エチュードの頃

思いつきを書きとめておくために。

1980年の風景(その15)

2005-04-25 | 大田区

公園の紹介ついでにもうひとつ。
中央5丁目公園です。


この写真では「今とどこが違うんだ?」と言われそうですが、今と違うところは実は写真に写っていないところにあります。


実を言うとこの当時は、写真の左側にはまだ何も存在していなかったのです。
今は隣にアスレチック広場が作られていて、トータルで冒険心を満たすことのできる楽しい公園になっていますが、かつては中央5丁目公園といえばこの写真がその全てでした。

しかしこれだけでつまらなかったかというと全くそんなことはなく、児童公園というとほとんどが平地に作られていた中で、このように高低差のある地形を生かして上下方向に大移動できた所は当時知る限り他になく、特に上方に見える滑り台は高い場所にある上に相当の急斜面で、段ボールを使って滑る迫力は特筆ものでした。

また晴れた日など頂上や円筒形のジャングルジムに登ってみると、眼下になだらかに広がる斜面に遠くまで立ち並んだ家々が白く輝き、住宅地ならではのやさしい雰囲気に包まれてしばし幸せな気分にひたる事もできました。


大森の生き生きと活気にあふれた空気とは明らかに違う、「日曜の朝」のようなそこはかとなく満ち足りた空気。
少し場所を変えただけでこんなにも違う風景を楽しめるのは、大田区のひとつの美点であろうと思います。
コメント (2)
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