電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

『天下第一拳』リメイク

2006-05-17 19:05:55 | Weblog
昨日の『トランスポーター2』のことを書いたら、コーリー・ユンの新作情報が入ってきました。カンヌ国際映画祭ではフイルム・マーケットが開催されており、新作がここでも発表されていきますが、セレスティアル・ピクチャーズからきていたメールを見てびっくり!『KING BOXER(天下第一拳)』の新作に関してのミーティング案内が来ていたのでした。この作品は1972年に作られ、日本でもクンフー映画ブーム(当時は空手映画)のなかで公開された『キングボクサー大逆転』のリメイクなのです。日本で今、キングレコードから、香港映画のクラシックであるショウ・ブラザースの作品をDVD発売していますが、そのなかの1本として2005年12月に発売しました。この作品に関しては、全米でブルース・リーの『燃えよドラゴン』が公開される前に、香港映画で初めて全米で公開されて大ヒットした、非常に有名な作品なのです。そういえば、この前、香港でここの会社とミーティングしたときに、『少林寺三十六房』や『片腕必殺剣』等のリメイクを作ると言っていたことを思い出しました。現段階では、誰が出演するのかの情報が入っていませんが、クンフー映画ファンには楽しみな1本ではないでしょうか。
楽しみといえば、スティーブン・フォンが監督する『英雄本色』のセールもカンヌであるようなので、日本の会社がピックアップするかどうか、またこの前の香港マーケットで値段が高いといっていた『龍虎門』がピックアップされるかどうか、いろんな情報は知り合いの会社のカンヌに行った人たちが戻ってきてから、情報収集したいと思います。

トランスポーター2

2006-05-16 23:03:56 | Weblog
今日は現在お仕事中の作品のお話。『トランスポーター2』という作品の宣伝をやっております。製作・脚本をリュック・ベッソン、主演がジェイスン・ステイサムで、アクション監督がコーリー・ユンです。1作目にスー・チーが出ていたので、知っている方もいると思いますが、ストーリーを簡単に言うと、トランスポーターという仕事をしている男(依頼主から頼まれたものはかならず運ぶ)が活躍するアクション作品です。今回は引退して別の仕事(金持ちの子供の送り迎えをしている)をしているときに、事件に巻き込まれていきます。で、アクション監督が七小福出身で、ジェット・リーの『レジェンド・オブ・フラッシュファイター方世玉』シリーズの監督兼出演をしていたコーリー・ユン。アクション設計がまさに香港的です。主演を演じているジェイスン・ステイサムは、ガイ・リッチー監督の『スナッチ』などに出演していますが、元は水泳の高飛び込みの選手だったので、身体能力高いです。今回も身体が大きいのに、マーシャルアーツアクションをすることすること。時間も88分で、とにかくラストまでつっぱしっていく内容は、まさに香港のりのフランス製アクション映画といえるでしょう。
さて、これまで海外のアクションスターで有名になったスターは、すべて香港と関わりがあります。1980年代に活躍していたチャック・ノリスはブルース・リーの『ドラゴンへの道』に出演し、ジャン=クロード・ヴァンダムは、デビューの『シンデレラ・ボーイ』が香港製作のハリウッド映画で監督がコーリー・ユン。そしてその後、ジョン・ウー、ツイ・ハーク、リンゴ・ラムの香港ビッグ3の監督と1990年代に仕事をしてます。そして日本語の達者なスティーブン・セガールですが、ヴァネス・ウー主演の『猛龍』のプロデューサーをやってます。女性だとシンシア・ラスロックとかもいました。この流れから見ても、アクションはやはり香港が本場ということが立証されております。

※『トランスポーター2』6月3日より松竹・東急系にてロードショー

カンヌ国際映画祭

2006-05-15 11:59:02 | Weblog
今週から第59回カンヌ国際映画祭が始まります。審査委員長をウォン・カーウァイ、審査員にチャン・ツィイーが務めるということで驚きですが、日本の黒澤明作品をのぞいて、アジア映画を最初に認めたのが、このカンヌ国際映画祭でした。1972年に故・キン・フー監督の『侠女』が高等技術グランプリ賞を受賞して、一躍、香港(「侠女」は台湾で製作)映画が注目を浴びたのです。その後、フランスにおける香港映画の評価は高く、1980年代にツイ・ハークやジョン・ウーの作品が劇場公開され、公開週の興行収入べスト10内にランキングされてました。また、香港で撮影されたフランス映画も多々あり、フランス=香港の関係を以前から不思議に思っておりました。
また、マギー・チャンの元旦那であるオリヴィエ・アサイヤス監督は、元々フランスの有名な映画雑誌「カイエ・ド・シネマ」で批評家としても活躍し、90年代に入った頃、香港映画の特集号を書いておりました。それを見るかぎり、熱烈なマギー・ファンだったのではと感じられ、監督になってから『イルマヴェップ』を彼女で撮ったのも、まさにその思いを遂げたんだと思ったのでした。でも、結婚までしたんだから、その熱意は凄いですよね。

懐かしい写真1

2006-05-14 17:08:48 | Weblog
家のなかに溜まりにたまっている資料をときどきごそごそやると、懐かしいものが出てきます。なにせこの業界入って23年分の映画資料(亡くなった師の資料もあるので数えると36年分)があるわけですから、整理するのも大変です。キャビネ写真なんかくっついたりしていて、はがすのも一苦労(汗)。
さて、そんななかからひょいっと出てきたのが『ファースト・ミッション』の来日写真のひとコマです。この作品は1985年9月に公開されましたが、その直前に主演のジャッキー・チェンとヒロインのエミリー・チュウを来日させて、キャンペーンを行ないました。私にとっても初香港映画の宣伝で、非常に懐かしさを感じます。この写真は神主を呼んで映画のヒットを祈願した時のひとコマです。ジャッキーは『サンダーアーム 龍兄虎弟』の撮影中だったので、髪の毛が短くなってます。エミリー・チュウは日本人好みの美人女優ですが、彼女に“惚”となった香港映画好き野郎は数知れず。そんな私も惚れちゃいました(笑)ジャッキーはこのキャンペーンを終えて直接ユーゴスラビアに向かい、すぐに始めた撮影で例の大事故に遭ってしまったのでした。


新聞の記事

2006-05-13 23:49:07 | Weblog
日刊スポーツにアジアンスターというページがありますが、5月13日はめずらしく香港スター、アーロン・クォックを紹介していました。ここのところ、ここのページは韓国ばかりが占めていたのでうれしいのとともに、『ディバージェンス』の公開もあったので、宣伝を担当した人間が、がんばって売り込んだのでしょう。アーロンに+四天王のことだとかも触れていますが、小四天王の紹介のところで(ニコラス・ツェー、イーソン・チャン、ルイス・クー、エディソン・チャン)となってるんですが、あれ~、そうだったけぇと、????。またポストF4は「飛輪海」という記事などもありました。
そういえば、『スパイN』が公開された頃に、吉本興業がアーロンに触手をのばしていたと思ってたんだけど、その後、ぱったりになってしまいましたね。


気がついたかなあ

2006-05-12 23:46:26 | Weblog
映画を見ていると、時にはいろんなことに気づくことがあります。「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」の宣伝をやっている時のことでした。仕事なので3回も4回も本編を見ていたのですが、あることに気がつきました。レスリー・チャン扮するツァイサンがジョイ・ウォン扮するスー・シンの部屋にいて、そこにロウロウがやってきたので、湯おけの中にツァイサンを隠すシーンです。窒息しそうになったツァイサンにスー・シンが唇をよせて息を吹き込みますが、その時に画面ではスー・シンが着ていた服が脱げ、背中があらわになります。ジョイ・ウォンの背中のみのセミヌードに萌え~となった男性もいるかも知れませんが、私もドキっとしつつも彼女のあらわになった背中を凝視すると、あるものを見つけてしまったのです。“水着のあとが残ってる!”。え~、時代劇なのに、まじ~。そのことを来日したジョイ・ウォンに聞いたら、「気がついたの~」と笑いながら、「あれは他の作品で水着姿になって日焼けしちゃったの。」と答えてくれたのでした。その後、彼女の出演している作品をチェックして見つけたのが、「殺したい妻たちへ」で水着になっている彼女の姿でした。これ、気がついた人、いますかあ~

香港映画界=黒社会の事件簿

2006-05-11 23:50:50 | Weblog
さて、チョウ・ユンファも嫌気をさし、他のスターたちも被害をこうむったといわれる、1990年代の始めに起きた黒社会絡みの事件にはどんなものがあったのでしょうか?

●永盛電影(現・中国星)の事務所に銃弾撃ち込み事件。
チャウ・シンチーと独占契約していたウインズ(永盛電影)の代表である向兄弟/ヒョン・ブラザース(この人たちも裏関係ですが)の事務所に銃弾が撃ち込まれる。噂ではチャウ・シンチーの借り受け拒否された他の黒社会関係製作会社が撃ち込んだとの話が。

●電影工作室(フイルム・ワークショップ)火炎瓶投げ込み事件
映画を作れと強制的に言ってきた会社の仕事を断わったツイ・ハークの事務所に火炎瓶を投げ込まれ、安全確保のために24時間警備のガードマンを雇う。(事件直後に日本に来た本人から話を聞きました)

●アニタ・ムイ殴打事件
ナイトクラブで、ある黒社会系映画プロデューサーの同席を断わったアニタ・ムイが殴られ、当時、彼女のボーイフレンドだった俳優のベン・ラム(林國斌)がたくさんの加勢を引き連れてもめる。一度はその場で和解をしたものの、殴ったプロデューサーが帰り道に何者かに刺され、収容された病院で翌日、殺害される。アニタ、ベン・ラムが警察に参考人として呼ばれるが、身の危険を感じたアニタは海外へ身を隠す。この後日談で殺害に関わっていたとされる映画関係者(レイモンド・ウォン(黄百鳴)のお兄さん)がマカオで殺害されるのだが、この話を元に作られたのが、『酔生夢死的湾仔之虎』という作品。作った会社も黒社会がらみですが。

●プロデューサー射殺事件
ジェット・リーのマネージャーで、『上海1920』のプロデューサーであったジム・チョイが、尖東(チムサーチョイ・イースト)にある事務所から出てきたところを二人組に射殺される。犯人は逃亡して捕まらなかったが、プロの殺し屋の手口といわれた。殺された原因はわからずじまいだったが、彼はオランダで麻薬販売で財をなしていたのでそれに絡んだ事件といった話や、映画関係の恨みを買われたなど、いろんな噂がたった。

●女優の拉致監禁事件多発。
カリーナ・ラウの空白の3時間事件というのがあったが、強制的に映画出演を迫られた女優たちが監禁されるなどの黒社会がらみの事件が多発。

こういう事件が連続して起きたために、香港映画界は抗議のデモを行ったほどでした。しかし、俳優や映画関係者のなかに黒社会とかかわりのある人たちも前からいました。矛盾している話ですが、それまで保たれていた秩序が、他の国から入ってきた黒社会の人間たちによって、ぐちゃぐちゃにされてしまったのです。

香港映画に戻らない發仔

2006-05-10 23:45:09 | Weblog
せんだってのユンファ話に付け加えの話になりますが、彼がなぜハリウッドへ行ったかという理由のひとつに、ある時期の香港映画界の状況がありました。それは黒社会が映画界に製作会社を作っていろんなトラブルを起こしていたことに関係しています。
1990年に入り、香港映画界は記録的なヒット作が連発され、大きな利益を生んでいました。そこに香港の外からいろいろな中華系のマフィアが入り込み、マネーロンダリングのための製作会社を作ったのです。聞いたところでは、その時期、香港にある映画製作会社の7割がそっち系のかかわりがある会社だったそうです。ユンファ自体、ゴールデンプリンセス(金主)という、バス会社のオーナーが社長だった配給・興行会社とマネージメント契約をしていました。この頃のユンファといえば、どんなつまらない映画、例えば、昔、出ていた作品2本を合わせて1本の作品にした「再見英雄」なんて作品でも、お客がたくさんきていました。(私も新聞広告にだまされて香港の劇場で見ましたが)つまり彼はもっともお金になるスターだったわけです。ただ、経済界とつながりのある会社とマネージメントを結んでいるので、黒社会もなかなか手を出すことができません。ところが、ゴールデンプリンセスの社長が死去し、ゴールデンプリンセスがクローズしてしまったのです。困った彼は、「狼・男たちの挽歌 最終章」で親しくなったツイ・ハークの会社の社長だったテレンス・チャンにマネージメントを頼んだのでした。ちょうどこの頃、ユンファはジョン・ウーと製作会社マイルストーンを立ち上げ、自身の出演作品を自分の会社で製作しようとしていました。これらに絡んだテレンスのフイルム・ワークショップ退社に関して、ツイ・ハークとジョン・ウーの関係がこじれてしまいます。ハリウッドからも「狼・男たちの挽歌 最終章」のリメイクをウォルター・ヒル監督、リチャード・ギア主演で製作する動きも出ており、ジョン・ウー&チョウ・ユンファの人気がハリウッド内でささやかれ始めていました。結局はそれらのこと、そしてユンファ自身の病気のことや、執拗な黒社会の出演依頼をかわすために、最後には香港映画界から離れたのでした。
その後、ハリウッドへ進出したものの、思うような役を演じることができませんでした。時は経ち、「グリーン・デスティニー」で中華圏の作品に復帰し、そして盟友ジョン・ウーとの新作に今、臨んでいます。香港映画界というより中華映画に復帰した發仔の活躍が楽しみです。

補足ですが、ジャスミン夫人がすごくこわい、と言われるのも、以前、ユンファたちに知らせずにお金もうけに彼を利用しようとした人たちがいた、というのも、彼女がこわい理由の一つとしてあります。

本日のお買い物

2006-05-09 21:59:39 | Weblog
今日の夕方、試写の立会いで銀座のヤマハホールに行っていたのですが、合間時間があるので向かいにある福屋書店をのぞいてみました。ここの書店って某芸能プロダクションの系列なので、本や写真集を出したタレントがサイン会とかを開くので有名なのですが、時々、中古のビデオとかも販売したりするので、よく覗いてます。で、ふらふら~と二階の階段をあがると、右側がDVDの販売コーナーなのですが、ふっと見たら中古のDVDが980円で売っておりました。どれどれとみてたら、お~、お、お、と買ってしまったのが、写真の3枚のDVD。「摂氏零度」「恋はあせらず」「カルマ 震える記憶」とラッキーと思ったのですが、考えてみたら「摂氏零度」は持ってるぞ~。家にはこれまでたまった800本近いビデオのほかに、最近はDVDも集めているのですが、なにぶんにも封を開けてないものが200枚もあり・・・で、何を持っているのかリストもつけていない状況なので、わけわかんなくなっております。
ビデオもそろそろ整理しなければと思うのですが、これが捨てられないのです。なぜかというと、最近の香港映画の旧作をデジタルリマスターされたものなど、音楽が変更されていたりと、ところどころいじっているので、捨てるに捨てられないのです。例えば「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」では、タイトルクレジットが流れてレスリーのニン・ツァイサンの前で剣士が切りあいをするところなども、音楽が挿し変わっていたりしてます。あ~早くHDDにとり込んでDVDに焼かなきゃ、どんどんたまるばかりだ~


香港映画界一優しいチョウ・ユンファ

2006-05-08 21:18:55 | Weblog
もにかるさんのブログで、チョウ・ユンファ夫妻が結婚20周年を迎えたというニュースを掲載していたので、彼の話でもしようと思います。これまでもいろんな映画人に会いましたが、相手に対しての気づかいが素晴しい俳優の代表が彼と断言していえるほど、素敵なスターでした。
彼と会ったのは、ちょうど東京国際ファンタスティック映画祭の『ゴッド・ギャンブラー』上映に合わせた宣伝キャンペーンで来日していた時でした。以前在籍していたベストロン映画にひっぱってくれた元社長の井関さんに呼ばれて、テレンス・チャンとの食事の予定で帝国ホテルのロビーで待ってました。テレンスは皆さんもご存じのジョン・ウーのハリウッドでの仕事パートナーで、ジョン・ウー作品のプロデューサーに名を連ねています。彼はある時期、ツイ・ハークの会社であるフイルム・ワークショップの社長をやってました。私が『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』の宣伝をやっている時に知り合い、いろいろ手配をしてくれたのが彼でした。その後、ユンファのマネージメントをしていたゴールデン・プリンセスの消滅で、代わってマネージメントをしていたのがテレンスで、日本に来ていたのもマネージャーとしてユンファ夫妻と来日していたのです。でも、その日に香港の大スターとまさか会うとは思ってもみませんでした。テレンスがロビーの待ち合わせ時間にやってきた時に、「同席する人間いるけどいいですか?」と聞くので、「まさか!」と思っていると、向こうからやってきたのがユンファ夫妻でした。初対面だったのですが、あのにこやかな表情で挨拶をしてくれました。銀座の某有名釜飯店で食事をしたのですが、焼き鳥とかを取ってくれたり、すすめてくれたりと、いろいろ気を使っていただくことに対して恐縮するばかりでした。奥さんのジャスミンに対してもやさしくエスコートしているし、ほんと優しい人だなあと心底感じました。その優しさがあるからこそ、映画でのラブシーンはさせなかった?と言われているジャスミンの嫉妬深さをうまく包みこんでいるのだなあと思ったのでした。
彼が気を使ったのはマスコミの記者会見でもありました。『グリーン・デスティニー』の会見の最中、いきなり「今日は皆さんと一緒に写真を撮りましょう」と言って、カメラマンを雛壇にあげ、来場しているマスコミを背にして写真を撮りました。そんなことをするスターなんてこれまで聞いた事もありませんでした。
そんな彼の優しさでふっと思い出すのが、『誰かがあなたを愛している』で演じた主人公サンパンが思いを寄せた女性へ贈った素敵なラストシーン。あんな洒落たシーンは彼でなければ演じられないと思いませんか。

8月の北京

2006-05-07 18:58:28 | Weblog
『五月の恋』で生リウ・イーフェイ(劉亦菲)を見に行かれた方もいるので、私が昨年8月にチャンネルNECOの仕事で北京に行った時のお話をしたいと思います。数日前にも書きましたが、チャンネルNECOでオンエアーされる「射雕英雄伝」のリー・ヤーポン(李亜鵬)と「天龍八部」のリウ・イーフェイ(劉亦菲)の取材のためにマスコミを連れての2泊三日の旅でしたが、北京はオリンピックに向けていたるところで工事をしており、ほこりと車の排気ガスでモヤがかかっているほど空気が汚れていました。それと朝と夕方の渋滞のすさまじいのと、運転マナーがちゃんとしてないのか、いたるところで衝突事故を起こしていました。この取材旅行はいろんなトラブルが降りかかり、あらためて中国人のアバウトさには驚きをかくせませんでした。さて、某4つ星ホテルで行なわれた二人の取材ですが、部屋の中だけではなく、ホテルの中庭を借りて、撮影を行ないました。するとホテルの支配人だと思われる人が、取材の合間にちゃっかり二人と記念写真を撮っていたり、遠巻きに見てる人たちが増えたりと、回りの反応をみるのになかなか面白い現場でした。
この取材でいちばん困ったことは、リー・ヤーポンがフェイ・ウォンと結婚したと言われているのに、正式に認めるコメントを出していたので、これを聞いていいのかどうか、取材人もすごく躊躇してました。もし、聞いてへそでも曲げられてインタビューが中止になったらどうしよう、と心配をしていたのです。でも、ある方が質問したら、結婚したとは言わなかったのですが、「家族が増えたのでがんばろうと思う」と彼が答えたので、「うぁ~、これはスクープ。」と盛り上がったのでした。ちなみに彼の左手の薬指にはちゃんと真新しいシルバーの指輪をはめていたのでした。
いろいろとあった取材旅行でしたが、背が高くてワイルドな雰囲気を漂わせているリー・ヤーポンの魅力に、取材の女性陣およびこちら側の女性スタッフもメロメロになっていたのには(笑)でした。

※写真は昨年の取材での2ショット写真。(提供byチャンネルNECO)

日本のドラマ大好き、中華人

2006-05-06 18:23:34 | Weblog
政治では、日本と中国、また中国と台湾の関係が微妙ですが、こと文化となるとそんなことは関係なく、中華圏の若者たちはどんどん日本かぶれしているように思えます。
最近は足ツボマッサージとか、コンビ二とかに行くと、日本語がしゃべれる中華圏の女性がたくさん働いているのですが、彼女たちと話をすると、かならずテレビドラマの話がでます。彼女たちが日本に来た理由を聞くと、海賊版のVCDやビデオで日本のドラマを見てはまり、日本語が理解できれば楽しいだろうなあということで、日本に来てアルバイトしながら日本語の勉強をしているというのです。特に人気が高いのがキムタクで、北京に行ったときも地元旅行会社の女性ガイドも同様のことを言っておりました。上海から来ているという来日3年目の女性は、「ビューティフル・ライフ」にはまり、またタッキーも大好き!と言います。そして彼女たちが口々に言うのは「東京ラブストーリー」が大好きで、すごい人気があった!というのです。
その日本のドラマ人気がピークを迎えたのが、1990年代後半です。中国本土は海賊版が横行していましたが、ちょうど衛星放送やケーブル放送でチャンネルが多様化し、またVCDが一般化してきていた香港や台湾では、一気に見る機会が増えました。この日本のテレビドラマ・ブームがあったからこそ、香港映画に日本の俳優たちがオファーされることとなったのです。めざとい香港映画界のビジネス・マインドには感服します。
『もういちど逢いたくて 星月童話』の常盤貴子、『SPYN』の藤原紀香、『ジェネックス・コップ』『東京攻略』の仲村トオル、『フルタイム・キラー』の反町隆史などなど、また唐沢寿明、竹之内豊、松島菜々子にもオファーがあったという話も耳にしました。
香港人の日本のドラマのはまりっぷりで面白い話が、ちょうど『ブラック・マスク』の宣伝をしていた98年の12月23日のことでした。クリスマス休暇で、ツイ・ハークが若いスタッフを連れて日本に遊びに来ていたのですが、その若いスタッフたちとやはりドラマの話になって、「眠れる森」が面白いというので、「明日が最終回だよ」と言うと、「みんなより早く結末がわかってうれしい!」とにこにこしながら話していたのが思い出されます。
近年では「流星花園」や「あすなろ白書」等、台湾ドラマの原作が日本の漫画だったりしますが、この影響はますます衰えることはないでしょう。

※ちなみに、今、日本に住んでいる中国人が好きな番組のひとつに「あいのり」が入っています。

中国のアイドル

2006-05-05 13:24:22 | Weblog
日本で知られている中国の女優といえば、1980年代から90年代にかけてはコン・リー、2000年以降はチャン・ツィイーが有名です。そして中国初のアイドルスターとして知名度をあげたのがヴィッキー・チャオでした。でも、地元中国では現在、誰が人気あるのでしょうか?
昨年の夏、チャンネルNECOの仕事で北京に行ってきました。オンエアーされる「射雕英雄伝」のリー・ヤーポン(李亜鵬)と「天龍八部」のリウ・イーフェイ(劉亦菲)の取材のためでした。 リー・ヤーポンはフェイ・ウォンと結婚した俳優と聞けばおわかりでしょう。そしてリウ・イーフェイは中国でいちばん人気があるアイドルスターだと聞きました。まったく大陸の知識がなく、武侠片の衣装の彼女しか知らなかったので、実物のリウ・イーフェイに会ってびっくり!背は高くて体は細く、顔もほんと美少女。18歳といえども、まだまだあどけないところもあって、いままでの中国女優の美しさとはまったく違う、日本のアイドル美少女も負けちゃうくらいのフェイスを持った彼女でした。そんな彼女と仕事をしたことを、帰りのバスのなかで地元旅行会社の24歳の女性ガイドに話したところ、「えー、本当に!!」とびっくりした顔で逆にいろいろ聞かれてしまいました。彼女いわく、「今、北京で若い子にいちばん人気があるのが彼女だ」と言うのです。そう聞いた私は、「チャン・ツィイーはどうなの?」と聞くと、「年配の人たちに人気があるけど、若い人たちには人気がない」と彼女は答えました。
中国ではヴィッキー・チャオが登場するまで、アイドルスターというジャンルはありませんでした。しかし、ここ数年の中国社会の変化で、真のアイドルと呼べるティーンのスターが登場してきたなかのトップがリウ・イーフェイなのです。
日本ではまだまだ一部の人たちに知られていませんが、ここ1年あまり、中国ドラマのビデオ化が加速していくなかで、注目されていく一人には間違いありません。実は日本でのデビュー話も出てきているほどです。そんななか、彼女とチェン・ボーりンが共演した『五月の恋』が5月6日(土)から公開されます。なんと初日には彼女が舞台挨拶をするとのことなのです。興味のある方はぜひ彼女を生で見てみてください。その美しさとかわいらしさに驚くことでしょう。


『五月の恋』5月6日公開  東京・シネセゾン渋谷にてレイトショー
      午後9時20分の上映前に舞台挨拶  リウ・イーフェイ

シネセゾン渋谷
写真提供:トルネード・フイルム

流れた企画

2006-05-04 15:08:35 | Weblog
ツイ・ハーク監督が『頭文字D』の監督予定だったというのを書いたら、長年のつきあいである中田圭監督から香港映画で変更された企画のコメントが寄せられていたので、今日はそのお話をしたいと思います。
映画を作るにあたって、どんな国でもそうですが、企画を考えてそれを映画化するまでに長く時間がかかることもあり、諸事情で映画化されないこともあります。例えば、ツイ・ハーク監督は孫悟空をテーマにした『猿王』の企画を約20年近くも持っていますし、『男たちの挽歌』もマークがベトナムにいたパート3の話の前の話をパート4で描こうと考えてました。故キン・フー監督があたためていたアメリカ横断鉄道を作った中国人の話も、ジョン・ウー監督が映画化すると言ったきりそのままになっているなど、映画化にこぎつけるまでに多くの時間と労力がつぎ込まれ、ときには断念されたものも数多くあります。また、俳優をキャスティングしていて降りられてしまったりと、出来上がるまでにいろんな事件が起きるのです。
ジャッキー・チェンの『新ポリス・ストーリー(重案組)』は、当初ジェット・リー主演で『情歸何處』という題名でスタートし、途中『野獣刑警』に題名変更され、その後、ジェット・リーが降りたためにジャッキー・チェンが代わりに出ることとなって『黒案組』と題名が変更され、最終的に『重案組』という題名になりました。ジェット・リーは映画のイメージスチールを撮っているにもかかわらず、作品を降りた本当の理由は当事者でしかわからないと思いますが、ちょうどこの頃ぐらいに製作・配給のゴールデン・ハーベスト社とジェット・リーがギャラ問題でもめており、『野獣刑警』を降りてすぐに撮入開始されたツイ・ハーク監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱』の撮影中に、このギャラの件でジェット・リーが撮影ボイコットして、1週間雲隠れする事件が起こっています。
ツイ・ハーク監督の『ドリフト(順流逆流)』も、当初は誰も倒すことができない剣士の話をアーロン・クォック主演で企画されていました。ところがアーロン・サイドからやりたくないと断られ、この話はレオン・ライに持ち込まれたけれど、アーロンに企画された映画には出たくないとレオンサイドにも断られ、結局、企画内容が変更されて、題名のみが残ってニコラス・ツェー主演の現代劇となったのでした。
まだまだいろんな話はあるのですが、今、いちばん深刻なのは、香港映画界の状況がよくないために、名前の知られている有名監督たちでさえも、企画を持ったままで映画化できないということなのです。

精武家庭のネタ

2006-05-04 00:06:43 | Weblog
昨年の香港国際映画祭のオープニングで見た『精武家庭』は、6月に『ドラゴン・プロジェクト』のタイトルで公開されますが、この作品を見る前にかならず見ておいてほしいのが、ブルース・リーの『ドラゴン怒りの鉄拳』。なぜかというと『~怒りの鉄拳』の原題は『精武門』で、『精武家庭』の題名からわかるように、題名にひっかけと、あるシーンをしっかりパロディーにしているからです。香港映画を見るにあたって、過去の作品のパロディーがよく出てきますが、『精武家庭』のアンソニー・ウォンがブルース・リーをやっているのは必見!ぜひ元ネタ作品をチェックしてからみてほしいです。そうすれば笑いが倍増になります。ちなみに『ドラゴン怒りの鉄拳』の話は、ジェット・リーの『SPIRIT』の後日談にあたります。