚本がよく出来てるなと思います。
現実にあった出来事を巧みに取り入れ、本当っぽく作られていて、しかもコンピューター・グラフィックスとの合成が素晴らしく、本物かと思わんばかりでした。
そして、女性のこうあってほしいという願い通りにストーリーが作られていたのが、とてもよかったと思います。
それではジェームズ・キャメロン監督はどうやって女性の心理に訴えたのでしょう。
この映画は1921年に海中に没した本物のタイタニックを撮影した映像から始まります。
最初に映し出されるのが、船首の部分、続いてデッキ。
そうして錆びれ、朽ち果てた船内を次々に映していくのです。
それらを観ているうちに、この沈没したタイタニックにどんな人々が乗り、様々なドラマがあったのか、興味をかきたてられずにはいられなくなります。
古い朽ち果てたタイタニックが、冒頭で映し出された理由は、沈没船の宝探しのハンター達が、一等客室の金庫に眠るルイ16世も所有していた「碧洋のハート」と呼ばれる56カラットのダイヤモンドを手に入れるためでした。
しかし、小型潜水艇を使って、ようやく捜し当てた金庫には碧洋のハートはなく、代わりに若い女性のヌードを描いた絵が出てくるのです。
だけど、その女性の胸には碧洋のハートとおぼしき宝石が描いてあり、このニュースはテレビで流され、「私を描いたものだ」と上品で優しそうな一人の老女が名乗り出てきます。
お婆さんが出てきて、本当に私は感動出来るのかなと、少し不安が脳裏をかすめ、半信半疑になりかけました。
ところが、金めのものにしか目のない不格好な宝探しのハンターが、「百歳を越えた詐欺師だ」と、お婆さんを罵倒するに及んで、「何、とんでもない事言い出すのよ。あんたみたいな、およそ女性に一度もモテた事のないブ男には理解出来ないかも知れないけど、世の中には恋愛という、とってもロマンチックで尊いものがあるんだから!」
と、お婆さんにロマンチックなお話を期待する気持ちに傾いてしまうのです。
この映画の主人公、ローズは上流階級の出身で、破産しかかったわが家を救うために、母親に強制される形で、資産家のキャルと婚約して、ともにタイタニックに乗船していたのです。
そのタイタニックに、ジャックという貧しいけれど、夢と希望だけは人一倍持っている画家を目指す青年がギャンブルで得たお金で乗り込むのです。
ローズは、キャルとの結婚に失望していました。
私には、すでに先の人生が見えた。
来る日も来る日もパーティーとダンス、ヨットやポロ観戦…
いつも同じ顔ぶれ、くだらないお喋り…
それはまさに断崖に立たされた気持ち…
誰も引き戻してくれず、気づいてくれる人さえいない…
そう思い詰めたローズはタイタニックから飛び降り、死のうとします。
これも、よく理解出来ます。
誰だって思い通りの人生を歩んでいる人は、なかなかいないですから。
突然、素敵な男性が現れて、今の生活から救い出し、どこか知らない遠いところへ連れてってくれないかなと夢想した事のない女性はいないのでは?
そんなローズを救ってくれたのが、ジャックで、この出来事を機会に二人の仲は急速に進展していきます。
しかし、それでもローズは母親や、わが家を助けるために、キャルとの結婚を受け入れようとするのです。
ところが、身分も財産もないジャックはなんら臆する事なく、ローズにこう語りかけるのです。
君は捕われた蝶だ。
逃げなきゃ死んでしまう。
君は強いけど、君の中で燃えてる熱い炎は、やがて消えてしまう。
そう言われたローズは、ジャックに身を任せる決意をします。
タイタニックの船首に二人で立って、両手を大きく広げる場面の、なんてロマンチックで、素晴らしい事でしょう。
さながら、それはジャックとローズの夢と希望に満ちた新たな人生の旅立ちを想像させます。
そのあとで、ローズはジャックに「私を描いて」と頼み、全裸になります。
私は、ここでローズがヌードになるのに、とても共感を覚えました。
「どうして服を着たままではいけないの?」と、なかにはおっしゃる方もいるかも知れません。
だけど、この場面では、全裸でないとダメなんです。
服を着たままで、描かれるのは当たり前の事ですが、女性が全裸を見せるのは、愛する男性、ただ一人だけなのです。
ですから、女性が男性を愛していると示すためには、どうしても全裸でないと困るんです。
それに女性はいい服を着てるねと誉められるよりも、容姿を誉められた方が何倍も嬉しいものなのです。
また、全裸をすみずみまで、じっとジャックに見つめられる場面も、自分自身がそうされてるような気がして、とても恥ずかしいには違いないのですが、思わず感じちゃっていいなぁと思わずにはいられないです。(真っ赤)
それでは、先にお話を進めます。
この時点で二人は自分達の行く手に忍び寄る運命が、どんなに苛酷なものか知る由もありませんでした。
それはタイタニックが氷山と衝突した事に端を発しました。
そして、ローズがキャルから贈られた碧洋のハートが無くなったのをジャックのせいにされてしまうのです。
それがために、ジャックは柱に鎖で繋がれてしまい、ローズが懸命に助けようとします。
タイタニックが氷山と衝突したあとの物語の展開はまるでパニック映画のようで、ハラハラドキドキの連続でした。
でも、ローズのジャックを何とか助けようとする必死な姿に、愛の素晴らしさをかいま見た思いで、二人ともどうにか助かってほしいと祈らずにはいられませんでした。
だけど、二人に悲劇が訪れるのはわかっていたので、この場面に私はどうしようもなく涙がこぼれて、胸が締め付けられる思いでした…
それにしてもローズをジャックに奪われたキャルの怒りと嫉妬に狂った姿は、恐ろしいとしか言えませんでした。
彼はローズを愛しているのではないのです。
資産家であり、ビジネスマンとして成功し、お金で何でも手に入れてきたキャルに愛情のかけらはまったく見受けられず、ローズをただ独占したいという自己中心的な感情だけなのです。
自分の命が助かりたいばかりに知らない少女を自分の娘と偽って、救命ボートに乗り込んで助かろうなんて、男性として最低!
やがて、タイタニックは海中に沈み、ジャックとローズは冷たい海上に投げ出されてしまいます。
そのあと、ジャックはローズを板の上に助け出し、ジャックは板に捕まりながら冷たい海の上で…
この映画は、私に愛情の素晴らしさと、生命の尊さを教えてくれたように思います。
愛する人のために、私は死ねるだろうか。
私は精一杯、あの人を愛しているだろうか。
私の愛するあの人のように、いつ死んでも構わない生き方を、私はしているだろうか。
この映画を思い出すたびに、自分自身に問いかけずにはいられない私です…