奈々の これが私の生きる道!

映画や読書のお話、日々のあれこれを気ままに綴っています

高倉健と三島由紀夫と、奥様について

2015-07-06 20:21:54 | 読書
今回は、高倉健さんと、三島由紀夫と、その奥様について書きます。

 去年の11月10日にお亡くなりになった高倉健さんといえば、ご出演された任侠映画を

観終わった観客が映画館を出る時、健さんみたいに肩を怒らせていた人が多かったというの

は超有名なエピソードですよね。
 これはひとえに高倉健さんが、男心に男が惚れる素晴らしい男性だという現れの何よりの

証左だと思います。
 だったら、男の中の男、高倉健さんが認めた男性は当然、素晴らしい人物に決まってます

よね?
 

 アーティストの横尾忠則さんによると、なんでも高倉健さんは、1970年11月25日

に起こった三島事件に触発され、三島由紀夫の映画を製作する予定だったっていうんです!

 具体的プランも煮詰まり、健さんはロスアンゼルスに何度も渡航していて、それを見た横

尾忠則さんは「次第に健さんのなかに三島さんが乗り移っていくかのようで、僕は三島さん

の霊が高倉健さんに映画を作らせようとしているのだなと感じました」と述懐したとか。
 ところが、土壇場で未亡人の了解が得られず映画製作を断念せざるを得なくなった。
 そこで仕方なく健さんは横尾さんに電話して、「多磨霊園に一緒に墓参りしましょう。カ

メラを持ってきて下さい。一緒に撮りましょう」という事があったそうです。
 
 では、三島由紀夫は高倉健さんをどう思っていたのでしょう?

 三島由紀夫は、健さんの「昭和残侠伝 死んで貰います」を高評価していて、三島事件当

日、市ヶ谷駐屯地に向かう車内で、楯の会のメンバーと、健さんの持ち歌「唐獅子牡丹」を

歌ったそうなのです。

 
 
 また、「平凡パンチの三島由紀夫」を書いた椎根 和さんによると、高速道路を走ってい

る車の中で、椎根さんが、「こういう時は、何か音楽が、BGMがほしいですね」と三島由紀夫

に」問いかけたら、「高倉健の「網走番外地」みたいなやつね」と答えたとか。
 そして、さらに椎根さんが、「あれ?三島さんは鶴田浩二のほうが好きだったんじゃない

ですか?」と聞くと、「うん、歳のことを考えると、学生みたいにストレートに健さんと言

えなくなっちゃった。本当は高倉健のほうが好きなんだ」と喋ったそうです。
 ちなみに、鶴田浩二さんは、三島由紀夫と一か月ほどしか生年月日が離れてなく、高倉健

さんは6歳年下になるようです。 
 
 素晴らしい男同士は惹きつけあう何よりのエピソードですよね♪

 だから、三島由紀夫のファンの男性も、男らしくて素敵な人が多いのですね♪

 ところで、三島由紀夫の割腹自決をした事件の映画が撮れなかった高倉健さんは、198

0年に「動乱」という映画を撮っています。
 それは、三島由紀夫が大好きだったという二・二六事件を扱った映画で、健さんは寡黙な

青年将校である主役を演じています。
 三島由紀夫の映画を撮ろうとしていた健さんが、三島由紀夫が二・二六事件が好きだった

のを知らないはずはないですよね?
 おそらく、健さんは三島由紀夫に捧げるべく、この映画の撮影に臨んだのではないでしょ

うか?

 そして、忘れてならないのは、この映画で健さんの妻を演じた吉永小百合さんです。
 それまで、吉永小百合さんは、ただ何となく、与えられた役を演じていただけだったのが

、健さんの演技にかける凄まじい気迫と情熱で、映画に熱心に取り組む事の大切さを教わっ

たそうなのです。
 
 いい男はいい男を惹きつけるだけでなく、吉永小百合さんのような素敵な女性をも感動さ

せる何よりの証明だと思います♪

ちなみに、私は映画「動乱」を観て、三島由紀夫の二・二六事件を扱った「二・二六事件と

私」と「英霊の聲」も読んでみました。
 映画は、やはり、高倉健さんの気迫と情熱がすごかったです。
 「二・二六事件と私」は、三島由紀夫が11歳の時に事件から受けた印象と、事件の本質

についての三島由紀夫なりの考えが書かれていました。
「英霊の聲」は、事件を起こした青年将校らの霊をなぐさめ、その汚辱をそそぎ、その復権

を試みるつもりで書かれたようですが、それと同時に、(などてすめろぎは人間となりたま

いし)という一文に代表されるように、男性が気高く雄々しく生きるために、絶対者がいか

に必要かと問いかけているのが強く胸に残りました。 


次に、三島由紀夫と奥様との関係にも触れてみますね。
 奥様と、幼いお子さんが二人もいたのに、割腹自決をするなんて、とんでもない。何が何

でも死ぬべきではなかったというご意見があるようですので。
 それに、三島由紀夫はホモだったのではという説もありますしね♪
 最初に、ホモ疑惑について書きますと、私が三島由紀夫の奥さんだと仮定して、相手が女

性だったら、不倫相手に嫉妬するに違いないですが、男性とだったら、本当にうちの主人はホモなんだろうか?もしそうだったら、私への愛情は本当ではないのだろうかと、そっちの方に関心が行き、相手の男性に嫉妬するのはないような気がします。私の体やテクニックに不満があるなら、ほかの女性に走るはずですし。
 そういう意味では、不倫相手が女性でなく、ホモで、かえって良かったと思うかも知れま

せん。(笑) 

 それでは割腹自決についてですが、あの事件を三島由紀夫が起こしたあと、奥様は関係す

る人で、怪我をした一人一人に謝罪してまわったり、総監室の血まみれになったソファー、

カーテン、絨毯、机の補償額600万円をすぐに支払われたそうで、なかなかしっかりした

人だったみたいです。
 それに、三島由紀夫没後、この奥様は数々の関連書籍の出版停止、回収、絶版騒動を起こ

されたそうです。
 関連書籍の騒動は、私の推測では一見、尋常ではない事件を起こしてご主人を亡くされて

いますので、中には誹謗中傷する人も、沢山、いたと思うのです。だから、当時、幼かった

お子さんへの悪しき影響や諸々の懸念から、あのような騒動を起こしたのではないでしょう

か?
 母親にとって大切なのは、わが子の健やかな成長ですから、奥様の行動は、私はよく分か

る気がします。
 だったら、三島由紀夫はあんな事件を起こさなければよかったのにというご質問ですが、

ここで私が、あなたに気づいてほしいのは、三島由紀夫亡き後、奥様が再婚しなかったとい

う点です。
 そして、もう一人、思い起こしてほしいのは、三島事件の起きる7年前に暗殺されたアメリカの大統領ジョン・F・ケネディの奥さんのジャクリーンです。
 ジャクリーンは、大富豪のオナシスと再婚してますよね?
 普通に考えたら、三島由紀夫は自ら死を選んだのだから、奥様が再婚しても誰も文句は言

わないはずなのに、自分の意志とは関係なく、突然、命を奪われたケネディの奥さんのジャ

クリーンの方が再婚するって、おかしいと思いません?

 三島由紀夫にも、ケネディにも、共に幼い二人のお子さんがいたのだから、妻としての境

遇はまったく同じなんです。

 そりゃあ、オナシスは大富豪だから、ジャクリーンはお金に目が眩んだのさという人もい

るかも知れません。


 でも、私はジャクリーンは、ケネディに愛されてたという実感がなかったから、再婚しちゃったのだと思います。

 ケネディの女好きは超有名で、結婚してからも何人もの女性と関係があり、そのなかには

セックス・シンボルと言われたあのマリリン・モンローまでいたんです。
 そのマリリン、1962年のケネディの45歳の誕生日パーティで、体の線も露なドレス

姿で、「ハッピーバースデー・トゥ・ユー」をお色気ムンムンで歌ってるんです。
当時、ジャクリーンはケネディとマリリンが性的関係にあるのを知っていて、誕生日パーテ

ィを欠席しちゃってるんです。
 だから、ケネディが自ら死んだ訳でもないのに、さっさと再婚しちゃった訳。(笑)

 そこへいくと、三島由紀夫の奥様は愛されていた実感があったんです。
 私が、そう感じたのは、「反貞女大学」を読んだ時です。
 あの作品は、女性の読者に宛てて書かれていますが、その底辺に流れる奥様への愛情をひ

しひしと感じずにはいられませんでした。
 それとですね、三島由紀夫は割腹自決するとは、もちろん、奥様にも内緒にしていたので

すが、最後の著書、「豊饒の海」の4巻めのカバー絵を、奥様に依頼して亡くなってるんで

す。
 奥様は有名な画家の娘さんで、絵心もあったのですが、三島はそれまでカバー絵も挿絵も

奥様に頼んだ事はなく、最後の最後で初めて、描くように言ったそうなのです。
 そのカバー絵は、毎年、夏に家族旅行していた伊豆を思い出しながら描かれたのでしょうか


 青々と広がる海の向こうに、小さく船がぽつんと浮かんでいて、その上ににょきにょきと

勢いのある入道雲が浮かんでいる伊豆のホテルから眺めたような海の景色でした。



 その奥様もすでに他界されているのですが、生前、監修された三島由紀夫の写真集「グラ

フィカ 三島由紀夫」の一番、最後の写真を、家族で撮った写真にしているのが、とても印

象的です。
 夫と一緒に撮った写真もあるはずなのに、三島は自邸の一階で、奥様と二人のお子さんは

二階のベランダにいます。

 そうして離れて写っていますけど、写真を注意深く見ると、三島由紀夫も奥様も二人のお

子さんもみな、カメラのレンズという一点を見つめているのです。
 私には、それが生と死が、私達を隔ててしまったけれど、私達、家族の思いはひとつ、絆

は決して、離すことは出来ないと言っているように思えてならないのです・・・

 
 そういう事で、今回は三島由紀夫がいかに男らしくて、奥様を愛し、愛されていたかを書

きました。

 あなたは、これらのエピソード、どう思われたでしょうか?






最新の画像もっと見る