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奈々の これが私の生きる道!

映画や読書のお話、日々のあれこれを気ままに綴っています

漫画「まことちゃん」楳図かずお

2012-10-25 04:55:55 | 読書
私は今まで楳図かずおさんの漫画は、子供の頃に「まことちゃん」しか読んだ事がありませんでした。
それは少年サンデーに連載されていたのを、ほんの少し読んだだけで、面白かったですけど、エロくて、下品だなと思っていました。(笑)

こんなものを読んでいたら、絶対、上品で美しい大人の女性になれないに違いない。
そんな恐怖心から読むのをやめたのでした。
そうして、私の中で、ずっと楳図かずおさんという名前は封印していたのですが、最近、「イアラ」という作品を読んで、楳図かずおさんの異常なまでの才能に気づき、もう一度「まことちゃん」を読みたくなったのです。
それに、楳図かずおさんは手塚治虫先生の「新宝島」に影響されて、漫画家になったと言うではありませんか!
手塚先生を尊敬している人には、誰であれ親近感を覚えちゃう私なのです。(苦笑)
おまけに、タレントであり、漫画も描いている山咲トオルさんと、しょこたんこと中川翔子さんも楳図かずおさんを尊敬して、影響されたらしいのです。
しかし、このお二人、漫画家として、どれだけの才能があるのか、はなはだ疑問ですので、説得力はあまりないとは思いますが。(笑)

何はともあれ、私は子供の頃以来、久しぶりに「まことちゃん」を読んでみました。
とは言え、読み初めて、すぐに後悔してしまいました。(苦笑)
確かに、「まことちゃん」は面白いのですが、読めば読むほど、私が長年、築き上げてきた美意識や上品さが、音をたてて崩れ落ちる錯覚に襲われ、何度も読むのを中断する事態に陥ってしまったのです。(苦笑)

つまり、具体的に例を挙げると、「名探偵なのら」では、まことちゃんのママがお腹の調子が悪くて、パンティにビチグソがついてしまい、ハンドバッグに入れて隠したり、「水泳大会」では、お婆さんの水着が全部脱げてしまい、それをお爺さん達が大喜びするのです。
そうかと思えば、「ちびる」では、ママがおしっこをちびらないように、あそこにサロンパスを貼ったり、「犯人はだあれ」では、塗り立てのコンクリートの壁の前で、まことちゃんとパパが立ちションして、お姉さんのいたずらに驚いた拍子に、壁にあそこの跡がついたり、「お上品がお好き」では、まことちゃんを始めとする子供達が壁の割れ目からあそこだけ出して、誰なのかを当てっこしたり、そのほかママが、両足をおっぴろげて、パンティが見える場面が随所に出てくるなど、エロと下品さのオンパレードなのです。


本当にもう、書くのが恥ずかしいったら、ありゃしないわ!(真っ赤)

ここまで書く楳図かずおさんて、どういう人なの?

これではエロくて下品な人だと思われて当然ですよね?

ところが、それを危惧してというか、往生際が悪いというのか、楳図かずおさんはストーリーとまったく関係ない場面で、かなり美男子に描いた自分を登場させ、今風のかっこいい歌を歌ってるとか、郷ひろみに作詞作曲した歌を提供したとか、いかにも女性にモテたいと言わんばかりの事を書いているのです。

でも、それが功を奏して、楳図かずおさんて、本当はかっこよくて素敵な男性なのかもと思えてきちゃったりして。(苦笑)

そういったエロくて下品な内容なのですが、私が取り上げたいエピソードが二つあります。

一つは、「つるかめ湯さんにて」です。

これは、まことちゃんのお家のお風呂が故障して、まことちゃんが一人で町の銭湯に行った時のお話です。

このお話で、まことちゃんは裸踊りを披露して、大人の女性が大喜びするんです。

これが変なんです。

だいたい、大人の女性が幼稚園児のちっちゃいおちんちんを見て、ありがたがって大喜びするなんて、普通、有り得ないですから。

でも、どうして私はまことちゃんの裸踊りに引っ掛かったのでしょう?

そこで古い記憶を辿ってみたら、本物の裸踊りを見たという事実を思い出したのです!
今まで、私は大人の男性の裸踊りを三回見てるんです。(笑)
そのうち、二回は同じ人で、母の勤める職場の社長さんでした。(笑)
それは、私が小学校の低学年の頃、母の職場の人達の飲み会が我が家であった時の事です。
そのなかに社長さんも来ていて、皆さん、日ごろのお仕事の大変さを忘れて、とても楽しそうでした。

すると、宴たけなわという時、母に浴室から洗面器を持って来てと言われたのです。
これ、どうするんだろうと思いながら持って行くと、子供はよそへ行ってなさいと言われ、飲み会している隣の部屋へ追い出されちゃったのです。
それで、私はおとなしく妹達と遊んでいたのですが、キャーキャー大喜びするおばさま達の声や手拍子が聞こえてきて、すごく盛り上がってる様子だったんです。
なぜなのか興味がわいた私は襖をそっと開けて覗いて見たのです。
すると、社長さんが口紅をつけて、母の服を着たままで踊っていて、さらにその服をおばさま達の手拍子に合わせて、一枚一枚脱ぎ、それにみんな大喜びしていたのです。
そしてパンツまで脱いで、あそこが見えちゃうと思ったら、ぱっと洗面器で上手に隠すのです。
後ろを向いて、お尻が見えそうだなと思ったら、お尻を洗面器で隠したり。

そうして見えそうで見えないところが面白く、私もつい笑ってしまったのです。
それで、面白い社長さんだなぁと、私はいっぺんで社長さんを好きになったのです。(笑)

ですけど、裸踊りはエッチだなとは思いますが、よく考えると普通の踊りにエッチな要素を加える訳で、かなり難解で高度な踊りと言えるのではないでしょうか?(笑)


二つめに気になったお話は「決死のリレー」に登場するおしっこのお姉さんです。(笑)

これは人様のお庭に実っている柿の実を、まことちゃんや子供達がリレーして盗むというお話です。
まことちゃん達は追いかけて来る柿の実の持ち主から、何人も柿をバトンタッチして、盗み出そうとするのですが、お庭でおしっこをしているお姉さんに柿をビショビショにされ、食べられなくなって、がっかりしちゃうんです。

おしっこで、私はこんな思い出があります。
それは私がまだ若かった頃、当時お付き合いしていた彼が、ある日、とても思い悩んでいるふうだったのです。
私は心配になり、「どうしたの?何かあったの?」と尋ねたのですが、なかなか理由を言わなかったのです。
私は彼を好きでしたので、何とか力になりたいと、「私に出来る事なら、何でも言って。それとも私じゃ出来ない事なの?」と言ってみたのです。
ところが、彼は「君でなければ出来ない事なんだ。でも…」
と言ったので、「私、あなたのためだったら何でもする。だって、あなたが好きだもん」と、打ち明けるように説得したのです。
すると、彼は「だったら、勇気を出して言うね。君のすべてが好きなんだ!だから、君のおしっこを飲ませて!」と言ったんです。
私は、借金の肩代わりとか保証人の話だったら困るなと思っていたので、「なんだ、そんな事。私のおしっこくらいお安いご用よ」と言いかけて、はっと気づき、「え~、そんな恥ずかしい事出来な~い」と、もじもじしながら言ったんです。
それを見た彼は、「こんな恥ずかしい事を打ち明けた以上、あとには引けない。お願いだから、君のおしっこを飲ませて!」と土下座までして私に頼んだのです。

私はあまりの気持ち悪さに、いやー!」と大声あげ、ハンドバッグを土下座している彼の頭にたたき付けたかと思うと、キャーキャー叫び声をあげながら、その場を走って逃げたのです。

そのあと、私は変態さんを愛してしまった自分が情けなく、私の美しい思い出を返してと、どれだけ泣いたか知れません…(涙)


「まことちゃん」を読んで、本物の裸踊りや、おしっこにまつわる出来事を思い出した私でしたが、こんな経験を経て、今の自分が出来てるのだなぁと、ついしみじみと感慨深くなってしまいました。(苦笑)


秋の夜長、あなたも「まことちゃん」を読んで、人生の深淵に少しでもふれられてはいかがでしょうか?(笑)

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