ふかごろうキリスト教神学日記

キリスト教の神学について、ふかごろうが学んだことを記して行こうと思います。

神学的発展

2006-05-22 11:15:33 | キリスト教神学入門
<今日読んだ箇所>
「キリスト教神学入門、A・E・マクグラス著」:82~84頁

<中世とルネサンスの神学的発展>

1.教父の遺産の整理

暗黒時代が終わった時神学者達は、教父時代の神学からの前進をはかりました。
神学者達は、ヒッポのアウグスティヌスの充実した著作群に目を向けることになりました。
ペトルス・ロンバルドゥスの「命題集」は、主としてアウグスティヌスからの引用(「命題」)を批判的に纏めたものです。

2.神学における理性の役割の探求

この時代には2つの神学的主題がありました。
一つは、キリスト教神学の体系化と拡大の必要。
もう一つは、そのような神学に内在する合理性の証明の必要。

これらの必要を満たすために、その方法論が議論されました。
そして、哲学をその必要を満たすための道具として使うことになりました。

13世紀に入り、アリストテレスの哲学が見直されました。
アリストテレスの哲学は、キリスト教神学を体系化させる最良の手段としての地位を獲得しました。

しかし、この流れに反対する勢力も現れました。
特に、この流れで問題になったのは、義認論です。
アリストテレス的な思想の立場から「報復的な義」と言うものが確立されていました。
この「報復的な義」においては、「義」とは「その人にふさわしいものを与える」ということです。
これに従えば、功績による義認の教理へと進むことになります。
義認は恵みによるよりは、その人間の資格によって起こるということになります。

マルティン・ルターは、アリストテレスに対してしだいに否定的になり、ついにスコラ神学的義認論を捨てることになりました。

3.神学体系の発展

この時代には、特にアウグスティヌスの神学を整理する必要が出てきました。
スコラ神学の特徴であるこの体系化への要求が洗練された神学体系を生み出しました。
この発展が最良の仕方で見られるのは、トマス・アクィナスの「神学大全」です。

エラスムス

2006-05-18 20:01:28 | キリスト教神学入門
<今日読んだ箇所>
「キリスト教神学入門、A・E・マクグラス著」:80~81頁

<ロッテルダムのエラスムス>

この人は、1469年頃~1536年の人とのこと。

彼は、ルネサンスの人文主義者の中で最重要人物と見られているそうです。

彼は、ギリシャ語の新約聖書を初めて出版したそうです。
あと、アウグスティヌスの著作も出版したそうです。

他に「キリスト教戦士の手引き」と言う画期的な本も出版しました。

この本は、教会の改革は、教会が教父と聖書に立ち返ることによってなされる、と主張しています。
また、新約聖書は「キリストの律法」であり、キリスト者はそれへの従順に召されているとのこと。
そして、エラスムスは、良く聖書を読むことを薦めています。
そういう主張をしつつも、彼は、ただ、道徳的な決まりを外面的に守れば良いとはしませんでした。
彼は、聖書を読むことが読み手を変え、神と隣人を愛する新しい促しを与えると言う示唆を与えています。

<十分の一を読み終わった>

今日で、この本の約十分の一を読み終わりました。
長かった。
1ヶ月かかってしまいました。
この調子だと、全部読み終わるのに10ヶ月ぐらいかかる計算になります。

一気に読めないことはないけど、一気に読むと頭に入りません。
なので、少しづつ読んでいます。
基本的に、一度、前日に読んで、その翌日にブログにアップする文章を作成しています。
つまり、一箇所ブログにアップするのに、2日間かけています。
1日の内で読んでアップするより、手間はかかりますが、良く覚えられるような気がします。

スコトゥス、ウィリアム

2006-05-17 14:22:27 | キリスト教神学入門
<今日読んだ箇所>
「キリスト教神学入門、A・E・マクグラス著」:78~79頁

<ドゥンス・スコトゥス>

スコトゥスは、1265年頃~1308年の人。
43才で亡くなったようです。
少し短い生涯でした。

彼はケンブリッジ、オックスフォード、パリで教え、3種類の「命題集註解」を生み出しました。

スコトゥスは、アリストテレスの知の理論の擁護者でした。
中世の初期には、ヒッポのアウグスティヌスに由来する別の知の論理が支配していました。

スコトゥスは神の意思が神の知性よりも先行し、優位にあると考えました。
これが、「主意主義」と呼ばれるものです。

スコトゥスは、イエスの母マリアの無原罪の宿りの教理を擁護しました。
スコトゥスの影響は大きく中世の終わりには「無原罪の立場」が支配的になりました。

<オッカムのウィリアム>

1285年頃~1347年の人。
この人は、多くの点でスコトゥスとかかわりのある議論のいくつかの線を発展させました。

ウィリアムは、「主意主義」の立場を擁護しました。

また、彼は、2つの教えを主に残しました。

1.オッカムの剃刀。

 これは、しばしば「倹約の原理」と呼ばれます。
 ウィリアムは、神学的にも哲学的にも単純さが徳であると主張しました。
 この剃刀は、絶対に本質的なもの以外のあらゆる仮説を排除します。

2.唯名論。

 ウィリアムは唯名論の熱心な擁護者でした。
 西ヨーロッパでは、ウィリアムのおかげで「新しい道」の影響がしだいに強くなっていきました。

トマス・アクィナス

2006-05-16 13:48:47 | キリスト教神学入門
<今日読んだ箇所>
「キリスト教神学入門、A・E・マクグラス著」:77頁

<トマス・アクィナス>

今日の箇所では、トマス・アクィナス(1225年頃~1274年)という人が紹介されていました。
彼が生まれたのはイタリアにあるロッカセッカ城だったそうです。
アクィノのランドゥルフ伯爵のいちばん末の息子であったそうです。。
「口のきけない牛」と言うあだ名が付けられていたそうです。
このあだ名から察するに太っていたのだろうと思います。

彼の主な著書:

「異教徒反駁大全」
「神学大全」

主要な論理:

・「5つの道」(神の存在証明)
・類比の原理(これは被造物を通して神を知るための神学的基礎となる)
・信仰と理性との関係

これらの論理は、この本の別の箇所で詳しく説明するとのこと。

アンセルムス

2006-05-12 18:06:02 | キリスト教神学入門
<今日読んだ箇所>
「キリスト教神学入門、A・E・マクグラス著」:76頁

<カンタベリーのアンセルムス>

なんだか、本の内容がだんだん難しくなってきました。

今日の箇所では、カンタベリーのアンセルムスと言う人が紹介されています。
1033年頃~1109年の人だそうです。

この人は、2つの重要な論理を作ったそうです。

一つは、神の存在証明。

もう一つは、キリストの十字架上の死の合理的解釈。

神の存在証明は、「存在論的証明」として知られているもので、「それ以上に偉大なものが考えられないもの」と言う命題から導き出したものです。

彼は、合理的に論理を構築しており、スコラ神学の良い面が現れているようです。